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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年



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【この小説が収録されている参考書籍】
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価: 3.41/5点 レビュー 1023件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1023件 821~840 42/52ページ
No.203:
(1pt)

古本になってから購入する手もあったかも

5時間ぐらいで読み終えました。あとがきがないのでPart2も出版されるのかな?と思いましたが、とりあえず読後の感想として一番に感じたのは、レビューのタイトル通り『これなら古本で購入しても良かったかな?』というのが素直な気持ちでした。
今まで村上さんの作品は(エッセー数冊、対談を除いて)全て読んで参りました。作品後との好き嫌いははっきりしていて、幾度も読んでしまったのはハードボイルド〜、クロニクル、羊〜、1Q84、国境の南〜等々。ただ、この『色彩を持たない多崎つくる〜』は灰田さんが妙に気になっただけで、主人公のつくるに関しては、今までの主人公とほぼ同じ人間像で、それだけでちょっと食傷気味になってしまって。(P231後半からP232前半部分につくるが自らを表してますが、)
それ抜きでは村上さんご自身は話が進められないのかもしれないなんて思ってしまいますが、こちらの居心地の悪さに拍車を駆けるのが例の性描写です。パターンが一緒。(でも今回はそこに年下の男性も入って来ましたが)これはパターンが変わればいいとか、そういう話ではなく、自分が女だからかもしれませんが、ノルウェイでの性描写から、あまり成長してないなという感想だけで、これって必要なのかな?と毎度首を傾げてしまいます。
これが村上さん流の表現方法であり、個性であると言う方もいらっしゃるかもしれません。
ただ個人的には、今回は才能の無駄遣いをされてる気がして残念に思いました。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
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No.202:
(5pt)

21年ぶりの「国境の南,太陽の西」であろう村上春樹さんの新刊「色彩を持たない多崎(た

他者の「色彩を持たない多崎(たざき)つくると、彼の巡礼の年」の読後感・書評などの情報を避けて,今,読み終えました。

手元にある資料によると「国境の南,太陽の西」が刊行されたのは,1992年。それから21年経っての新刊「色彩を持たない多崎(たざき)つくると、彼の巡礼の年」。

「国境の南,太陽の西」の主人公の名前は「はじめ」。「色彩を持たない多崎(たざき)つくると、彼の巡礼の年」の主人公は「つくる」。

「国境の南,太陽の西」にはじめ,「色彩を持たない多崎(たざき)つくると、彼の巡礼の年」をつくる。

春樹さんの作品の中で初めて涙を流した作品が「国境の南,太陽の西」でした。「国境の南,太陽の西」(文庫P291)あたりから,文にマーカーを引きながら涙しながら読んだことを覚えていす。実際,その文庫のそのあたりのページは当時の涙でしわしわになっています。

今回の「色彩を持たない多崎(たざき)つくると、彼の巡礼の年」はP279の16章からが,本番でした。春樹さんの作品の中で涙を流した二作目の作品となりました。

「国境の南,太陽の西」は,隠れたファンが多く,おそらくは,その傾向を持った方(ナカタも含めて)は,この「色彩を持たない多崎(たざき)つくると、彼の巡礼の年」にも心打たれた方は多いと推測します。

特に16章から,最終まで,メッセージ性も強く押し出され,また「はじめ」が21年経って得た「つくる」の姿が,そこには見出されます。明らかに視野の広がりが見てとれます。

「なんらかの問題を抱えた読者への援助」作品がこの2作品に当たると推測されます。

16章からは,もう一度,読み返します。

[・・・]
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
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No.201:
(5pt)

とても良かったです。

私は村上春樹氏の大ファンという訳ではありません。テレビもあまり見ないので所謂ハルキストやら新作発表の騒動やらとは無縁で、偶然本屋に立ち寄り本書を発見し購入しました。私は村上氏の作品を読むのはかなり久しぶりで前作の1q84も読んではいません。
率直な感想は素晴らしい作品でした。胸の奥まで響く素晴らしい音楽に出会った時の感動に近いと思います。
恐らく著者が扱ったであろうテーマへの本書のアプローチに根源的な心の揺さぶりを受けました。
それ故に否定的なレビューの余りの多さに少々戸惑いました。ただそれらの否定的レビューの多くが文学形式的な観点、テーマの浅はかな取り違い、また社会現象の一部としての批評に思われます。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
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No.200:
(3pt)

