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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年



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【この小説が収録されている参考書籍】
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価: 3.41/5点 レビュー 1022件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1022件 901~920 46/52ページ
No.122:
(4pt)

good, but...

他の方が仰っているように、ある意味村上氏のこれまでの仕事のラップアップみたいな感じを抱きます。最近の長編化傾向に若干面倒さを感じていたところですし、私は好感持ちました。他方、大事な人を失い、再度生きることを立て直すという、青春期的で明確な喪失感と再生の物語だけではなく、高村薫氏的な、中年が磨り減っていく喪失感や、再生もへったくれもない袋小路感を、この村上氏が書き始めたらどんな作品になるのだろうという期待も、読者になって25年、そろそろしてしまいます。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年Amazon書評・レビュー:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年より
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No.121:
(5pt)

共感出来る点がいくつあるか

村上春樹作品は20年程前に初めて読み(その際、私は19歳で2つ年上のガールフレンドから羊をめぐる冒険を進められ、貸してもらったのが始まりでした。)以来、全ての作品を読ませていただいています。

今回の作品もそうですが、過去の作品も含めて言えること。それはどれだけ共感出来る(自分と重ね合わせる)部分があるかにより随分と作品のニュアンスが変化し、言葉の読み取り方、感じ方が変わってくると言うことです。

今回の作品に関して評価が分かれている様ですが、『つまらない、駄作』と思われた方は恐らくある意味で平穏無事な生活(それをつまらない人生とまでは言いませんが)を送られている幸福な方々なのだと感じます。

この作品の中に自分の分身である部分を見付け、過去や未来の自分(主に過去との対比になると思いますが)と重ね合わせながら読んで行けた方の評価は自ずと高評価になるのは当然だと思います。私を含め、その方々が波乱万丈で不幸な人生を送っているかと言われれば、それはそのポイントによって感じ方は変わりますよね。

一度読んだ作品を5年後、10年後にもう一度読んでみると評価は変化します。それは村上春樹作品ではないどの小説にも起こり得ますが、この作品は特にその色が濃いのだと皆様の評価を拝見し、面白く感じました。
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No.120:
(4pt)

「心の整理がつかないまま放置されている思い出がある」大人へ

「心の整理がつかないまま放置されている思い出がある」人にオススメします!

主人公の多崎つくるは
仲の良い高校の友人4人からいきなり絶縁され傷ついた経験があり、
36歳になった現在、理由を確認するために、彼らを”巡礼する”物語です。
村上春樹はよく分からないと思っている方も多いかもしれませんが、
パラレルワールドや不思議な世界に向かわないので、とても読みやすい作品です。
私自身は海辺のカフカのような作品が好きなので☆を-1しました。

社会生活は問題ないものの、「心の整理がつかないまま放置されている思い出がある」ことは
決して遠い問題でなく、だからこそ、誰もが主人公の心に引き込ます。
そして、過去の友人と会い、心の整理をしていく過程を読み進めると、
今をがむしゃらに生きるだけでなく、時に立ち止まって対話することの重要さを感じます。
私自身、今だからこそ話せることがありそうな気がして、
読んだ後、意味もなく、高校時代の友達に電話してしまいました。

ちなみに、タイトルに入っている「巡礼の年」は
作品のモチーフに使われている、リストのピアノ曲のタイトルです。
とても旋律が美しい曲なので、本と併せて、オススメします☆
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No.119:
(2pt)

ピーマン本、カフカの物まねか

相変わらず思わせぶり的で、中身の薄い内容の作品で、世界的作家カフカとはレベルが違い過ぎます。作者は正業に就いた経験が無いために、本当の世の中を知らない方のようです。よって世間の確信部分が解っていないので絵空事しか描けないのです。作者は聞く所に拠ると、圧倒的に女性フアンが多い方だと聞いております。世間に長けている人には物足りない作品。但し、女性にこれだけ受ける才能は大したものです。
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No.118:
(5pt)

