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塗仏の宴 宴の支度/宴の始末



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塗仏の宴 宴の支度/宴の始末の評価: 4.14/5点 レビュー 88件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全88件 61~80 4/5ページ
No.28:
(2pt)

京極堂はどこへ向かうのか?

 分冊版ではずいぶん細かく刻まれている宴の支度・始末についてです。
 この作品で、京極堂シリーズは、これまでぎりぎり踏みとどまってきた本格ミステリーの枠組みから、自らドロップアウトしました。理由は結末に直結しますので言えませんが、犯人側の仕掛けた「あれ」は、OKなら何でもあり、という反則技。確かに、他作品で主役もつとめるあの人のあの能力も微妙だったのですが、今回のは・・・・・・。したがって、本格ファンとしてはこの評価です。まあ、もともと本格の枠組みにいないよ、と言われればそれまでですが。
 逆に、キャラクター小説としてこのシリーズを好きな方は、高評価のようですね。
 ただ、登場人物が多すぎて収拾がついていないし、全体に散漫な印象。あと、以前の作品で、たいへん深い余韻を残して生き残ったあの人が、今作であのように必然性のない登場・退場をしたのも、なんだか・・・・・。とにかく、長いし大仕掛けだし、それでいていろんな意味で憑きものがおちていない。
 あとの作品を見ても、京極氏にとっては、ターニングポイントとなったらしい1作。京極堂は、少なくともこの作品から、どこかへ向かうとは思えないのですけれど。
分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (上) (講談社文庫)より
4062753669
No.27:
(4pt)

分厚くていいv

まず、京極夏彦さんの著書の何が良いかと言うと、やはり本の分厚さ!(笑)
読み終わった後に達成感さえ湧きますv
難点としては、本が壊れやすい(破れやすい)ので、図書館で借りると、背表紙と本が分裂していること。
まぁ、買えばいいわけで・・・
内容は、今回も榎木津探偵がかっこよかったですv
彼は、サイコメタリストなのかな。
人の過去が見えるらしいです。
そんなもんが垂れ流しに見えてたら、ちょっとしんどそうです。
催眠術や薬物で人は操れるのか!?というゲーム、最初はバラバラに思えていたいろんな枝が、最終的に一つにまとまる手腕は、いつものことながら素晴らしい!
二回読むと、なおよくわかると思います。
関口センセ、壊れてないといいなぁ。
塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)より
4061820028
No.26:
(4pt)

ラストは最早ギャグ漫画

本作のラストシーンは突然ギャグ漫画に転じもうめちゃくちゃである。著者は山上たつひこの大傑作、喜劇新思想体系[野口英世の生涯]のラストシーンを意識して書いた筈である
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
4062738597
No.25:
(3pt)

道具立ての割には中身が乏しい

「京極堂」シリーズの第6作。「村が消滅した」というキャッチ・コピーとこれだけの大部である事から期待して読んだが、正直期待外れだった。この他、盛り沢山の趣向があるのだが、本質的に面白くないのである。以下ではネタを割っているので、知りたくない方は飛ばして下さい。
まず「村が消滅した」話は、読む前、村(人)が消滅したと早合点していて、それなら怪異譚や不可思議現象に繋がると予想していた。ところが、読んで見ると「村人が入れ替わった」という説明でガッカリした。そんな事ができるのは国家権力しかないではないか。
この他、前作の犯人を殺害の被害者にさせ、しかも犯人として関口を捕らえさせるというエピソードを挿入しているが、これは関口の精神構造に全面的に依存したもので、感心できない。
更に、新興宗教、気功道場、謎の少年等を登場させ、紙面を賑わせているが、それに関る不可思議な事件が全て「後催眠」で説明されるのはヒドイと思った。元々、本シリーズは本格ミステリを目指したものではないので、全て合理的に説明しろとは言わないが限度がある。「後催眠」で全てが説明できるなら、どんな不可能犯罪でも可能になってしまう。
分量の多さ、趣向の多様さに反比例するかのように中身の乏しい作品で残念である。
塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)より
4061820028
No.24:
(3pt)

ココロが不安定に・・・

 レギュラー人が次々と不可解な出来事(事件)に巻き込まれていくのですが、何とも後味の悪さと言うか気持ちの悪さに苛まれました。「はやく!はやく!京極道!憑き物を落として〜!」とコレほど思ったことはないかも・・・
 この巻のラストは驚愕!手元に『始末』の巻を用意して置くことをオススメします・・・
塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)より
4061820028
No.23:
(5pt)

