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姑獲鳥の夏



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姑獲鳥の夏の評価: 4.05/5点 レビュー 265件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.05pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全198件 101~120 6/10ページ
No.98:
(4pt)

なんかホームズに似ているな

 表題のようなことを書くと、「こいつはあほか」、と思われてしまうかもしれない。「どこが似てるんだ」、と。でも、(1)構図は似てますね。何でもお見通しな主人公がいて、その主人公の活躍を普通の人(関口)が語っていく。(2)その当時としては、最新の科学の成果が盛り込まれている。ホームズでは指紋、土の分析など科学的捜査方法。この本では、民俗学や物理学の知識(物理は最新とはいえないが・・・)。(3)その作品が持つ独特の雰囲気を味わうために読む。今日、ホームズの謎解きにわれわれは満足できない。では、何故読むのかといえば、古きよき時代の雰囲気、イギリスが最も輝いていたビクトリア朝の雰囲気を味わうためである。この本では、おどろおどろしい雰囲気を味わうためである。(4)最後に主人公が謎解きをする部分は、ジグゾーパズルが組み上がる爽快感がある。確かに謎解きが独善的で、この謎解きを理解するために前半が予習のページになっているのは確かである。知識がないと、どこからが学問の成果でどこからが作者の創作かわからない。若干読むのに骨が折れる。でもいいではないですか。細かいことは置いといて、エンターテイメントとして楽しんで読めば。わからないところは読み飛ばしてしまえば。
 ところで、この本で感心したのは、いろんな知識が総合的に程よく混ざっている、ということです。普通、理系の人が書くとどこまでも理系に、文系の人が書くとどこまでも文系になります。また、文系でも民俗学の人が書くとどこまでも民俗学に、歴史学の人が書くとどこまでも歴史学になります。この本は7割がた文系ですが、理系の部分も頑張っている。ただ、理系の部分も文系っぽい理解の仕方だけれど。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
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No.97:
(5pt)

唯一無二の作品

普通にミステリーの傑作というとトリックや犯人探しに
独自のものがあるものをいうと思うのですが、
この作品は、そういった部分よりも宗教などの人文系の
学問の薀蓄で形成された世界観が唯一無二となっています。
好き嫌いは分かれると思いますが、はまる方には、
めちゃめちゃはまると思います。
分厚くて辟易するかもしれませんが、そういう薀蓄話が
お嫌いでなければ、あっという間に読み終えます。
面白いですよ。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.96:
(5pt)

京極堂ワールド

様々な学問の薀蓄のオン・パレードなのですが、それがこの小説の世界観の醸成にしっかり寄与しています。ですから、京極堂が延々と語る長口舌も全く気になりませんでした。むしろ、その世界観の中にどっぷりと浸かって、気持ちよささえ感じます。
事件は、密室からの失踪、十月十日を過ぎても子供の生まれない妊婦と、不可解極まりないものです。更には、新生児がいなくなる事件まで登場し、終戦直後のカストリ紙のネタになるのも当然といったところから始まります。
語り手の関口巽という三文文士が、当事者として事件に入り込んでしまい、一層の混乱を招いてゆきます。
最後は、京極堂の語りによる大団円となるのですが、悲劇が待っていました。
最高に楽しい一冊でした。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.95:
(5pt)

