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阪急電車
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阪急電車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全387件 361~380 19/20ページ
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阪急今津線。阪神大震災では甚大な被害を受け、多くの住民が辛酸を甞め、いまだに復興はおろか、復旧すらしていないのが現実だ。評者は震災当時、この地区をも含めた兵庫県を担当する営業マンであった。 本書はお話としてはよくできた、それゆえ何ということもないものだ。『阪急電車』というタイトルに惹かれ、この売れているらしい作家の作品を手に取ったに過ぎない。 しかし、小説はこうした微温的な、現実と何ら引っかからない「お話」に終始していていいものなのだろうか。ファンの皆さんには誠に申し訳ないが、ここにも出版不況、ひいては反知性主義の温床を見てしまうのは穿ち過ぎであろうし、大きなお世話であることは承知しているが、三宮センター街の上辺の喧騒と震災地区の疲弊した現実を鑑みるに、どうしても一言いいたくなった次第である。 | ||||
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てっきり男性作家だとばかり思ってましたので、 女、描くのうまいなぁと感心していましたら女性でした。 ツルツル読めます。 行きずりの人間模様を電車の停車駅に被せてキレイにまとめ上げています。 『寝盗られ女』もしくは『仇討ち女』の翔子は小気味よく哀しく凛々しく 孫に迎合しないおばあちゃんも孫ップルの多い昨今には一抹の清涼剤となります。 幼稚園児にも勝る『ブランド鞄投げおばはん』チームの苦々しさぶりは つい最近、車内で遭遇したばかりで決してこの手のおばさん集団が オーバーでなく生息することをしみじみと思い返しました。 (私の遭ったオバサン集団は持ち物すべて動員して仲間の席を占領したばかりか 通路を隔てて当日かかった費用のワリカン計算を声高に始め なおかつ側に立つ私の脇の下からお金とお釣りの受け渡しをしたというツワモノ) 余りのことにあっけにとられて文句の一つも言えなかった自分に悔しい思いをしましたが この本を読んで少しすっきりしました。 代行でいった2時間半待ちの社会保険事務所で読み始めて読み終え おかげでイライラすることなく助かりました。 | ||||
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阪急といえば、V9巨人の敵役だったが、今思えばあの当時、西本〜上田時代の阪急は強かったなぁ。負けて尚強しって感じでしたよ。あるいは、阪急のイメージは関西の私鉄の中でも上品な感じで、デパートやホテルも持っている大会社。 それとは関係なく、阪急電鉄のごく短い路線での出来事を、何組もの人物を巧みに交錯させながら、それぞれのストーリーを語っていく。一応、一話完結になっているが、前の話しで登場した人物が出てきたりして、「おっ、繋がってる話しなのね」とうれしくなる。 とりたてて事件というほどのこともないのだが、たまたま同じ電車に居合わせた人たちが織り成す人間模様は実に面白い。登場人物の個性がそれぞれ際立っており、読んでいて映像が見えるような感覚を味わった。女性のレビューが多いようですが、中年男性でも充分楽しめる作品ですぞ。 | ||||
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初めて大人の恋愛をしたのは? きっかけは何? 女子高生・・・、大学生の純な恋・・・。 大人への背伸び・・・。 一方で彼氏との別れ・・・。 婚約者との別れ・・・。 彼に裏切られた時、貴女はどうしますか? ・・・違う人生を歩く者達が、たまたま同じ列車に乗り合わせた・・・。 その偶然がドラマを展開していく・・・ 女性なら是非、読んで欲しい小説 | ||||
