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(短編集)
鍵のない夢を見る
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鍵のない夢を見るの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全128件 121~128 7/7ページ
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| 人は、日々流れてくる様々な事件報道に接しても、対岸の火事のように思い込んでいるところがある。それは、他人事と割り切ることによって、自己に降りかかるかもしれない恐怖や不安から目を逸らそうとする、まさに自己防衛本能からなのではないか。しかし、決して犯罪とは遠いところで起きている事象ではなく、誰しも日常生活の中、当事者や関係者になり得る可能性があるのだ。こうした現実について、はっと気付かされる物語だった。 五つの短編からなる小説だが、どの作品も地方に住む女性主人公が、意図せぬうちに犯罪に近いところに身を置いてししまっている、という内容である。それはすべて、人間誰もが有するプライドやコンプレックスといった、ちょっとした心の動きが原因となっているのであり、読む側からすれば、いつか自分もこんな気持ちを抱いたことが……と、心当たりがあるような場面が次々と出てくるだけに、ドキリとしてしまう。 知らず知らずのうちに、人や社会に流されるような生活を送ってしまっている自分にも当てはまることではないか。そんな危惧すら抱くのは、登場する主人公の誰もが、どこにでもいそうな平凡な人たちだからだ。また、実際に起こった事件をベースにしているようで、それゆえに、普通の生活を送っているつもりの人であれ、しかもありふれた日常生活の中であれ、時として、とんでもない事態に陥ることがあるということを、現実のものとして思い知らされるのだ。こう実感するのは、この小説が、ノンフィクションとは違い、人間個々の内面の問題を丁寧に描写しているからでもあろう。 ただし、主人公たちの心の動きを見事に描いている反面、彼女たちに関わる男性たちがどれも、同じようなダメ男として描かれており、またか、と少々食傷気味にさせられるところがあったので、星四つ。 | ||||
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| 普段は歴史小説を読むことが多いのですが同年代の方がどのような本を書かれているのだろうと興味があり読ませていただきました。短編集はとても読みやすく一気に最後まで読み切りました。鍵のない夢見させていただきました。この作品は今まさに現実に起こっているようなことをそのままのストーリーとして一編、一編描かれているなとドキッとする場面もいくつかありました。他の小説もまた読んでみようと思います。 | ||||
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| 読んでいて面白かったのですが直木賞の作品かと言われるとウーンな部分もある気がします。 こういう事を言ったら女性から盛大なブーイングを受けそうですが、主人公が大体女性で、人のナルシズムを批判するナルシズムに気付かず浸っている(変な言い方ですが)キャラが多い気がします。 勿論これは狙ってそう書いたのでしょうが男性視点からすれば「女の子ってみんなこんな生き物なのよ」と我儘を正当化する身近な女性を思い浮かべてはゲンナリするのもまた事実ではあります(笑)。 好きか嫌いかは主人公の心理に乗れるか乗れないかじゃないですかね? まあ面白いのは間違いないので、あまりキャラに入り込まない限りはいい作品だと思います。作品の誘引力が強いのでやや引き気味の視点で読む事をオススメします。 | ||||
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| 氷のくじら以来のファンですが、作者の書くダメ男は大体同じキャラですね。 ちょっと飽きてきました。 他、良く耳にするような話を掘り下げて書いておられます。 読みやすいので一気に最後まで行けます。文章力があると思います。 しかしながら、何処かで読んだ文体・構成となっているなぁ、と言うのが個人的な感想です。 これなら僕は山本文緒さんのドロドロした小説の方が好みかも。 …もっとファンタジックな話を辻村先生には書いてほしいなぁ。 | ||||
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| 私が今まで読んだ辻村さんの小説の中で、1番凡庸なお話だったな…というのが読後の感想です。 「オーダーメイド殺人クラブ」では、あの自意識過剰で息苦しかった時代を「あーあー、こうだった」 と思いだしたり、丁寧な心理描写に引き込まれたし、 「水底フェスタ」では地方の村の閉塞感がリアルだったし、 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」ではいつも周りから軽んじられてしまう彼女の、 人物描写の徹底した底意地の悪さ(誉めてます)に感嘆したのですが… 今回は誰にも共感や同情する間も無く、全てのお話があっけなく終わってしまいました。 持ち味の痛さ、不快さがもの足りなくて。 現実が物語を凌駕してしまう昨今、人の耳目を集めたあれらの事件を もう1度小説に焼き直す意味がよく分からなかったです。 現実の事件の人の罪深さや闇の暗さは、フィクションの世界なんてかすませてしまうから。 とはいえ、辻村さんワールドは好みなので、次回作にも期待しつつ☆2つ。 | ||||
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| 人の感情の細かい襞をすくいあげるような感じで丁寧に描かれた文章で、どれもありふれた事件なのですが読みごたえはあります。特にこの短編集では、男の人の描き方が非常に上手いなあという印象を受けました。主人公と深くかかわることになる男たちが皆、ある種の不快感をこちらに与えてくるのですが、それが妙に現実味があるというか、こういう人いるよねっていう絶妙な気持ち悪さなのです。ドラマや映画に出てくるようなものすごい悪人とか変な人っていうわけじゃなくて、些細な事でああこのひといやだな…ってふとした瞬間に感じてそれが積み重なった挙句に決定的に嫌いになってしまうタイプの人種とでもいいましょうか。 女の子が憧れるような素敵な王子様は出てきません。それ故に現実のむなしさを突き付けられて哀しくもなってしまうのですが、この本のテーマとしては成功してるのかもしれません。女たちのどうしようもない閉塞感。しかし読み終わった後もやっとする…。 | ||||
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| 短編集です。 ひきこまれやすい構成で、風景も頭に描き安く読みやすかったです。 しかし後味が悪いので情緒不安定な時は読まないほうがいいかも・・ 最後の話は子供を持つ身として切なかった・・ | ||||
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| 連作でもなく、一貫したテーマでもない短編集。「鍵のない夢・・・」とは、単行本にする際に付けたタイトルではないでしょうか。 現実の事件をヒントに書かれた作品があり、救いのないものが含まれています。そんな中で、最初の一遍「仁志野町の泥棒」は、読者の記憶の中にある、今は忘れてしまったシーンや感情を呼び起こす秀作で、辻村深月さんらしい作品でしょう。 | ||||
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