分冊文庫版はなかなか良いと思う

初めてこの作者の本を読んだのは、中古書籍の「狂骨・・・」でした。
シリーズ物になっていたとは知らずに、この前作のキャラの顛末やら、
以前関わった事件がホニャララ・・・と語られては前作が気になるではありませんか(笑)
商売上手な作家だなと思いつつ新刊で購入したノベルズサイズの
「姑獲鳥の夏」を買ったのは、「狂骨・・・」を読み終えた翌日だったのははるか昔。
1996年の秋の事でした。
あれから10年くらい経過して映画化の話が出て、実相寺監督がメガホンをとるという事で、
個人的に異様にテンションがあがって、ノベルズを読み返そうと思った時に数々の
予想される出来事が脳裏をかすめ、
「あの分厚い書籍を持ち歩いて読むのはちょっと疲れるな・・・」と京極ファンが
ぶちあたる壁を軽くスルーさせたのはこの分冊文庫版です。
これ以前にも文庫はありますけれど、そいつもノベルズサイズの分厚さがコンパクトになっただけの、
小型辞書よりも分厚いモノ。(縦の長さが寸詰まりになっただけやん!と思いました)
ちょっと厚めの文庫を持ち歩く分には支障もなく、
「なにそれ?辞書読んでるの?」とは訊かれずに、普通の文庫を読んでいる風に
見えるのはありがたい。
以前の作品を読み直すのにはこのサイズが適当であり、おおまかなストーリーの流れも
把握していたり忘れていた事を補完したりと、実に活躍してもらいました。
もちろん、続巻も購入し仕事の合間や時間を作ってなんとか10日くらいで
上下巻を読んだのかな・・・あの2005年の夏は。
初めて読んだ時は止められなくて、読む時間を作りながらなんとか4日で読んだ記憶がありますけどね。
分冊だから一気に買ってもいいし、1冊づつ買ってもいいし、財布の中身をみながら買えるのが、ビンボー人には丁度いい。
余談ですが、「姑獲鳥の夏」の分冊文庫を読み終えたあと、その勢いで映画も観ましたし、
DVDも購入し、あまつさえ「魍魎の匣」の分冊文庫にまで手をだしてしまいました。
講談社と作家がニヤリとほくそ笑む姿が見えそうです・・・。
分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)より
4062750457
No.94:
(5pt)

分冊文庫版はなかなか良いと思う

初めてこの作者の本を読んだのは、中古書籍の「狂骨・・・」でした。
シリーズ物になっていたとは知らずに、この前作のキャラの顛末やら、
以前関わった事件がホニャララ・・・と語られては前作が気になるではありませんか(笑)
商売上手な作家だなと思いつつ新刊で購入したノベルズサイズの
「姑獲鳥の夏」を買ったのは、「狂骨・・・」を読み終えた翌日だったのははるか昔。
1996年の秋の事でした。

あれから10年くらい経過して映画化の話が出て、実相寺監督がメガホンをとるという事で、
個人的に異様にテンションがあがって、ノベルズを読み返そうと思った時に数々の
予想される出来事が脳裏をかすめ、
「あの分厚い書籍を持ち歩いて読むのはちょっと疲れるな・・・」と京極ファンが
ぶちあたる壁を軽くスルーさせたのはこの分冊文庫版です。

これ以前にも文庫はありますけれど、そいつもノベルズサイズの分厚さがコンパクトになっただけの、
小型辞書よりも分厚いモノ。(縦の長さが寸詰まりになっただけやん!と思いました)
ちょっと厚めの文庫を持ち歩く分には支障もなく、
「なにそれ?辞書読んでるの?」とは訊かれずに、普通の文庫を読んでいる風に
見えるのはありがたい。

以前の作品を読み直すのにはこのサイズが適当であり、おおまかなストーリーの流れも
把握していたり忘れていた事を補完したりと、実に活躍してもらいました。
もちろん、続巻も購入し仕事の合間や時間を作ってなんとか10日くらいで
上下巻を読んだのかな・・・あの2005年の夏は。

初めて読んだ時は止められなくて、読む時間を作りながらなんとか4日で読んだ記憶がありますけどね。
分冊だから一気に買ってもいいし、1冊づつ買ってもいいし、財布の中身をみながら買えるのが、ビンボー人には丁度いい。

余談ですが、「姑獲鳥の夏」の分冊文庫を読み終えたあと、その勢いで映画も観ましたし、
DVDも購入し、あまつさえ「魍魎の匣」の分冊文庫にまで手をだしてしまいました。
講談社と作家がニヤリとほくそ笑む姿が見えそうです・・・。
分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)より
4062750457
No.93:
(4pt)

文系ミステリという言葉を生んだ本!

