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虎よ、虎よ!
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【この小説が収録されている参考書籍】
虎よ、虎よ!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 21~40 2/4ページ
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人類が宇宙に旅立つ時代。ジョウントという瞬間移動能力を誰もが使えるようになった時代。 ジョウントを使用した窃盗や殺人といった犯罪が世界中で頻発、やがては星間戦争に発展するまでに至った。 主人公ガリバー・フォイルはノーマッド号で1人救援を待っていたが偶然通りかかった輸送船ヴォーガはノーマッド号を無視してどこかへ向かってしまう。フォイルは自分を見捨てたヴォーガへ復讐の炎を燃やし、いつか必ず滅ぼしてやると誓う。 途中、小惑星地帯で奇妙な文明人に顔へタトゥーを施されて本当の虎のような紋様となったフォイル。 ヴォーガの船主プレスタインを殺そうとして失敗するも、復讐の怒りは消えず関わった女たちを道具のように利用しながら復讐達成のためにあらゆる手段を尽くす。 ジョウントをはじめ、激高すると顔に浮き上がる虎のタトゥー、テレパシー能力を持つ女性、場面場面で突如現れる燃える男、老人の顔をした少年科学者、歯に仕組まれた加速装置、世界を破滅にいたらす物質パイア、そして共感覚、と作者の持つすべてのアイデアをごった煮にして休む間もなく読者に驚きと興奮を与えてくる。 些細な矛盾点や破綻した部分など吹き飛ばすように情報とガジェットとイメージの洪水があふれかえり読者を最後まで離さない。 ただの野獣のような主人公の復讐嘆が、ここまで強烈なエネルギィに満ちた展開に昇華できたのは作者ベスタ―の非凡なSFストーリーテラーとしての手腕によるものだ。 古い作品だが古典SFとして今も読み継がれるのはそれだけSFの面白さが詰まっているからだろう。 フォイルの性格が合わず最後まで読めないという人もいるだろう。しかしSFファンにとってはこれほどまでに完成度の高い作品は他にない。 ガリバーフォイルは最後の最後まで復讐を果たすためだけにもがき続ける。顔に忌々しい虎の紋様を湧きあがらせながら。 | ||||
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久しぶりに読み返しました。 面白いですが、さすがに最後の突飛な表現技法は もう目新しくもなく、陳腐に感じられました。 でも、面白いです。 | ||||
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評価も高いし、古典的なSFの傑作と新聞でも絶賛してあったので 普段は図書館で済ます本も多いのですが、めちゃ期待して購入。 で・・・まあ、面白いとは思いましたが、朝まで一気に読んでしまったみたいな のめり込みはありませんでした。もちろん好みというのもありますが。 ほんとに面白くて惹きつけられる本は、どんなに長編でも三日三晩寝なくても それこそ、食事も忘れて読み込むんですが、今回はちょっと期待が大きすぎたかも。 この本が出たころより、今はもっと刺激的でパワフルで、インパクトのある世界が広がる 映像や本に囲まれているためか、そこまでの興奮もないです。 発刊当時に読んでたら、もっと夢中になれて、それこそ衝撃ものだったんだろうなと思うと、ちょっと残念。 | ||||
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テレポーテーションが当たり前になった時代。 電話をするよりも直接会ったほうが早い、ということからもわかるように、テレポーテーション時代の社会は、経済や思想がテレポーテーションを基準に考えられるようになっている。そんなある日、ガリー・フォイルは宇宙船で宇宙空間を漂流する。半年も酸素のやりくりをして、孤独に生きて、やっとのことで別の宇宙船を発見する。のだが、何度も送った救難信号が無視されて素通りされてしまう。その宇宙船の名前はヴォーガ。フォイルはヴォーガに復讐を誓うのだった。お前を破滅させてやる。 序盤はこんな感じ。 うおお、と思いますよね。 なんてわくわくする世界観なんだ、と。 これからどんなことが起こるのだろうか、と。 しかもこれ、60年も前につくられたお話なんですね。両親もまだ生まれてないよ! 60年も前につくられたお話で興奮できるのだから、これだから小説というものはいいです。 とにかくテンポがよかった。 次から次へと展開が進んで、ほとんど飽きが来ない。