おそらく最高傑作だろう

これまでの村上春樹の作品のなかで、最高傑作の1つだろうと思う。
読み進めながら、ときに『ノルウェイの森』や『ねじまき鳥』を読んだときの印象が思い起こされる。それから『ダンスダンスダンス』も。
彼の小説を読みながら、胸が熱くなったり、涙がこぼれそうになったりしたことは
あまりなかったように思う。けれども、この本はそんな感情を起こさせる。
主題は、「人生に生きる意味はあるか」だと思う。
それに対して村上春樹は、作品を通して「イエス」と言っている。
私にはそう思える。
久しぶりに何度か読み直したい本に出合った。
蛇足:このページ数の小説は通常1500円の値付けだが、1700円をつけたところに出版業界の今後が少し見える。
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No.117:
(3pt)

ピークを過ぎた感

作家は、晩年になって熟成し、ますます深みを増した傑作を生み出すタイプと、
やおら筆の勢いが落ちてしまい、急激に作品が色あせていくタイプとありますが…
忌憚のない意見を述べさせていただくと、この本書を手に取って感じたのは、
間違いなく後者でした。

村上春樹さんの本を、20代はじめより愛読し続けてきました。
近年は「昔のほうが面白かった」「登場人物から何から昔は勢いがあったのにな」
と、薄々感じてはいましたが、この本書でついに確信しました。

“村上春樹さんは終わった”と。

村上春樹さんの新作と聞けば、どうしても昔の栄光からつい読みたくなってしまいます。
そして買っては「あれ…なんか妙な方向に走ってるな」
と、違和感を覚えることの繰り返し。

しかし、それも今回で読み収めとなりそうです。

ダンスダンスダンス、ノルウェイの森、羊をめぐる冒険、ねじまき鳥などの小説、
そしてギリシャミコノス島での日々を書き連ねた、明るくユーモアの混じったエッセイ。
あの時代の村上春樹さんの作品は、もう今後は出てこないのでしょうね。

盛りを過ぎ、細々と消えゆく才能とは、なんと切ないものかと思います。
この作品から感じたのは、村上春樹さんの老いでした。

どんな作品であっても村上春樹さんそのものをリスペクトし、受け入れられるほどの器量。
または村上春樹さんと同じ目線、感性がなければ、
本書に対して拒絶反応の方が強いと思います。

全盛期の村上春樹さんの小説は、何度も読み返したくなります。
今でも何度も読み返します。

しかし、近年の村上春樹さんの作品は一度目を通したらもう充分。
読み返すことは全くありません。
そんな現実が切ないです。
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No.116:
(4pt)

欠落の回復を目指す旅の物語

大作と大作の間の「箸休め」のような作品である。
ここではノモンハンも出てこないし、
カルト教団も出てこない。
16年という時間の経過は描かれるが、
月が二つある世界は描かれず、
基本はリアリスティックな物語である。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は、
できが悪くはないが、傑作というわけでもない。

ここには「風の歌を聴け」から今に至る、
欠落の回復を目指す旅、というモチーフが踏襲されている。
構造のシンプルさといい、
初期作品に帰った、と言ったほうがいいかもしれない。
何度も書かれた旅。
今回の旅も含めて、それを「巡礼」という言葉で語り直している、
という印象を受けた。

この小説には、
古い村上春樹ファンにとって、
ホッとさせるモチーフが数多く描かれる。
既視感が多い、
とも言える。
またかよ、
と言いたいような気もする。
しかし、
だからダメだ、とは思えないのだ。

村上春樹自身はどう思っているのだろう。

自己模倣だとは思っていないだろうか。

[・・・]
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No.115:
(3pt)

ブックオフ逝き?

名古屋郊外の高校を卒業して一人東京の大学に進学して先日まで東京で暮らしていた40男でしたので
過剰な宣伝に踊らされてノルウェイ、ダンス3以来の読書をしてみました

因に先週まで藤沢周平、松本清張を読んでいました

いやぁー、相変わらずフワッとしてました
観念部分8割というかリアルと夢の能書きにゲンナリしました

このような者たちに身近感が無いのでセリフの物言いに始終違和感が
(リーガル・ハイSPを途中で挟んだせいもある?)

