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切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人
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切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 41~50 3/3ページ
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カエル男の続編で、今回は死体の臓器を全て切り取るという現代の切り裂きジャックをモチーフにしているが、カエル男がケレン味溢れる猟奇ミステリー的雰囲気があったが、本作は著者の最近の作品の流れを組んだ、社会派的要素が濃厚で、ストーリー自体も最初のネタが揃ったところでほぼ予想が付いてしまうが、スピーディーな展開でそれでも退屈させない。 ミスリードを多用しているので、最後の真犯人の動機と犯罪があまり釣り合っていないのは否めないが、どんでん返しを最後の最後まで仕掛けたいという著者のサービス精神は高く評価されたい。 | ||||
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臓器移植という社会的に重いテーマに挑み、かつ、猟奇的連続殺人に絡めるという、非常に読み応えにある作品でした。 話のテンポも良く、犯人の意外性もありましたし、十分に楽しめます。 ただ動機はやや弱く、展開もちょっと無理があるような気がしましたが、読者を楽しませる作品にしようとする作者の意気込みみたいなものを私は感じました。 | ||||
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体内の臓器を全て切り取られた遺体が発見される。 犯人は、「(平成版)切り裂きジャック」を名乗る。 警察が懸命に捜査するも、被害者は増えていく。 捜査の過程で、被害者たちは、臓器移植を受けていたことが発覚する。 犯人の声明文によると、犯行の動機は臓器移植に対するアンチテーゼらしい・・。 浮かんでは消える容疑者たち・・。 脳死は本当に人の死なのか? 臓器移植は是か?否か? 犯人の真の意図とは? 真犯人は誰か? 真犯人は、確かに意外な人物だった。 しかし、切り裂きジャックの大胆さと、真犯人は結びつかない。 犯行声明で、臓器移植の話を持ち出すことで、警察の捜査網が狭まることを意識できていない。 どうしても、細部でストーリーが破綻してしまっている。 しかし、文章は非常に読みやすい。 人物設定や背後関係も秀逸。 特に前半は、非常に引き込まれる展開である。 全体的に見て、エンターテイメントとしては秀作と言えると思う。 | ||||
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サスペンスで有りがちな、最初はワクワク中パッパ、終りは...これかぁ?! 真犯人が最後に解る小説は、犯人の人間像が描かれ切れていないのが多いので、小説自体が陳腐になるような気がします。 小説の構成上仕方がないのでしょうけれど。 | ||||
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著者の「さよならドビュッシー」がすごかったので、ワクワク期待感を持ちながら読みました。 前半は素晴らしいです。犯人像が全く読めない愉快犯なのだろうか?と思わせる?予感?宮部みゆきさん級の展開?すごーい! 手品のタネの比喩表現も良かったです。 ところが・・・後半予期せぬ逆噴射? 素晴らしいという方もいるかもしれません。犯人は意外な人物だったので・・・ しかしながらこれは前半のスケールアップした設定を生かし切っていないような印象を受けました。 残念な方に裏切られたような気分で読み終えました。 著者の力量でしょうか?それとも意外性を追いかけるあまりのヒネリ過ぎの失速でしょうか? | ||||
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これまでの諸作と比べると、いくらか詰めが甘いような気がしました。 例えば、犯行動機もなんとかギリギリ納得は出来るのですが、ちょっと現実的には無理すぎるような気がしますし、 そもそもの原因となった件については「なんでそんなもの置いといたんだよ」と突っ込まざるを得ませんwwww (実際作者も書いているとおり、ほとんど現場で使用されることはないそうです) 贔屓の作家でもあり、また、楽しめたことも間違いありませんが、ちょっと最近ペース負けの傾向が垣間見えるのが気がかりです。少し待たせてもらっても良いので、次作に期待したいと思います。 | ||||