フォイルの乗っていた難破船にはとある重要な物が載せてあり、それでフォイルが全世界から狙われることになる。フォイルにとっては復讐の邪魔だ。だから返り討ちにしてやる。このサスペンスと爽快なアクションが、飽きのこさせない要因なのではないかと思う。 個人的に、テレポーテーションで時差分だけ時間が戻るのがお得、という小話が好きだった。 そりゃそうだよなあ、と思いました。 一方で、勢いがいい分、心理描写に書き込みが少なくてキャラの行動が不可解な部分もあった。 キャラが強引すぎて、作者の吊り糸が見えちゃうんですよね。心理に飛躍というか、読者が置いてけぼりになるといったほうがわかりやすいか。展開重視の弊害でもありますね。もうちょっと丁寧に進めてもよかったのではないかなと思う。 フォイルの行動原理はわかりやすいんですけどね。決して共感できるようなキャラではないが、納得はできます。しかし他のキャラは、特に女キャラは吊り糸がひどい感じです。 まあそんな感じで良い部分も悪い部分もあるのですが、これは間違いなく傑作だと思います。 私はやることがたくさんあるので、休憩がてらに一章を読むという読書スタイルなのですが、これは一章で終わらせるはずが二章分まで読んでしまうということが多々ありました。もう夢中でした。こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、良い意味でライトノベル的であります。是非とも虎よ虎よの世界にどっぷり浸かってみてください。 おすすめです。 | ||||
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作品にみなぎるパワーやエネルギーがとても大きく、スケールの大きさとあいまって気持ちよく一気読みさせてくれ マイケルタイソンの自伝を読んでるような感じがしました 、瞬間移動や浮く刺青、加速装置という中二心があつくなる設定もかなりかっこよくまたそれを中二設定という形だけで終わらせるのではなくなるほどという形で、きちんと着地させてくれるのがとても好印象 sfアレルギーの方も読める最高に熱い一冊ではないかと! 進撃のキョジンはこれに影響うけてると思うんだけどなあ、、、、 | ||||
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勇気と根性でジャンプすればどこかに転送される。 って、読者を馬鹿にしてるのか? フィクションでも身体転送の科学的な根拠くらい 語ってほしい。というか説明しなさい! 導入部が乱暴な設定なので読み続けられない。 漫画にしたほうがいいんじゃないの? | ||||
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とても凄い、力に満ち満ちた小説です。 溢れるように多彩な未来世界のイメージ……「ハイペリオン」にもそういう魅力がありましたが、こちらはもっと狂ったような、暴力的な感じすらする出し惜しみのなさを感じます。 50年以上も前に書かれた作品ですから、科学的考証には古くさいところがあるはずだし、荒唐無稽だとか破綻してるだとか、そういう見方も出て当然ですが、本作ではそういった点すら、不気味な魅力として鈍く光っているかのような印象です。 思いつく限りのアイデアと読者を楽しませようという情熱をねじ込みまくって、この一作で出し切ってしまおうという作者の姿勢こそが小説にここまで力を与えたのでしょうし、そうでなくては! と読者としては拍手を贈りたいです。 出し惜しみをしながら書かれたようなモノなんか所詮は小物にしかならない。 綺麗に整ってちっこい話なんかより、自分で自分でぶっ壊すようなパワーとか、速すぎるために歪んでしまうようなスピードとか、そういう超越感を感じ取りたいと思ってSFを読んでるんだ、と、初期衝動を思い出させてくれる貴重な一冊になりました。 学生時代に大好きだった傑作SF漫画「銃夢」が、まさにこの作品から多大な影響……というか、様々な要素の拝借というか、もはや部分的漫画化というか(笑)、そんな関係にあったのだということを読みながら気付いたのも面白い体験になりました。 | ||||
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旧版からの愛読書。さすがにぼろぼろになったので買い換えることにした。カバーイラストだけは、どうにも我慢ならず、ネットで生頼画伯の画をダウンロードして、表紙を貼り替えました。やはり、ムードは大事。 | ||||