好きだっただの絞殺されただのレクサスは造語だの「ふぅ〜ん。で?」という印象で
自分が味わってきた過ぎし日の方がセレナーデになっています

文体というか展開が大正時代な感じで、大正時代の自己否定な鉄道設計士が主人公だと思わせます

しかし、大学後輩との微妙な関係とかありますが、100万部の方が読みますか
装丁の抽象性の通り万人受けは皆無と判断しますが

とりあえず今週の東野圭吾最新刊で口直ししたいと思います
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No.114:
(5pt)

仏教世界への挑戦

しかし、これは不吉な作品である。
「1Q84」をbook3まで読んだとき、私は何故か三島由紀夫の「豊饒の海」が連想されてならなかった。したがって、もしbook4が発売されるならば、それは聖書的世界に、さらに日本性を強く打ちこんだものになるだろうとも思った。
その予感は、ある意味当たったと言えると思う。
現代日本に生きる我々は、仏教とキリスト教に挟み撃ちされて生きている。
・・・しかし、春樹氏の場合、(出生のためなのか?)理由はよくわからないけれども、
この作品で、無意識に仏教世界への回帰を果たしているように思える。
そこにはもはや、現代文学が問題とするビルドゥンスクと言ったような問題は、存在しないかのようにすら思える。
ただ、人は人として、ものはものとして、性は性としてそこにあるだけなのだった。
もし、読者が赤、青、白、黒、そして沙羅の仏教的意味合いを解読できないのであれば、この作品の面白さはわからないだろうと思う。
この作品は、ミステリーとしては不十分と言うか破綻しているけれども、そもそも日本において、ミステリーとはなんぞや?とすら思わせる「怪談」なのである。
が、ただよくない予感がするのは、才能に疲れたピアニスト緑川が、「あと1か月の命だ」とはっきり予告するくだりと、最後に沙羅に去られた(?)主人公が死を思うシーンである。
この「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が、村上春樹のスワン・ソングとならないよう心から祈る。
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No.113:
(5pt)

先入観を除けば、優れた小説と言える

『国境の南、太陽の西』や『ノルウェイの森』の路線に連なる、リアリズム小説で、おそらく『1Q84』で非リアリズム方向にかなり傾いた彼の意識を揺り戻すために書かれたような気もする。そういう意味では、初めて村上作品を読む人にとっては非常に読み易いかもしれないし、単純に感動して涙(過去作品で流し得る涙とは別種の)を流すような読者ありうる作品だろう。ただし、この本でファンになったところで『ねじ巻き鳥』で井戸に放り込まれて行き場を失うだろうが・・・。
確かに、初期4部作ファンも、ねじまき・世界の終わり・カフカ系統のファンも、期待を裏切られる形にはなるとは思うが、あくまでも小説は書かれた瞬間に小説家からは独立したものだとするのならば、この小説は優れた小説だと断言して良いと思う。
ただ、これだけ注目され、騒がれ、過去に大量の傑作があることによって、妙な先入観が入り、純粋に作品単体を評価できなくなっている読者は多いだろう。
しかし、少なくともこの小説で表現されていることは、3.11以降の日本、あるいはグローバル化・価値観が多様化し、混迷化する世界の中で我々自身の心に「駅(=ターミナル)」を「つくる」必要があるということだろう。少なくとも私はそう読んだ。
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No.112:
(4pt)

つくるは好きだ

32歳、女です。 
今回の新作の発売で印象深かったのは、世間のミーハーな人たちがぜんぜん食いついていなかったことです。前作の1Q84の時は、村上春樹作品を読んだこともないような人が、ベストセラーだからとか、ノーベル賞候補だからとか、すごく売れてるからとか、意味深な出版社の売り方が目立っていてとにかく買ってみたとか、とりあえず買っとけば知的ぶれるとかいう輩が多かったと思います。そういう人たちは、途中で読むのを放棄した人が大半ではないでしょうか? 読んでも理解できない人が大半だと思います。村上作品は大衆文学ではない。読み捨てされるような作品ではありません。
ファンにとっては、とても個人的で大切な作品です。
 だから今回の売り方は、とても好感をもてました。一気に読みましたが、孤独感、人と深くかかわることで得られるものや失ってしまったこと、色を持つということなど、読後も心の中に残っています。
つくるの孤独感の描写がよかったです。以前、心の闇という言葉を簡単に使われたくないと、春樹氏が言っていらっしゃったと思いますが、不気味な闇を感じました。これは心の闇なのでしょうか?
主人公はとても好きです。村上作品らしい主人公です。春樹氏に似ているのか? わたしに似ているところもあるのかもしれない。

