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きみの友だち
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きみの友だちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全209件 181~200 10/11ページ
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この本の主人公は和泉恵美ちゃん。彼女が小学校4年から大学を経て社会人になって数年くらいまでのお話。短編が紡がれて一つの大きな物語になる構成。 すばらしいのは、短編ごとに主人公が変わること。最初の主人公は恵美ちゃん。次はその弟。その次は恵美ちゃんのクラスメイトの付和雷同タイプの堀田(ほった)ちゃん、そしてクラスメイトのはなちゃん、更に恵美ちゃんの弟のサッカー部の先輩の佐藤さん(この人が、サッカーの技量もないくせにコーチ面、先輩面したがるのだけど、うだつの上がらない、普通だったら物語の主人公にはなれないキャラなのだが、そういう佐藤君を主人公にしてしまうところが重松のすごいところだ。) 恵美ちゃんは元々は沢山の友だちがいた方がうれしい、ありがちな女の子だった。ところが小学生の時に交通事故に遭って以来、それを友だちのせいにして世をすねてひとりぼっちのクールな女の子になる。そして彼女がたった一人のかけがえのない友だちとするのが、交通事故の原因を作ってしまった女の子。 一般的には、友だちは少ないより多い方がいいという風潮があって、ひとりぼっちの子や友だちの少ない子は、その他大勢のドミナントにいじめられたり迫害されたりする。常に仲間には同質性を求めて、自分たちと違うことを許さない僕の大嫌いな日本的ムラ根性。そしてドミナント仲間に入れなかった子が自殺したりする。 しかし、一人でも揺るぎのない、芯の変わらない友だちがいれば、凡百の、自己保身のために明日は自分をいじめるかもしれない「みんな」と一緒にいるよりも幸せなのだ。 重松はそういう付和雷同する仲間達を称して「みんなぼっち」という。結局「みんなぼっち」は「ひとりぼっち」=孤独なのだ。 だからこの本で重松は「君は君でいい」と語りかけている。変わり者であろうと、多くの人間に受けなかろうと君は君でいいのだ。何の不足があろうか。君が存在するのは神様の思し召し。君の内にも神様の一部が入っているんだ。 そういうエッセンスを特に若く悩める君に汲み取ってほしい。そういう本だ。 | ||||
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友達ってなんだろう…? 私がずっと抱えてきた悩みでした。 私は昔から、不特定多数と仲良くすることが苦手でした。 親友はいます。でも、その親友が遠くに行ってしまえば、私は1人ぼっちになってしまう…もがくようにクラスメイトに声をかけても、誰も相手にしてくれないし、話にはついていけません…。そんな自分に焦りを感じていました。小説の堀田ちゃんのように。 でも、そんな必要なんてなかったんだな…この小説を読んで気付かされました。 友達を始めとする、大切な人はその数が大切なのではありません。大切なのは、その人をどれくらい愛しているかということ…。その人のことを一生忘れないくらい好きになること、一生忘れない思い出をつくること、その人を大事にすること…。 私も今身の周りにいる友達、親友を、一生忘れないほどに、後悔のないように愛していけたら、大切に出来たらと思います。 最後の章と、最後から2番目の章は特に泣けます。友達とは何か、その大切さを心に刻み付けてくるような小説です。 | ||||
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悩みや不安は社会に出て生計を立てている大人だけものではないです。 小さな体でも小さな心でも、それなりに大きな悩みと不安を抱えているものです。 誰にでも小さなドラマがあり、やがて記憶から薄れていき、また新たなドラマが始まって・・・。 そうやって、生きて行くのだなあとこの本を読んでつくづく思いました。 「きみ」という名の主人公。でも、きみに関わるまわりの子も視点を変えれば「きみ」だったり。 「親友」・・・自分を振り返ると一方的に思い当たる人は一人だけ。あとは妻。 それで十分だと思っています。 フィクションなのかノンフィクションなのか、わからなくなります。 ただ、今でも「きみ」達が「もこもこ雲」の下で笑顔で頑張っていると信じたいです。 電車の中では読まない方が良いです。困りますから。 | ||||
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泣きました。心の奥にジンジンかつジワリジワリとしみてぼろぼろ泣きました。言葉でうまく表すことができませんが、深く色々なことを考えさせてくれる本です。 | ||||
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重松の描く人間は大人であれ子供であれ何らかの問題を抱えている。しかしその問題に悩みながらもその問題と真剣に対峙し、受け止め、前向きに生きていこうとする姿が心を打つ。どこにでもいる、市井の人々の抱える問題は一般的、普遍的で共感を持って読み進めていくことができる。 重松の文章からは、どんなことにも前向きに、諦めない「人間肯定」を感じる。悩める現代(いま)を生きる私たちに答えを示してくれるわけではないが、立ち向かう勇気を与えてくれる。 | ||||
