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塗仏の宴 宴の支度/宴の始末
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【この小説が収録されている参考書籍】
塗仏の宴 宴の支度/宴の始末の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全82件 41~60 3/5ページ
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出るわ、出るわ、妖怪づくしです。上下2巻に収められた今作品は京極作品の中では最長です。なのでクライマックス、中禅寺の憑き物落としにたどりつくまで相当の分量を読まなければなりません。宴の支度は、短編で区切られていて、読みやすいです。ただ、登場人物と物語、他の登場人物との相関関係は複雑で、ミステリを解こうと想像を膨らませるにはそれ相応の集中力を必要とします。私は宴の始末編の中禅寺にすべてまかせて淡々と読みました。相変わらずところどころにちりばめられた妖怪談義に関心させられます。彼らの妖怪談義によって妖怪がただの現象に解体させられるとき、逆に、そこに不思議なものを感じます。 「世の中に不思議なものは何もない」−中禅寺の言葉に誘われて、不思議な百鬼夜行の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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京極堂シリーズのキャラクターが巻き込まれる事件、5作品の短編集ながら、西尾維新風にいえば問題編といったところでしょうか?あまりなじみのない妖怪にまつわる5つの話に、カルト、洗脳、記憶、自我など問題を内包させています。各短編は解決せず、次作の「塗仏の宴 始末編」で答えが提示されます。 | ||||
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姑獲鳥から京極堂シリーズを読み続け、読後感はこの作品が一番良かった。長い、とにかく長いのだけど展開が広ければ広いほどどうやって収束をつけるのか、楽しくてたまらなかった。この作品では京極堂が少し人間臭い。そこが良かったのかもしれない。京極堂を中心にして周りの知人友人たちがいわゆる「唆す」場面でははからずも目が潤んでしまった。 一見、本編とは関係なさそうな薀蓄話も京極堂を知る上では欠かせない要素であったと私は思う。 作品はどれも長いし本は分厚いけれど、これ以上には削れないという著者のぎりぎりの選択だと思うし、挑戦状を突きつけられ、受けたる!みたいな意気込みで読んでいる。‥とはいえ自分が好きで読んでいるんだけど。 | ||||
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とうとう2冊に分かれた京極本。覚悟はしていましたが、中を開いてみると、短編のようになっていて、思っていたより、読み進めることが出来ました。 この作品は、大変登場人物が多いです。そこで人間関係を整理する力を必要とします。 今回は今まで以上に過去の作品の登場人物が、重要な場面役割で出てきます。もう一度ウブメから読み直したくなりました。 関口君の壊れ具合は見ものです。大変心配になりました。 | ||||
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姑獲鳥、魍魎、狂骨、鉄鼠、 と読み進み、特に、魍魎、狂骨、では 頭脳を揺さぶられるような衝撃を受けました しかし、蜘蛛、から そのご都合主義がハナにつくようになり (前からあったけれども) 今回の塗仏ではもう耐え切れませんでした さんざん「ない」と言っておきながら 「ああ!こんなところに!」 ってなに?(苦笑) いろんな妖怪の文献から話の素地をつくり オカルトにならないぎりぎりのラインで 話を構築する力量はさすがだと思います でももうつきあいきれないですね (ストーリーに無関係だけど京極先生は蛍光灯の普及年をお調べになったほうがいいかも...蜘蛛での関口の「ベースギター」の件も時代錯誤だと思う) | ||||
