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虎よ、虎よ!
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【この小説が収録されている参考書籍】
虎よ、虎よ!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 1~20 1/4ページ
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翻訳が古めかしいので、最初はとっつきにくいかもしれない。 読み進めれば怒涛の展開で、色々な作品の元ネタになっていることもわかり、面白く興味深い作品ではあります。 | ||||
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よくまあ最後まで集中したなと思う。交替交替でトルストイの『復活』を読んでいたら登場人物がゴッチャになった。ほぼ同時にフロイトの『精神分析入門』もメモをとりながら読んでいた。『モンテ・クリスト伯爵』もヤマハの5階で旺文社の抄訳を読んでいたが、関係性には気がつかなかった。 この作品をまたもとめたのは「最後の方の絵がどうなっているか」に興味があったからだ。コピーを繰り返したようになってだいぶ劣化しているが、懐かしかった。ブレイクの詩は寅年の年賀状につかったことを覚えている。 | ||||
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1968年の映画、「2001年宇宙の旅」が最高のSF映画なんて評価を受けている(選者によるが、個人的に異論はない)が、 1956年発表であるこの小説がこんなに凄いものだとは知らなかった。 自分の浅学を告白することになって恥ずかしいが、 本当にそうなのだから仕方ない。本なんか全然読んでこなかったのだから。 何と言うか、「漫画かよ!」「ラノベかよ!」みたいな。(誉めてます。) 石ノ森章太郎の漫画「仮面ライダー」で、改造手術を受けた本郷猛の顔に手術跡が浮かび上がる描写や、「サイボーグ009」の加速装置のネタ元はこれだったんじゃなかろうか?(と思ったら、先人のレビューにありましたね。) 「燃える男」が現れては消えるシーンでは漫画「AKIRA」で、アキラの起こした爆発の異空間に飲まれた金田が幻のように現れるシーンが思い出されてしまう。 サイバーパンク小説流行の折に小耳にはさんで、うっとりとなった「神経鋼化(ハードワイヤード)」などもさらりとやっている。 (人工素材の筋肉や神経、サイバネティクスのアイデアはもっと古かろうから、「ネーミング」こそが重要なのだとは思うけれど。) 近年のキャラクターデザインで常態化している常軌を逸したファッションや歪んだ人体改造のイメージ、ついでにアルビノの美少女なんてのも臆面もなく出てくる。 そんな描写を、後書きで作家が「パターンとリズムとテンポに憑かれており」と語るその文章で読んでいると、「テリー・ギリアム」監督映画の、ゴシック調にデザインされた独特なテンポの映像が脳裏に浮かんでしまう。 …つまり、それ自体が最先端とされるようなサブカルチャーメディアの要素で、 個人的に「新しい!」と思って心酔していたものは、とうに、すっかりこれに出ていたのだ。 この小説が小説の出来としてどうなのか、とかは正直私にはわかりません。 ただただ、読んでいて面白かったとしか。 ただ、サブカルメディア好きの方で、もし私のようにアニメとか漫画とかばかり見ているようなら、私のような爺になってから読んで恥じ入らないで済むように、「読んでおいた方が良い!」と強くお勧めしたいです。 蛇足ながらつけ加えると、近年の作品で、「人間に自由意志はあるのか」「時間や空間は我々が認識するような形で存在しているのか」などのテーマの作品を幾つか見ました。読んでいるときには最新科学論っぽいネタだなと、思っていたのですが、ぶっちゃけそれもこの作品に書いてある。 と言うか、それはこの作品に限ったことではなくて、ほかの古典作品(なんならギリシア悲劇にでも)にも見られることで、 結局、早いとか遅いとか、先だとか後だとかではなくて、いつの時代も同じことを繰り返しているのだなあ、と思った次第です。 | ||||