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人間付き合いの息苦しさを最初に感じる年代、10代はもちろん、 一人では生きていけない人間誰しもが、読めば共感できる内容です。 小学校で働いているのですが、いつも「子どもって大変」と思います。 大人の世界も大変だけど、 『世界はその世界だけでない』と知っている分、逃げ道はある・・・。 心がひりひりするような子どもの世界を自然に書いてあると思いました。 「友だちってなに?」 もうすぐ50歳の私にも、しんしんと問いかけてくる、 静かだけど主張の感じられる作品でした。 最後の章は、なくてもいいような・・・。 | ||||
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小説には珍しく二人称で書かれており、主人公は“きみ”(=君)として呼ばれています。短篇で毎回主人公は違うけど、皆それぞれ繋がりのある人物です。みんな小学校高学年から中学生あたりの微妙な年頃で、主に友達やクラスメートの中で喧嘩とか仲間割れがおこるのですが……。あっ、こんなヤツいるいる とか、こんなことってあるよね とか頷きたくなる話がいっぱいです。でも、最後にはなんかほっとできるような、ほのぼのとした日常を描いた話でした。皆さんも読んで頷く場面があるはずです。余談ですが、私はこの作品でこの著者を初めて知りましたが、調べてみたら、官能小説も書かれる方だと知り(ごく一部ですが)、あまりのギャップに大変びっくりしました。 | ||||
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私には本当の友達がいない。この本を読み思い知らされた。 “友達”というものもよく分かってなかった。読み終わった後たった鳥肌は多分ずっと忘れない。 その場しのぎ。私を象徴する言葉。この本だったら堀田ちゃんに近いかも。 そんなんじゃ、いけないって分かっていても、なかなか直せない。癖、なのかも。 でも、そんな私にも、この本はヒントをくれた。友達って何。考える機会をくれた。 だから私なりに頑張ってみよう。恵美ちゃんに、「あんたらしいね。そーゆーのもいいんじゃない?」 って言ってもらえるような友達関係を作ってみたい。 | ||||
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クラスで目立つ子もそうでない子も 「こんな子居たな」と思い浮かぶ 人物像が生き生きと描かれて感情移入しやすい読みやすさ。 ジャストな年代に読ませてもピンとは来ないかも知れないな、とは思いながら 大切なことにこれを読んで気付いて欲しいという願いも持った。 とうに過ぎた自分も、思わず立ち止まって 「友達」という軽々しく口にする言葉を問い直してみた。 | ||||
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短編集ではあるが、時間軸をずらしながら、 ある女の子とその周りの人たちとの交流を描いた作品。 『友だち』って何だろう?と考えさせられる物語です。 『友だち』っていっぱいいたほうがいいのか、 それとも『親友』と呼べる人が一人いればいいのか。 『友だち』なんかいらないと突っぱねるほうがいいのか。 いろんな形の友人関係が描かれています。 「いなくなっても、一生忘れない友だちが一人いればいい」 主人公のセリフです。 友だち探しに躍起になっている今の子どもたちに問いかけたい。 そんな友だちがいますか?と。 | ||||
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俺がこの本を読んだのは、「友だち」って何かな、なんて年がいもなく考えたとき。 もう10代でもあるまいし今更そんな悩みは無いだろう、なんて思いながら、 もともと好きな作家である重松さんのまだ読んだことの無い作品だったこともあり、 ちょっとした「友だち」のヒントを求めて手に取ってみました。 いやぁ読んで良かった! 言葉にすると白々しくなってしまいそうだけど、確実に何かを感じ、気付かせてくれる作品です。 きっと前から分かってたことなんだけど、改めて考えさせてくれるというか。 いつものことながら、重松さんは優しいよなぁって思います。 同じくいつものことながら、人物の心理描写には感心させられます。 特に今回は小〜中学生という年代をいつも以上に掘り下げた作品になっていますが、 中学を卒業して10年も経たない自分より重松さんの方がよっぽどその年代のことを分かっています。 そう、その気持ち分かる!と思う場面が結構ありました。 昔の気持ちを忘れ、今の子供の考えが分からないという大人の方にも読んでいただきたいと思います。 子供は子供で相応の悩みは持っているものです。 でもやっぱり、若い人が早いうちに読むのが何よりでしょうね。 共感と同じぐらいに同年代の自分とは違う考え方にも触れられますし、 自分を客観的に見ることも出来るようになると思います。 最終章の大団円的な終わり方はさすがにやり過ぎに感じましたが、それでも幅広い層の人が読むべき作品に仕上がってます。 | ||||
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小説とはいえ、僕にも現実に心あたりがある。 とともに共感する部分も。 「友達」。 これを読むと、この言葉の意味を考える事を、重苦しく感じなくなった。 友達とはなんなのか? 今まで僕は若者ながら、様々な境遇に身をおいてきた。 それは、まさにこの本のような生き方をしていた。 悩みが解決されたような爽快感を持った。 何かと人間関係で悩む僕を、元気づけ、今後の僕の在り方に影響を及ぼした一冊だ。 | ||||
