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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年



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【この小説が収録されている参考書籍】
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価: 3.41/5点 レビュー 1023件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全563件 1~20 1/29ページ
No.563:
(4pt)

結末は読者に委ねる

村上春樹の作品は、今まであまり好きになれませんでした。正直、感性が違うのか、あるいは私に文学的才能がないのか、今ひとつピンとこないので面白く読めません。
この作品は比較的私との相性が良く、なんとか最後まで興味深く読めました。題名に”巡礼”とあるので、読む前は宗教の話かと思いました。四国巡礼とか、そんな感じで。
読みながら、若い頃にオーラを写せる機械で写真を撮ったことを思い出しました。人それぞれ色が違っていて、その色に意味があります。また、その時のコンデションで、色が違ってきます。日本人は働き過ぎなので、赤いオーラの方が多いようです。
自分に心当たりのない容疑がかけられる点では、満員電車での痴漢をおもいだします。結構、実際にはやっていないのに、誤解されて捕まってしまう方も多いのではないでしょうか。
仲の良い友人から急に冷たくされることは、長い人生の中で意外と多くの方が経験しているかも知れません。仏教的な考え方を用いるならば、その方とのご縁が切れたから仕方ないと、そのように納得できるかどうか。それが出来なければ、いつまでもモヤモヤしたすっきりしない気分になり、普段の生活に支障を来すでしょう。
ラストシーンは、読者に結末を委ねたのでしょうか? 割とこのような終わり方の小説は見受けられますが、10人いれば10通りの結末を想像するでしょう。上手な小説の終わり方だと思いました。
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No.562:
(5pt)

好きな方のグループ

村上氏の小説は、個人的に好きと苦手がかなり分かれるのですが、これは好きな方で楽しく読めました。
読みながらなんとなく思い出していたのは「スプートニクの恋人」。
ただ灰田の回収が何もなかったのが気になってしまいました。
人生は回収できない事象の方が多いとは思うのでまあいいのですが、でもこれは小説だから、そこは書いて欲しかった。
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No.561:
(4pt)

どう生きていくのか考える

こうしなさい というコトバはないけと どう生きていくのか が伝わってくる
エリのコトバが ノルウェイの森のレイコさんのコトバに似ていると感じた 生きていくんだと
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No.560:
(5pt)

すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ

ある意味完璧な高校生時代を過ごして閉まったが為にその関係性が崩されたことのショックが人を本当の底のところで変えてしまった・・・。
 自分だったら耐えられないだろうなと思う状況。ガールフレンドの言葉によって16年経ってかつての友人たちに会って確かめていく多崎つくる。
 やらなくてもいいことをあえてやっているという瞬間の不確かだけどその瞬間を自分は迎え続けているというような感覚。引き込まれてかなりのペースで読んでしまった!
 自分の体験ではないのに、傷付きながらそして自分を護りながら読み進めていく感じ。面白かった。終りもよかった。
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No.559:
(5pt)

面白い

ファンです。
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No.558:
(5pt)

村上作品で最もわかりやすい作品のひとつ 傑作

自分は非常に気にいった。
どんどん読み進める作品。
一気に読んだ。

意図は明確で
青春の喪失と再生の物語。

村上春樹作品でも最も映像化しやすい作品で
映画ドラマになっていないのはもったいない。
村上春樹が了承しないんだろうけどね。
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No.557:
(5pt)

若い頃の思い出と『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』が化学反応し、なんとも言えない余韻が残った。これこそ、村上春樹しかもたないチカラだと思った

この作品は、2013年4月15日にリリースされているので、ほぼ10年前のものになる。感じるのは、小説家としてのレトリックの技が実に見事なことだ。ストーリー(というか材料というか)としては、平凡にも感じるものが、文体の見事さで圧巻の料理に仕上げられていくかのようだ。読了感も最後に沙羅がどう答えたかを書かないところが逆に良い余韻を残す。

音楽サーバに『巡礼の年 (années de pèlerinage)』というディレクトリを作った。ここに古今東西の『巡礼の年 (années de pèlerinage)』を集めて聴き比べながら、この作品を読んだのも愉しかった。アルフレッド・ブレンデルの『巡礼の年』も後半に登場する。調べてみると、ブレンデルは2016年にデッカから114枚組の『The Complete Philips Recordings』をリリースしていて、その79枚目にに『巡礼の年』がある。ちょっとした違和感があったのは、iPodが登場していたこの小説の時代に、クロ(エリ)がブレンデルの『巡礼の年 (années de pèlerinage)』のCDを手に入れるのは、相当難易度が高かった気がする。この2016年の『The Complete Philips Recordings』でやっと復刻された印象があるからだ。まあ、どうでも良いことかもしれない。

