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月の影 影の海 十二国記
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【この小説が収録されている参考書籍】
月の影 影の海 十二国記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全219件 141~160 8/11ページ
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普通は使命を与えられて苦悩しながらも、突き進んでいく話が多いなか主人公の陽子は苦悩ばかり。 切り口が違うと思いながらも、最初のうちは共感が持てなくてあんまり面白くないかもと思っていましたが、いつのまにか引き込まれていました。 普通の高校生が突然異世界に飛び込んだら、張り切って戦うなんてありえませんから、小野さんの描く陽子が置かれた状況を否定し、怯えるさまは本当に普通の人って感じでした。 人間の弱い面が多く描かれているけれど、それだけじゃなくて人間にも強い意志があれば打ち勝っていけるという思いがこめられていると思いました。 | ||||
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急に読みたくなって、本箱から取り出した十二国記。やはり読ませます。 この巻は、主人公・陽子が、本来彼女が属する異世界に連れ戻され、苦難の末に王となるまでを描いた作品です。それにしても暗いなあ。人間の心の醜さや弱さ、卑怯さを、しつこいまでに書き続ける上巻。下巻で盟友・楽俊が出てくるまでは、本当に鬱々としている。しかも、それが図星。 人が自分らしく生きるとはどういうことでしょう。社会の中で、自分に求められている役割を果たすこと。日本における陽子にとっては、「敵を作らず、誰をも傷つけないよい子」を演じることでした。しかし、よい子たらんとする陽子の努力は、傍目には「本心を出さない表面だけ付き合いをするの人間」としか写らない。一方、十二国における陽子は「天命により麒麟に選ばれ、荒廃した国土を救うことを運命付けられた王」という役割を求められます。ただの女子高生だった彼女にとっては、ほとんど不可能に近い。しかし、運命は容赦なく陽子を戦いの中へと駆り立てていくのです。最終的には、無事王位につくものの、陽子の未来が決して安穏ではないことは容易に想像がつきます。 巻末に付された、いかにも歴史書らしい記述の文章がいいなあ。上下巻を費やす陽子の波乱万丈の運命も、歴史の中で見るとたったこれだけになるというのも、まさしくその通りだと、歴史に名を残さない庶民は思うのです。 | ||||
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この本は、NHKアニメにもなった「十二国記」の原作であり、本シリーズの一作目でもあります。 これは単なる冒険ファンタジーではないと私は思います。 舞台こそ古代中国に似た異世界であるものの、主人公の心の成長記に他なりません。 自分の在りように悩み苦しみ、信じ裏切られ、信じられ裏切り、期待し絶望し。 この本は、どんな本を読んでも、カウンセリングをしても、 私の心にはピンとこなかったことを教えてくれました。 「おいらは陽子に信じてもらいたかった。 だから信じてもらえりゃ嬉しいし、信じてもらえなかったら寂しい。 それはおいらの問題。 おいらを信じるのも信じないのも陽子の勝手だ。 おいらを信じて陽子は得をするかもしれねえし、損をするかもしれねえ。 けどそれは陽子の問題だな」 どうしても分からなかった、一見単純な「自分の問題。相手の問題。」ということが、 すうっと私の心に入ってきました。 もしあなたも、「頭では分かるけど、理屈は分かるけど、理解できない!」 と思って苦しんでいたら、ぜひこの本を読んでみてください。 もしあなたの知っている誰かが悩んだり苦しんでいたりしたら、 ぜひこの本をプレゼントしてあげてください。 この本をプレゼントするなら、ぜひ挿絵が綺麗なホワイトハート文庫で! その挿絵がちょっと、という場合はふつうの文庫で。 | ||||
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私はあまりファンタジー系の小説はあまり読まないのですが、友達に進められて読んだらもうこの十二国記の世界に引き込まれてしまいました。講談社からも出版されているのですが、この本のほうが山田章博さんの絵も楽しめていいと思います。 さてこの物語は、どこでもありがちな異世界における大事件に巻き込まれた主人公(中嶋陽子)の旅のお話。しかも現在と共通する点が多いのですぐにその世界に浸ることができます。そしてその異世界もなんだか異世界という感じがしません。まるで自分も物語の世界にいるのではないかという錯覚がします。ちなみに十二国記というだけあってシリーズ化いるのでどこから読めばいいかわからないのならこの本から読むといいと思います。NHKアニメ版もこの章から始まっています。余分ですがアニメ版とは登場人物が少ない分、若干展開が異なります。個人的にはこのシリーズを読んでからアニメをみると、よりいっそう楽しめると思います。 私はこの本で(十二国記シリーズを通して)いろんなことを学びました。そしていい言葉も発見しました。 何回読み返しても楽しめます(この本だけでなく全シリーズです)。貴方の心の中に十二国記の世界を広げてみてはいかがですか。きっと心の海に魅力的な国が浮かびますよ。 | ||||