文明批評としても優れたミステリー

京極堂シリーズ第6作。新書上下巻合わせて1,200頁を超える大作である。登場人物も多く、複雑な作品であり、高い集中力を持続させなければ、途中で混乱する可能性が高い。よほど記憶力のよい人でなければ、忙しい毎日の中で少しずつ読み進むのに適した読み物とはいえず、ある程度集中的な読書が要求される。本書に取り組める幸せな境遇にある読者は、そう多くないのではないか、と思う。
作品の質は非常に高い。以前の作品同様、謎の解明が読者にできるつくりではないから、これもまた推理小説として読むべきではなく、壮大なミステリーとして楽しむ読み方がよいと考える。また本作品には、共同体、とりわけ家族のあり方について示唆に富む記述が随所にみられ、緩衝剤として機能していた「あいまいさ」が近代思想によって失われつつある現代の危うさを告発している点でも、注目に値する作品である。
塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)より
4061820028
No.22:
(5pt)

宴の準備は整いました…

京極堂シリーズの集大成と思わせるようなキャスティング。
各章で過去シリーズに登場した人物を中心にして話は進んでいきます。
現段階ではそれぞれのストーリーが微妙に重なるだけで全容は想像できません。
もちろん後編(宴の後始末)があるので「?」を沢山残して終わりますが、
最後には「!!」もありました。
早く続きが読みたいです。
もちろん、前作までのシリーズを全て読まないと楽しさは激減しますので要注意。
文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)より
4062738384
No.21:
(3pt)

これはちょっと……

京極堂シリーズはどれも読みどころがあって面白いのだが、この作品に関しては他の作品よりも数段落ちる出来栄えだと思う。まずシリーズ特有の薀蓄だが、これまでの作品では無関係に見えても実は関係があったたため、いつも非常に驚かされていたのだが、この作品に関しては無関係な薀蓄が多すぎる。重要なファクターである催眠術にしても、ちょっとご都合主義、というか今までの作品では例えご都合主義であってもそうとは感じさせない力があったが、この作品にはそれもない。京極堂シリーズの中では珍しく凡作という印象
塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)より
4061820338
No.20:
(5pt)

今まで続けてきて、

 とうとう新書サイズ一冊でまとめるのは不可能になったのか、宴の始末、仕度と、事実上上下間構成。
 仕度は本当に仕度で、たぶん、始末において解決されるべき事件の始まりを予感させるものばかり。じれったいといえばじれったいが、どうしても続きが気になってしまう。
 やっぱり、この長さをノンストップで読ませるのは京極夏彦の筆致があってこそ。特に、この仕度の最後は前の女郎蜘蛛を読んだ人にはかなりの衝撃がある。
塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)より
4061820028
No.19:
(3pt)

うーん、始末が悪い。

分厚いの2冊・・・とうとう京極堂の出番。
もうこのシリーズは終わるのかと思ってじっくり読んだ本。
最後の始末がどうしても納得できず。
でも、読んでしまう。京極夏彦の魅力です。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
4062738597
No.18:
(5pt)

いいね!

今までの登場人物が続々出現!いいですね!彼らのその後のストーリーがあるってのは!いや、いいもんです。
文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)より
4062738384
No.17:
(5pt)

サスペンス色が増してます。

前作でシリーズの完成形に到った感がありましたが今作は今までとは違った意味で非常に怖い作品であり新たなるスタートともなっているのではないでしょうか。構成も従来とは趣が違い本書は連作形式、次作は従来通りの構成となっております。本書は6章から成っており各章お馴染み・懐かしいメンバーを軸に互いが微妙な共通項・関係を持ちながら徐々に進行します。(分量はありますが読み易いので即読了に到ると思います。)中でも衝撃的だったのは最終話。サスペンスが最高潮になるラストは鳥肌モノ。「始末」は更に恐怖・不気味さが全体を覆います。
文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)より
4062738384
No.16:
(4pt)