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星一つの妬み癖のある方々にご忠告します。 キャラクターの掘り下げが浅いと言っておられますが、どこが浅いのでしょうか? この主人公は低能とちゃんと語っておられますよね? だから、襲撃してきた宇宙船ではなく、己を見捨てた宇宙船に復讐する動機は全く問題ありません。 実際にアメリカでは気にいらないからっていう理由で射殺する人が存在しますからね。 あまりにも低能な評価をしているので、どうしても注意せずにはいられませんでした。 まさにこれこそ日本の読書不足じゃないでしょうか? でも、不良だから共感できないというのは分かります。だって、この主人公は表紙の外国人じゃなくて日本のDQNが主人公だと思って読んでみてください。本を壁に投げつけたくなりますよ。 それに、レビュー'Tの言っていることは確かに正しい。☆5は過大評価ぎみ。 この本はあらゆるSFの根元なんですよ。これを読めばこの世にあるSFを全て支配したも同然でしょうね。 これは確か50年前の作品なのですが、全く50年前なんて朽ちた感じは秘めていません。今読んでも新しく感じます。 これこそSF! 真のSFじゃ! わしは今日で115歳を迎えたけん。 万歳! 万歳! 死なずに、生きていて良かったのぉ。明日からも繁殖活動に励むかのぉ 是非、映画化してほしいものじゃのお。映画化不可能ならばアニメーション化してほしいものじゃのお 翻訳最低 [全翻訳者に告げる] あんたら翻訳者は呑気にポテトチップス頬張りながら、キーボード打っているだけだから、難しい漢字が出てきてもスペースキーでちょちょいのちょいかもしれへんけど、読者は漢字辞典で調べないとけない!! 最も下劣だと思ったのは、最初らへんのページだけ簡単な漢字にまで平仮名をつけて、安心して読ましてくれる雰囲気を漂わしていながら、何ページか進むと難しい漢字や常外漢字に全く平仮名をつけていない。''手抜き丸見え″ 例えば「畸形」 畸形じゃなくて奇形だろうが!! これはまだまだ序の口! 本当に読みにくい! 私は外国文学を読むときは翻訳者の名前も確認しています。それで、読みにくいと思った翻訳作品があれば、その翻訳者が翻訳した作品は二度と読まない。まさにこの翻訳者がそうなるであろう。 | ||||
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たまにはSFでも読んでみようということで、評判のよい本作品を手に とった。傑作との呼び声高い本作品は、デュマの『モンテクリスト伯』 から着想を得た復讐譚である。 人類が宇宙に進出し、めざましい発展を遂げた25世紀が舞台となって いる。そして、内惑星と外衛星の両連合による戦争のさなかで物語は 進んでいく。この戦争を引き起こしたのは、テレポーテーション能力 (通称ジョウント)の開発である。空間という制限から人類が部分的 に解放されたことで、従来の主従関係や権威システムは揺らいだ。そ れまで従属的立場にあった外衛星群と内惑星群との経済的な軋轢が衝 突をまねき、戦争へと突入した。 主人公はガリヴァー・フォイル、宇宙船の乗りである。外衛星連合の 攻撃によって航行不能となった宇宙船の生き残りとして物語は始まる。 からくも生き残った彼は復讐を果たすべく行動を起こしていく。 世界設定や人物の描写には非常に魅力を感じた。特に会話のなかに鋭 い台詞がちりばめられており、読みながらハッとするような気持ちに さえなった。 通常、復讐劇は前半の仕打ちに耐える展開で同情や共感を深め、後半 の復讐によって胸の支えがとれ、爽快感が得られるというシナリオだ ろう。しかし、この復讐譚はそうしたタイプの物語ではない。それに 復讐の元となった出来事は悲劇的ですらある。爽快感を生む内容かと 言えば、そうではないと言っておこう。 では、何が本書を傑作とさせているのかというと、それは結末の力強 いメッセージ性であろう。主人公が復讐に執着する状況をのりこえて、 社会あるいは世界そのものの変革を目指そうとするからである。もし かすると、悲劇を生んだ社会・世界に対する彼なりの仕返しと言える かもしれない。 | ||||
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正直いって、生まれる前に出版されたSF。 しかし、評判は高かったが・・今日まで、なぜか手をつけてませんでした。 あらすじは、なんとなく知っていたような気もします。 しかし、やっと今頃読んで、ブッ飛ぶ。 こんな小説は稀有。 話は、ほとんどついていけませんでした。 原文がそうなのか、翻訳がそうなのかはわかりませんが、とにかく、 何を言っているのか、よくわからない。 しかも、SFガジェットがこれでもか、と登場する。その凄まじさは、 フィリップ・K・ディックの比ではない。 また、検証したわけではないけれども、プロットの破綻している可能性が大。 しかも、よく読まないと、登場人物の関係が複雑で、見失ってしまう。 しかし、なぜか、途中でやめないで最後までぐんぐん読み切ってしまいました。 この不思議な、破天荒な魅力はなんなんでしょう。 評判にたがわない、不思議でセンス・オブ・ワンダー満載の傑作でした。 さて、順番はさておき、次は『分解された男』を読むか・・。 | ||||
