黒いトランク

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評判

黒いトランクの評価:

4.28/5点 レビュー 40件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.28pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全78件 61〜78 4/4ページ
No.18
(5pt)

異色の鬼貫警部もの

鬼貫警部自身が事件の関係者であり、被害者や容疑者達の名前や、殺人の動機等
一連のシリーズと趣を異にしている。
犯行の概要や探偵役が途中で交代する点等、明らかに「樽」を意識しているが、
「樽」よりも展開が早く、事件の経過や解明の過程が整理されて書かれているので
わかりやすいと感じられる。
昔に読んだのだが、トリックや本筋の細かいところは忘れても、鬼貫の「最初からないです」や、
手紙の「化けて出るぞ、かか。」、ラストの丹那刑事の「解りませんな」等々のやりとりは
印象的で記憶に残っている。
本作を読んで以降、他の作品で地道に事件を追う鬼貫に同情的になってしまう。
鮎川氏はこれを狙っていたのだろうか?
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.17
(5pt)

異色の鬼貫警部もの

鬼貫警部自身が事件の関係者であり、被害者や容疑者達の名前や、殺人の動機等
一連のシリーズと趣を異にしている。
犯行の概要や探偵役が途中で交代する点等、明らかに「樽」を意識しているが、
「樽」よりも展開が早く、事件の経過や解明の過程が整理されて書かれているので
わかりやすいと感じられる。
昔に読んだのだが、トリックや本筋の細かいところは忘れても、鬼貫の「最初からないです」や、
手紙の「化けて出るぞ、かか。」、ラストの丹那刑事の「解りませんな」等々のやりとりは
印象的で記憶に残っている。
本作を読んで以降、他の作品で地道に事件を追う鬼貫に同情的になってしまう。
鮎川氏はこれを狙っていたのだろうか?
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034
No.16
(5pt)

アリバイ破りの金字塔

クロフツの樽を遥かに凌駕する傑作です。ぜひ一読を。
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.15
(5pt)

アリバイ破りの金字塔

クロフツの樽を遥かに凌駕する傑作です。ぜひ一読を。
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034
No.14
(5pt)

本格              繋ぐ              社会派

一級の本格推理小説としながら、ある意味鉄道小説としても愉しめる本作で難攻不落の事件に
立ち向かう鬼貫(おにつら)警部の姿には勇気に近いものがわいてくる。
彼の1+1=2という几帳面且つ誠実な性格描写があるからこそ、この作品には《論理の道》み
たいなものが存在し、読者自身が鬼貫といっしょに靴底をすり減らしながら魅惑の謎に対して
智恵を絞るなんとも愉しい体験ができます。
いわゆる推理小説の分類に、フーダニット(誰が犯人なのか)、ハウダニット(どのように
犯罪を成し遂げたのか)、ホワイダニット(なぜ犯行に至ったのか)とあり、犯人当ての妙
からトリックの妙へ、そして繊細な動機を捉える読物に進化していった推理小説の歴史上に
おいて、この『黒いトランク』が本格の後、隆盛を誇った社会派の流れに与えた影響はもの
凄く大きいんじゃないだろうか?と個人的には強く思う。
メインのトリックの衝撃だけで収束せずにその一歩先まで見据えていたからこそ、本作は本格
でありながら、あまりに繊細な人間関係を描き出す事に成功しており、まさに戦後本格から
社会派主流に移行する一瞬間に存在したこれ以上でもこれ以下でもない絶妙の輝きだ。
それ故なおさら星影龍三タイプの名探偵では為り得る筈もなく、鮎川先生の枠に捉われない
発想が、鬼貫のコツコツ型大器晩成的性格と融合(もはや独立した存在)するという発想と
構成の矛盾、その矛盾が比類ない完成度に繋がったんだろう。
いや、結局謂うならば、散々賞讃しながらアレだが、この一冊は《推理小説》を意識(思考)
するというよりも体験(そのもの)なのであって、特に読者を選ばず万人が愉しめるだろう。
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.13
(5pt)