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○ノ森章○郎の漫画には、当時のSF作品から丸パクリしたとしか思えない様な場面が幾つも出てきます。 今、コレをやれば大問題でしょうが、当時は大らかなものです。 本作からは、怒ると顔に虎柄の刺青が浮き出るあたりが○面○イダーに活用されている、と思われます。 また、奥歯に加速装置が仕込まれているあたりは、○イ○ーグ009の設定ソックリです。 話としては、SFとはいうものの科学考証一切ナシの、サイエンスフィクションならぬスペースファンタジーです。 私には合いませんでしたが、石○森○太郎好きの方なら、一度は読んでみては如何でしょうか? | ||||
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虎よ!虎よ!ぬばたまの 夜の森に燦爛と燃え そもいかなる不死の手 はたは眼の 作りしや、汝がゆゆしき均整を 学生時代覚えたものです。 懐かしく購入して読みました。 テンポがよく読みやすい。 テレポートの仕組みなどが科学的に説明されており、今でも納得です。 SFの金字塔ともいえる作品です。 平凡な宇宙船ノリの主人公の中に凶暴な本能『虎』が目覚める。 復讐を! その後紆余曲折はあるものの。SF作品の金字塔です。 是非映画化してほしいものです。 面白い! | ||||
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今でこそ、 マンガのコマ送り、レイアウト、セリフ・・・ETCを まんま、文章に置き換えたような小説は 佃煮にして賞味期限切らしてゴミに出すほど 在りますが。 筒井康隆・編『SF教室』で紹介された 初出誌の挿絵と相俟って、ショッキングでした。 爾来、文庫版を手にするまで頭の中を 虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、虎よ 虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、虎よ、 虎よ、虎よ、虎よ、虎よ 虎よ、虎よ、虎よ、 虎よ、虎よ、 ! と、まぁコンな感じで焦がれ続けたもんです。 本作とブラウン『火星人ゴーホーム』ブラッドベリ『火星年代記』は 出会ってから半世紀に手が届きそうになってきた今も、 数年周期で再読しており、ヘタリ具合もひとしお。 新しい版もありますが、表紙イラストは最初のヤツがいい! コレに尽きる!!!!!!!!! | ||||
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いやはやもの凄いSF小説である。超高速ローリングジェットコースターと呼べる凄まじい生きざま、主人公ガリー・フォイルの物語である。彼はジョウント,不定空間ジョウント、不定時間ジョウントができます。このことが惑星間戦争に影を落とし、ここに【ヴォーガ】に対する恨みを爆発させる。特に後半から、ピースがはまりだすとジェットコースターももの凄いで回りだし、振り落とされないよう注意が必要です。長く読み継がれる聖典でしょう。 | ||||
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粗野で怠惰な男は見殺しにされた怒りで虎と化した。 退廃、悪趣味、ガラクタのカオス。絢爛たる混乱。ワイドスクリーンバロック。極彩色の万華鏡。 物語は異様な熱気と迫力で爆走する。 宇宙を股に掛けた復讐は、やがて圧倒的なフィナーレへ。 繰り返す跳躍、湾曲する宇宙を、脈動する時空を。ありとあらゆる場所に燃える男が現れる。 遂に男は真の敵を見出し、力の壟断に辿り着く。 やがて、世界中の人々が男の呼びかけを聞くだろう。 シビレル。 | ||||
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SF的なアイデアは文句なしですし、展開のテンポも良いのですがせっかく構築した未来世界の書き込みが不十分なので読者に伝わりにくくもったいないです。 舞台である25世紀の世界では交通手段が革新されています。「ジョウント」と呼ばれる精神感応移動(テレポーテイション)で誰もが瞬間移動出来るようになっています。そのおかげで犯罪の多発しています。さらに宇宙圏に進出している人類は内部惑星連合(金星、地球、火星の3つと月)と外部衛星同盟(木星のイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト、土星のリア、タイタン、海王星のトリトンの7つ)で対立し、終わりの見えない戦争が続いています。