認知症作家?による真骨頂の新作

この小説のあらすじを簡単に述べれば、主人公の多崎つくるは、大学になって高校で仲良しだった四人から突然の絶交を言い渡され、そのショックに理由も訊けず、死ぬことを考え悩み、十六年が経過した三十六歳の今になって、二歳年上の恋人にその絶交の理由を四人に訪ねて、「もうとうの昔に、失われてしまった(友人関係)の、その真実を求める」というストーリーである。

そのひとりはフィンランドに在住し、わざわざその真実の追求のためにつくるは、フィンランドまで訪ねて行くのだから、まあ、ご苦労さんなことである。

多崎つくるのいる場所は、P115より「どこまでが現実なのだろう、とつくるは思った。これは夢ではない。幻影でもない。現実であるに違いない。しかしそこには現実の持つべき重みがない。」
また、P119より「そこにあるのは、すべての夢の特質を具えた現実だった。それは特殊な時刻に、特殊な場所に解き放たれた想像力だけが立ち上げることのできる、異なった現実の相だった。」
そして、P229では世界を部屋にたとえて「ひとつの真実の相にあっては、彼はシロに手を触れていない。しかしもうひとつの真実の中では、彼は卑劣に彼女を犯している。自分が今いったいどちらの相に入り込んでいるのか、考えれば考えるほど、つくるにはわからなくなってくる。」とあり、もうお馴染みの読者には、これが『1Q84』と同様の異次元世界を扱っているようにも思えるだろう。

私が読んでいて思わず笑ったのは、P233の「灰田の足の裏にうり二つ」とプールで泳いでいたつくるが人の足の裏を見て、灰田と思うのだが実際は人違いだったという、しょうもない場面で、どんな足の裏なんだよ? とツッコミたくなった。

フィンランドで、自己嫌悪に陥るつくるに、エリは「君に欠けているものは何もない。自信と勇気を持ちなさい。君に必要なのはそれだけだよ」P343と励ます感動的な友情場面と、つくるが恋人に告白した後に電話でいう彼女の「安心してゆっくり眠りなさい」に、私は、つくるの未来への希望とハッピーエンドを想像したのだが、それも最後のつくるの「沙羅がおれを選ばなかったら、おれは本当に死んでしまうだろう、確実に息を引き取るだろう、この世界から密やかに退場していくだろう」P368には、女々しくて女々しくて女々しくて、すべてがぶち壊しになったように感じた。

「しかし」や「そして」を多用し、文章は、あまり上手い作家とは思えず、暇な読者はその回数を数えてみるといいだろう。

六本指やレイプ、殺人事件、悪霊などのキーワードで物語を興味深くしようとしているが、どれも謎解きは中途半端で意味不明、また最初はAといいあとでAではない(シロで射精あとで灰田の口で)という、この作家をいままで知らなかった読者は、まるでこの作家は認知症を患っているのではないか? とさえ思えてくるが、これがこの作家お得意のとぼけた作風でもあり、この作品はこの作家のこれまでのエッセンスを凝縮させた真骨頂ともいえるものかもしれない。
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No.199:
(5pt)

存在し続ける過去について

心の奥深いところを揺さぶられるような感覚を10代の時「ノルウェイの森」を初めて読んだときに味わったけど、今回もまた読んでる間、ずっとそんな感覚だった。決してなくならない存在し続ける過去と向き合うということについて。
FacebookやGoogleとか、人々についての情報に囲まれ、その気になればそれらの情報を簡単に取り込むことが出来る時代なのに、僕らは人々について本当は何も知らない。まさしくその通りだ。なにより、本当の自分自身のことさえ。
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No.198:
(1pt)

「海賊と呼ばれた男」と比べ、際立つ矮小さ

レビューを書くか迷うほど“空っぽ”な「紙の束」だった。
前作以降、日本では東日本大震災があった。
出てきたのがコレか?との落胆は大きかった。
常々感じるが、著者の魂は祖国から漂流してしまっている。

