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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1023件 961~980 49/52ページ
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久しぶりに、時間を惜しんで小説を読むという体験を持つことができました。ここ数年の村上氏の作品は私にとっては冗長的すぎて正直余楽しめませんでしたが、今回の新作は一気に読んでしまえる長さとテンポの良さでとても楽しめ「中国行きのスローボート」や「レキシントンの幽霊」をよ読んだ時と同じ感じを持ちました。 「IQ84」「ねじまき鳥」の時には味わえなかった読了後の自分が別の場所にいるような村上氏独特の感覚もありとても懐かしい感じがする作品でした。 今までの主人公の一人称「ぼく」が「おれ」に変わっていること、すべての事象について中途半端なエンディングであることなどいろいろ違和感はありますが、それでも30年近くの村上氏のファンの私にとっては久しぶりの春樹節でうれしかったです。 | ||||
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大体の春樹作品(短編・エッセイ含)を読んでいる者です。 物語の構造自体は真新しいものではなく、 「主人公或いは主人公にとって大切な人物が別の世界へ行き、 無事に戻って来られるか」という『羊をめぐる冒険』辺りからある 多くの村上作品に見られる構造だと思います。 内容は今までの作品に見られるテーマや人物を幾つか拾い集めて、 時代設定や作中に登場するアイテムを現代に合わせてアップデートしたような印象を受けました。 物語の結末や謎解きを肝要にするのではなく、文体や比喩に唸りつつ、 上記に書いた構造を抜け出す(或いは踏襲する)作品となるのかを念頭に置きつつ読み進めるのが、 春樹作品の楽しみ方なのかも知れません。 | ||||
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<span class="tiny"> 長さ:: 9:47 分 </span>色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 新刊を読みましたが優しいタッチですね。 ノルウェイの森を彷彿とさせます。 主人公の巡礼と言うよりも、「村上春樹さん自身の巡礼の年」だと思います。 感想を細かく、ビデオレビューにしてみました。 | ||||
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村上春樹もつくづく不運だと思う。読んでもいない批判論者にレビューを書き込まれて。まあ文学界では異端児だし、メディアに勝手に持ち上げられ目立つしで敵も多い。 これまで大抵の村上春樹の作品を読んできましたが、読むのが苦痛だった1Q84とは一転、本作は非常に読みやすく、村上春樹らしさを取り戻したのではないか。一方、登場人物に関する描写は少なく、かつキャラクターの魅力も薄く感じる。読了後の満足度も他の作品と比べても多いとは言えない。他の方が指摘するような違和感や、これまでのような現実世界と少し離れた世界との織りなす物語も少ない。 しかし一度読めば、お馬鹿な酷評レビュアーがいかに“読まずして必死に書き込んでいるか”が分かります。どこの関係者なのか、いくらもらってるのか甚だ疑問です。 | ||||
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主人公・多崎つくるくんとは同い年、 村上春樹さんの作品は二十歳のころに読んだ 「ノルウェイの森」以来。 つまりファンではない一般読者です。 学生時代、親友たちから突如絶縁されたつくるが 新しい恋人の助言で旧友たちと再会し、 真相を突き止めながら再生へと向かう話でした。 友人たちとの会話は大変読みやすく、 喪失と再生のニュアンスも文章からじんわり伝わります。 ただ、生と死に関する文章は哲学的で よくわからず、モヤモヤします。 村上さんのファンの方はいままでで 一番読みやすいとおっしゃいましたが、 軽く読めるところと難解なパートが交互にあり、 ちょっと戸惑いました。 著者名を伏せて純粋に物語に触れたとしたら、 普通というか。絶賛でも酷評でもない、中間。 自分がストーリーテリングの劇的なものに 慣れすぎてしまったからかもしれません。 もしくは、作者や作品の話題性が大きすぎて 純粋には作品に入り込めていないかも。 | ||||