これは百鬼夜行だ

 京極堂シリーズにはめずらしい短くまとめられたひとつひとつのストーリーズ。 わらわらと出てくる新旧登場人物大集合の様相はまさに百鬼夜行。しかし多くの登場人物がなぜ必要だったのか、最後の最後にうなづけました。 今までの事件では常に巻き込まれ陰陽師だった京極堂ですが、今回は京極堂こそが事件の只中にいて、その他一味が巻き込まれというめずらしい展開です。 今回も関口君は今まで以上に散々な目に合います。関口が選ばれたのは彼がひとえに京極堂にとって知人ではなく、大きな存在だからだと信じたい。 そして今回も榎木津は大暴れです。八方塞の状況を打開するのは榎さんしかいません。 今回は彼がただの馬鹿ではなかった事を思い知らされました。  がんじがらめになるとなおさら座敷から動かなくなる京極堂 対してがんじがらめになるとなおさら大暴れする榎木津  京極堂を問いただし説得するなんて榎木津にしかできません。  15年もかけてこんな事件が起こったと考えるとぞっとする話ですが、事件が解決しても謎が残ってしまいました。 どうも京極堂の過去はただ事ではないようです。 あの黒幕との因縁もまだまだ続きそうです。 これからのシリーズもまた楽しみになりました。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
4062738597
No.15:
(4pt)

長い!じれったい!

じわじわじわじわ責められて「一体何だ!早く来い京極堂!」と叫びながら結局次巻に持ち越し、これでは蛇の生殺しだと身悶えた。関口しかり、とにかく今回は全員が踊らされる。私も一緒になって踊るぞ、といいたいくらいだ。でも、これで確信した。百鬼園先生の名前が関口の口から出た以上、正体が明確にわかる。なんでこの人はこんな読者を試すんだ?おもしろいか?おもしろそうだが。ストーリーとは別な所で妙な小細工が施されている。それがまた私達が京極っは面白い、と公言する由縁でもあるのだが。あぁもう!じれったい!色んなところでじれったい。次巻は次巻で色々大変なことになっているのだが、土台の固め方が尋常ではない。固い。我慢して長い文章を読んでいると色々楽しいのだ。是非ともご賞味くだされ。でもこの本だけではじれったいだけなので、星4つ。
塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)より
4061820028
No.14:
(5pt)

とうとう!!

『姑獲鳥の夏』から『塗仏の宴―宴の始末―』までとうとう読み終わってしまった。私はこの7冊が全部出た後に京極堂シリーズを知り読み始めたので、全く勝手なことながらこの『塗仏の宴―宴の始末―』がシリーズの最終回のような心持ちで読んできた。だから、本作も残りわずかになると、「もう、これで終わりなんだ」と寂しくなってしまい、ストーリーとはまた別に、読み進めるのが切なくなってしまった。読み終えてしまった直後には、喪失感まで残ってしまった。一読目という特別は、もうなくしてしまったからだ。いったい次は何を読んだらいいのだろうと、考えてしまった。だが、その分興奮や感動も大きかった。今までになく大きな話だった。関係ないよう思われる話が、これでもか、と言わんばかりに出てきた。覚えの悪い私なんかは、人物の関係図をいちいち書いて整理しながら読んだほどだ。その、一見関係ないような数々の話の繋がり方は今までの作品はそれぞれ違っていて、私は『魍魎の匣』を読んだときに「全部が同じものとして繋がるだけじゃないのか!」と感心したのだが本作のような話の繋がりも、気持ちが良いものだった。また、今までの作品で、私があまりにも理解できず好きになれなかった榎木津も、今回ばかりはかっこよかった。中禅寺が憑き物を落しに向かう場面はワクワクしてしょうがなかった。今までの他の作品で関わってきた登場人物たちが、再び事件に絡んでくるところなんかは、シリーズものならではの楽しみだろう。話が出来すぎた感はあるが、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」というように、全ては整合性を保っていて、更に私は嬉しくなってしまう。あえて難を言うなら、鳥口が中禅寺の心のうちを語るくだりなんかは、説明がましくて興ざめしてしまった。分かりやすくていいとはおもうが、出来れば違う形で読者に伝えてほしかった。この話は、所謂「探偵小説」じゃないから、結局最後まで読み終わった後でも分からないところが残っている。宴の始末はまだついていない。現に、私も「分からない―謎―」に、憑かれてしまったようだ。冷静に考えてみれば、まだまだ何かがおこりそうですね。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
4062738597
No.13:
(3pt)

始末がつかない

This is京極ワールド、である。この分量でも、最後まで読ませる膨大な「情報量」を詰め込んだのはさすが。少しずつ仄めかしながら、最後に怒涛の憑き物落としへなだれ込む、いつもの手法だが、情報量が多い分さらに大変なことになっている。が、「魍魎」でも少しばかり感じたことだが、京極堂が「知っていた」ことがあまりにもkeyになりすぎていて、後から読み返すと疑問に思える部分が無くもない。最後には京極堂が必ず「拝みに」やってくる、という前提で読んでしまうと、人の哀しみを祓い落とすはずの憑き物落としが、なんだか予定調和の添え物に見えてしまう、そんな違和感も感じてしまう。ま、それもこれも京極夏彦の本に対する期待が大きければこそ、これまでの作品に対する満足度が大きければこそであるが。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
4062738597
No.12:
(5pt)