疎外、喪失感、無国籍性。
こうした心象を殊更に押し出す彼の作風は、マルクスやレーニンが読んだら大絶賛しただろう。
とくに若い方々には、知らぬ間に妙な思考回路を植え付けられることに注意した方がいい。
自分の子供には絶対に読ませたくないと思った。表題の本を読んで解毒したい。
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No.197:
(5pt)

新宿駅9番線

村上春樹の小説は、読む者の五感を刺激する。心を空っぽにしてその世界に没頭する。想像を膨らませ、現実と非現実を行き来する。そのようにして私は村上春樹の小説を長年堪能してきた。今作品も満足している。村上氏とそう大差ない年齢層の私でも、容易に主人公の孤独、絶望感に共感できた。終盤の、迷宮のような新宿駅の描写と、9番線ホームの電車を眺める主人公のくだりで、現実の世界に引き戻された。
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No.196:
(1pt)

「中身はどうでも、仕組まれたファッションの中での付和雷同の渦に巻かれ、世の中に遅れて

「中身はどうでも、仕組まれたファッションの中での付和雷同の渦に巻かれ、世の中に遅れていないと感じさせて貰える村上春樹の狂騒の幸せ」というものですよこれは・・。とても文学というレベルで話せる中身の本では無いです。初期を読み、間であきれて、さて有名になった最近はと買ってはみても、またまたくずかご行き。半数以上の読者はあきれていますよこれは・・・出版社も作者ももっと世の中に対する姿勢を正して欲しい・・読者がわるい〜〜?AKBだよこれじゃあ〜〜〜。
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No.195:
(4pt)

成熟のための「巡礼」

村上春樹のインタヴュー集、『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』のなかで、
村上春樹お気に入りの「カフカのエピソード」が語られています。
カフカは人形を無くして悲しんでいた見知らぬ少女のために、三週間にわたって人形からの手紙をその少女に送り、
彼女の悲しみを癒そうとします。
カフカからの手紙を通じて、
少女は「人形が無くなったという無秩序から、人形が無いという新しい秩序へと移される」のだそうです。

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』も完全な調和を持つ世界を無くした状態(無秩序)から完全な調和を持つ世界が無いという新しい状態(秩序)への移行を描いた物語ではないかと思います。
主人公は以前あった友人たちとの心地よい世界を理由もわからないまま失うことで、心に傷を負います。
そして、自分でも気づかないままにその傷を引きずって大人になります。
この傷を癒すためには、主人公は彼が昔の心地よい世界を失った理由を知らなければなりませんでした。
そのために彼は旅に出るのですが、それが彼の「巡礼」です。

大切なもの(人)を失うことで、死に至る、あるいはそれを克服する、という物語は村上春樹によくある展開ですが、
この作品も同じ枠組みを用いています。
この作品の主人公とその友人たちで形成される完全に調和した世界はいずれは失われる運命にあります。
それは私たちがいつまでも子供のままではいられないということなのかもしれません。
主人公は自己充足した世界を理不尽にも奪われ、そのことを受け入れられず傷つきます。
しかし、ある女性(他者)との出会いから、過去の傷と向き合い、それを受け入れることで、成長をとげ、
前向きに生きることができるようになります。
その過程で主人公は、彼が失った世界に関するいろいろな事実(真実?)を知らされます。
そして、そのことによって、彼が負った心の傷を相対化してゆきます。
主人公は自分の過去に関して新しい物語を作ることで、
悲しい過去に縛られていた自分には持てなかった、
未来(他者とともに生きるという生き方)を持つことができるようになります。
しかし(したがって?)、その未来も必ずしも美しく、希望に輝くばかりの未来ではありません。
それでも主人公はそんな自分の人生を生きてゆこうと決心する物語です。