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物語自体はシンプルで文章も難解ではなく、すんなりと読み進めることができます。 村上春樹ブランドに恥じない丁寧に磨かれた文体で、印象に残る言い回しもいくつかあります。 基本となる物語は誰もが体験しうる内容で、大なり小なり共感できる部分があると思います。 高校の頃の親密な友人グループからの締め出し、昔とは決定的に変わってしまい元には戻れない関係。 本当の自分を解放するための行動。 作者の過去の作品「国境の南、太陽の西」や、他の作品に出てくる喪失感のようなようなものを今回も感じとる事ができます。 不満な点もいくつかあります。 まず、全てを明瞭に語ることなく読者の想像にゆだねるような結末。(これについては、読む前からある程度覚悟はしていましたが。) 次に、自分は主人公の年齢に近い37歳ですが、出てくるアイテムに少し違和感を覚えました。 ラップトップパソコン?ブルックス・ブラザーズ?エルヴィス・プレスリー? 作者が自分たちの年代に擦り合わせきれていないのか、意図的に配置しているのかはわかりませんが、 そのようなアイテムが出てくるたびに自分達の年代の話ではなく、もう少し上の世代の話を聞いている気分になりました。 さらに、これは「1Q84」を読んだ時にも感じたのですが、終わり方が少しくどい印象を受けました。 個人的には後半の数ページは省いても良かったと思います。 (素人が一度読んだだけでの感想ですので、全くの見当外れであったらお許しください) 最近の村上春樹氏の作品には、昔の作品にあったような強烈な中毒性が薄らいでいるように感じられるのが少し残念です。 でもこれは作品のせいじゃなく、自分が変わったからかもしれせん。 村上春樹氏の作品を読んだことのない若い人には響く可能性もあります。 | ||||
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一部の名古屋から上京してくたくたな生活を送っている村上春樹ファンにとっては―少なくとも私にとっては―サプライズな新作でした。 主人公たちの高校時代の描写で、名古屋弁喋ってないのは変だろって突っ込みは野暮なので、 というよりマトモに喋らせたら、彼らの輝ける神秘性が根こそぎ失われるのでナシってことでお願いします。 このお話にとっては、これといって特徴がない、保守的などこかの地方都市が、 主人公の光芒の地であればそれでよい、といったような意味合いしか欲されていません。 ナゴヤが深い謎とメタファーに満ちた魔法の地、なんてことがある訳ないのです。あってたまるかい。 いきなり冒頭から主人公がアグレッシブに死にかかっているところから始まります。 鬱な主人公はいつもの事なので、そのまま読み進めると、青春時代の苦しい過去の出来事を経て、 鉄道駅を作る会社に勤める、30代の独身貴族が出てくるわけです。やっぱりね。 物語は高校時代の、主人公含め男3人と女2人の、奇妙なほどに完璧で神々しい友情の思い出と、 それらをある一本の電話により、取り返しがつかないまでに全てごっそり失って、 現在の主人公が浮かない顔で東京をぼそぼそめそめそと、しかし例によって美味しそうな飯を食べながら、 地味に(そして浮世離れに)生活する様とが交錯して描かれていきます。 大学時代に主人公が出会った、物語性に満ちた預言者のような後輩の青年や、 生きものである人間が身体を精神と対話させるための、儀式的な美を込めたスポーツ描写も出てきます。 そして例によって、年上で官能的で理知的な女性と、スマートな肉体的お付き合いをしていて…なのですが、 主人公が動き出しそうな予感を感じて、ここまでにばら撒かれた謎が回収されそうかなーと本の厚みを確かめてみると、 もう結構進んでしまった事に気づくでしょう。 べつだん彼にご大層な謎なんてないのです。お話にも、仕掛けも謎もないのです。(星が4つなのは当初の期待の方向が違ったせい) 主人公は、内っかわに宿り続ける過去に、振り回され、痛めつけられ、対峙さえできず、 心底嫌になって、とうとう『未決』の箱にぶっこんだという大人風対処について、例の年上美女が、 あなたずっと箱の中にいるのよ、と女神の啓示を下されまして、 主人公はさいしょ恐る恐ると、やがてすさまじくアグレッシブに『未決』と向き合い、 あの失われた友情をほどいていこうと、かつての友にアプローチしていきます。