ラザール・ベルマンの『巡礼の年』も、ぼくが今持っているのはハイレゾ音源のもの。本で取り上げられているのは、第1年『スイス』の8曲目『郷愁 Le mal du pays』だ。これが全然気に入らない。ラザール・ベルマンと言えば、リストの『超絶技巧練習曲(Études d'exécution transcendante)』の演奏が印象深いのだが、こちらの演奏は、特に高音部がデッドで、ピアノ自体の調子が悪いのではないか、と思うほどになっている。この演奏から、こんなステキな小説がインスパイアされるのも不思議だった。

リストの『巡礼の年』は不思議な曲だ。まるでリストっぽくない気がする。むしろ、ブラームスの最晩年の『間奏曲集』と似た世界を感じる。

ブレンデルが2016年にデッカから出した114枚組の『The Complete Philips Recordings』のジャケットにどうして傘をさしている写真を選んだのかなぁ、と思ったり、20代の頃、ブレンデルのコンサートに行ってシューベルトのソナタを聴いたのだが、凄く大きくて背が高くて、ジャケットの印象と全然違ったことなどを思い出した。

そういった若い頃の思い出と『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』が化学反応し、なんとも言えない余韻が残った。これこそ、村上春樹しかもたないチカラだと思った。
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No.556:
(5pt)

村上春樹の小説にしては、オチがきちんとついていて納得感がある

村上春樹の小説は長編、短編ほとんど全て読んできたが、本作はそのストーリー、オチともに最高レベルの作品。

いつも好奇心を掻き立てられる出来事を起こすだけで、フワッとした曖昧なラストでモヤモヤすることが多いが、本作ではきちっと描いてくれている。

「どんな内容なの?」と人に質問された時に、答えやすいようなストーリーです。
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No.555:
(5pt)

分かりやすくて僕は好きだな。

最初に大きな謎がドーン!と提示され、それが少しずつ明かされていくという分かりやすい構造。その途中で新たな謎が示され、そのいくつかは回収されないが、少なくとも中心となるテーマはきちんと解決される。僕はこういう分かりやすい物語が好きなんだな、と読み終えてから思った。いくつか読んだ村上作品の中ではこれが一番好き。
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No.554:
(5pt)

喪失と孤独。

友の喪失や孤独で心に深い傷を負う主人公。傷に向き合い、理解し、受け入れていくストーリーに感動出来る。
個人的に孤独の二重否定の話が印象的でした。
ただ一人でいること、さらに、海外で異邦人であることの『二重の意味で一人であることは、あるいは孤立の二重否定につながるのかもしれない。つまり異邦人である彼がここで孤立していることは、完全に理にかなっている。そこには何の不思議もない。そう考えると落ち着いた気持ちになれた。自分はまさに正しい場所にいるのだ』
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No.553:
(4pt)

沙羅の正体

思いっきりネタバレです。

沙羅の正体がわからないまま、ハッピーエンドを期待したまま読み終えてしまいました。気になって、考察やレビューを見る中で、大変残念な気持ちになりましたが、それもそのはず、沙羅が何の関係もない女性で、どこの誰かもわからない男性と同時に付き合っていて、本当につくると愛し合うために巡礼を促した、というストーリーは、いささか無理のある解釈です。

いくつかの仮説を見ましたが、やはり沙羅はシロ(柚子)の姉であるというのが最も考えやすいように思います。一緒にいた男性は沙羅、柚子の実父であり、柚子を性的虐待の上、殺した犯人ということになります。

沙羅が黒幕、父親とぐるであッたと考えると、姉妹ともに父親と性的関係を持っており、沙羅は父親の関心を自分だけにむけてほしいために、父親をけしかけてシロを死においやった、というおぞましいストーリーにもなりえます。この場合、つくるに巡礼を促したのは、シロを殺したのは誰かわからないが、クロが逃げ出したことが引き金になっていることで、一定の納得感を、つくるに得させることが目的だったということになるでしょうか。

個人的希望というか、つくるの立場になってみると、妹を失い、守れなかったという罪の意識を持っている方が、まだ嬉しいです。この場合、父親に見せていた笑顔がどのような感情から来ているのか、という疑問にぶつかりますが、沙羅は自分自身を守るために、妹の件は知らないフリをして、父親には複雑な感情を抱きながらも、表面上は良い関係を築いているのかもしれません。そして、つくるを巡礼の旅に送り出したのは、実は自分自身が過去の凄惨な事件に意識的に蓋をしていて、それをつくるの手によって開けてほしい、そして、可能ならば断罪してほしい、という、これまた複雑な感情なのでしょう。

いずれにせよ、つくると沙羅が結ばれるという結末になるのは絶望的であり、そこまで書くとつくるが死んでしまうでしょうから、沙羅の人物像を謎のままにして、いくつかの可能性を残したまま話を終えたのでしょう。結論をはっきりさせないのは、春樹さんのいつものお決まりですよね。
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No.552:
(5pt)