ひとりの個人の中に善と悪が入り交じり、簡単には分けることができない。
どちらも引き受けて生きてゆくしか無いという物語としてわたしは読みました。
いいかえれば、自己充足した世界が失われた、という認識から自己世界を構築しなければならない、
という認識に至る物語、つまり他者とともに(他者のために)生きなければならない、という物語として読みました。
要するに、典型的な成長物語といえるかもしれません。
村上春樹作品にはよくある?展開だと思いますし、わたしはこのような物語が好きです。
(だからそのように読めるのかもしれませんが。)
ただ、いままでの作品よりも落ち着いた、暗い?、印象を受けました。
村上春樹作品のユーモラスな雰囲気を楽しみたい方にはやや不満が残るかもしれません。
個人的にはそのてんで今一歩な感じがしました。
(『ノルウェーの森』でさえ独特のユーモア、登場人物間の楽しめるおしゃべりがありました。)
それでもわたしはこの作品を楽しめました。
そして、次に発表されるであろう?超長編?がどのようなものになるのか、楽しみになりました。

この作品は、万人向けとは言いがたいかもしれませんが、
これまで村上春樹作品を楽しんできた方には、今までとはやや違った意味で楽しめるのではないでしょうか。
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No.194:
(1pt)

村上信者以外は読むべきでない!

評判なので発売日に買ってみました。ちなみに村上春樹の作品は初めて読みました。
「人の何気ない想いや行動を文章で表現するとこうなる」という表現力には初めは感心しましたが、なんと理屈っぽい!理屈っぽくしないと表現できない点に気がついたら、逆にこれは作者の表現力のなさなのではないかと思うようになりました。どうしても心にすっと沁み込むような文章ではなく、言葉の遊びに近いように感じました。
さらにいくらフィクションとはいってもストーリーも登場人物もリアリティに欠け過ぎる内容で、中身は空っぽで読後感も悪かったです。
村上信者以外の方は読んでも不愉快になるだけと思います。お読みにならないことをお勧めします。
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No.193:
(3pt)

期待しすぎたのかな

村上春樹作品はほぼ全て読んでいます。
なので今回も期待して購入したのですが、正直ガッカリ。。
かつての作品に見たことのあるモチーフがいくつか出てきていて、
それは春樹作品ではよくあることなのでまあ良いとしても、
「なんか似てる…」という思いの方が強く、それを上回る感動がありませんでした。

個人的には「世界の終り…」「ねじまき鳥」のような非日常の世界観を描く作品がとても好きなのですが、
今回の作品は「ダンス・ダンス・ダンス」「1973年のピンボール」に傾向が似ている感じ。
日常の中で葛藤する青年を描くスタイルが、私には共感できない点が多く…

時代背景とか(いまどき一人暮らしの恋人に連絡するのに固定電話へかける人はいるのだろうか)ちょっとハテナなところもモヤモヤです。
できるならぶっとんだ設定にしてほしかった!!!

ただ、村上ファンだからこその辛口です。これが村上春樹作品でなければ、もっと高い評価。
そのくらい、読ませる力はあると思う。
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No.192:
(4pt)

どうしても気になるアカと緑川さん、灰田くん・・灰田君のおとうさん

じんわりと耳を澄ませて、つくるくんの過去の傷みを想像しながら読みました。
自分にもあった、過去の突如として(自然消滅か意図的か!?)起こった人間関係の断絶など想い出しながら読みました。
つくる君は新しい他者との交わりの扉を開けようとしているんだな・・・と、救いを感じる(諦観も)読後でした。
追い詰められたシロは、「ノルウェイの森」の主人公の彼女に似ていました。
またクロは、大地に根を張るような、希望の存在である、「ねじまき鳥」のミドリを想起させます。
登場する女性陣は誰もが、崇高かつ神秘的で、魅力がありますね。

ところが、男性陣は謎の部分が多いです。
唯一、アオは、高級車のディーラーとして現実社会に生きる一般男性のモデルを感じました。
気になるのは、アカ、灰田君、そして極めつけは。。灰田君のお父さんです。
アカの生き方はどこか、矛盾を抱えている。社会的に成功しているのかやましいのか?建前と本音が解らない生き方をしています。
灰田君はすごく中世的で象徴的。つくるくんが成長するまでに絶対的に必要な存在だったのかもしれません。
灰田くんは、つくるくんの形にならない欲望、心底まで見通す、鋭い感覚を持った人ですね。
中でも灰田くんのお父さんはどうなったのでしょうか・・・あまりにも謎で研ぎ澄まされている緑川とお父さんの出会い。
いつまでも余韻を残す存在です。灰田くんのお父さんの行方が気になるので、もやもやしてしまいます。又、読みますね。
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No.191:
(4pt)