本格              繋ぐ              社会派

一級の本格推理小説としながら、ある意味鉄道小説としても愉しめる本作で難攻不落の事件に
立ち向かう鬼貫(おにつら)警部の姿には勇気に近いものがわいてくる。
彼の1+1=2という几帳面且つ誠実な性格描写があるからこそ、この作品には《論理の道》み
たいなものが存在し、読者自身が鬼貫といっしょに靴底をすり減らしながら魅惑の謎に対して
智恵を絞るなんとも愉しい体験ができます。
いわゆる推理小説の分類に、フーダニット(誰が犯人なのか)、ハウダニット(どのように
犯罪を成し遂げたのか)、ホワイダニット(なぜ犯行に至ったのか)とあり、犯人当ての妙
からトリックの妙へ、そして繊細な動機を捉える読物に進化していった推理小説の歴史上に
おいて、この『黒いトランク』が本格の後、隆盛を誇った社会派の流れに与えた影響はもの
凄く大きいんじゃないだろうか?と個人的には強く思う。
メインのトリックの衝撃だけで収束せずにその一歩先まで見据えていたからこそ、本作は本格
でありながら、あまりに繊細な人間関係を描き出す事に成功しており、まさに戦後本格から
社会派主流に移行する一瞬間に存在したこれ以上でもこれ以下でもない絶妙の輝きだ。
それ故なおさら星影龍三タイプの名探偵では為り得る筈もなく、鮎川先生の枠に捉われない
発想が、鬼貫のコツコツ型大器晩成的性格と融合(もはや独立した存在)するという発想と
構成の矛盾、その矛盾が比類ない完成度に繋がったんだろう。
いや、結局謂うならば、散々賞讃しながらアレだが、この一冊は《推理小説》を意識(思考)
するというよりも体験(そのもの)なのであって、特に読者を選ばず万人が愉しめるだろう。
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034
No.12
(4pt)

推理トリックと日本的情緒、旅情の見事な融合。好みは分かれそう

トリックの緻密さと完成度は改めて言うまでもないけれど、それを面白いと思うかどうかは好みが分かれると思う。(私は考えるのが面倒だった;)ただそれと並行して、捜査を進めていく鬼貫警部の地味で温厚なキャラクターが、全体のストーリーに何とも言えない人間味と情緒を与えている。
中国〜九州地方の地理に疎い私には、情景が一度読んだだけではあまりぴんとこなかったけれど、ストーリーは人間模様と情緒、そして旅情さえも感じさせる、色々な意味で西洋にはないだろう独特の「湿気」ともいえる雰囲気を醸し出している。
推理小説の古典的名著というと、今の時代においては「古色蒼然」としてしまっているものもあるけど、この本は全然そんなことはない。推理小説ファンならぜひ一読をすすめたい。
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.11
(4pt)

推理トリックと日本的情緒、旅情の見事な融合。好みは分かれそう

トリックの緻密さと完成度は改めて言うまでもないけれど、それを面白いと思うかどうかは好みが分かれると思う。(私は考えるのが面倒だった;)ただそれと並行して、捜査を進めていく鬼貫警部の地味で温厚なキャラクターが、全体のストーリーに何とも言えない人間味と情緒を与えている。
中国〜九州地方の地理に疎い私には、情景が一度読んだだけではあまりぴんとこなかったけれど、ストーリーは人間模様と情緒、そして旅情さえも感じさせる、色々な意味で西洋にはないだろう独特の「湿気」ともいえる雰囲気を醸し出している。
推理小説の古典的名著というと、今の時代においては「古色蒼然」としてしまっているものもあるけど、この本は全然そんなことはない。推理小説ファンならぜひ一読をすすめたい。
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034
No.10
(5pt)

何と美しい文体

1956年7月10日発表。御大鮎川哲也のデビュー作。実際はGHQに勤務の傍ら那珂川透、薔薇小路棘麿、青井久利、中河通、宇田川蘭子などの多々なる筆名を用いつつ、1950年に『宝石』の100万円懸賞の長篇部門に『ペトロフ事件』が入選しているので正確な意味での文壇デビューとはいえないかもしれないが・・・。本作を読んで感じ入るのは単にプロットが精緻にできているということでなく、一文一文の文章表現ですら精緻で、深い教養をバックグラウンドに抱えているのが良く分かることだ。文体の美しさはまるで中島敦の『山月記』を読んでいる時のような気持ちになった。そして随所に出てくる傑作の情景、たとえば石川達三の『日陰の村』や北原白秋、なんとエラリー・クイーンのライツビィルまで飛び出してきて驚き・感激である。傑作として生き残る作品というのは本作のようにすべてにおいて流麗華麗かつ精緻なるものなのだと感心してしまった。さすがである。
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.9
(5pt)