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雑誌小説新潮に連載されていたものを、読んでいたにもかかわらず、このハードカバー本を買ってしまった。つまり、何度も読みたいくらい、いい話なのだ。物語の背景は同一であるが、それぞれは短編で独立している。内容は青少年の様々な人間模様であるが、綺麗事ばかりでは終わっていない。相手を想うが故に、逆に残酷な言葉を投げかけたりしてしまう。 自分にもこんな頃があった。 それぞれの事は、思い返してみると、 他愛の無い事が多い。 しかし、一つ一つの行動には意味があり、 知らず知らずのうちに、それが人の輪を形成している。 いい歳をした大人が読んでみても、 心が洗われる思いだ。 | ||||
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10代とは、小学生から専門学校生や大学生、あるいは社会人となるまさに成長と激動の10年間。その年代に誰もが感じるであろう、孤独や葛藤を丁寧に描き、切なさが胸に迫ってくる力作。 描かれている世界は、いつの時代にもどこにでもある日常かもしれないが、本書の登場人物達である10代からおとなまで、夢中にさせる魅力に溢れている。 | ||||
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思春期の子供たちの複雑で、時に残酷な心情を、40代の重松氏がここまで書き込めることに、脱帽の1冊でした。 交通事故で足が不自由になったことがきっかけで、友人関係がギクシャクしだした恵美が、やがて親友を得て、その後回りの友人に少しづつだが影響を与えていく。いろんな子供たちが登場し、その中にきっと自分と似たキャラクターを発見できるはず。 ラストはちょっとできすぎ!と思いましたが、心に沁みる書です。 人間関係に悩む全ての人に! | ||||
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今時、堂々と「友達」をテーマに、ここまで描ける重松さんは、改めてすごいと感じました。 幾人かの男女のショートストーリーを、それぞれの短編の主人公に据えて「僕」という人物が語るスタイルになっていて、ラストで見事に結実します。 子供に読ませたいとの意見もありましたが、私はむしろ友達と口にするのが恥ずかしくなった大人に読んでもらいたい一冊だと思います。 読後に爽やかな気持ちで泣ける小説に久々に出会いました。 | ||||
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この作品で描かれたいくつもの友情はとても綺麗ですごくうらやましかった。 いつまでも友達でいることって難しいと思う、みんな環境が変われば性格が変わるし、いつまでもあの頃のみんなは存在しない。 でも遠く離れても、たとえ死んでしまっても自分のことを友だちって呼んでくれる人がいたら嬉しいと思う。 友達の大切さを再確認できた作品だった。 | ||||
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小さい時は正直な分、残酷だ。いじわるで、素直じゃなくて、意固地で、ヒトのせいにするのがうまくて、でもやさしい。 はじくヤツもいて、はじかれるヤツもいる。 「みんな」という言葉がわずらわしかったり、ライバルと敵の意味がゴチャゴチャだったり。 でも、そんな想い出も笑えるような日がきっと来る! 泣かせていただきました。 | ||||
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人間関係で悩んでいた頃、「私は私なんだ」と思うことができてから 楽に生きられるようになった。そんな、昔の自分みたいな人に読んでほしい。 「みんな」の中にいた主人公恵美が、事故をきっかけに「ひとり」になった。 病気がちの由香はずっと「ひとり」だった。 「ひとり」と「ひとり」はあることから「友だち」になり、話が展開していく。 恵美は言った。「私は、そばにいなくてもいいのが友だちだと思う」と。 この言葉の意味を、たくさんの人に感じてもらいたい。 | ||||
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「友だち」って何だろう。僕らはどんなふうにして友だちを選んできただろう。馬が合ったからなのか、あんまり利害関係ではないと思う。そんな疑問を主題にして、この作品の中心的人物「恵美」とそのまわりに存在した幾人かの男女のエピソードを、それぞれの短編の主人公に据えて、「僕」という人物が語るスタイルになっている。登場人物の小中学校時代に出会った「友だち」。深かったり、浅かったりさまざまである。皆さんのまわりにもきっといただろう、威張る子、暗い子、弱い子。そんな子たちめいめいの考えていることを「僕」が見守るような優しい語り口で綴ってゆく。そして、楽しかったり、悲しかったり、それぞれの思い出を抱えた主人公たちが、最終話で再会し大団円を迎える。『その日のまえに』の手法である。重松氏の世界が遺憾なく展開されている。この作風が好きな方には是非とおすすめできる。今作品は読者を泣かせるより、幼き日のノスタルジックな世界へ誘ってくれる。心洗われる読後感だった。 | ||||
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