つくるの色は黄色だったら良かった。

今回の村上作品をミステリー小説として面白く読了しました。
他のレビュワーが指摘してない点ですが、興味深かったのは陰陽五行説あるいは仏教の五色に
基づく色彩設計がこの小説の読解の鍵と思えました。
このレビューのタイトルもそれを考えるとおそらく納得できるでしょう。
多崎ではなくは黄川田とか黄金崎とかの姓であればつくるは人生が歪まなかったのではないかと
感じました。
またその歪みの解決も色彩問題の整理でしたね。
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No.190:
(3pt)

回復への道は半ばなんだよ。

村上春樹氏の作品をすべて読んでおり、今回の作品も発売されてすぐ買い一週間程度の
時間をかけてゆっくり読みましたが「中途半端でなんだかなあ」というのが正直な感想
です。(以下ネタばれを含む)
仲良しだったグループからの一方的な追放とそれを契機とした死への憧れ、別人に変わっ
てしまいもう戻れない自分、それらは多かれ少なかれ多くの人に訪れることであり、そ
の苛烈な経験は非常に共感できた。そして、それらはおそらくはバブル経済以後の長期
経済低迷や阪神大震災、東北大震災および福島原発等の未曾有の災害の経験を抱えていか
ねばならない、もう戻れない日本の我々の苦しみを暗示しているのだろう。
しかしながら、死を深刻に考えた多崎氏がなぜかかつての友人と会うと大人でクールな
ヤレヤレ的な態度に終始しまるで他人事のように簡単に許してしまうことはリアリティー
がないように感じた。昔の友人との再会についての描写が淡白で中途半端に感じてしま
う。ましてや濡れ衣を着されているのにもかかわらず、自分にも本当にそのよう
な行為に及んでしまう可能性があった等、繰り返し村上作品で登場するおなじみのモチ
ーフ等の登場により素直に納得してしまう事など、本当に自殺を考えるくらい悩んだ
のかと疑いたくなる。
また、多くのレビューが指摘しているように内容に中途半端なものが多すぎる。
灰田とその父親の部分(灰田はどこへ消えたのか?)、洗脳的なビジネスをするように
なってしまった友人について、ガールフレンドとの結末等、そのどれもが結論を見ず
放置されてそれを読まされるほうは困惑を禁じえない。結局なんなの、どうなったの?と。
せめて最後のガールフレンドとの結末については、キチンと書いてほしかった。
私自身も、はるか昔の学生時代におなじような経験がある。心が殺されるような経験が
あり、それは自らを別人に変えてしまったしその後の人生を大きく変えた。
個人的な苦しみと和解することはありえないだろうし、多くの災害の被害者の苦しみも
今なお続き、回復への道はまだまだ遠いだろう。多崎氏とは異なりそんなに簡単に和解
できないだろう。
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No.189:
(3pt)

ときめきとドキドキの濃度がとても薄い。

とても大好きな村上氏の作品の中では残念な低評価ですが、小説としてはスラリと読み終えたので☆は3つにしました。

何が残念だったかと申しますと、心を鷲掴みされるような魅力的な登場人物や、つい笑ってしまうような会話のやりとり、鼓動が高まるような場面や、驚きと衝撃を感じるような不思議さが無かったからです。

リアリズムよりも上手い嘘を。完結した物語性よりも受け手に託すことを。そのような今までの作風が好きだから残念に感じたのかもしれません。

逆に言えば今までと違った作風を楽しみきれなかっただけの、勝手な村上像を拵えてしまった自分にも原因はありますが。

良い点で言えば、一貫したストーリーラインに乗せて多様性をシンプルに描写しており、”ぼくの物語”ではなく誰にでも起こりうるそしてそれは幾重にも時間とヒトを紡いだ結果”かれらの物語”という、「孤独と喪失」を命題にしながらも社会を大きく土台に敷いてあることが多くの気づきを育む要因になっていることかなと。