何と美しい文体

1956年7月10日発表。御大鮎川哲也のデビュー作。実際はGHQに勤務の傍ら那珂川透、薔薇小路棘麿、青井久利、中河通、宇田川蘭子などの多々なる筆名を用いつつ、1950年に『宝石』の100万円懸賞の長篇部門に『ペトロフ事件』が入選しているので正確な意味での文壇デビューとはいえないかもしれないが・・・。本作を読んで感じ入るのは単にプロットが精緻にできているということでなく、一文一文の文章表現ですら精緻で、深い教養をバックグラウンドに抱えているのが良く分かることだ。文体の美しさはまるで中島敦の『山月記』を読んでいる時のような気持ちになった。そして随所に出てくる傑作の情景、たとえば石川達三の『日陰の村』や北原白秋、なんとエラリー・クイーンのライツビィルまで飛び出してきて驚き・感激である。傑作として生き残る作品というのは本作のようにすべてにおいて流麗華麗かつ精緻なるものなのだと感心してしまった。さすがである。
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034
No.8
(4pt)

腰を据えて読めば

いわずと知れた名作ですが、第一印象はまず、「複雑」でした。軽くみてはいけません。じっくり咀嚼しながら読み進めてください。トランクとその中身と人の動きが複雑なのは確かですが、焦らずじっくり読み進めば必ず楽しめるでしょう。特に本格ファンは満足できると思われます。謎解きできるかと聞かれると、ちょっと無理だと言わざるを得ませんが、緻密なトリックの積み重ねには脱帽です。
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.7
(4pt)

腰を据えて読めば

いわずと知れた名作ですが、第一印象はまず、「複雑」でした。軽くみてはいけません。じっくり咀嚼しながら読み進めてください。トランクとその中身と人の動きが複雑なのは確かですが、焦らずじっくり読み進めば必ず楽しめるでしょう。特に本格ファンは満足できると思われます。謎解きできるかと聞かれると、ちょっと無理だと言わざるを得ませんが、緻密なトリックの積み重ねには脱帽です。
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034
No.6
(5pt)

メモの用意を忘れずに

私が読んだのはこの「創元推理文庫版」、いわゆる推敲された決定版。ちなみに「光文社文庫版」のほうは、最初に発表されたままのものだそうだ。で、このお話は、作中にもでてくるクロフツの「樽」を思わせる作品であることは有名な話だ。読んでみて実際どうだったかというと似てなくもないし何ともよくわからない。ただ、それを抜きにしても純粋に面白いお話であることはいえる。トランクのたどる経路やアリバイのトリックを、こつこつと紐解いていく鬼貫刑事の粘り強さに脱帽だ。しっかりとした筋立ては読んでても飽きないし、やはり実力がなければこうは書けまい。「樽」と比較して云々いうなんて野暮なことはせず、純粋にこの作品を読んで本格推理を楽しめばよいのだ。ただ、「光文社文庫版」との読み比べは是非やってみたいな。どちらにしろこの本を読むときは、是非メモの用意をして読むことをすすめたい(笑)。
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.5
(5pt)

メモの用意を忘れずに

私が読んだのはこの「創元推理文庫版」、いわゆる推敲された決定版。ちなみに「光文社文庫版」のほうは、最初に発表されたままのものだそうだ。で、このお話は、作中にもでてくるクロフツの「樽」を思わせる作品であることは有名な話だ。読んでみて実際どうだったかというと似てなくもないし何ともよくわからない。ただ、それを抜きにしても純粋に面白いお話であることはいえる。トランクのたどる経路やアリバイのトリックを、こつこつと紐解いていく鬼貫刑事の粘り強さに脱帽だ。しっかりとした筋立ては読んでても飽きないし、やはり実力がなければこうは書けまい。「樽」と比較して云々いうなんて野暮なことはせず、純粋にこの作品を読んで本格推理を楽しめばよいのだ。ただ、「光文社文庫版」との読み比べは是非やってみたいな。どちらにしろこの本を読むときは、是非メモの用意をして読むことをすすめたい(笑)。
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034
No.4
(5pt)