もう少し深く人物のことが知りたかったかなと思います。心に迫るフレーズ、感動が欲しかった。けれど、この読後感こそ春樹作品の醍醐味かもしれない。
別に、春樹氏は、わかりやすい感動や、お涙ちょうだいを狙っているわけではないのだから。春樹氏が伝えたいこととはなんだろう。
もしかしたら、この作品にメッセージはないのかもしれない。春樹氏が生み出した作品は、確かに私の心をゆさぶり、話の世界へと連れていった。そして読んだ後も、今も考えている。
それでいいと思う。


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No.111:
(4pt)

村上春樹が示した「絆」

発売前から異常に盛り上がっているので、もしアフターダークのような小説だったら、かなりバッシングを受けるだろう、と心配していたのだが、思ったより普通の小説なので胸をなでおろした。珍しく村上春樹は明確な主張を明示してるのに、この本に戸惑う人が多いようだ。
村上春樹の小説は料理的であり音楽的であると思う。レストランの客は美味しければいいのであって、新しい料理じゃないから怒る人はいない。またコンサートを聴きにきた人には感動する演奏すれば優れた音楽家であり、今迄にない曲を書けないから二流の音楽家だという事はない。音は昔からあっても音の響きは自分しか出せないものを作りたいとエッセイにあった。

この小説は東日本大震災で喧伝される事になった絆について書かれてると思う。表面的な繋がりでなく真の絆とは何かが書かれている気がする。それに同意出来るかどうかは別にして。
それにしても登場人物の家族の話が多くて驚いた。初期の頃は主人公の家族すら殆ど書かれてなかったのに。家族が隠れたテーマかもしれない。
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No.110:
(1pt)

全てが中途半端

本作品において言えることは、全ての物語が中途半端であるということ。

灰田の存在、緑川の存在、シロに起こった出来事、過去の話、全てにおいて中途半端。
また、ガールフレンドの発言内容もいまいち理解できない上、つくるとの会話は、単に
オウム返しをしているだけである。

そして、抽象的な表現があまりにも多い。抽象的な内容を理解しようと想像してみるが、
そこに芸術性は感じられない。
村上春樹さんの言いたいことを、そのまま表現したのかな?と感じる作品である。

個人的に理解しかねるのは、友達4人が、過去につくるに対して行った行動について。
16年後の現在、つくるに対してアカ、アオ、クロが、当時の説明を行ったが、何故
そうなるの?という内容だった。クロに関しては何となく理解できたが、アカ、アオの
考えは良くわからない。

結局、本作品を読んで得たものは何もない。少なくとも私には合わない作品だった。

本作品において、リアリティが無いと書く方が多いが全くその通りである。たが、内容
にファンタジーといった要素も無い。
ここまでハズレの作品を読んだのは、数年ぶりである。
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No.109:
(4pt)

ジョナサン・キャロルの「黒いカクテル」を思い出した。

読み始めてすぐに、
ジョナサン・キャロルの「黒いカクテル」を思い出しました。
「黒いカクテル」は、
  人の魂は神によって5つに分けられている
  5人が揃って完全体になると、色のある光を放つ
という設定のダークファンタジーで、悪意に満ちた作品です。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」と
「黒いカクテル」には、
  主人公は30代男性
  主要登場人物は男3人女2人の5人組
  高校時代の人間関係が彼らの人生に決定的な影響を及ぼしている
  人(あるいは5人1組の人)は色を持っている
などの共通点があります。

また、どちらの作品でも、
人間の指はなぜ5本なのかということを、
登場人物がことさら言及しているシーンがあり、
これも印象的でした。
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No.108:
(3pt)

読む必要はない

これだけ話題になると、
一応読んでおいた方がいいのかな?
ひょっとしてすごい小説なのかな?
と思う人がいるかもしれないが、
そういう人は読む必要性はまったくない。

世の中にはこんな本より、
おもしろい本や読むべき本はいっぱいあり、
人生が有限であることを考えると、
短い人生の中で、この本に数時間あてるのはもったいない、
というのが私が読んだ結論です。

悪くはないと思うけど、ぜんぜんよくはない。
読むのがバカらしくなって、
途中でやめてしまった「1Q84」なんかより、
最後まで読めるだけかなりいいかもしれない。

この本を読んでおもしろいと思うのは、
村上春樹作品を今まで一度も読んだことのない大学生ぐらいか。
村上春樹作品を読んだことがある人は、
中身が100万部とか売れるようなものではない。
暇つぶしにいいかっていうと、
それだったら池井戸潤でもいいし、東野圭吾でもいいし、
いくらでもこんな本よりおもしろい小説はいっぱいある。

今回、村上さんは最近駄作続きだったので、
私的には村上春樹作品の最高傑作だと思っている、
「ノルウェイの森」みたいなものをもう一度書けないかと思い、
挑戦してみたけど、「ノルウェイの森」の劣化版というか、
モノマネというか、でも底が浅い作品になってしまいましたといった感じか。
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No.107:
(4pt)

魅力的な文章は健在!