この魅力的な設定だけでも十分楽しいSF小説が書けるはずなのですがベスターは一人の特殊能力人「ガリヴァー・フォイル」を復讐の鬼として登場させ、さらには世界を一瞬で破滅できる最終兵器「パイア」の争奪戦へと物語を加速させます。 主人公・ガリヴァー・フォイルは、貧民街育ちで、この世界では下流な階層の粗野な人物、最初は爆破されて遭難した宇宙輸送船「ノーマッド」を操縦する最後の生き残りとして登場します。彼は半年間一人で宇宙を漂流したあと、ついに「ヴォーガ」という同じ会社の宇宙船が通りかかったので狂喜します。ところが「ヴォーガ」は「ノーマッド」を認識しながら何故か無視し見捨てます。その深い絶望とヴォーガへの復讐心が、凡庸な三等航海士に過ぎなかったフォイルを、強固な意志を持つ男へと変え、この後世界を揺るがす厄介者とさせるのです。 ここまでが導入部ですが、「ヴォーガ」を恨むのも筋違いで、そもそも「ノーマッド」が遭難するに至る原因である、攻撃してきた敵の戦艦を恨むのが本筋じゃないかと思うのですが・・・・こんな風にストーリー中にちょいちょい不自然で無理やりな展開があるのですが、これには目を瞑って話を続けましょう。 このあとサーガッソ小惑星群に住む旧科学人により救助されるフォイル(なんだ結局助かるなじゃないか)ですが、旧科学人たちの奇怪な風習により、顔に虎のような模様を刺青されます。(これが結局題名「虎よ虎よ」の謂れになるのですが、この風貌と彼の活躍、ストーリー展開にはなんら影響を与えない不思議で不要なエピソードです)。 彼らの元を脱出したフォイルは、ヴォーガとそれを所有するクリスタイン財団への復讐のために動き始めるのですが、実はフォイルには彼自身もまだ気付いていない特殊な能力があって世界中から追われる存在となっていきます。フォイルの真の敵は誰でその復讐は果たされるのか?フォイルの謎の能力と最終兵器「パイア」の発動はどうなるのか・・・。といった興味がてんこ盛りのSFサスペンスとなっております。 さてラストでは彼の隠れた能力が卍解(ばんかい)しますがその表現に添付写真のような「タイポグラフィ」が使われます。筒井康隆先生が実験的に使った手法(七瀬シリーズ)のオリジナルかもしれません。文章では 遠方でカチャカチャという足音が縦になった北極光の柔らかいパターンになって眼に入ってきた。 というような表現になっています。フォイルが「共感覚」という特殊な知覚現象を体験している様子を描写しているのです。 小説中に出てくるジョウントや加速装置(サイボーグ009、島村ジョーの必殺技)などのアイディアは本当に素晴らしいだけに、この25世紀のベスター世界を詳しく著す長編にしたほうが面白いと思えました。アイディア200点、テンポ100点、翻訳100点ですが、プロット50点、文章力50点で残念です。アイデアだけは飛びぬけて素晴らしいのでもっと尺の長い小説として読んでみたいと残念です。 | ||||
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最初の、ゴールドラッシュじみた熱っぽい世界説明にはわくわくさせられたのですが、それだけでした。 (本は結局、読む人の好みがすべてなので、自分には合わなかったというだけの話ですが。) SFをあまり読まない方には、おすすめできません。 モチーフとなった小説『モンテ・クリスト伯』の愛読者にも、おすすめできません。 メロドラマ要素はありません。メルセデスのような魅力的な女性は出てきません。かといって男性キャラも、記号的で、背景です。 そして「虎」ですが、後半はともかく、つけられた過程があまりに偶発的で、これは燃えない……。 SFが好きで、ガジェットにわくわくして、描写の古さは許容できて、無敵の主人公が突っ走るのが好きで、細かいことはあまり気にしない、という方なら、楽しめると思います。 最初の方の、研究者が遺書を書くあたりの熱狂の空気は好きです。 | ||||
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日本が敗戦を迎えて間もない1950年に発刊された本書は最近ネット上で、その文書表現が"まるでライトノベルみたい!"とあらためて紹介されていたのを見て逆に興味をもったのだけど。実際に読んでみるとモンテ・クリスト伯をベースに超能力や怪物といったSF的ギミックをこれでもかと詰め込んでいて、これは当時の大量生産大量消費アメリカの空気感なのか?と思わせられる内容だった。 ただ、そういった複雑で本来ならまとまらない内容を、ただひたすら単純に【動いて突っ込んでいく】主人公を中心に置く事で、テンポよく最後まで話が進み、最後にはなんとなくキレイにまとまって終わった印象を残すのは流石だな。と。 そして、この作品に登場する設定が仮面ライダーやサイボーグ009に活かされたのを知り、ちょっと"なるほど。。"と、ビックリしました。 オススメ。 | ||||