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この書籍は、確かに推理ミステリーという殻を持っているが、その本質は移植に関する正義を問うてくる本だ。 脳死判定されて、移植手術が行われるが、体は生きているので温かいという。それを本当にその人間の死といえるのだろうか。 確かに私も、死んだ人間に触れて「こんなにも人間は冷たくなるのか」と絶望して初めて死に直面した経験があり、そのことは理解しえることだろう。 また、ドナーカードを持っているから移植するといっても、その人間がこれまで生きてきたのは周りの人間のおかげでもあるだろうし、いくらドナーカードを持っているからといってそれを絶対だとしていいのだろうか。あなたはどう考えますか?という正義への問いかけがなされた本だと思う。 作者本人も雑誌の誌上で、さまざまな意見があるという客観的事実がある上で、あとの判断は読者に委ねるという旨を述べている。 いずれにせよ、作者自身よく勉強したのだろうということが窺い知れるし、移植というテーマに推理ミステリー要素の側面を持たせることにより、最後まで飽きることなく読むことができたと思う。非常に読みごたえがあったと思う。 | ||||
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物語の始まりは凄惨な殺人事件の現場が舞台です。現実離れした狂気世界に突入していくかと思いきや、臓器移植の現状が詳細に書かれた医療サスペンスとして、緊迫感あふれる展開になります。あの手、この手をつくしながらも、なかなか犯人にたどり着くことができない捜査本部の焦燥感がリアルに伝わってきます。作者自身は臓器移植への賛否は明確にしていないと思われますが、その分、医療・倫理の双方の観点からの考え方を客観的かつ仔細に記述しており、なるほど、という思いで読むことができました。それぞれの登場人物には臓器移植にまつわって様々な事情があり、事件の進展とあわせて、登場人物達がどのような状況に遭遇していくのか、引き込まれて読み進めつつ、人間の生命について深く考えさせられました。ミステリ的な要素はあまり多くはこめられていないと思いましたが、サスペンスの緊迫感を充分に堪能できる作品であると思います。 | ||||
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まず何より、前作「カエル男」の続編、という体裁がうれしい。 もちろん、本作と両方に登場するのは一刑事だけなのだが、既知のキャラクターが登場するだけで、共通の作品世界感が強調されている。 前作も医療系のテーマだったが、本作も医療系テーマであり、この方面に関する著者の関心の高さが伺われる。 また、テーマに関することを著者はよく調べている、というあたりも実に嬉しく、著者が本作に注いだ情熱が伺える。 一昔以上前なら、本作は社会派ミステリというラベルを貼られていただろう。 本作中に登場する論争、特に僧侶の述べる日本人特有の精神性というあたりが、個人的には非常に興味深かった。 さて、本作のミステリとしての側面である。まさにジェットコースター・ノベルという、息もつかせぬストーリー展開である。 殺人事件の死体に関する謎が提示され、犯人とその動機をめぐって警察が動く。 捜査の中心となるのが、さまざまなトラウマを抱えた敏腕刑事と、前作を中心となって経験した刑事のコンビである。 しかも古手川刑事は、前作からかなり経験値を上げており、なかなか良い感じでトラウマ敏腕刑事をサポートするのが、前作からの読者にとっては嬉しいところだ。 正直なところ、本作は本格ではなくサスペンスに分類されるミステリである。 つまり本作は、読者が犯人と動機を特定できるデータがすべて提示されている、というわけではない。 しかし、本作の緊迫感とスピード感は前作以上だし、何よりこの非常に重いテーマを抱えたストーリーを、前作以上のリーダビリティに仕上げた著者の上達ぶりには拍手を送りたい。 ラストはまさに、これでもかという意外性が続く。 この意外性の快感を味わうためだけでも、本作を読む価値はある。 | ||||
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中山さんの本は「カエル男」と「贖罪の奏鳴曲」が大好きです。 で、このタイトルでしかも「カエル男の登場キャラが再び登場!」 ときたら、もう期待せずにはいられないわけですが・・・なんと 言いますか、本作は良くも悪くも「普通」でした。 犯人の「容赦の無い狂気っぷり」や超痛々しい展開が、前2作に 比べるともの凄く薄いんですよ。 たしかに殺し方は非常にエグいんですが、犯人の動機や行動が ぞくぞくこないと言いますか、前2作のような「背筋がぞっとくる 恐怖感、人間の狂気って怖えぇっ!!!」が感じられなかったです。 でもまあ、中山さんの著作全体から見ると、「カエル男」&「贖罪」 タイプの方が少数派ですからね。この二つと同種ではなかったからと 言って、文句をつけるのはお門違いかもしれません。 そこを除けば、「読みやすくて刺激的な社会派ミステリー」という ことで、なかなかの良作だと思います。 ということで、星三つとさせていただきました。 | ||||
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