話が大きい~

本当に。こんなにたくさんの登場人物をよくもまぁ収拾つけたもんです!すごい。最後の方の山場(まさに村へ行く道中)は、読みながら自分もその場にいるようにドキドキしてしまいました。いつもながら神の暴れっぷりも素敵です(笑)今回の犯人は今までの作品の犯人とは全く別な存在です。今後も絡んできそうな感じですね。楽しみです。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
4062738597
No.11:
(5pt)

さすがこの厚みにして上下巻

すごい。すごすぎるよ。プロットを作るのだけでもきっと大変だったろうなぁと思うほど、登場人物やストーリーの形成がものすごく緻密。人物相関図を書いて整理したくなってしまった。どれかどこでどうつながるのか、中盤以降にならないとまったくもって判らない。そのあたりの伏線の張り具合や、場面の変わり方、間の取り方の絶妙さはさすがだと思う。心の闇や隙間に入り込まれると、人というものはこんなにも脆いものなんだ、と思った。長年培われてきたものも、あっという間に崩れ去る。小説の中だからこそ、魅惑的を通り越して、蠱惑的だ。あの黒幕は再び登場することはあるのだろうか。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
4062738597
No.10:
(5pt)

まあ不思議は確かに、ない。

coachのかばん。JALカード。ユザワヤ友の会会員証。ゾリンゲンのポケットナイフ(貰い物)。カシオのPDA(lowest-end)。ヨメの年金手帳(なぜか二冊)。ここ3年分くらいの給与明細(せめて開封しろよ)。携帯カメラなんていらん電話。財布。一月分の私的福利厚生費全額。さあもうおわかりでしょうか。上記は本日私が東葉高速鉄道の網棚に置いてきた物の一覧です。あのね。素面だったんですよBelieve it or not。見ると不幸が訪れると言われている妖怪の描写を読んでいると、乗り換えの西船橋駅でドアが閉まりかけてる。あわてて飛び降りる。もちろん架線橋渡ってホームを移動する間も目は文庫本に釘付け。それから総武線は東船橋まで行ってからかばんがないことに気づく。京極某は至急私にカネ返せ。あなたのせいだ。いや、お金よりも重要なことが。私に憑いた京極某は、私の愚息と同名の、能弁な古本屋と雖もそう簡単には祓えまい。
文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)より
4062738384
No.9:
(5pt)

怖かったし恐かった

 彼の小説は2作目だが、なかなか面白い。1000ページ近くあるものでもあっという間に読んでしまった感じだった。それでかつ、1つ1つの話は覚えている。 最初と最後は怖かった。結構怖い。茜の一人称から死に様へいくところの淡々とした心理描写は読みたくない。現実味を帯びすぎて怖かったような気がする。その最後の「しょうけら」は最初の「おとろし」の直前にあたる。そこまで4編と過去を並べ、脱線して今に持ってくる形は、京極堂の蘊蓄じゃないか。そう言う意味でこの連作集は特殊で、最初の一編を除くと過去から現在にきているという。途中関口巽の牢獄内での様子が書かれているが、それも読みたくない。恐いのと怖いのの両方を一気に味わってしまった感じだった。最初の「おとろし」。村人全員失踪、大量殺戮・・・本当か嘘かも分からないが、新聞記事にもなっている。どう見ても恐すぎる。最終的にこれにつなげるために脱線もしてしまうし、支度ではまだつながってはいないが。 これは「宴の支度」であり、始末に続いていくのだろう。まだ読んではいないが、この「支度」も、それはそれで話は成り立っている。だがまあ、「京極堂を誘い出す計はなる」と帯にもあるように、「始末」も読んで新たに楽しめるのだと思う。しかしハイペースで読んだので疲れた。京極堂や多々良先生の蘊蓄も面白いので、その点はゆっくり読んでもいいと思う。寧ろそうお薦めする。複雑だから京極夏彦を最初に味わうなら、お薦めは出来ないと思う。面白いし、何よりホラー性のある怖さと、ミステリー性!のある恐さがかみ合っている様は最高だ。
文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)より
4062738384

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