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帽子収集狂事件
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【この小説が収録されている参考書籍】
帽子収集狂事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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カー得意の神秘怪奇趣味はないが、もう一つの歴史趣味に色濃く染め上げられている。ロンドン塔の歴史についてのカーの語り口は魅力に溢れ、それを読むだけでも値打ちがある。だが読む者を霧に煙るロンドン塔に引きつけておいて、最後にけたぐりを喰わせる手口はさすがにカー。そしてフェル博士、ハドリ警視、ランボウルの三人が「未解決」と評決する結末は最高の充足感をあたえてくれる。 | ||||
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江戸川乱歩が黄金時代のベスト・テンの中で 第7位に選んだということで、有名な作品。 カーの初期の代表作とされています。 1930年代のロンドンで発生する帽子の連続盗難事件。 この事件を追う新聞記者のドリスコルが ロンドン塔逆賊門の階段で刺殺死体となって発見され、 その頭上には盗まれたシルクハットがのっていました。 相前後し、ドリスコルの叔父、ビットン卿が ポーの未発表原稿を発見しますが、 その原稿が盗まれるという事件が発生します。 これらの事件を名探偵フェル博士が どんな名推理で解決していくのか・・・。 この小説の評価の分かれ目は、 「密室以上のトリックを考案して 全世界をうならせた代表作!」と 本書中の作品紹介にもありますとおり、 作品の最後の最後で明かされるトリック(犯行の意外な手口)を 面白いと感じるかどうか、だと思います。 ちなみに、カーに傾倒していたとされる日本の推理作家、 横溝正史の某代表作の中に、 同じ発想のトリックが使われています (着想が同じなだけで、 同一のトリックではありません)。 このことからも、 この作品が後の作家に大きな影響を与えたことが推察されます。 じつは本書は1980年に読んで以来の再読なのですが、 トリックは今読み直しても、 なかなか味のあるものとして楽しめましたので、 ★4つとしました。 | ||||
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本書はカーの出世作で、ポーの未発表原稿の盗難、帽子を盗んでは銅像や馬にかぶせて回る謎の「マッド・ハッター」、そのマッド・ハッターに盗まれた帽子が死体にかぶせられていたりと、カーの趣味満載の作品。 そのカーの趣味のひとつがタイトルにも現れている。その名も『不思議の国のアリス』になぞらえた『マッド・ハッター・ミステリー』。 ところが、わが国では『不思議の国のアリス』のお茶会(マッド・ティー・パーティー)の主役である「マッド・ハッター」(気ちがい帽子屋)について無理解な訳者たちにより、作品の趣旨を損なうタイトルがつけられている。これなら横溝正史がつけた訳題『帽子狂の殺人』の方がまだマシである。 第一、マッド・ハッターは盗んだ帽子を銅像や馬や死体にかぶせたりはしても「収集」などしておらず、本書のタイトルが帽子「収集狂」事件なのは明らかにおかしい。 それは、本書の前年にエラリー・クイーンが執筆した『Yの悲劇』のハッター一家が、『アリス』になぞらえられて「マッド・ハッター一族」と呼ばれているのと同じである。 帽子「収集狂」事件だなんて、内容とも一致しない変てこりんなタイトル、ぜひ改版の際に変えて欲しいと思う。 | ||||