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入口通りの復讐ものではない。だがトンプスン評者が本著者と比肩し評するのも分かるグラフィカルな破綻の物語であるのには違いない。 | ||||
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瞬間移動の理屈が納得出来ない それが気になって物語に集中できなかった 表現はハードでワイルドで楽しい、読んでいてもストレスはない だけどヤッパリ気になる瞬間移動 | ||||
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名作SFでよく名前が挙がるので、全く下調べせずにとりあえず手に取ってみることに。 これがまた、いつまで経っても面白くならない。 ほぼ破綻してる設定、突然の場面転換、全く感情移入できない登場人物達、盛り込みすぎて混乱した世界観。 しかし、我慢して読み続けてみると、突如としてギアが上がる。 気がつけば時空も想像力も小説としてのフォーマットもぶっ飛んで、 まるで三次元にばら撒かれていたガラクタが四次元の荒縄で無理やりゴチャゴチャに丸められて、 そのままポンと目の前に放り出されたような感覚。 これが、案外美しい。 よくよく考えてみれば小説の内容なんて、所詮はどうでもいい話である。 細かいディティールなんていちいち覚えてられず、後には体験だけが残るからだ。 そしてこの作品はその体験に全振りしたものである・・と、私は理解しました(人は選ぶと思います)。 | ||||
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虎よ、虎よ! このタイトルは上手い。単に顔の刺青が虎であると言う事とは別に、本作の主人公ガリー・フォイルの本質は正に虎、獣のような男だ。 他者に対する優しさ、愛情など道徳的な感情は一切持たず、触れるもの全てを傷つける男。目的のためには平気で他者を踏みにじり、殴り、殺す。ただの犯罪者だが、快楽の為にそうしているわけではない。彼の底にあるのは、野良犬のような攻撃性。自らを見捨てたものに対する、純粋な殺意。 徹底的なアウトロー、冷酷なアウトサイダー。この主人公にほれ込んで一気に読んでしまったが、この主人公をダークヒーローと考え、感情移入してしまったのは本作を読む上で致命的な過ちであったようである。 ここからちょっとネタバレするから注意。 要するに最後、改心してしまうのだ。主人公は愚鈍な凡人だったが、怒りにより虎となり、終盤で信仰者となってしまう。 まあ、人によっては感動する話かもしれない。それは重々わかるし、面白かったと言えば面白かったが、一方で虎である主人公に感情移入していた私としてはがっかりしてしまった。 無論、主人公が愛を知らない虎のままでは結末は主人公の破滅しかなかったと思うのだが、正にそれを望んでいたものとしてはがっかりだった。とは言え、それは全体の面白さを損なうものではなく、寧ろある種のカタルシスを与えてくれたので、それにより評価を減らす事はしていない。ただ前半を読んで主人公を気に入ってしまう人は注意が必要だ。 それと、女性キャラ達が主人公にあまりに都合よく動き過ぎである。 自分をレイプしたり見殺しにしたりする相手をあっさり許したり、何だかんだ尽くしたり、あろうことか愛したりもする。この辺はなろうと変わらんのでは。雄々しい男が主人公の話において主人公を好きになる都合の好いヒロインはいない方が良いと思う。 | ||||
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大友克洋が書いた帯につられて紀伊国屋で購入。アマゾンってどこのライダーですか。 金田のユーレイ?やタカシ=28号もここからオマージュ(発想を得たと言うにはそのまんまだが、パクリとは言えないくらい昇華されている)されており、思わずニヤニヤ。 この本のストーリーも岩窟王をベースにしていることを考えば「巨人の肩の上に立って、そのまた上に…」ということか。創造とは先人の偉業の先っぽに付け足すこと也。 そういえば加速装置なんてのも今や苔むしたSFガシェットだが、初出はここかな? 映画化も期待大だが、洞窟監獄やタイポグラフィの映像化なんてのはさすがにムリかねぇ。 1956年発表、いつ読んでも古さを微塵も感じない名作。読み倒してぼろぼろなのでココらで買い換えるか…。 | ||||