村上春樹さんの作品では、ファンタジー色の強いものと、より現実感の強いものがあるように感じます。前者が『1Q84』や『世界の終わりと…』、後者が『ノルウェイの森』。本作は後者に属するように思いますし、読んでいて『国境の南、太陽の西』を思い出すところもありました。個人的には、前者の方が圧倒的に好きなんで、そういった意味では若干の期待外れではあったのですけれど、一気に読み進めさせられてしまう魅力は健在。出来たら、もっと短いサイクルで新作を発表していただきたい、というのが一ファンとして切なる願いです。
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No.106:
(5pt)

豊かな多様性と、明快な人物像

多崎つくるは、十六年掛けて、じっくり成長しました。。男2人は、あっさり描写されているのに対し、女性像は克明に描かれています。これが鍵かもしれない。置いてきたもの、手放せないもの、大事にしているもの、通じない思い、共感しながら読みました
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No.105:
(5pt)

生きづらさを感じている若者へのエール

比較的理解しやすい表現で書かれた、若者の葛藤を描いた作品でした。
それは今の時代をもがきながら生きる日本の若い人たちに向けた村上春樹さんからのエール。
そのように私は受けとめました。

難解な文学作品など読む余裕もない、もしくは読んだこともないような人たちにもちゃんとメッセージが届くように。
伝えたい相手にちゃんと伝わるように書かれているのだな、と勝手に解釈しつつ、読み終えました。
村上春樹さんの新刊発売というお祭り騒ぎにどんどん便乗して、読者の裾野が広がればいい。
この作品を必要としている人にまっすぐに届きますように。

今後の作品も楽しみです。
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No.104:
(4pt)

やはり読ませる。でも。。

村上春樹 新作読了して

やはり感嘆すべき作家です。
想像する力と、緻密な言葉の積み重ねが
読み手のイメージを多層的に拡げ、
時にはユーモアと絶望が交響して、
読書する醍醐味を味わせてくれました。
もし私がもう少し青春時代に近ければ、
かなり胸が痛み、呼吸がつらくなってしまったかも知れません。
この人は「失い続けること」を意識させる名人です。
この厚さ、ポイントで1700円はちょっと高いかなと思いましたが
値打ちは十二分にあります。
ただ気になることもあります。
この人はファンは中国や韓国にも多いと聞きます。
作中の重要なタームの一つとして
「記憶に蓋をすることは出来る。でも歴史を隠すことは出来ない。」
という言葉が数度出てきます。
これが単に、個人の切実な経験に言及した、普遍的な人間感情として
書かれているのなら良いのですが(そう願っていますが)、
何か政治的なものを指向しているなら鼻持ちならない言葉であり、
また或るもくろみを持った「何か」に利用されかねない危惧を感じました。
さらに突っ込めば、それがどんなに当人にとって切実であり、
かけがえのない経験、記憶でも、それが個人のものである限り、
正確には「歴史」とは言いません。
でも、とにかく素晴らしい小説がまた読めて幸せでした。
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No.103:
(4pt)

余白が少なくなった気がする

「雑文集」の中に『余白のある音楽は聴き飽きない』と題したエッセイが収録されていますが、今回の新作を読んで感じたのは「余白が少ないな」ということです。

以前の作品では、魅力的かつ謎めいたパーツと工具が読者の前に静かに差し出され、それを読者が心のおもむくまま組み立てていく密やかな楽しみのようなものがあったと思うのですが、今回の作品では読み手が手を出す間もなく作者の側で恣意的に組み立てられていくような感じがあった。
以前の作品にあった、静かな余白があまり感じられず、急きたてられるように物語は進んでいく窮屈さも感じました。
作者が饒舌になった分、登場人物の生き生きとした存在感が失われたような気もしました。

あくまで著者の以前の作品と比較しての感想です。
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