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塗仏の宴 宴の支度/宴の始末



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塗仏の宴 宴の支度/宴の始末の評価: 4.11/5点 レビュー 82件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(2pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

色々と無理がある※ネタばれあり

このシリーズは本作を境につまらなくなる一方。
暫く新作が出ていないが、今後も続くならいずれまた堂島と笙が出てきて京極堂と再対決することになるのだろうが、うんざりだ。実につまらないものになるだろう。何が起こっても「堂島さんならできてもおかしくない!」ということになるからだ。大した説明も納得の行く記述もなく、「堂島だから」で通ってしまうとすれば実につまらない。
余程堂島を頭が良く勘も良い、隙の無い男に描きたいのだろうが、上野の駱駝の方が余程キレるし格好良い。

ハイチのゾンビパウダーの如き薬を使用して意識を混濁させ、記憶障碍を起こさせる、って簡単に書いてるけど使用量間違えば死ぬだろうに。薬効なんて個体差があるんだからすぐに覚めてしまう者もいればお亡くなりになってしまう者もいておかしくないのに、村人全員に調度良く効くなんてそんな都合の良い話があるか。

限られた体験的記憶のみを都合良く忘れてしまった、とあるが、言葉も忘れず風呂も入れるトイレも問題ないとしても、それまで住んでいた家から全く知らない他人の家にいきなり移されて「これが自分の家だ」と信じ込まされたとして、何がどこにあるのか、どの部屋がどんな広さでどういう配置なのか等全くわからない状態をおかしいと思わないのはおかしいだろう。おかしいと思っても思い出せないとして、ストレスが溜まりまくると思われる。更に、例えば熊野新宮と伊豆韮山では気候も違えば土も違う。作る作物が違う、あるいは同じ作物でも作り方のコツが異なる。そういった細かいコツや対処まできちんと差し替えるとしたら相当な時間がかかってしまうし、そこに住んでいなければわからないことも多いだろうから無理。忘れたなら忘れたで農家が作物の作り方忘れるなんて死活問題だし。なんだろう、農業や田舎をバカにしているのだろうか。

記憶を操れるのだから捜査した後忘れさせれば良い、との木場の言葉に中善寺は「そんな都合の良い記憶の改竄はできない」と答えているが、さんざん都合の良い過去の塗り換えを行ったことにしておいて今更何を言っているのかという感じ。

妖怪談義だけはそれなりに面白かったので、星2つ。
文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)より
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No.6:
(2pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

これで始末がついたのか?※ネタばれあり

事件らしい事件は起きていない、犯罪性は無いというか、誘拐監禁暴行と犯罪てんこもりではないか。殺人のみ犯さなければ犯罪にはならないってどうかしてる。

そもそも壊れた家族同士が争ったら誰が勝つかなんてどうでも良い。悪趣味な実験だかゲームだか知らないが、余程暇なんだな、という感想しかない。15年もかけてバカバカしい。
このゲームの愉しさがわからないのは愚からしいが、こんなの面白いと思う方が愚かだろう。自分の愚かさと下らなさを認めたくなくてあがいている馬鹿だとしか思えないような奴がスーパーマンのように描かれている違和感。
世間の馬鹿は長いスパンで物を考えられない上に無反省なので世界を壊し、子は親を殺し親は子を食う世の中になる、からどうした。家族も村も町も国も滅ぶからどうした。大体勝ったの負けたの下らない。法を守るのにどんな根拠があるって、法治国家だからです。迷信信じるのとはわけが違う。法治国家がイヤなら法が意味を成さない独裁国家にでも亡命したらどうか。

自分勝手に「家族が欲しかった、羨ましかった」から家族をバラバラに解体しておいて、更に家族を責める権利が何で自分にあると思い込めるのか。中善寺も言っているとおり、尾国のせいで母親は犯され、殺人を犯す破目になり、家族が家族同士で争うことになったのに、何を怒ってるんだ?