氏の目標のような言い方を何度かしているるつぼのような総合小説へ向けたひとつの作品として、今回のようなリアリズム性や3人称の追求は必要な過程であるとも感じた。
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No.188:
(1pt)

どうしても好きになれない

私には、すばらしさが全然わかりません。
とにかく鼻についてしょうがないです。
NHKもなんでこの作品を七時のニュースで持ち上げるのかな。
嬉々としてインタビューに応じる人を遠い目でながめてしまいました。
事前に内容を知らされなかったことが、村上さんファンにはたまらなくエキサイトすることなんですね。
アンチ村上さんの私は、奇をてらった話題作りで注目を集めようとする秋元康さんみたいと思ってしまいました。
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No.187:
(2pt)

中年のおっさんのどうでもいい話し

中年の(本書内では中年間際と言っているが)おっさんの自分探しなんてどうでもいいって思っちゃいました。
何かすごく背伸びをしている感じがして、まったくリアリティが感じられない。この人の作品はよく欧米スタイルの生活に対する憧れみたいな所があるなーっと感じることがあるのですが、今作はそれが躊躇。内容も個人的には楽しめなかった。とりあえず話もキャラクターも気色が悪い。
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No.186:
(2pt)

わかっていないな

不満をぶつけているレビューの皆さん。
あなた方、わかっていないな。
村上春樹を読んでいる、有名で外国でも売れていて、バスや電車や会社で読んでいて恥ずかしくない、むしろ「見て、村上よ!!」ってテイストで楽しまなきゃいけません。
私はクックやキングやルヴィンやスコットカードが大好きですが、彼らを読んでいても大半の人は食いつかない。そこいくと村上春樹さんは食いつかれますよ。
しかし私は彼の作品が全く面白くない。
今回も名前に色を入れたり安易に殺人を作品のスパイスにしたり、気色悪いエロティシズムもムカムカして受け付けない。
けれど、村上春樹の作品を読んでおけばとりあえず本をあまり読まない人との会話の潤滑油にはなる。

そう、村上春樹の本は内容が問題じゃない。

「村上春樹を読んでいる、文学的な私」

という雰囲気に酔うものだろう。
ちなみに、ノーベル文学賞は取ってほしくない。
余りに内容がつまらないから、そこまでは認められないからだ。
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No.185:
(5pt)

今までの作品の集大成である

物語に現実感があって、素直に入り込め、たとえ話には春樹独特の表現が残っていて、幻想の世界に浸ることも出来る。
 絶望して取り残されたと感じたときの描写は、ノルウェイの森の野井戸を思い起こさせ、夜中に改装するところでは、ねじ巻き取りクロニクルの感じを出しているし、過去を思いだして、別の今があったかもしれないと回想する所は1Q84を思い出します。
 この作品は村上春樹の最高傑作と言っていいでしょう。
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No.184:
(5pt)

堪能しました。

待ちに待った新刊。堪能しました。
村上春樹さんの小説は、読み手を別の空間に運んで行ってしまう力が備わっていますね。
この作品においても、この陶酔感のようなものは十分に味わうことができました。
村上さんの書き出しはシンフォニーの最初の一音のように、いつもながらに見事に決まっています。
頭がクラクラっとする程鋭利な迫力が備わった導入部で、あっという間に物語に引きずり込まれてしまいました。
これこそが村上作品を読む何よりの楽しみ(悦楽)なんですけど。

村上春樹さんの小説は常に孤独が描かれますが、今回は特に「疎外感」という言葉が頭の中に浮かびました。
周りの人から拒否されることで強制的に孤独の檻に捕まった若者。
実際、青春時代と言われる年頃では、何度か体験されるのではないでしょうか。憶えがあります。
きっとどこかの部分で、主人公の多崎つくると読み手は繋がってくると思います。

著者は、開いた文章といった言い方をされますが、その意味においてこの小説は相当に開いていると思います。
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