そして不可解であったことが解明していくと、 それは残酷な事実として意味を成し、より深く頑迷な苦しみとなって主人公を戸惑わせ、後悔させ、内っかわを苛むのです。 外側から彼を見れば、いい年して何やってんの、としか見えません。お金にも女にも困っていないんでしょ、ふうん。 それでも彼の内っかわは、毎日禿鷹に臓物を食い千切られても闇夜が明ければ再生するプロメテウスのように、 繰り返し繰り返し傷つき、悪夢にうなされ、そしてまた性懲りもなく傷つくために目を覚まします。 彼は死ぬことができなかった。自らで終わらせることもできず、常に鮮明な痛みに巻き戻されながら頭は年を取り、生き続ける。 それはおそらくどこにでもいる、若い時に自殺を考えたことがある、30代のぱっとしない、人生うまくいかない日本人と(おおよそ)同じ。 他人に聞かせたらドン引きされるか説教されるかしそうな過去を持っている、ただそれだけの主人公。 しかし、プロメテウスは火を持ってきた男です。 つくるは駅を作る男です。文明の動脈を愛する人間です。 その情熱も、内っかわを焦がすはげしい痛みの一つであることを、忘れるはずはないのです。 | ||||
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続編があるかもしれないのでそちらに期待すべきかも・・・・・ 沙羅にフラれたつくる君の死への葛藤がみられるかも・・・・・ 36歳にもなったええ男が「なんやねん!」って感じのつくる君だけど、本書を英訳するときにJay Rubinさんのような翻訳者は4人のカラフルメンバーのネーミングをどう訳すのかなって気がした。まず、これが最初の印象。赤松はRedpineか?青海はBluesea!わっ綺麗。白根がWhiterootだとどうもピンとこないし、黒埜はBlacksand-beachならハワイっぽいな。アローハ! 「巡礼の年」から想像するに、当初、宗教的なものだなって思った読者は、ガクッ!って感じ、みたいだったな。これが今回の音楽。 またまた今回もお食事シーンがいろいろと出てくる(ホーム・ドラマでもないし・・・・)。中央線新宿発松本行きの特急が午後9時ちょうど、時間通りに発車していったのを確認してから近くのレストランに入ったつくる君。ミートローフとポテトサラダを注文するのはいい。半分残すのもいい。で、その半分残した理由が「ただ食欲がなかったのだ。」って、なんでやねん!食欲がなかったなら、レストランに入るなっちゅうの。 無理に文春に義理立てすることもなかったのに・・・・・。もっと時間かけて、いいもの書けばよかったのに・・・・・。 | ||||
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読みやすい。 一気に読めた。 でも、何も残らない。。。 だけかな。 | ||||
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村上春樹の作品は、すべて読みました。今回も、Amazonさん、しっかり12日に届けてくださいよと祈りながら待ちわびていたような感じでした。(実際に12日に届きました) しかし、実際に読んでみると、あまりいい出来でないような気がしました。おもしろいのは確かですが、村上春樹の作品としては、凡作以下かと。 今作は、ノルウェーの森のような作風であり、読んでいてもノルウェーの森と同様の感覚を抱きます。しかしながらノルウェーの森には、遠く及ばない気がします。ノルウェーににているがために、その粗が目立ちました。ノルウェーが星10なら、星5程度といった印象です。 その理由はシロ(非常に重要なキャラクターです。)に共感できないこと、そもそもシロについてあまりにも書き込まれていなさすぎです。無理があります。 人物描写についての不備はやはり、沙羅(非常に重要なキャラクターです。)にもあてはまります。こちらも非常にぼんやりとしたイメージしか浮かんできません。 春樹らしい素晴らしいところが本当にたくさんあり、序盤はノルウェーの森の以上の感動を与えてくれるかも、と期待しましたが、致命的な粗さが目立ちました。 | ||||