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支度を読み終わり、さぁ始末をどうつける!?と期待して読んでいけども、始末が始まらない。結局、始末を始めるのは中盤以降という・・・。これは始末とは言えないんじゃないだろうか。まぁ始末と言えば始末なんだろうがスッキリしない。読後感も冴えない。だからこそなのか、徒然袋がかなり面白かった。始末を読み終えるまで我慢してたせいか、声を出して笑ってしまった。 | ||||
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この宴の支度では、まだ謎かけの段階です。 忽然と消えた村と村人たち、不老不死の生き物、霊能者や宗教団体など、個々のエピソードも、いつもの京極ワールドに誘引する魅力がたっぷり。 さあさあ、一体何が始まるのやら、今回は前作までを上回るすごいことが起こっているのじゃないか、と期待させてあやかしの世界に入っていくわけですが…。 さて、宴の始末はいかに? どうなんでしょう? | ||||
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この前後編2冊で、主要登場人物から過去作の登場人物まで、 捕まっちゃったり、死んじゃったりした人以外は、ほとんど 登場しました。 今まで読んできた読者は普通に楽しめるのではないでしょうか。 また、今までちょっとずつ出てきた京極堂の過去が明かされます。 そういう意味でも集大成です。 また、いつもの薀蓄もパワーアップして謎の古代文明へと言及します。 しかし、これだと影の黒幕という今までには無い、漫画チックな展開。 この人を敵として、まだ話ができそうなのでいい意味でも悪い意味でも、 かなり漫画っぽくなったな、というのが今作の印象です。 評判が悪かったので、私はこの後の作品を読んでいませんが、 作者自身もやりすぎと思ったのか、この影の黒幕には次作では、触れて いないようです。 この作品から京極堂シリーズを読んではいけません。 | ||||
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「宴の支度」から続く物語。その厚さに比例し、主要8人に朱美、織作茜まで、 登場人物の数が半端じゃない。今回は登場人物たちがそれぞれの事情で いつもよりシリアスになっており、鬱々とした中にも切迫感が増していたため、 最後の榎木津の暴れぶりに救われました。 博識京極堂によりわかりやすく語られる知識はもちろんのこと、 登場人物たちがそれぞれに魅力を放つこのシリーズですが、 やはり京極道と榎木津の登場は待ち遠しい! 厚さが増すにつれテンポダウンしていっている感がありますが、 限られた出番を楽しみに読み進めていっている自分がいじらしいです。 | ||||
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膨大なページ数を退屈させずに読ませる手腕はさすが。 だが・・・だがしかし、奇を衒い過ぎてはいないだろうか? 京極堂が謎解きを始める直前の乱闘シーンはまるでアニメか漫画だ。この作家の作品はデビュー作から全て読んでいるが、「馬鹿らしい」という五文字が始めて目の前に浮かんだ。どんでん返しの部分も、ただどんでん返しのためのどんでん返しという印象が非常に強い。「実はこういうことだったんだ」と謎解きされても、「だから何だ?」と聞き返したくなるような謎解きだった。手段が自己目的化してしまっているようだ。「爆裂」とか「爆睡」とか時代考証を無視した言葉を使うぐらいなら許せるのだが。 事件の黒幕の退場のさせ方も、次回作以降に登場させようという意図が見え見えなのが痛い。「始末」と銘打っておきながら、「続く」的なストーリーというのもいかがなものだろうか? これまでの五作、外れは一作もなかっただけにちょっと失望している。 | ||||
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当時京極堂の新作かと暢気に手に取ったものの驚愕。私的にが第一部ヤマ場を迎えた作品、シリーズを総括する序章といいますか。織作茜が関口が木場の身内が…これだけ入り組んでストーリーは錯綜しているにも拘わらず読んでいて時系列がごっちゃにならなかったことにも吃驚。 | ||||
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京極堂第6作。この作品は今までと趣向が異なり、まるで6つの短編集ともとれる構成をしている。つまりは独立した6つのストーリーが展開するのだが登場する人物はいずれも過去の京極堂の作品の登場人物で、ただ一人新顔なのが多々良先生だ。やはり京極作品は最初から順番に読むことが重要なようだ。そうでないと今のストーリーを理解できなくなりそうだ。 いつもと趣向が違うためか息抜きしながら読める。大海を泳ぎ切る感触が今までに比べて無いが、それはそれで楽しい。京極堂の全キャラクター総出演と言った感じの作品だ。 | ||||