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今まで斬新な(ありえない)設定の中に、ストレートなラブストーリーを織り込むことを売りにしていた有川さんですが、今回はストレートなお話をそのまま語るという試みに出ました。 そういう意味で作品の雰囲気はレインツリーとか「クジラの彼」と似ています。電車というのは、互いに知らない人が身近な空間を共有することで、作者のあとがきにもあるように、出会いの妄想をかきたてるところがあるのですが、そういうポジティヴな妄想というかあこがれを現実にしたというか、お話として語るとこんな感じになるのでしょう。特に男性の登場人物は理想化が進みすぎて、他の小説の登場人物と似たような雰囲気にどうしてもなってしまうきらいもありますが、恋愛のはじまりをえがいているところは、「そうそう、こんな感じだった」ととてもなつかしい気持ちにさせます。彼女の小説にはめずらしくはじめて本当に嫌な男が出てくるのですが、これも他の有川ヒーローの鏡のように、純粋すぎる悪役で、まだこなれていない感じがします。批評家きどりでえらそうなことを言わせてもらえば、こういう悪役にもっと人間味が出るようになると、いっそうストーリーに幅が出てくるのではないかと感じました。でも、こういう後味の良さは有川さんならではですね。男性読者にはちょっと甘すぎるように見えるところもあるかもしれませんが、女性的な話が好きな方にはお勧めできる本だと思います。 | ||||
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舞台となっている阪急今津線についてはほとんど知らないが、電車というのはこういう連作短編集を組むのにうってつけだというのはわかる。8つしかない駅の間の、短い区間に起きるできごとを、登場人物を変えながら、かつ少しずつオーバーラップさせながら語る。これは面白い設定だ。 いくつか例外はあるものの、有川浩らしいラブストーリーが主体で(かといって『図書館戦争』シリーズのような劇薬的な甘さではない)、どれも前向きで心温まる話ばかり。後半は「折り返し」と称して、行きに語られた人々の半年後を逆向きの路線で描いていて、これもまた面白い。最初から最後まで、楽しく読めた。薄いからすぐ読めるしね。 ちょっとだけ残念な点をあげるとすれば、(とくに後半)線路から外れた話が多くなってしまっている点。こういう舞台設定をするのなら、どうせなら徹底的に線路上だけで話をまとめてみせて欲しかった。プロの作家に対して要求するテクニックとしては、それほど無茶ではないと思うのだけど。 | ||||
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短編の様で繋がっています。 恋愛以外の人間模様なども描かれています。 読む程に1編づつの主人公同志が関連し合い最後は温かい気持ちになりました。 是非読んでください | ||||
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懐かしい。 まずは、その一語に尽きました。 タイトルの阪急電車、わけても物語の舞台のすべてといっていい阪急電車今津線は自分にとってもずっと使い続けて来た沿線だし、作品中にでてくるスポットや場所も知っているところが殆ど。町の雰囲気や情景、人々の雰囲気がすごくリアルに立ち上がってきて、地元民だった当時の事がすごく懐かしく思い起こされました。作品自体がよく出来ている事が大前提ですが、普通の人が読んで感じる暖かさ以上のものを、こればっかりは住んでいた人間の特権としてより大きく受け取ることが出来たと思います。 自分にとっては、初読みの有川浩(失礼なことに最近まで男性と勘違いしていた)さんでしたが、なんともいえずバラエティ豊かないろんな人の日常描写と群像劇の妙に、他の作品も読んでみたいと思いました。小説の構造自体は、阪急電車の宝塚駅から西宮北口までのわずか十あまりの駅を一つ乗り進むたびに主人公を変えて一つの物語がたちあがり、それが相互に干渉し合い、折り返し地点からまた話が時間を経て進んでいくという今迄になかった新しい試みがある実験的な小説なんですが、その中で繰り広げられる日常はあくまで日常のことで何か凄いことがあるわけでもないですがだからこそ安心して優しい気分で読む事が出来ます。 共感する、というのが一番近いでしょうか。若いカップルたちの話に昔を思い、小さな子とおばあちゃんの会話に暖かい気持ちになり、恋する女の子の悩みや葛藤にため息をついたり、別れに決別する女性にがんばれとエールを送ったり、そんな感じで読んでいく一冊です。 男性にはちょっと勧めるのがためらわれるのですが、女性ならけっこう共感して読んでもらえると思います。 | ||||