むむむ、スゴイです。

初めてこの作品を読みましたが、一つの事件の推理の過程をここまで徹底して書いてる作品って、そうそう無いと思います。けして派手な舞台設定ではないし、天才的な探偵が登場するわけでもないので、一見地味な印象を受けるかもしれませんが、甘く見てかかると大変な目に遭います。読み進めば読み進むほど、事件のデータが揃えば揃うほど、この小説の本当の底力が読者のみなさんの頭をぎゅうぎゅうと締め付けてくる音が聞こえてくるでしょう。(笑)オススメです!
黒いトランク 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)より
4334732631
No.3
(4pt)

傑作です

言わずと知れた、鬼貫警部のアリバイくずしの大傑作。なんですが、はじめて読んだとき(角川文庫版)は、ゴチャゴチャしていてわかりづらく、おもしろいとは思えませんでした。今回、創元推理文庫で決定版が出たのを機に、評価が高いんだから自分の読みが浅かった、悪かったに違いない!と再度チャレンジしてみました。トランクや複数の人物がいったりきたり、ややこしかったという覚えがあったので、今回はメモをとりながら読み進んでビックリ、確かにややこしいんですが、よくぞここまで緻密に考え抜いたものだと感心しました。伏線の張り方も絶妙で、ホンのちょっと顔を出しただけの人物が、後から重要な意味を持っていたことに気づかされ、これまた感心。その上、他の作品ではあまり私生活を覗かせない鬼貫警部の若かりし頃、学生時代の生活や恋愛について書かれていて、ファンにはトリックがどうのこうのより、こっちのほうが興味深く読めるのではないでしょうか。警察組織の中にいる人物が、有給休暇をとって知り合いの関係した事件を調査する、それに警察も協力する、などのちょっと不自然かな?と思えるところもありますが、なるほど、傑作の名にふさわしい本格ミステリです。
黒いトランク (角川文庫 緑 374-1) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (角川文庫 緑 374-1)より
4041374014
No.2
(5pt)

読み比べ

ほぼ同じ時期に、光文社文庫と創元推理文庫とで出た『黒いトランク』。角川文庫版がズーッと手に入りにくい状態だったので、ファンとしてはよろこばしいかぎり。創元推理文庫版のほうは、著者の手で何度も加筆・訂正されて、いくつもの版のある中から良いところ取りをしてまとめられた決定版とのこと。一方、この光文社文庫のほうは、一番はじめに発表された形のままなのだそうです。読み比べてみると、トリックや犯人など重要な部分は同じ。違っているのは、地名(創元推理文庫のほうは実際にある地名(若松、二島など)で、光文社のほうは若松→赤松、二島→札島などと変えてある)、人名(毛塚と手塚など)ぐらいの些細なところ。ほかには、光文社文庫のほうをもとにして、削られたり加えられたりした個所が創元推理文庫にあるくらい。どちらもよくできた緻密なミステリです(あたりまえですね)。ただ一カ所、創元推理文庫では削られていた最後の一行、これがとても切なく感慨深い。男の哀愁を感じます。ほとんど違いのない同じ作品で好き嫌いを決めるのもおかしなことですが、この一行があることで、私は光文社文庫版のほうが好きですね。
黒いトランク 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)より
4334732631
No.1
(4pt)

傑作です

言わずと知れた、鬼貫警部のアリバイくずしの大傑作。なんですが、はじめて読んだとき(角川文庫版)は、ゴチャゴチャしていてわかりづらく、おもしろいとは思えませんでした。今回、創元推理文庫で決定版が出たのを機に、評価が高いんだから自分の読みが浅かった、悪かったに違いない!と再度チャレンジしてみました。トランクや複数の人物がいったりきたり、ややこしかったという覚えがあったので、今回はメモをとりながら読み進んでビックリ、確かにややこしいんですが、よくぞここまで緻密に考え抜いたものだと感心しました。伏線の張り方も絶妙で、ホンのちょっと顔を出しただけの人物が、後から重要な意味を持っていたことに気づかされ、これまた感心。その上、他の作品ではあまり私生活を覗かせない鬼貫警部の若かりし頃、学生時代の生活や恋愛について書かれていて、ファンにはトリックがどうのこうのより、こっちのほうが興味深く読めるのではないでしょうか。警察組織の中にいる人物が、有給休暇をとって知り合いの関係した事件を調査する、それに警察も協力する、などのちょっと不自然かな?と思えるところもありますが、なるほど、傑作の名にふさわしい本格ミステリです。
黒いトランク (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 黒いトランク (創元推理文庫)より
4488403034