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長い長い宴の始まり、卓上には色とりどりの料理がずらりとならべられてい ます。過去に京極堂で供された定評有る料理も、あたらしい美味しそうな料理 も・・・。ところが「なんで?」と思わせるような、いかにも不味そうな料理 も並んでいます。設えは完璧、でも給仕の態度がいつもとはちょっと違う。 「大丈夫なのかな?」という一抹の不安も過りますが、きっとこれは「宴の始 末」でちゃんと味わわせてくれるるのだろうという期待をもたせてくれるもの です。兎に角読み進んでみましょう。 劇中では完璧な関西弁を喋る俗悪で下卑た人物が登場しますが、「宴の始末」 を通して読んでも、彼に関西弁を喋らせる必然性が全くありません。非常にネ ガティブな印象を受ける性格を負わされた人物が、何の必然性もなく関西弁を 喋るというのは、どういう意図を持ってそうさせたのか作者に尋ねてみたいも のです。関西の方には不愉快に思われる方もいらっしゃるでしょう。身体的・ 精神的な障害を「障碍」と表記するほど細やかな心配りをみせる筆者だけに、 非常にこの部分は意図的なものを感じてしまい、冷水を浴びせかけられたよう な気持ちになりました。故に★ひとつ減です。 | ||||
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相変わらず面白いのだけど、始末のつけ方に不満が残るため評価が下がりました。 これで京極堂の帝国陸軍時代の秘密裡工作部隊の話は終わったように思えたので 安心しかけたのも束の間。黒幕のパワーアップ部隊が、お子様の成長なども絡め てまた登場するかのような終わり方。少しご勘弁の気分です。この黒幕の始末の つけ方が一番愉しくなかったです。 私は京極堂シリーズの1作目からここまで連続して一気に読んでいるので、本が 出るごとに「待たされた」後、いよいよ手にとって読むのとは又違う感想にな るのか、と思いますが、最後に実は何でも知っていた京極堂が全てを解決する、 というのプロットが、少々疲れてきました。 京極堂シリーズでは珍しい海千山千の成金主義、羽田氏と茜の絡みは面白かった のですが、早々に死んでしまいちょっと残念。もっともこの二人の絡みなら、 京極夏彦というより、大沢在昌の世界になるかもしれませんが。でも、この 成金オヤジ、羽田氏の会話なども、京極夏彦さすが!上手です。 また、これだけの新規キャラクターデザインを既存のサブキャラと練り合わせ 絡み合わせた手腕、京極夏彦の筆力に感動感謝して、3つ星を1つあげて4つ星 にしたいところではあります・・・流麗な筆致の新絡婦の理の次作に、骨太な 作風を持ってこれるところも作家としての懐の深さを感じます。 最後に、関口氏が非情な哀れな扱いで、少し淋しくなってきました。ジミな存在 ながら良いキャラだと思っていましたが、京極堂、榎木津が超人的にパワー アップし、ビルが建つ程の探偵料が入ったり、弟子や下僕に恵まれ、二人の 尊名が轟くのと正対照的に、敵味方双方から人間の屑のような扱いと情けを受け、 私生活もままらなず、いよいよドン底が見えてきて(どん底か)、ファンと してはだんだん淋しくなってきました、というよりちょっとイヤかな。 | ||||
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分冊版ではずいぶん細かく刻まれている宴の支度・始末についてです。 この作品で、京極堂シリーズは、これまでぎりぎり踏みとどまってきた本格ミステリーの枠組みから、自らドロップアウトしました。理由は結末に直結しますので言えませんが、犯人側の仕掛けた「あれ」は、OKなら何でもあり、という反則技。確かに、他作品で主役もつとめるあの人のあの能力も微妙だったのですが、今回のは・・・・・・。したがって、本格ファンとしてはこの評価です。まあ、もともと本格の枠組みにいないよ、と言われればそれまでですが。 逆に、キャラクター小説としてこのシリーズを好きな方は、高評価のようですね。 ただ、登場人物が多すぎて収拾がついていないし、全体に散漫な印象。あと、以前の作品で、たいへん深い余韻を残して生き残ったあの人が、今作であのように必然性のない登場・退場をしたのも、なんだか・・・・・。とにかく、長いし大仕掛けだし、それでいていろんな意味で憑きものがおちていない。 あとの作品を見ても、京極氏にとっては、ターニングポイントとなったらしい1作。京極堂は、少なくともこの作品から、どこかへ向かうとは思えないのですけれど。 | ||||