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家人が借りてきたビデオを一緒に見て、すっかり惹きつけられてしまい、 原作も一挙に読んでしまった。(これは下巻も含めてのレビューです)。 事なかれ主義の優等生の女子高生が、こんなにも変わりうるものかという 不自然さを許容すると(逆に、だから彼女にはその資質があったと言える のかもしれないが)、そこから最近トンと聞かない昔懐かしい“文学青 年”にはおなじみの、魂の成長を描く“教養小説(ビルディングス・ロマ ン)”がファンタジーの形を取って展開される。 かつてよく読まれた(今もそうかも知れないが)若くして夭折した中島敦 を思わせるやや硬質だがきわめて描写力豊かな文体が魅力的である。非常 に倫理性の高い点でも中島敦を思い出す。(ご存じない人は「山月記」と いう短編の名作があるので、興味ある人はご一読を。)怪我をしたと思わ れる楽俊のもとに戻ろうとする際の蒼猿との対話(自問自答というべきで あろうが)は感動的である。 ということで、ジュブナイル小説の粋を超えたファンタジー小説の傑作だ と思います。どこかで「エロバイオレンス小説の好きな父親も興味を持っ て読んだ」と女子学生の人が書いていましたが、中年のおっさんである私 にとっても、とても面白いと思いました。 ちなみに、ここで書くことではないかも知れませんが、アニメもTVアニメ の最高傑作の一つではないでしょうか。すぐれた原作のある映像化はいつ も難しいのですが、原作の思想を良く反映し、しかも独自性のあるもので あると思います。 | ||||
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落ちに落ちてどうしようもなくなってようやくこの下巻で救われます。 ようやく読者もほっと一安心です。 裏切られに裏切られて他者を信じられなくなった主人公が楽俊に会って、他者に裏切られてもいいんだ、と悟りの境地に達する、というストーリーも極上です。 が。 この作品の優れているところは息を呑むほど緻密な世界観の構築にあります。 天帝という、まあ神様が”実在"して世の中のルールを決めているのです。そしてそのことを十二国の世界の住人は誰でも知っており、当たり前のように考えている。 実際に”神様”が”いる”、そして”神様”の役割は決まっているので、そういう事実が住人の考え方にダイレクトに影響してくる。 十二国の住人は試験に受かるように神に祈ったりしない。神様は試験の際に自分を助けてなんてはくれないことを知っているからです。 十二国記を読むことはほとんど、異文化に接すること、です。もうカルチャーショック受けまくりです。 | ||||
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大人しい女学生陽子が突然、異世界の王になる。その不思議な世界設定や登場人物たちが魅力的である。主人公の過酷なまでの試練がみものであり、成長物語でもある。 最初はホワイトハート文庫ということもあり、躊躇していたが。 友人に強制的に読まされて…すっかりはまってしまった。 謎と疑問が読者の注意を常に喚起する。ある意味、つっこみどころ満載のファンタスティックな物語である。 登場キャラが魅力的だし、今後の展開が楽しみだ。 | ||||
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大人しい女学生陽子が突然、異世界の王になる。その不思議な世界設定や登場人物たちが魅力的である。主人公の過酷なまでの試練がみものであり、成長物語でもある。 最初はホワイトハート文庫って若年層向けだしと思いためらいがあった。しかし、友人があまりにもしつこく薦めるので一読。 未完成ながら作品世界の広がりに、すっかり虜になってしまった! | ||||
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私は中学生です。初めてこの物語を知ったのは、アニメを見たときのことです。一話から見ました。それからというもの、毎日見るようになったんです。ファンタジーは良く、別の世界を舞台にしたものが多いように思えます。本を読んでからアニメを見ると、自分が想像していたものと登場人物がちがう、ということがありますよね。この本は想像力がすごく使われる本です。自分が描く世界・・・。 アニメは作者が考えたものです。私は、自分が思った世界でもそれは自分だけのものだと思います。決してまちがってはいない。 あなただけの十二国旗。是非作り上げてください。 | ||||