初めて読んだときの興奮は今も忘れられません。
これでもか、と襲ってくる怒涛の言葉の渦に巻き込まれて
頭がぐるぐるになりました。
言葉が大好きな人、はったりが大好きな人に
ぜひ読んで欲しい本。
この世界観をうまく伝えられない自分が悔しい。
それほど濃い世界が待ち受けています。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.92:
(4pt)

京極夏彦の原点 エッセンスは全てここに

 京極夏彦のデビュー作です。
 京極夏彦の全てはここから始まります。デビュー作らしからぬ完成度の高さと登場人物の強烈な個性で衝撃的なこの作品が、後々の京極堂シリーズの最初の一冊となります。
 主人公は、中禅寺明彦、古本屋の主人にして神主、時に憑き物落としを生業とする人物で常に不機嫌そうな顔をしています。そして、彼の同級生の関口巽。彼は一応小説家ということになっていますが、まだまだ駆け出しだし遅筆なので普段は三文文士のような事もしています。そして、不可思議な能力をもった元華族、榎木津礼二郎。そして、警官の木場修太郎。後々の主役級のキャラクターがこの巻で既に揃っています。
 時代背景は第二次世界大戦からしばらくの東京。
 この物語は、関口巽がとある奇妙な疑問を中禅寺に尋ねるところから始まります。曰く、「二十ヶ月もの間、子供を身籠り続けることは出来ると思うか?」と。産婦人科医としても有名な久遠寺医院という病院の双子の娘のうちの片方が、もう二十ヶ月以上も子供を身籠っているという風聞を彼は聞きつけていたのだ。しかし、よもやその噂の真相を突き止める事が自分の過去と向き合うことになろうとは関口巽にも予想もしていなかったことでした。。。。
 ミステリものの新しい波を起こしたこの第一作については、そのトリックが果たして「アリ」なのか「ナシ」なのかと論争されていますが、その部分に瑕疵があったとしてもこれだけの魅力的なキャラクターが造詣されたこと、またそのシリーズがその後のミステリ小説の世界の一つの流れとして大きな影響力を与えたことを考えれば、ミステリ好きの人には是非読んでみて欲しい一冊です。シリーズの後半になっていくにつれ、旧作品のキャラクター関係も入り組み、著者の衒学趣味も極まり、どんどんに話が長くなり辞書より分厚い本というのがこの京極堂シリーズの定番になっていきますが、その根本と楽しみ方はそれらの蘊蓄とキャラクターの異常なまでの個性の強さと、著者の言葉と文章に酔うことであり、そういう意味ではシリーズの全てのエッセンスが詰まったこの本こそは後のシリーズを読み続けられるかの試金石としてふさわしい一冊です。
 昨年、堤真一や阿部寛、宮迫などで映画化されましたが、今年は次巻「魍魎の匣」も近々公開予定だとか。今更手にとるのは、、と言っている人にこそ読んでほしいです。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.91:
(5pt)

興味のある方は是非!

京極堂のエッセンスというか基本理念がこの小説の前半部にぎっしり詰まってると思います、「この世で不思議なことなど何一つない」
という彼の理論にヤラレマシタ。
どなたかこれに真っ向から対抗できる理論があればぜひともご教授賜りたいです。
ページ数が、これ以降の京極堂シリーズとの比較はともかく、
他の一般的な小説よりも多いですが、
なぜかスラスラと読めてしまう構成も素晴らしいです。
少しでも興味をもったのならぜひとも読んでみることをお勧めします!
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.90:
(4pt)