山辺を良い人だと思いたいんだか知らないが、人を殺しさえしなければ良い人ってわけじゃない。孤独に寂しく泣きながら死んでいっても憐れだとも何とも思わないくらい酷いことしてる。

笙という子供を頭の良いクールな人間に描きたかったようだけどこれも失敗している。人を殺せという催眠術は効かないと言っておきながら、内藤は催眠状態で人を殺したって証言しちゃってるし。
登場人物の殆どが笙あるいは堂島に何か言われると黙ってしまって碌に反論できないのも実につまらない。何で黙っちゃうの?宗教団体と家族ひっくるめて自分が戴くことになってるって、思い込みが解けたのに何で当然だと思い込めるのか。大体、短期間で使える団体を作るとか使える人間がどうのこうの言う割には何故織作茜を殺したのか。家族たちや付き人たちより織作茜のほうが余程使えるし、使いようがあるというもの。人を見る目は無いんだな。
大体、織作茜を酷い人なんて糾弾する権利はこの子供には無い。そのままブーメランになるからだ。
木場が催眠をかけられていることを証明できるというとそんなのは証拠にならないと断言するが、何でならないのか全く説明が無いのは何故なのか。
自分は主催者側だと散々言っていたが、最後の最後でただの駒であったことがわかったというのに、それでも堂島と一緒に行ってしまうあたり、もう救いようがない。

これだけの厚さと文章を必要とする程のものではない。稚拙さがそこここにありすぎる。
10年以上前に読んでつまらなかったのだが、今回もう一度読んでみてもやっぱりつまらないので捨てます。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
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No.5:
(1pt)

さすがにこの本ぐらいから、異常に長いだけ、マンネリ、だらだら描写が続くだけで全然面白くないと感じ始めました。

さすがにこの本ぐらいから、異常に長いだけ、マンネリ、だらだら描写が続くだけで全然面白くないと感じ始めました。初期の作品はまだ新鮮だったせいかそれなりに楽しめたのですがね。今となって振り返ると妖怪もので一生食っていこうという感じで新しいものへの取り組みとか無くなっていったと思います。それでも一応は持っていたのですが、かさばるし重いのでブックオフに売ってきました。結構私みたいな人間も多いのか100円コーナーに京極さんの本が並んでいました。物書きは単なる量産作家になってはいけませんよ。今となって振り返ると、特にこの作品は上・下巻ありその物量は半端ない割に読後感はしょぼかったなあと感じました。時間がありあまってる方は読んでもいいかもしれませんが、嫌になったら読み通さなくてもいいぐらいの出来です。それとページ数で定価を高くして利益を上げようとしてるなとも感じましたね。私の中で京極さんの評価が下がり始めた作品ですし内容も長いだけでつまらないので評価は1です。まあ昔は若かったから何とか読み通せたのかもしれませんが。今はこの分量はよほどの傑作でないと無理ですね。
塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)より
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No.4:
(2pt)

壮大な実験の失敗

前編「宴の支度」を読み終えたとき、この話がどこへ向かうのか、どう収束するのか、予想しづらかった。
本書で、それが明らかにされるのだが、さて、これで良いのか?

前編は短編集仕立てだったが、後編は長編スタイルである。
これまでのシリーズの関係者が登場し、総まとめみたいな様相を呈する。
そして、読んでいて、何か不安定さが気になる。
記述にミソがあり、そのせいである。
そのミソはラストで明らかにされるが、その作品中での必然性は説明されない。
だからこれが、単なる著者の作法上の都合にしか見えない。

そして、ストーリーの先を見えにくくするため、さまざまな人物が登場し、行動する。
それでも後編では、前編と違ってラストに向けて収束するため、次第に先が見えてくる。
すると、途中で仄めかされていたモリアーティの存在が、本作のキモであることが分かる。

そう、本作はこのモリアーティの登場こそがすべてであったのだが、それに対峙する京極堂の、なんと影の薄いことか。
レギュラー・キャラそれぞれが活躍するのだが、本作ではみんな存在感がない。
それは、あまりに周囲の状況がハデすぎる、大きすぎるためであろう。
そのためのアクションが、本作のミステリ度を低くしているのだ。

これはミステリといえるのか?
そして本シリーズは今後、どこへ向かうのか?
「邪魅の雫」以降、本シリーズが刊行されていないのは、意味があるのか?