長さも適切で、完成度が高く、初めて村上春樹を読むのは、この本からがお勧めです

村上春樹は最も成功した作家の一人だと思いますが、謎の設定、予想ができない展開、伏線を拾って収束は、さすがと思えます。内容は村上春樹らしいものですが、最もまとまって、没入する作品だと思います。長さも適切です。ただ、設定されたことの3から4割程度が回収されておらず、読後にちょっと不満が残るかもしれません。お勧め度は高いです。
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No.551:
(4pt)

村上流、自己と過去の受容の物語?|『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

4、5年ぶりに本作を再読。これだけ経つと筋もあらかた忘れており、フレッシュな気分?で改めて楽しく読むことができました。

・・・
本作の主人公である多崎つくる。他の村上作品同様、非常に自制的・自省的、言葉に敏感、そして適度な運動を好むという、自分があこがれていた方向であり、勝手に自身を重ねて読んでいました笑

再読して改めて感じたのは、本作が生死・友情・グループ・信頼・過去の清算など、多くの人が遭遇する人生における困難に主人公を対峙させていることです。多くの人が日々の生活でこうした問いに悩みつつ、時に間違えたりしつつ自ら答えを出していると思います。読者は主人公を通じて、自分がするかもしれなかった経験、ないしは過去にしたような経験を追体験し、困難の克服についてのケーススタディを行い、適合する方はある種のカタルシスを得られるのではないか、と思いました。

あ、ちなみに筋についてはもう書きません。アマゾンか何かでご覧ください。筆力がないので筋を書いたらすべてネタばらしになりそうで。

・・・
ちなみに本作、名古屋ネタが多く、きっと名古屋出身の方は大いに喜ばれるのだろうなあと感じました。主人公含む5人グループの一人アオは名古屋のLexusの販売店で働いているとのことですが、おそらく桜通沿いの高岳の店だろうな、とか、クロの進学先の英文科が有名な私立女子大というのは椙山か金城か、とか、アオの勤務先から5kmほどのアカの事務所があるガラス張りのビルってのはやっぱりミッドランドじゃないかとか、きっと色々検証される方が多いのではと想像します。私も丁度出版当時、仕事で3、4年ほど仕事で名古屋に住んでいたのですが、小説の舞台に覚えのある場所を重ねて想像するのは予想外に楽しいものでした。

・・・
実はこの春、友人を亡くしました。中高一貫の男子校で、学年に当初は沢山いたバスケ部員で、しごきのような練習に6年耐えて最後に残った5人のうちの一人でした。チームはそこまで強くはなかったけど、卒業前は5人でバスケをやれば、喋らなくてもパスが来る、そういう無言の紐帯を感じたものです。今回、私の一時帰国にあわせて、残った4人でそいつの実家にいって手を合わせたその晩、偶然手に取ったのがこの本でした。まさかお前がこの本を読ませた?なんて逝った友人に問いかけた、そんな夏の読書でありました。
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No.550:
(4pt)

一種のミステリー小説

本文中、ご親切に「ワーグナーの指環」と書いてくれていて思わず笑ってしまった。村上春樹の小説は典拠となるテクストの集合体と言える。そのテクストを見つけ出し、把握しない限り、彼の作品を読めたとは言えないだろう。
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No.549:
(5pt)

ハルキ流「カラマーゾフの兄弟」

「色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年」は、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」に似ている。(多少、ネタバレあり、注意)

「カラマーゾフ」では最後の裁判で登場人物それぞれの深い思いや熟考が一気に明らかになるところがあるが、「多崎つくる」では、それが徐々に徐々に明らかにされている。
相似は当然、それだけではなくて、魂の奥深い部分を書こうとしているところも似ている。
どちらも殺人が起きているし、真犯人は逮捕されない。
多崎つくるはドミートリイでありアリョーシャだ。シロはイワンだろう。

「多崎つくる」には「悪霊」の存在が示唆され、ドストエフスキーには「悪霊」という著作がある。
そして、「多崎つくる」には大きな和解がある。「カラマーゾフ」には冷酷な判決がある。

繰り返しになるが、いろいろな登場人物が、1人の人間の性格、行動、考え方などについて考察を加え、意見を述べるという構造は、「カラマーゾフの兄弟」を想起させる。
ハルキが最も影響を受けた3作品のなかに選んでいた「カラマーゾフの兄弟」の影響がここで出てきたのかと嬉しくなる。
本作は、「カラマーゾフの兄弟」に大きな影響を受けたというハルキ流の「カラマーゾフの兄弟」だ。
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No.548:
(4pt)