京極堂の手にかかればこの世の不思議は絶滅。

いつか読もう読もうと思いつつ、その厚さに中々手を出せないでいたけれど、ついに着手しました。京極堂シリーズ。本書の装丁や京極夏彦の雰囲気から、このシリーズは妖怪退治の話だと思い込んでいました。ちょっと陰があって何でも見抜いているようなタイプの主人公が、日本の闇に巣食う妖怪をバッサバッサ退治していくという…。
ところが、あれれ。
読了したら何のことはない。妖怪ものに見せかけた純ミステリーでした。最初から何の先入観も持たずに読めば楽しめたかもしれませんが、妖怪が出てくるとばかり思い込んでいたのでちょっと拍子抜けしました。自分の思い込みに残念です。
それにしてもトリックの奇抜さ、半端じゃありません。読んでいて全貌が分かったときには思わず「マジかよ!」と叫んでしまいました。家で読んでいてよかった…。
しかしすごい発想力ですが…これはアリなのでしょうか?例のきめ台詞が最高に生きてくるしかけではあると思います。でも、うーん…アリなのか?
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.89:
(5pt)

『京極堂総論』

ミステリーファンを賛否両論の渦に巻き込んだ異色作『姑獲鳥の夏』。
確かに結末を読んだミステリーファンからは「関口〜!」という声も聞こえてきそうですが、ミステリーファンとはいえない読書子から言わせてもらうと、これはよくできた物語だ、の一言に尽きると思うのです。
京極堂は奇奇怪怪なる事件から「怪異」を剥いでゆき「単なる事実」へと解体するわけですが、その剥ぎ取ってゆく過程で逆に物語の主題の全貌がどんどんと露になるという筆者の小説作法は、掛け値なしに「お見事!」といわざるを得ないのではないでしょうか。
シリーズ第1作ということで、多少ぎこちない説明文的な部分はあるものの、ここがないと後のシリーズの楽しみが半減してしまう。そういう意味で本作は正に『京極堂シリーズの総論』といえるのではないでしょうか。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
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No.88:
(5pt)

京極堂シリーズ第1弾!

普段は古本屋、時に神主、時に陰陽師の主人公・京極堂が活躍するシリーズ第1弾。
タイトルや表紙から、ホラーの類かと思う方もいるかもしれないが、
読んでいて怖くなってくる小説では無いので、そういうのを期待して読むと
ガッカリしてしまうので要注意。
後々の作品に比べて、まだそれぞれのキャラの良さが際立っていないが、
それでも間違いなく面白い。
少し分厚い本だけれども、全然飽きない。
それは、一見長ったらしく見える文章がこの作品にとって必要であり、また必要であることが
読者にとってもわかるからだろう(そう思わせるのがとても上手い)。
このシリーズは第2弾、第3弾・・・とドンドン面白い話が続いていき、それぞれ単体で読めないこともないではないが、やはりこのシリーズ第1弾から読んで行った方が後の作品を
楽しめるのは間違いないと思うので、興味を持った方はまずコレから読むことを
オススメします。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
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No.87:
(5pt)

あまりがない。

余分な所がない。
しかし、ハードボイルドでもない。登場した人物一人一人が、なにかしら事件に関わり、なにかしら解決の糸口になってゆく。
どうでも良くなる程に話にのめり込んでしまった。
読み手は、だんだんと語り手の関口君に感化されていってしまう。語り手が、鬱の関口君だからこそ話が歪んでくる。そして、のめり込んでいってしまう。
そんな、歪んだ世界がお好みの方々にお勧めの本である。
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4061817981
No.86:
(5pt)

京極堂シリーズ第1巻

小学生の時に初めて読んでから何回か読み直しましたがやっぱり面白いです!
京極さんの文章は淡白な感じが好きです。読みやすい。
それと魅力的なキャラクター達も魅力だと思います。
京極堂、エノさん、木津、関口などなど素敵なキャラクターがお話をより面白くしてくれます。
姑獲鳥の夏ではお話が何重にも重なっていて最後の最後まで面白さが絶えず続いていきます。そこが京極さんの作品の大好きなところなんです。最後までハラハラ…。
ちょっと奇抜な演出やかっこいいセリフ、そして何ともない日常的な情景描写…すべてがこの作品を面白くしていると思います。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.85:
(5pt)

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
続くシリーズにも一貫しているのがこのテーマのような気がする。
「あやかし」を現代的に紐解きながらそれでもなお解明できない世界。そんなものがあっても不思議じゃない。
構成の妙に悶絶。オチはともかく、ウーンとうなるデビューである。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.84:
(5pt)