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物語そのものに深みがあるわけではないですが展開が早くて最後まで一気に読めます。読み終わった後に何か考えさせられるような事もないですが「面白かったなぁ」という感覚が残ってます。エンディングも良かったです。意外とさっぱりしたSFですよ。 | ||||
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確かに、時空を駆け巡るイマジネーションに溢れる作品かもしれない。でも、この復讐の一念に取り付かれる主人公に今一歩共感できない。従って自分には楽しめない作品である。 | ||||
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10年に一度の傑作 この評につられて手を出した。 私は集中力のないほうで、小説などは日に2〜30分読むともうダメなたちなのだが この作品は違った。 とにかく熱い。で、ノレる。 この手の感覚はニューロマンサーでも体験したが それの比ではない。 ご都合主義的に捨てられた女達がくっついたとか ガリー宇宙に出て死なへんの?とか 脳内会議どないしたん?とか 電車で屋敷に乗り付ける?冗談やろ?とか 突っ込みどころは多々あれど、それを感じさせない熱がこの作品にはある。 ゆえに、読後はただ「面白かった」という感じだけが残る。 帯を見たときにこの作品が50年も前に出版されたものだと知った。 私には信じられない。この作品の持つ熱は半世紀たった今でも燃え尽きていない。 | ||||
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間違いなく古今のSFベスト3に入る傑作だと、 断言します!! アイデアの奔流ぶりが凄い!! 「ボーガ」なる言葉に導かれ、 凡人だった男がスーパーマンとなり、 世界、いや宇宙を手玉に取ります!! この本から盗用されたネタ、 多いすよねえ。 とにかくいたるところに、引っ掛けや 飛躍が仕掛けてあるのですから・・・。 ニーチェの超人思想をも超えた小説、 それが「虎よ虎よ!」だっ!! | ||||
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ある意味、社会不適応者である主人公が、とあるきっかけで死に物狂いでのし上がる。 それ自体、ドラマチックな物語ですが、数え切れないくらいのSFガジェットの奔流、 スラング、暴走、暴力、ワイセツ、あらゆる悪徳が洪水のように流れる本作は、 ある意味確かに読む人を選ぶ嫌いはありますが、まさにジェットコースタームービーのように 凄まじい勢いで突っ走る主人公、それを追うストーリーは、多少のアラをも 物ともしないほどの迫力です。 いわゆる、「ワイドスクリーン・バロック」…数行ごとにとんでもないSFアイディアが 惜しげもなく並べ立てられるバトルアクションSF、くらいの意味ですが、まさにその見本。 皆さんネタバレを恐れて言及してない方が多いですが、最終章近くの、あの、小説という形態に 挑戦したかのようなアクロバティックな表現が、またもや強烈なSFアイディアと融合して、 読む者の目を眩ませるページは忘れられません。 バトルアクションな小説が好きな方には絶対のお勧め。 個人的に好きなシーンは、「ヴォーガ」と呟いて小惑星から離脱する主人公。見殺し…それもこの男の人間性。 | ||||
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簡単に言うと、面白い!興味深い! 私は、ジョウントの履歴書説明で「うわっ;」と思ったり、半ばで挫けそうになりましたが、最後まで読んで良かったー ちょっと「えー?腑に落ちない…」と感じるところも、最後にはすべて納得でます。 書かれた時代からいうと、古いと感じる部分もあるし、突拍子もない書きかただと思うところもあるけれど、全体を通してみると、とてもよくまとまっています。 何より感心したのは、主人公の性格設定。 多分、大抵の人が共感しづらい主人公の性格を、見事に描き切っていたと思います。 主人公は、常に自分以外の者に対して怒り、自分の期待を裏切った者に復讐心を燃やし続けています。 怒りというものは、与えられて身に付く感情ではなく、元々備わっている原始的な感情です。 このシンプルさ、そして感情の強さが、彼の秘密の能力覚醒のひとつの鍵です。 作者は、実に巧みにその性格を作品に組み込んでいます。 主人公の性格を表すものとして、特に、出だしの宇宙船の中の描写は絶品です。 初めは「神は信じない」と、汚い言葉を駆使して神を罵倒しています。