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正直な感想を一つ。 宝塚南口駅の翔子さんのエピソードが非常に怖く・・・ その後の小林駅の話がすごく良かったです。 翔子さんのような女性はやっぱり"はちきん"と呼ぶべきでしょうか。 あと高知の地酒の話はやっぱり地元ですね。 個人的には"桂月"よりは"美丈夫"が好きですが、次回は"桂月"も試させていただきます。 最近はべたべたな恋愛小説が多いのですが、初期自衛隊3部作のような怪獣もののSFものもまた読みたいので今後に期待させていただきます。 | ||||
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折り返す電車を使って、人生の巻き返しをした人たちを数珠つなぎした作品。 電車内ですれ違う人たちにも人生が彩られていると、恋の始まりから終わりなどを、女子高校生からOLで描いている。 唯一高齢者の孫を連れた女性と、専業主婦の二人が年配者として出てくるが、重くなりすぎない背景の人たちで押さえている。 マンガ的で読み易い。 あとあとがきの文面が、ファンでないとけっこう寒いものがある。 | ||||
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初めて著作を読みました。 この冬、、この舞台となった阪急今津線で、、 聴講生として通学してたもんで、、 電車にゆられてるような気分で一気に読めてしまいました。 ある日、、たまたま乗り合わせたひとたちの抱える、、 それぞれのドラマ。 ちょっとしたきっかけで声をかけたことが、 それぞれの、、歩いてきた道のりの分岐点になった 阪急電車の箱の中。 一個一個の章が読み切りで、、 順に、乗り合わせたメンバーそれぞれの視点から、、 ほかの人物が描写されてて、、おもしろい。 一番感情移入してしまったのは、、 かつてかわいい後輩だった彼女と、、 かつて恋人だったオトコの結婚式に 単身、、白いドレスを着て、、乗り込んだ翔子。 白いドレスと引き出物の袋を見て、 一瞬に状況を飲み込んだ、孫を連れた女性。 その翔子が電車を降りて出会った、、 奇しくも同じ名前の小学生。 強い女の凛とした、、でもホントははかなげな心が伝わってきました。 タイトルの無機さかげんとはうらはらに、、 とっても暖かい一冊です。 | ||||
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今津線は、路線全ての距離をあわせても10キロに満たない、 阪急電鉄の中でも短い路線。そのわずか9,3キロ、時間にして 15分にも満たない路線を舞台に、駅ごとに繰り広げられる人間ドラマを 連作短編形式で描いた1冊。 失恋した女性の壮絶な仇討ち、祖母と孫と愛犬の繰り広げる対等な関係、 恐怖によって彼に支配されている女子大生、地方出身の大学生カップル、 図書館で見かける同じ本を選んでる好みのタイプの女性…さまざまな どこにでもいそうな人たちが、この電車で偶然出会ってつむぐ物語は 数珠繋ぎのように連なっていく。まるで電車の車両同士のように。 「レインツリーの国」などで発揮された、甘くて切なくて可愛らしい 恋愛モノをコテコテに、なおかつ爽やかに素直に描くセンスは健在。 悪役(に相当する主人公たちに不利益をもたらす人たち)がちょっと 類型的すぎるのが残念な気もするけれど、物語を紡いでいく可愛くて 優しくて素直な人たちの魅力を堪能すればお釣りが来るというものだ。 列車という限定された場所と時間を上手に生かしきった、舞台劇のような 密度の濃くて楽しい1冊。 | ||||
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読んでいる間のわくわく感、読後の爽快感となんとも言えないあたたかさを じっと噛みしめる。 今、JRと近鉄が同程度に最寄の駅の沿線に住む身には、阪急は魅力的な ブランド電車的存在だ。学生の頃はよくお世話になった。 作品に登場する華やかな大学に通う友人の下宿に、ちょくちょく遊びに行ったり、 梅田まで遊びに出たり。本当に懐かしい。 ここのところ、万城目さんの京都、奈良、森見さんの京都といい ご当地ソングならぬご当地小説に恵まれて、今また『阪急電車』だ。 