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現代から異世界へ飛ばされる、という典型的な始まり方ですが、 ところがどっこい、その先が違うんです。 主人公には大きな闇があり、それをどうにもできないと諦めていました。 しかし、全くの異世界で色々な人と出会い、様々な経験をしながら、今まで気づかなかった事を知り、どんどん変わっていきます。 そして自分が一国の王だと知らされたとき、彼女は…。 登場人物一人一人の言葉に深い意味があり、まるで自分に語りかけられているみたいなのです。 ある意味、教科書と言っていいかも知れません。それ位、学ぶものの多い話です。 イラストもとても綺麗で神秘的vNHKで放映されたアニメーションならば、もっと分かりやすいと思います。 | ||||
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現在別の表装で発売されたことからもわかるように、「少女小説」という言葉では括りたくない作品です。 私の父親(50歳くらい)はファンタジー小説を余り読まないどころか翻訳小説大好き、戦争小説大好き、エロバイオレンス小説大好き、という嗜好なのですが、その父親が「面白い」と言って読む数少ない作品です。 世界観とテーマ、登場人物の素晴らしさは、HNK発のアニメよりも文章で読むべきだと思います。ただ、この作品の面白さを理解するには、重苦しい上巻を経てせめて下巻までを読破した方が良いでしょう。 | ||||
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この小説をティーン向けの体裁をしているからといって馬鹿にしてはいけない。 これほどのファンタジーをかける作家は日本はおろか、世界にもそういないだろう。 私がこれほどまでに持ち上げる理由、それは練りこまれた「世界観」にある。個人的には指輪物語に匹敵すると思う。 世界に十二の国があり、それぞれを麒麟に選ばれた不死の王が統治する。人は木の果実から生まれる。天帝の存在。中華風ではあるが本質的にそれとは異なる世界。 そして、こうした世界観のすばらしさに加えて、十二国の住人には圧倒的「生活観」がある。 下手な説明より作中の以下の台詞(おぼろげで恐縮なのだけれど)を読めば納得していただけると思う。陽子「この世界では天帝に祈ったりはしないのか?」 楽俊「金は稼げばたまるし、試験には勉強すれば受かる。 どうして天帝に祈る必要があるんだ?」この言葉からは、ほとんどカルチャーギャップに近いものを受けた。 | ||||
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私が最も好きな小説です。 この小説にハマるかハマらないかで、その後の人間関係に影響を及ぼすくらいに。初めてこの作品を手に取ったのは高校生のときでした。 友達に勧められ、とりあえず借りて読んだのがキッカケ。 すぐにハマって、自分でもシリーズ全てを購入しました。もう何十回読み返したか判らないくらい読み込んでます。 ちょっと落ち込んでしまったとき、頑張れないとき、この作品を思い出し、 負けてられない!と、自分を励ましています。もともとはホワイトハートという10代の女の子向けの本でしたが、 他の世代や男性が手に取りやすいように、と一般文庫から再発売された異例の作品だそうです。 私は山田さんの挿絵も作品の一部だと捉えていますが、 確かにサラリーマンが読んでたら、ちょっとコワイかも?シリーズはまだまだ続きます。 次の作品はいつ出るんだろうと、首を長~くして待つ今日この頃です。 読めば絶対続きが読みたくなりますよ! | ||||
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小野さんのファンならずとも楽しめて、ファンタジーが苦手な人でもお勧めです。 ある女の子が不思議な世界へと入る話ですが、読み進むうちに莫大な展開とスリルがあり目が離せませんよ! 陽子がほんとに可愛くていいですね。陽子の成長ぶりも応援したくなってくるほどリアルでパーフェクトマジカルファンタジーでした。グッドジョブ、フユミ! | ||||
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軽くない。 軽い文体でサラサラと読めて,次はどうなるのと興味と面白さを追求しただけのような,そんな本ではありませんでした。 一冊だけ試しに読んでみて,そこが大変好きになりました。 人の葛藤する感情って,やはり泥臭いし重たい。 しかし,その泥臭さや重さを,逃げることなくきちんと奥まで描き切っているところが,本書シリーズのどの本にも共通する,非常に貴重なところだと思います。 他書では,なかなかこれだけのものに巡り会えません。 弱く悩む主人公が,答えを見つけ出していくまでの過程は非常に長いですが,そこがやはり大切なんだと思います。 もし,これが読みやすく短かったら,これだけの余韻は残るはずがありません。 このシリーズはどれも,物語としても世界観は緻密で,ストーリーは秀逸です。 本好きの人が,これを読み逃していたとしたら,それは損だとさえ思えます。 | ||||