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まず、京極夏彦さんの著書の何が良いかと言うと、やはり本の分厚さ!(笑) 読み終わった後に達成感さえ湧きますv 難点としては、本が壊れやすい(破れやすい)ので、図書館で借りると、背表紙と本が分裂していること。 まぁ、買えばいいわけで・・・ 内容は、今回も榎木津探偵がかっこよかったですv 彼は、サイコメタリストなのかな。 人の過去が見えるらしいです。 そんなもんが垂れ流しに見えてたら、ちょっとしんどそうです。 催眠術や薬物で人は操れるのか!?というゲーム、最初はバラバラに思えていたいろんな枝が、最終的に一つにまとまる手腕は、いつものことながら素晴らしい! 二回読むと、なおよくわかると思います。 関口センセ、壊れてないといいなぁ。 | ||||
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本作のラストシーンは突然ギャグ漫画に転じもうめちゃくちゃである。著者は山上たつひこの大傑作、喜劇新思想体系[野口英世の生涯]のラストシーンを意識して書いた筈である | ||||
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「京極堂」シリーズの第6作。「村が消滅した」というキャッチ・コピーとこれだけの大部である事から期待して読んだが、正直期待外れだった。この他、盛り沢山の趣向があるのだが、本質的に面白くないのである。以下ではネタを割っているので、知りたくない方は飛ばして下さい。 まず「村が消滅した」話は、読む前、村(人)が消滅したと早合点していて、それなら怪異譚や不可思議現象に繋がると予想していた。ところが、読んで見ると「村人が入れ替わった」という説明でガッカリした。そんな事ができるのは国家権力しかないではないか。 この他、前作の犯人を殺害の被害者にさせ、しかも犯人として関口を捕らえさせるというエピソードを挿入しているが、これは関口の精神構造に全面的に依存したもので、感心できない。 更に、新興宗教、気功道場、謎の少年等を登場させ、紙面を賑わせているが、それに関る不可思議な事件が全て「後催眠」で説明されるのはヒドイと思った。元々、本シリーズは本格ミステリを目指したものではないので、全て合理的に説明しろとは言わないが限度がある。「後催眠」で全てが説明できるなら、どんな不可能犯罪でも可能になってしまう。 分量の多さ、趣向の多様さに反比例するかのように中身の乏しい作品で残念である。 | ||||
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レギュラー人が次々と不可解な出来事(事件)に巻き込まれていくのですが、何とも後味の悪さと言うか気持ちの悪さに苛まれました。「はやく!はやく!京極道!憑き物を落として〜!」とコレほど思ったことはないかも・・・ この巻のラストは驚愕!手元に『始末』の巻を用意して置くことをオススメします・・・ | ||||
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京極堂シリーズ第6作。新書上下巻合わせて1,200頁を超える大作である。登場人物も多く、複雑な作品であり、高い集中力を持続させなければ、途中で混乱する可能性が高い。よほど記憶力のよい人でなければ、忙しい毎日の中で少しずつ読み進むのに適した読み物とはいえず、ある程度集中的な読書が要求される。本書に取り組める幸せな境遇にある読者は、そう多くないのではないか、と思う。 作品の質は非常に高い。以前の作品同様、謎の解明が読者にできるつくりではないから、これもまた推理小説として読むべきではなく、壮大なミステリーとして楽しむ読み方がよいと考える。また本作品には、共同体、とりわけ家族のあり方について示唆に富む記述が随所にみられ、緩衝剤として機能していた「あいまいさ」が近代思想によって失われつつある現代の危うさを告発している点でも、注目に値する作品である。 | ||||
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