やはりその街の空気や微妙に違うそれぞれの街のことばを知るものにとっては、 作品の息づかいが生な感じで、とても近しく嬉しい。 片道15分の阪急今津線を舞台に、アトランダムに選んだかのような登場人物たちを 絶妙に、ジグザグに配しつなげていく話は、実に巧妙でちらりちらりと見かける あの人という感じで、すんなりと物語に導かれる。 同じエリアで行動する人を、リアルな世界で私たちも何人も知っているはずだから。 その登場人物たちが、ある瞬間、微妙な連帯感で切り結びことばを交わし、近づく。 あるいは、目にした情景、耳にした会話から、ふと我が身に深く入ってくる思いに 突き動かされていく。 わずかの時間に、人は多くのことを受け取り、消化あるいは昇華している。そのことが とてもリアルでしかもちっとも嘘くさくなく受け取れる。 登場人物のうち、さまざまな年齢の女性が、その年齢なりに、それぞれすごく魅力的。 みんな自分の「今」をいっしょうけんめい見つめて、考えて、案外素直に聞く耳も 持ち、なにより前へ進もうとする気持ちが読み手まで元気づけてくれる。 わずかなつながりでも人と人との会話のあたたかさやまっすぐなことばの 有難さに、ぐいぐい引かれて読んだ本。 | ||||
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関西の私鉄「阪急電鉄」を舞台にした全16編の連作短編集。 本屋で見かけた時には思わず「おぉ!」と声を上げてしまった。 まさか関西を離れて阪急電車の文字を見るとは思わなかった。しかも有川浩の小説。 阪急電車と言えば、普通は神戸・三宮と大阪・梅田をつなぐ神戸線が最もメジャーとなる。 私が神戸に居たころ最も使っていた神戸線はほとんど出てこないが、舞台となる阪急今津線には懐かしい思い出がいっぱい。 作中で紡がれる自然な関西弁も情景が思い浮かびます。 見事なつながりを見せる連作短編は、電車という限られた空間の中で輝きを放っていた。 他のレビュアの方が素晴らしいレビューを書いてくれているので、私は少し違う目線で。 可愛らしい表紙デザインも非常に好感を持てるが、個人的に嬉しかったのはカバーを外した時に見える本体カバーの色。 阪急のカラー、マルーンですよね!懐かしいなあ。 カバー最初と最後は作中のスケッチと思われる絵。 遊び心が利いた、非常に魅力的な一冊です。 恐らく、阪急電車に、しかも今津線に惹かれて本書を手に取る人は少ないように思える。 しかし、ひとたび読み進めれば、たとえ阪急電車に馴染みがなくとも物語に引き込まれるはず。 愛する地元の風景を魅力的に描ききってくれたその筆致に感嘆を覚えるとともに、書きたいものを書く。その潔さに敬意を表したい。 今年も早速素晴らしい小説に出会えました。 「下らない男ね。やめておけば?苦労するわよ。―はい、別れるだけでも一苦労でした。でも、頑張って別れてよかったです。ありがとう、おばあさん。 もし、もう一度あの老婦人に会えるならそう言いたかった。中学のときに叱られたあの老人にも、今会えるならきっと今度はお礼が言えるだろう」本文127ページより | ||||
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16の短編から構成されている話だが、登場する人たちが微妙にリンクして いるのが面白かった。それぞれにそれぞれの人生を抱えているのだが、電車の 中で知り合った人の何気ないひと言で、その後の人生の方向を変えようと する人もいる。ある人の人生を変えた人、その人が今度は電車に乗り合わせた 別の人から、思わぬアドバイスを受けることもある。人生は持ちつ持たれつ。 電車という限られた空間、限られた時間の中で繰り広げられる人生ドラマ。 その凝縮度がとてもいい。また、登場する人たちみんなが、前向きで生きて いこうとするその姿も、とてもいい。読後もさわやかな心地よさが残る。 何度でも読み返したくなる作品だ。 | ||||
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阪急電車というタイトルで、電鉄会社の社史かと思いましたが、 阪急今津線というたった8駅のローカル線を舞台にした小説。 往路でのエピソードが、復路での話しとつながって読後感がさわやかな小説です。 この路線の雰囲気が良くでています。 個人的な希望としては、この路線の話しならタカラジェンヌにも登場した欲しかったな。 | ||||