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この人の作品を読んでいて毎回、思うのですが、謎が謎のまま終わってしまう。もしくは、あいまいなまま終わってしまう。 何かあるように見せて読者を引っ張る、その力はすごいです。でも、いつもたいしたものがない。 途中までは面白いが、最後まで読むと、何もこころに残らない。 エヴァンゲリオンや浦安直樹の漫画と同じ系統の作品のように思います。 今回の作品は読みやすかったですが、こんなにページ数を使ってまでやる内容ではないと思いました。 たぶん、西原理恵子が書いたら、三ページで終わるでしょう。 登場人物がみんな理屈っぽい。ぐだぐだ言いすぎ。モブキャラですら、小難しい理屈を語る語る。 しかも、生まれも育ちも名古屋なのに、みんな標準語。 今回、半分までは夢中になって読みました。三分の二を過ぎた辺りから、またいつものパターンじゃないだろうか、 何かあるように見せて、実は何もないパターンじゃないだろうかと危惧しはじめ、 五分の四あたりで、がっかりして読む気が失せました。 いちおうは最後まで読みましたが、残念感がたっぷりです。 | ||||
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相変わらず性描写が詳細過ぎて全面にお薦めは出来ません。 次回作があるなら是非性描写なしで19章のような表現で文字数の多い作品を期待したいです。 それくらい最終章が良かった! | ||||
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村上春樹の一貫したテーマである「喪失と再生」が綺麗に無駄なく収まっている、非常に無駄のない秀作であり過去の作品の流れから外れることのないザ春樹的な作品。 1Q84で見られた過去の作品とは決別したような文体からいつもの文体に戻り、キャラクターの配置などにも過去の自身の作品へのオマージュが見られる。 最近の作品にみられるイニシエーション描写は控えめ。イニシエーションはやり過ぎるとリアリティがなくなるので個人的に今作くらいがちょうどよい。 謎を解き明かすのがテーマでなくどう向き合うかがテーマ。 一人の人間が、無くしてしまった、あるいは無くしていくことにどう対峙していくかが丁寧に記されている。喪失からの再生はノルウェイの森でも見られたが、そこから一歩も二歩も踏み込んだ段階まで描かれていてこれは今だから書けるといった感じか。 登場人物が象徴的に描かれていたのでイニシエーションの違和感もなく、春樹の目指す「物語」として過去の作品よりクオリティーの高いものになっている。反面、エンターテイメント性は著しく低い。 ハルキストの求める春樹語録、文体の心地よさより物語としての良さが勝っているので非常に素晴らしい作品だと思います。 | ||||
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『1Q84』で回答が提示されなかった“天吾の母親はなぜ死んだのか?”という謎。そして、天吾にとっての“母親はどこに行ったのか?”(実は絞殺されていたのだが)という謎の回答を、村上さんは、この物語の力を使って導き出した。 この小説を読み終えたあと、僕はまずそう思った。 村上さん自身が『1Q84』執筆後、それらの謎を解決させて読者に伝えなければ、と頭の片隅で思っていたのだろう。 だって、シロとの性交シーン(ふかえりとのシーンと同じだ)や『トークン』(これはリトル・ピープルと同義だ)という、 あんなわかりやすい場面や例えを、村上さんが意味もなく持ち出すはずがないから。 なので、「それは突飛な意見だ」と言う方もおられるかもしれないが、 僕はこの小説を『1Q84』の続編だと思っている。 そしてそれと同時に、 この小説は、村上春樹による村上春樹論だとも思っている。 というのは、まだ巧く言葉にできないけれど、この小説を読んでいるとき、 なぜか僕は、村上作品のキャラクターたちの顔や声が鮮明に蘇ってきたからだ。 たぶん、これは僕だけじゃない。 きっと、同じことを思った村上春樹ファンでは多いはずだ。 『羊をめぐる冒険』で羊にとりつかれて自殺をした鼠。 『ねじまき鳥クロニクル』で奥さんを取り戻そうとしている岡田亨。 『海辺のカフカ』で起きたら血だらけになっていたカフカくん。 『1Q84』で自分の名前をひどく気にしている青豆。 この小説のページをめくるたびに、みんなが次々に脳裏を横切り、次々に言葉を発していった。 発せられた彼らの声は方向や高さを合わせ、徐々にしかし確実に この物語が導き出そうとする回答へと集約していった。 