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本屋にずらっと平積みされているのをみて、装丁が気に入って購入しました。挿絵がとてもいいです。この小説の世界観をイメージ通りに表していると思います。 あまり期待も先入観もなく読み始めましたが、すぐ夢中になってしまいました。少女向けのシリーズで出ていますが、決して少女だけのものではありません。 主人公の陽子と陽子に関わる人々の、優しさ・誠実さと人生に対する真剣さに励まされます。 特に王と麒麟の関係に、恋愛ではないのに限りなくそれに近いものを感じてドキドキしてしまいました。 | ||||
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突然に異世界から現れた男に、少女は問答無用で連れ去られる。と初めの展開だけを聞けばありきたりなファンタジーと思えるかもしれないが、その内容はそこらの現代小説よりもリアルな精神描写で溢れている。 一言で言うと、暗い。 大人の期待に答えようと優等生を演じて生きてきた陽子は、異世界に放り込まれてから一気に人間不信に陥っていく。人間社会の暗い部分が描かれた文章は重く心に響く。 しかし一番の見所は、陽子が人間不信から脱却し、前を見て歩けるようになるまでの成長が描写されているところだ。むしろ本書は人間の成長を描いたドラマだと言い切ることもできる。 上巻だけでは暗い印象しかないだろうが、下巻まで読むとそのモヤモヤは一気に吹っ飛ぶ。内容の濃さにもかかわらず爽快感をも感じさせる文章力に脱帽。 | ||||
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陽子と楽俊との出会いが、暗く重い物語にある種の光明をもたらしている。 陽子は劇的に成長していく。陽子が楽俊を質問攻めにする場面を通して、読者も世界観の勉強をする。複雑な設定は意外にもスムーズに頭に入るので心配無用。 陽子が無事に更生し、異世界にようやく適応できそうになったところで、陽子は慶王として迎えられることになる。総じて言うと下巻は上巻に比べてかなり読みやすい。 読後は不思議と達成感、爽快感に満たされるはず。 | ||||
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最初、イラストの感じで疎遠しがちだった本作品。一度読んでみると凄く面白い。読めば読む程、ハマってしまう。 女性が書くファンタジーって大抵、納得のいかないモノが多い中 内容もよく出来てるし、主人公「陽子」の感情にも共感がもてる。突如、「あなたは、王になるべきお方だ。」と景麒につれられ虚海を渡り やってきた十二国の世界。そこに住む人たちは風習も話す言葉も違う。 最初は、否定的だった陽子だが、色々な人に出会い、そして裏切られて 自分のするべき事、ありかたに気づく。一見、濃い内容の様だが100人読んだら99人はハマる。 これは自信を持っていえる。 | ||||
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最初、表紙や本屋さんで並んでいる場所をみてこの本は 少女向けの軽い小説だと思っていました。 (読み終わってみれば表紙も挿絵も内容にピッタリだと 感じましたが)が、前半部分からすぐに引き込まれ 一気に上下巻とも読んでしまい 1週間の間にこのシリーズを読みきってしまいました。 長い話だと途中で読むことを挫折することも多々あるのですが、 一気に読んだ、読みたいと思ったのは源氏物語以来ですW シリーズは同時期に違う国のストーリーという パラレル形式や、遡ってのストーリーなどいろいろありますが どれをとっても素晴らしい作品です。 ただ、役職名、慣習、動物、人の名前など 漢字がやたらめったら多くて読みづらいという部分は ありましたが、それがまたすべて実在するような感覚を 与えてくれます。空想の中のような、異国のような土地にある日突然 連れて行かれる主人公。 最初は儚げな女子高校生だったのに最後には 一国の王となる。これだけ書けば突拍子もないような ファンタジーものに聞こえるかもしれませんが 緻密な構成、魅力的な登場人物、引き込まれていく ストーリー展開で 読み終わった後には 「本当にこんな国がどこかにあるのかもしれない」と 思える程になってきます。 | ||||
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