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有川さんの本が好きで、ましてや私の乗っている阪急電車と言うことで 発売前からとても楽しみにしていました。 期待を裏切らなくとてもホノボノとした感じで読めました。内容が繋がっている 所や電車の折り返しがとても良かったです。それに自分の沿線なので、本を読みながら 電車に乗っていると不思議な感じでした! それにしても「討ち入り」を果たした翔子さんは「男前」でした。泣き寝入りやそらぞらしく 身を引きます・・って言のじゃなくて清々しかったです。 そして、「アホな彼氏」の話も読んでいて楽しかったです。アホなのにやさしい彼氏・・ 本当にどれもとても心温まる話でした。 その後は電車に乗るのが楽しくなりました。 | ||||
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駅の本屋さんに並べられていると、阪急沿線のガイドかなと思って買ってしまう人がいるかもしれませんが、通勤時間の暇つぶし以上の充実度です。 一駅一話完結の短編集なのかなぁと思っていましたが、複数のストーリーが同時進行でつながりながら展開していき、折り返しできちんと消化してくれるので、読後感もさわやか。 最近のベストセラーの大部分を占めていた細切れ完結タイプではないので、久々に頭を使いながら読める本が登場したと思います。 それでいて純文学ほどの硬さもなく、推理小説を読むときほどの記憶力も必要ではなく、イマドキのリアリティーあるエピソードがちりばめられているので読みやすいです。 ハイソなお阪急といわれていますが、、ブランドに高級ランチ・・・外はご立派でも言動でボロが出てしまう似非セレブおばちゃんがいたり、電車の中でうるさくてマナー違反かなぁと思う女子高生のほうが実は他人にたいして優しかったり・・・ もちろんつらいエピソードがある人もいるのですが、そのあときっとこの人は立ち直れると思わせる救いが残っているので悲壮感もありません。 個人的には、孫を連れたちょっとおせっかいな良識的なおばあちゃん(年齢的にはまだおばさん)のキャラが秀逸だと思います。 また地元の人にとっては、沿線の街の描写がよくわかって楽しく、テレビに自分の知っている街の風景がうつったときのようなうれしさがあります。 | ||||
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このところ関西が舞台の本に目がなく、これもその流れで購入しました。 そんな基準で買ってしまって大丈夫なのか?という意見もあろうかと思いますが、 この作品に関して言えば、大丈夫どころか買って良かったというのが私の 読後の感想です。 作品の傾向としては、単なる恋愛モノの短編集ではなく、恩田陸さんの「ドミノ」や 伊坂幸太郎さんの「ラッシュライフ」のように、複数の人たちと彼ら彼女らに起こる 小さな出来事がそれぞれ絡み合い、全体としてひとつの人間ドラマを紡ぎだしている ように感じました。 具体的には、前半の登場人物それぞれの物語も秀逸ながら、それら物語の主人公が、 後半の物語ではふとしたきっかけで知り合い、そこでまた新たな物語が紡がれていく という具合です。そしてそれがこの作品を良作たらしめているポイントなのではないかと 思います。 また、女性作家だからかどうかはわかりませんが、作品全体を通して流れる透明感のような ものが心地よく、読み終わった後は、なんだか幸せな気持ちになれました。 | ||||
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阪急今津線。 全部で8駅。片道たったの15分という電車を舞台にした短編連作です。 出会って恋が始まる男女のすぐ側には、元婚約者の結婚式で闘ってきた女がいる。 彼女が降りるのを見送るカップルは、身勝手な暴力男と彼の横暴に耐えている女。 偶然乗り合わせている彼らにはそれぞれの人生があって、電車に乗っているわずかの間に、彼らの人生がほんのいっとき交わる。 この今津線というのは作者が住んでいるところだそうで、ツバメの駅なども、本当にあるそうです。 「空の中」「海の底」のような大事件が起こるわけではなく、ほんの日常の一部を描いたほのぼのとした雰囲気の本でした。 | ||||
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