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本書はカーの出世作で、ポーの未発表原稿の盗難、帽子を盗んでは銅像や馬にかぶせて回る謎の「マッド・ハッター」、そのマッド・ハッターに盗まれた帽子が死体にかぶせられていたりと、カーの趣味満載の作品。 そのカーの趣味のひとつがタイトルにも現れている。その名も『不思議の国のアリス』になぞらえた『マッド・ハッター・ミステリー』。 ところが、わが国では『不思議の国のアリス』のお茶会(マッド・ティー・パーティー)の主役である「マッド・ハッター」(気ちがい帽子屋)について無理解な訳者たちにより、作品の趣旨を損なうタイトルがつけられている。これなら横溝正史がつけた訳題『帽子狂の殺人』の方がまだマシである。 第一、マッド・ハッターは盗んだ帽子を銅像や馬や死体にかぶせたりはしても「収集」などしておらず、本書のタイトルが帽子「収集狂」事件なのは明らかにおかしい。 それは、本書の前年にエラリー・クイーンが執筆した『Yの悲劇』のハッター一家が、『アリス』になぞらえられて「マッド・ハッター一族」と呼ばれているのと同じである。 帽子「収集狂」事件だなんて、内容とも一致しない変てこりんなタイトル、ぜひ改版の際に変えて欲しいと思う。 | ||||
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本作を読んだのは30年以上前。当時、創元からはカーの作品は本書1作しか出ていなかった(と思う)。という訳で私にとっては初めてのカー体験であり、思い出深い作品。狂言回しを努める記者が追う「帽子収集狂」の事件と、ロンドン塔を舞台にした不可能犯罪がクロスして中々楽しめた。 後になって考えた事だが、本作はカー本来の作風から見ればむしろ異色と言え、過剰なオカルティズムが無く、不可能犯罪もさりげなく(しかも巧妙に)描かれるので読み易い作品と言える。本来であればロンドン塔の場面はもっとドロドロと、それこそ亡霊でも出しそうなところだが...。30年前、冬のロンドン塔を訪ずれた事があるが、雪の白と塔自身の白(灰色に近い)が重なり合い、荘厳な感じがした。塔の中も見物でき、往時の牢獄の様子等も見られた。オカルティックな雰囲気は感じられなかったが...。 本作はオカルティズムに頼らず、ストーリー構成の巧さで読者を惹き付け、更に不可能犯罪を盛り込むという本格派ミステリの傑作。 | ||||
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本作を読んだのは30年以上前。当時、創元からはカーの作品は本書1作しか出ていなかった(と思う)。という訳で私にとっては初めてのカー体験であり、思い出深い作品。狂言回しを努める記者が追う「帽子収集狂」の事件と、ロンドン塔を舞台にした不可能犯罪がクロスして中々楽しめた。 後になって考えた事だが、本作はカー本来の作風から見ればむしろ異色と言え、過剰なオカルティズムが無く、不可能犯罪もさりげなく(しかも巧妙に)描かれるので読み易い作品と言える。本来であればロンドン塔の場面はもっとドロドロと、それこそ亡霊でも出しそうなところだが...。30年前、冬のロンドン塔を訪ずれた事があるが、雪の白と塔自身の白(灰色に近い)が重なり合い、荘厳な感じがした。塔の中も見物でき、往時の牢獄の様子等も見られた。オカルティックな雰囲気は感じられなかったが...。 本作はオカルティズムに頼らず、ストーリー構成の巧さで読者を惹き付け、更に不可能犯罪を盛り込むという本格派ミステリの傑作。 | ||||
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熱狂的カーマニアであったことで有名な江戸川乱歩が有名なカー問答で第一位に選んだ作品。熟達した推理小説作家が唸るようなちょっとした隙をついた不可能犯罪いかにも江戸川乱歩が“やられた!”と言って悔しがりそうなトリックが使われていますしかも、蔵書家の乱歩が好きそうなポーの未発表原稿がサイドストーリとしてちりばめられており、それが最後に有機的に結びついてエンディングを迎える様は乱歩が一位に押すのが納得できる内容です | ||||
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熱狂的カーマニアであったことで有名な江戸川乱歩が 有名なカー問答で第一位に選んだ作品。 熟達した推理小説作家が唸るような ちょっとした隙をついた不可能犯罪 いかにも江戸川乱歩が“やられた!”と言って 悔しがりそうなトリックが使われています しかも、蔵書家の乱歩が好きそうなポーの未発表原稿が サイドストーリとしてちりばめられており、 それが最後に有機的に結びついてエンディングを迎える様は 乱歩が一位に押すのが納得できる内容です | ||||
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