とても面白かったけれど。

個人的には、村上春樹さんはエッセイは好きだけれど小説はちょっと苦手なタイプです。
でもこれはかなり入り込んで読めました。気になったことを先に。主人公と彼女の会話が、現代の30代独身男女とは思えない。この2人は「1970年代の30代男女」のような言葉遣いをして話すのが、ずっと違和感がありました。古臭い。2人が銀座の「喫茶店」で待ち合わせをして「ウェイトレス」が注文を取りに来たりする場面も。この時代感覚のズレは、村上さんもお歳をとられたのだなあと思わざるをえませんでした。
もう一つ。村上作品お約束の、生々しい性描写も、ここまで必要だろうか?と思いました。もっとあっさりとしてくれたら、気持ち良く読めるのになあ。
それ以外は、非常に巧みな、ちょっと巧みすぎるほどの文章の連続。さすがの力量。ところどころ、ちょっとかっこよすぎるのもファンにはたまらないのだろうと感じました。
文句が多くなってしまったけれど、読んで良かった一冊です。
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No.547:
(4pt)

正しい言葉はなぜかいつも遅れてあとからやってくる

2020年「一人称単数」以降
新作も出ないので過去作を読み返してます。

日本の作家ですと他に芥川龍之介や太宰治や宮沢賢治や三島由紀夫などが好きです。
これらの人にはもう新刊が出ない。

太宰治といえば
読んだ人はまるで自分のことが書かれているように感じると言われていますが
村上春樹さんにも同じことを感じます。
「これはまるで自分のことのようだ」

人に向けて差し出せるものも持ち合わせず
人をがっかりさせ
ある日まともな挨拶もなく姿を消してしまい
1人ぼっちになるよう運命づけられている
色彩とか個性に欠けた空っぽな多崎つくる
16年経っても心にまだ傷が残っている

振り返れば誰しもこのような別れを経験したことがあるのではないでしょうか?
…ないのかな?
私はあります。

あの素敵な時代が過ぎ去って
もう二度と戻ってこない
いろんな美しい可能性が
時の流れに吸い込まれて消えてしまった
もう後戻りはできないのだ

17歳の友達に会ってみたい気もします。
話せなかったこと
聞きたかったこと
解きたかった疑問や誤解

一緒に過ごせたかもしれない素晴らしい時間

色彩りと活気を与えてくれる名前に色がついているアカやアオやシロやクロ。

灰田の灰色は白と黒を混ぜて作り出される。
ピアノの白鍵と黒鍵。

「村上春樹小説あるある」不思議な謎キャラ
余命1か月のジャズ・ピアニスト 緑川

あと「村上春樹小説あるある」に
小説に出てくる音楽のCDが売れること。
本作ではリストの「巡礼の年」があります。

以下 ネタバレ 感想です

沙羅とはどうなったのかわからないままに終わってしまいました。

沙羅と手を繋いでいた中年の男は父親ってことはないですよね?まさかね

なんだかまた多崎つくるは1人になってしまうような気がします。

シロをレイ〇したり絞殺した人物も謎のままです。
「僕が柚木を殺したかもしれない」と言った多崎つくる。
暗い部屋の隅に立つ灰田みたいに。
「表の顔からは想像もできない裏の顔」

村上春樹さんが好きな作家の1人にあげる
レイモンド・チャンドラー。
その「大いなる眠り」が映画化される際に「あの運転手を殺したのは誰ですか?」
と質問した監督に対しチャンドラーは
「私が知るわけがない」と答えました。

村上春樹さんにもシロを殺したのは誰か
わからないのでしょうか?
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
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No.546:
(5pt)

狂うための期間

[印象に残った言葉]
・どんなに穏やかに整合的に見える人生にも、どこかで大きな破綻の時期があるようです。狂うための期間、と言ってもいいかもしれません。人間にはきっとそういう節目みたいなものが必要なのでしょう。

・嫉妬とはつくるか夢の中で理解した所では世界で最も絶望的な牢獄だった。なぜならそれは囚人が自らを閉じ込めた牢獄であるからだ。
すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ。

[感想]
色彩をテーマにした暗さの中に葛藤が見える本だった。表面ではなく内側に引っかかりを持ち悩む姿に共感を覚えた。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
4163821104
No.545:
(4pt)

わかるとかなり面白いけど、ややハードルが高い

かなり遅れて読みました。
アマゾンレビューが話題になったのも知ってて、あまりにも大袈裟な心理描写や、昔の映画やドラマのようなシャレた?会話文には笑いながら読み進めました。
いろんな疑問や謎が残りながらも、ある程度のところまでしか理解できない状態で読み終えました。

推理小説的に読めるという考察ブログを見て、非常に納得がいきました。
小説だけで理解が出来ないのは少しハードルが高いように感じました。
同時に自分の頭の鈍さに悲しくなりましたが
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4163821104
No.544:
(5pt)

良くも悪くも村上春樹らしい小説。細部の回収が出来てないが仕方ない。

細部の回収が足りない。白の殺人事件が未解決である。
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