途中からですが面白かったです。

導入部分かなり読むのが辛かった。もしかしてずっとこんな調子で
最後まで行くのかと心配したりしました。だけど物語がやっと動き出した辺りから続きが気になってかなりの長いページ数を楽に読み進める事ができました。
主人公は実は京極堂らしいんですけど物語の中心人物、関口君がうつ病って設定でちょっと
彼の思考・言動とかに共感してました。
物語のオチが少し弱いような気がしましたが、そこへ持っていく過程がすごかったと思います。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.83:
(5pt)

混沌とした全ての京極作品の魅力を内包した傑作

1994年9月リリース。
読み出す前に京極作品とはこんな風だろう、と予想して読み出したのだが色々な面で予想が裏切られた作品だった。当初の予想は妖怪がやたら出てくるだけなのだろうと思っていたら全然違っていて、やたら論理的な京極文学である。憑き物と量子力学、あるいは宗教と科学を50対50のシンメトリーで論じている。しかもそれが国語として正しく美しい。京極堂、初めはミタライかと思ったがどちらかというと『ドグラ・マグラ』の正木博士に近いような気がしてきた。
キャラクタがいずれも超魅力的である。京極堂もさることながらむしろ榎木津の魅力がスゴイ。京極が恐山で育ったことや榎木津が左目の視力を失った代わりに見えるモノ。イタコたちの共通した視力障害。一つ目小僧と柳田論など実に面白い。
デビュー作故に混沌とした全ての京極作品の魅力を内包した傑作だ。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.82:
(5pt)

不思議な事は何も無いのだよ

「不思議な事は何も無いのだよ」
とは京極堂の談。
冒頭の問答で展開する怪談話は民族学的見地を経て心理学的解釈をみる。
締め括りにデザート代わりの量子力学を披露してみせる京極堂。
その時に至って、自分が既に彼の放った呪に掛かっている事実を知る事になる。
京極堂が始めに左ハイキックを打つと宣言してくれていたにも関わらず、
気付けば食らっていた。分かっていても避けられないミルコの左ハイキックのように、軌道が見えなかったのだ………。
怪談話を基幹に持ちながらミステリーである事をやめない本作品。
分厚いながらも残り3割に至ってからの読書の進む事進む事。解決へ至るこの3割は、圧巻の一言です。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.81:
(5pt)

おすすめ

京極夏彦さんの小説は分厚いので手が出ないと思ってる方は、まずこの作品から入るといいでしょう(比較的にですが、シリーズ中では薄い方だと思います)。デビュー作ですしね。民俗学や、精神医学的な勉強にもなります。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.80:
(5pt)

のろいとは言葉です

2度目の読破で、この小説の本当の味が分かったような気がします。一見荒唐無稽なトリックですが、京極堂の薀蓄を聞いた後ではびっくりするほどの説得力があり、記憶、脳、視界に入るものの真実味が再認識され、納得されます。呪いは言葉と言うせりふには、目からうろこで、視界が広がった気分です。
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981
No.79:
(5pt)

追い込み型

 本書を読み始めた時、正直その難解さに閉口しました。
 なかなか読むスピードが上がらず、読むのが苦にさえなりそうでした…(苦笑)
 しかし、なんだかんだで読み進めるうちに、ふと“京極ワールド”に引き込まれている自分がいることに気が付きました。
 それはそれはもう見事としか言いようがないくらい、きれいに(笑)。
 中盤〜終盤なんか、もう本当にあっという間でした!
 本書は言わば『追い込み型』の本です。
 そのため、手に取ってすぐは大変だと思います(苦笑)。
 でも、途中からおもしろいくらいページをめくる手が止まらなくなります!
 騙されたと思って本書を手に取り、ちょっと我慢して読み進めてみてください。
 気付けば、そこは“京極ワールド”です。
 ソレデハ…
姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)Amazon書評・レビュー:姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)より
4061817981

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