だから、僕はこの小説を読んでいるあいだ、すごく懐かしい気持ちになった。 なんていったって、鼠やカフカ君にまた逢えるのは、 たとえそれが頭の中であれ、ファンにとって、とてもとても嬉しいことだから。 そんな風にして村上作品の過去の登場人物に出会うしかけ(のようなもの)を 村上さんが創り出したのなら、この作品には、村上春樹による村上春樹論的な要素が含まれているかもしれない。 そしてそれは、村上作品の総まとめということもいえるのかもしれない。つまり、僕はそう思ったわけだ。 で、だからこそというべきか、 僕は、この小説を読んでいるときも、読み終わったときも、懐かしいと思うと同時にひどく哀しい気持ちになった。 もう村上さんは多くの作品を世に残すことができないんじゃないか。 もしかすると死期が近づいてるのでは。 そんな風に訝ってしまった。もちろん勝手な想像だけど。 ともかく、村上さんは、マイルズ・デイビスとは違った人生終盤の歩み方をしている。 ドストエフスキーとも違う。 次の作品は、おそらく短篇集になると思うけど、 楽しみに待っていよう。 | ||||
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ネタバレ注意 六本指の人物や灰田の父親が出会ったという悪霊憑きの緑川、 彼らは一体何者なの? そしてシロのおかしくなった原因は? 「永久に謎のままだと思う」とか「ギリギリの状況だったの」とかの言葉だけで片付くか?多崎つくるがレイプ犯?にされ共同体から切り捨てられたことの問題が。 これじゃシロはただの狂った女でしかなくなる 共同体の色彩を持つ仲間たちにおいても掘り下げて描いてないから人物像が薄すぎて愛着がわかない 共感も応援も出来ない 色を含む名前の登場人物の発想はいいのに背景が薄っぺら過ぎてアイデアを生かしきれてない 勿体ない もっと内容を濃くしないと読後「?」の状態になる そうならない為にはこの倍の量を描くべきだったでしょうね とにかく主人公にしても「主人公の優等生」的な人物で何ひとつ感情移入しなかった クールでどこか影があり何不自由ないのに自分自身に自信がもてずあるのは不満だけ そして自分の魅力に気付いてないちょっと浮世離れした存在… どの小説見ても大体ミステリアスでクールな典型的な「主人公の優等生」ばかり まぁここまで辻褄合わせをしない丸投げの小説も珍しい 人のオーラ(色)が見える特殊な人間がいて緑川のような男が他にも存在し灰田やシロのような犠牲者を次から次へと選んで悪霊のバトンタッチが行われるという内容なのかもしれないけどそれにしてもラストの失速はちょっと考えられない 伏線の回収どころか終盤で訪れたフィンランドの情景と共にあやふやにまとめたという感じ 多崎つくるは水曜の夜に沙羅に会うことなく自殺してしまうと思ったけどそれも起こらずハッキリしない とにかく作者が描きたいことだけをかいつまんで描いたという印象 六本指の人とか新宿駅の有名な写真に対しての反論とか 沙羅との会話も一見知的でおしゃれに見えるけど幼稚なオウム返しには一体なんの意図があったんだろう そして文中の説明では運命共同体とも言えるあの5人の絆の薄さ、物語の空っぽさには寒気すら感じた ノーベル文学賞?とんでもない! そんな作品 | ||||
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1987年の暮れに偶然書店の店頭で『ノルウェイの森』上下巻を緑と赤の綺麗な装丁に惹かれて予備知識無しに買って帰り、その物語世界と文体に完膚なきまでに魅せられて以来のオールド・ハルキストです。ハルキストだからこその苦言を呈させていただくものです。 当時出版されていた全著者を一気に買って読んでわかったのは、大変失礼ながら村上春樹さんの著書は作品により、魅せられる読者が限定されるようだということ。羊シリーズは当時自分にはどうしてもその魅力を理解できませんでした。 それ以来25年余り、長編では『ダンス・・・』や『世界の終りと・・・』、短編集では『回転木馬のデッドヒート』、エッセイでは『もし僕らのことばがウィスキー・・・』など、素晴らしい著書の数々を長年に渡って楽しませていただきました。しかしながら、あの『ノルウェイ・・・』の神がかった凄さを超える作品に出会えまま四半世紀を過ごしてまいりました。『ノルウェイ』には、登場人物の全ての皆さんが、本当にそこに存在しているかのような神がかったリアリティがありました。 