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高評価のアニメ巌窟王は元はこの本をアニメ化したかったのだが著作権などで折り合わず、やむなく元ネタのモンテクリスト伯を未来設定でアニメ化したと聞いて、この本に関心を持ちました。 評判が高いので読んでみましたが、一言でいうと全然面白くありませんでした。 主人公の復讐したいという動機に共感できないこと、ストーリー展開のなかの意外性の工夫が薄っぺらなこと、SF要素に(1950年代の作品としても)未来感がないこと、結末が全然もりあがらないこと、などです。 まったくお勧めできません。 70年代の作品ですが「星を継ぐ者」は面白かったので古典のSFに期待したのですが、これは期待はずれでした。 | ||||
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古典的SFということで、読んでみた。 奇想天外で、しっちゃかめっちゃな展開だったが、 急展開する映像を観ているようで、ラストが気になりながら読み進んだ。 当初脇役かと感じたフォイルだが、最後まで全てを引っ掻き回す。 本書が世に出た1950年代は、国家間では冷戦による核開発競争、個人レベルでは技術革新により 物質的な生活水準が年々上がっていたころだろうか。 印象に残るセリフがあった。 『諸君はブタだ。ブタみたいに阿呆だ。諸君は自分の中に貴重なものを持っている。それなのに ほんのわずかしか使わないのだ。諸君は天才を持ってるのに阿呆なことしか考えない。精神を 持ちながら空虚を感じている。』 『何か信じるものをもつことは必要ではない。どこかに何か信ずるに値するものがあることを 信じることが必要なのだ。』 享楽主義に向かおうとする当時の世相に警鐘を鳴らすと共に、自分の人生を生き切るようメッセージを 込めたのだろうか。 | ||||
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どわーーー、面白いっっ!好みド真ん中だった。 誰もがテレポートできるようになった25世紀。下級エンジニアのガリバー・フォイルは、宇宙船の事故で漂流していた。 通りかかった豪華客船は、救助せず行ってしまった。フォイルは客船の関係者に復讐することを誓う。 暗い情熱の燃える復讐劇が幕を開ける。これだけでも十分に魅力的だが、敵側もフォイルの行方を追い求めている。 事件には裏があり、さらに裏がある。謎に包まれた真相が徐々に輪郭を表す興奮といったら、並みのサスペンス小説半ダース分に匹敵する。 ジェットコースター的プロットに負けず、大量のアイデアが投入されている。 病院の地下に院長の趣味で作られたフリーク動物園、科学を信奉する小惑星、五感を断ち切った生ける死人が暮らす宗教施設。 この世界では宗教はタブーなのだ。違法ポルノ売りは、「へへへ、神に祈りをささげる乙女の写真がありますぜ、旦那」と勧誘する。 なんて素敵な世界だ。 キャラクターが素晴らしい。主人公のタフガイぶりに熱狂した。敵役は放射能人間とか蛇男とか、変態ぞろいで嬉しい。 麗しいヒロインにも事欠かない。中でも電磁波を目視できるアルビノの娘が際立っている。 プロット良し、アクション良し、アイデア山盛り、キャラは立ちすぎ。小説としてもSFとしても最高である。 | ||||
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60年前の作品ですが序盤は中々楽しめました。が、中盤から後半にかけては読むのが苦痛に感じてきました。 まず、翻訳が直訳みたいな文が多すぎて一部内容が理解できない。また、作者のSF作家としての腕が高くないためか、世界観や場面々の状況説明がすごく分かり辛い。設定的やキャラクター設定は凄く良いんですが...何分他の要素で読みづらくてしょうがないです。 何回か読み直せば慣れてくるかと思いますが、私はあまりもう一度読もうという気になりませんね... | ||||
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