本作は前後編合わせて、本シリーズ最長ではある。
しかし、後編を読み終えて思ったことは、シリーズ最大の失敗作である、ということだ。
収集はついているし、謎として提出されたものも、かなりが説明されている。
それでも、不満な点、説明されていない点が多々ある。
著者もおそらく、本作の未完成度合いは分かっていたのだろう。
ある意味では、著者は本作で、壮大な実験をしたのかもしれない。
しかし、失敗してしまった。
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
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No.3:
(2pt)

さらば京極夏彦

姑獲鳥、魍魎、狂骨、鉄鼠、
と読み進み、特に、魍魎、狂骨、では
頭脳を揺さぶられるような衝撃を受けました
しかし、蜘蛛、から
そのご都合主義がハナにつくようになり
(前からあったけれども)
今回の塗仏ではもう耐え切れませんでした
さんざん「ない」と言っておきながら
「ああ!こんなところに!」
ってなに?(苦笑)
いろんな妖怪の文献から話の素地をつくり
オカルトにならないぎりぎりのラインで
話を構築する力量はさすがだと思います
でももうつきあいきれないですね
(ストーリーに無関係だけど京極先生は蛍光灯の普及年をお調べになったほうがいいかも...蜘蛛での関口の「ベースギター」の件も時代錯誤だと思う)
分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (上) (講談社文庫)より
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No.2:
(2pt)

不味い料理の始末

 さて、卓上にずらりと並べられた料理を賞味する時が来ました。
「宴の支度」でいかにも不味そうに見えた料理はやはり不味く、あるものは
食べる前に引っ込められていました。一見美味しそうに見えた料理も、味付
けが酷く悪かったりすっかり冷めていたりして、食べられたものではなくなっ
てしまっていました。酷い事に缶詰やレトルト食品まで供される始末。
 今まで旨い料理を提供してくれていた京極堂、手の込んでいるはずの晩餐
は一体どうしてしまったというのでしょう?
 変な比喩ばかりを開陳してしまいましたが、読者に考えさせる楽しみを与
えるような旨い伏線もなく、ただただ驚くような意外な事ばかりが披露され
ます。それはそれで見事なのですが、手法としては大変稚拙に感じました。
また、舞台を比較的近い過去にとっているだけに、そこからの現代社会を予
言するような台詞はたった一言であっても作品全体の品位を著しく貶めてお
りファウルです。加えて、今後に含みを持たせている訳でもないのに、きれ
いに始末を付けられていない粗雑な部分も多く見受けられます。また登場人
物にしても多いばかりで十分な役割を担って居らず、登場する意味のない者
も多く居ます。
 これまでの京極作品の中でもっとも質の悪い作品になってしまっています。
大変残念に思いました
文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 塗仏の宴―宴の始末 (講談社文庫)より
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No.1:
(2pt)

京極堂はどこへ向かうのか?

 分冊版ではずいぶん細かく刻まれている宴の支度・始末についてです。
 この作品で、京極堂シリーズは、これまでぎりぎり踏みとどまってきた本格ミステリーの枠組みから、自らドロップアウトしました。理由は結末に直結しますので言えませんが、犯人側の仕掛けた「あれ」は、OKなら何でもあり、という反則技。確かに、他作品で主役もつとめるあの人のあの能力も微妙だったのですが、今回のは・・・・・・。したがって、本格ファンとしてはこの評価です。まあ、もともと本格の枠組みにいないよ、と言われればそれまでですが。
 逆に、キャラクター小説としてこのシリーズを好きな方は、高評価のようですね。
 ただ、登場人物が多すぎて収拾がついていないし、全体に散漫な印象。あと、以前の作品で、たいへん深い余韻を残して生き残ったあの人が、今作であのように必然性のない登場・退場をしたのも、なんだか・・・・・。とにかく、長いし大仕掛けだし、それでいていろんな意味で憑きものがおちていない。
 あとの作品を見ても、京極氏にとっては、ターニングポイントとなったらしい1作。京極堂は、少なくともこの作品から、どこかへ向かうとは思えないのですけれど。
分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (上) (講談社文庫)より
4062753669

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