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カーテン
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【この小説が収録されている参考書籍】
カーテンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 41~45 3/3ページ
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「ポアロの最後を描いた作品が現に存在する以上、いつかは読まなければならない。でも、そのときは、少しでも先に延ばしたい」。それが、熱烈なポアロファンの偽らざる本音ではないだろうか。私も、そんなうちの一人であったのだが、ついに、私にも、この作品を読まざるを得ないときがやって来たようだ。 ちなみに、この作品は、出版こそ1975年なのだが、実際には1943年に完成したポアロ物22作目の長編であり、アガサは、この後も11作品を書き続けることになる。ポアロ物については、自伝で、「初めの3、4作で彼を見捨て、もっと若い誰かで再出発すべきであった」と述べているように、人気に押されて書き続けなければならなかった面もあったようだが、このポアロ最後の舞台を、スタイルズ荘という、ポアロのデビュー作であるとともに、自身のデビュー作でもあった記念すべき作品と同じ場に置いたところに、アガサのポアロに対する思い入れの深さを感じたのは、私だけではないだろう。 さて、この作品の冒頭で、ポアロは、「立居もままならず、どこへ行くのも車椅子の厄介になり、すっかり肉が落ちて痩せ衰え、顔には皺が刻まれている」という、衝撃的ともいえる残酷な老いの描写をされており、デビッド・スーシェ演じるところの、あの小粋で誇り高いポアロのそんな変わり果てた姿が脳裏に浮かび、いたたまれない気持ちにさせられる。 しかし、そんなポアロも、頭脳は健在である。スタイルズ荘の住人の中にいて、新たな殺人を犯そうとしている狡智に長けた謎の連続殺人者Xとの命を懸けた戦いには、アガサの騙しのテクニックが幾重にも張り巡らされており、見事の一言だ。衝撃の結末とあいまって、これはもう、ポアロ物集大成の最高傑作といってもよいだろう。最後までこんな素晴らしい傑作を隠していたアガサは、内心、ほくそ笑んでいたに違いない。 誇り高く散っていったポアロよ、さらば! | ||||
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ポアロの最後に相応しく、印象深い作品です。 舞台は閉ざされた空間、スタイルズ荘という高級下宿。 ポアロ初登場の舞台でもあります。 そこで交わされる何気ない会話、些細なシチュエーション。 でもどこからか歯車が狂い、徐々に不吉な雰囲気が忍び込んでくる。 人は誰でも殺人者になり得るのだという、怖い洞察です。そんな状況の中でポアロは関節炎に悩み、心臓病に苦しめられ、 かつての面影もありません。 唯一健在の灰色の脳細胞を使って、悲劇を防ぐことはできるのか。 ポアロと同様、今は老いたヘイスティングズ大尉の視点になり切って、 過去への追憶、娘への愛、そして目に見えない悪意と疑心暗鬼に 振り回され、クリスティの仕掛けた罠に敢えてどっぷりハマッてどうぞお楽しみください。 きっと感慨と感動と衝撃の余韻がいつまでも心に残るでしょう。 | ||||
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ポアロシリーズ最後の作品。だが、実際には以前に書いておいたものを解き放った作品。年老いたポアロを読むのは痛々しく、ポアロファンとしてはつらいものがある。相方のヘイスティングスも妻に先立たれて元気がなく、物語全体に暗い雰囲気がただよう。しかしクライマックスではポアロの脳細胞は死んでないのだと思い知らされる仕掛けが待っている。派手さはないが、結末は美しく最後としてふさわしいと思う。ポアロ登場作「スタイルズ荘の怪事件」とともにポアロを知る上で欠かせない作品である。 | ||||
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ポアロの逝去が新聞の記事になった本 ある意味衝撃的なトリックを最後に持ってきましたが それを支える骨格ができていなくて クリスティはお蔵入りにしていたらしいのだが・・・ | ||||
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舞台は、クリスティ処女作の舞台だった”スタイル荘”。 名探偵エルキュール・ポアロ最後の事件となりました。 老齢で痩せ衰えてしまったポアロですが、灰色の脳細胞は 全く衰えていません!本書は他の「オリエント急行殺人」 や「アクロイド殺し」、「そして誰もいなくなった」など の作品のような鮮やかさ・奇抜さはないものの、クリスティらしい意外な結末で、ポアロファンの私に とっては印象深い、泣ける一冊です。 | ||||
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