前作の1Q84も実は失礼ながら妻は読ませていただいたのですが、自分は手にとることができませんでした。 今回、久しぶりの長編ということで初版1刷を購入させていただき、読ませていただいたところ、久しぶりに接する『ノルウェイ・・・』のような失われた自分探しのストーリー。「もしかしたら『ノルウェイ・・・』を超える世界を体験させていただけるのではと、久しぶりに夢中でページを繰り始めました。 しかし・・・、私は悟りました。『ノルウェイ・・・』はひとつの奇蹟であって、あれを超える村上センセイの作品にはもはや出会えないのだという事を。 十分引き込まれる物語世界ではあったのですが、それぞれの登場人物の人物造形が、『ノルウェイ』ほど完璧ではなかった。紗羅は緑ほど魅力的に描かれていなかった、シロは直子ほどのリアリティを残念ながら感じられなかった。永沢さんやハツミさんやレイコさんのような素晴らしい魅力二に満ち溢れたバイプレイヤーも見当たらなかった。 しかも、未解決で残された疑問の残され方があまりにも杜撰ではないでしょうか。絞殺されたシロさんのこととか。 ハルキストの皆さんの多くには、『ノルウェイ』の再体験をずっと追い求めてきた方が多いのではと拝察致します。 村上春樹様の文体で展開される世界に魅力される永遠のファンとして、この作品にはあえて苦言を呈させていただくものです。 | ||||
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こんなくだらない本買って損しました。何を伝えたいのか理解不能。村上春樹って本当に才能あるのですか。 なぜ、世間が評価し続けるのか全くわからない。 | ||||
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私は、殆ど村上春樹の小説を読んだことがない。所謂、ハルキストではない。ふだんから、そんなに小説を読む方ではない。 しかし、根がミーハーなので、つい、購入して、一気に読んでしまった。 この小説は、決してよみにくくはない。次から次へと読み進めることができる。小説の世界に感情移入しにくい私も 読めてしまったくらいである。 この小説を読んだ後、これが期待通りの秀作かと聞かれると、色々と疑問点が数多くある。 はたして、現代の36歳の男性は、このような話し方、考え方をするのだろうか。 会話の内容が極めて洗練されており、知的であるが、果たして? 登場人物の会話も知的で、所謂、「おしゃれ」である。かっこいい、のである。 果たして、リアリズムは? 等々。 他に、この小説の物語についても、不満が残る。ラストは、あれで良いの? 期待をしていたのに。そのラストは、読者のそうぞうりょくにまかせる、というものなのか? ただ、村上春樹の小説の特徴だと言われているのかもしれませんが、「言葉の力」のようなものは よんでいて、ひしひしと感じていた。読んで、数時間たったいまでも、何か頭に残っているような気分である。 とにかく、良い意味でも悪い意味でも「大人の小説」であろう。 このレビューのように、評価は二分されるだろう。 | ||||
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本作は、よくも悪くも「村上春樹ワールド」炸裂!、といった印象を受けました。熱烈なハルキストの人にはたまらない一冊になるのではないでしょうか? 個人的にはあまり心にぐっとくるものはなかったのですが、この人は、ストーリーテラー・流行作家として本当に上手い人だな、というのは感じます。 今回の作品もマスコミの報道などが過熱することに比例して、驚くほど売れるのでしょうが、これがノーベル文学賞か?と言われると、正直それはないだろうなと思います。 | ||||
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読み終わって「ノルウェイの森」の世界に引き込まれそうになった。 そっと隣に置かれたもののように感じてしまった。 誰かが理解し続けている不条理。 それでも守るべき者のために闘ってきた人の営みがあったのだろう。 一人のさりげない死がみんなの心をつなぐすべであることの悲しさが最後まで続く。 音楽に彩られたこの作品は透き通った湖のように深く静まりかえっている。 | ||||
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