かと思えば、救いの光が射した途端に称賛して縋り、そして、またすぐに拒絶。 物語が展開してからも、誰かを必要とするのも、排斥するのも、常に突然。 主人公には、物事を深く考える余裕が無く、人に共感する能力が欠けていたのです。 ですが、中盤には、彼の感情の中で劇的な変化が起こり、それを引き金に急速に物語が展開していきます。 終盤に関しては、最後に向かって盛り上がり続ける展開がスゴイと思いました。 購入の参考までにひとこと。 SF読んだことないから読んでみたいなー、というノリの人に、一番最初に読むSFとしては、ちょっとオススメしづらいです SFを少し読みなれた人になら、とても面白く読める1冊だと思います。そして本棚に残る1冊になるのではないでしょうか。 余談。 個人的に漫画が大好きなので"加速装置"や"炎の身体"が出てきたところは「009?!銃夢?!AKIRA?!」なんて思ったり。そういうところも楽しめました。 実は、何も知らないで、この本と一緒に購入した本が『幼年期の終わり』なんですけど(笑)今から読むところですー | ||||
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「破壊された男」を読んでアルフレッド・ベスターの事を好きになりこちらも手に取ろうとしたのですが、1年ほど購入せず。 しかしやっと購入したら2日で読み終えてしまいました。 「破壊された男」とこの「虎よ、虎よ!」を読んで思った事は、後半の展開が目まぐるしく展開していって、思わぬ形でスッキリと、でもとても印象付けられる終わり方をするという事です。 "荒々しいけど素晴らしい"なんて評価をしようと思ったのですが、所々印象的に入る小ネタ(トゥジュール・ド・ローダスなど)が面白くて印象的で、飾ってないけど豪華で簡潔で読んでいて面白いです。 ネタバレになりますが、情熱を失っているフォイルが"ヴォーガ"復讐へのただ一つの執念だけで不死鳥のように立ち上がり、一気に物語が進んでいくのは読み応えがありました。そのおかげもあって上記したとおり2日で読み終えてしまいました(自分は読むのが早いとは言えません)。 会話は丁寧でテンポがあって、センスを感じる物でした。登場人物の思いがよく込められた台詞ばかりで、会話と同時に内面の描写もとても良くこなしています。 他にもどう書いたら良いのかわかりませんがお勧めです。すごいボリューム、すごいスケール、すごい展開、すごいラストと、全部首尾一貫して完成された作品です。 | ||||
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モンテ・クリスト伯をモチーフに書かれたSF版巌窟王、という認識で読み始めたせいか、 宇宙を股に掛けた復讐劇の始まりとしては、いまいちピンとこない復讐理由。 物語の大きなキーになりそうなタトゥーも、何が何やらといううちに入れられてしまい… 果たしてこの小説は面白いのか?という疑問を抱えながら読み進めるはめになりました。 それでもジョウント(瞬間移動)や加速装置といったSFアイテムは冒険心を刺激してくれること請け合いで、当時の世相を 反映した舞台背景は緊張感を高めます。何より主人公の怒りのパワーに魅了され、頁をめくる手が止まることはありません。 読者を置いてけぼりにしかねない登場人物たちも皆魅力的。そんな彼らに導かれ、気が付けば物語も佳境へと進みます。 ここに至るに、正直この小説はこのシーンの為に存在するのではと思う程、それは心に響く演説でした。 自己の探求ともいうべき、哲学的、スピリチュアル的でさえあるメッセージを、エンターテインメント小説に打ち込みながら テキストというビジュアルでここまで力強く表現した著者の才能には驚かされるばかりです。 果たしてこの小説は面白いのか?ただ一つ言えることは、表面的な事象のみにとらわれずに冒頭から語られるテーマを 読み解く、あるいは感じることができたなら、本書はあなたにとって傑作と呼べる一冊になることでしょう。 個人的にはSFコミックの名作L'INCAL アンカル (ShoPro Books)を読み終えた時のような感情の昂りを 再び味わうことができたことを、とても嬉しく思っています。 | ||||
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今更、言うてもしゃあないけど、今のこの表紙何とかしてくれよ!何やねん、あの表紙!どう見ても、かつての生頼大先生の表紙の方が、復讐鬼いう感じで迫力あって、カッコエエぞ!でも、今の表紙を描いている人が、あかんて言うてるのと、ちゃいますよ。ハヤカワがアホやて言いたいんですわ。念のため。 | ||||
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