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(短編集)
鍵のない夢を見る
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鍵のない夢を見るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全67件 1~20 1/4ページ
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人間の弱くていやーな部分をこれでもかと描き出すのね。どこにでもあるちょっとなんか嫌な感じを本当にうまく捉えるんだなぁ、うわーーーあるある、こういう男!って感じなんだけど、でも読んでてやっぱり楽しくないから、嫌な人間の嫌な面を読んで楽しめる人以外にはおすすめはできないなぁ。 | ||||
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全て女性の心の声を文字にした短編集です。 短編でなければ耐えられない女々しいお話です。 共通するのは、愛されたい、認められたい、孤独、自分本位。 「美弥谷団地の逃亡者」作中に出てきた、 相田みつをの詩 『しあわせはいつもじぶんのこころがきめる。 もしかして、この詩が全ての物語の核となるテーマではないかと思ったりするほど、 出来事よりも心の動きを重視した内容です。 そう理解すると、タイトルである『鍵のない夢を見る』が、なるほどなと連想され、 余韻が始まっていくようでした。 女性が読めば共感するのかもしれないが 男性の私からすれば、深みにハマりたくない人たちであるのですが、 出会ってしまったら愛おしさく守ってあげたくなる人なのかもしれないと思う自分もいます。 作中に出てくる男性はというと、魅力的には思えなく、彼女達はなぜこんな男に惚れるのかと思う部分も多かったりするのですが、引き寄せられるもの同士であり、互いに傷を舐め合うもの同士なのかもしれません。 そういうこともあって、お互い様な関係が描かれていきます。 物語は盛り上がりなく淡々とした内容であり、読み終えた後には、思考の周りに黒いモヤがかかって気持ちの悪さを持つのだけど、人の内面に起こる描写が丁寧なため、 いつ当事者になってもおかしくないなと思う不思議な感覚を持った内容でした。 | ||||
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一つずつの話が短編でまとめられていて、読みやすかったけど… 短編集と思ってなかったので、ちょっと意外でした。 | ||||
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短篇集『鍵のない夢を見る』(辻村深月著、文春文庫)に収められている『石蕗(つわぶき)南地区の放火』は、地方都市の財団法人町村公共相互共済地方支部に勤務する主人公の笙子(36歳)が、実家のごく近くで起こった放火事件は、かつて自分にしつこくアプローチしてきた消防団の男が、不自然な形でなく自分と再会するために仕組んだものではないか、と疑う物語です。いわば、八百屋お七の白けた現代男版ではないかと疑ったのです。果たして、その真相は・・・。 本書に収められている短篇の登場人物たちは、いずれも、少しピントがずれています。自分も含め、この世の中は、こういう少しピントのずれた人間たちで成り立っていることを、改めて思い知らされました。おー、怖っ! | ||||
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ちょっと 事情があって女性の作家が女性の立場から書く本をたくさん読み込んでいるところなんだけど、最後の 林真理子さんとの対談のところで、放火の話は主人公の感じ方が不自然になるように会えて書かれていることを知って ちょっと驚いた。男性である僕からは「なるほど、女性というものは こういう時にこう感じるものなのね」と元から距離があったからかもしれない。 辻村さんの描く世界は1人の登場人物が複数の作品に 脇役として登場したりすることがあるけど、今回はそういうお楽しみがなかったような気がする。 いいか悪いか という話とは別に僕は個人的には 辻村さんの作品は 長編の方が好きだな。「かがみの孤城」とか「島はぼくらと」とか「傲慢と善良」とか「青空と逃げる」とか、どれも好き。 | ||||
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よくこんなシーンやキャラクターを思いつくもんだ…… | ||||
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辻村深月さんの文章は、装飾なども過不足なく、また情景がスムーズに思い起こされるという意味でむちゃくちゃ読みやすいと思う。で、話題作だったツナグなどから見て、年月が経過してる分、一層深みが出ている。 作品自体はどの短編も人のエグさというものが浮かび上がってくる。ものすごくリアリティがある。基本的に登場人物それぞれの造形がリアルで、悪さがある。勿論そればっかりでは人はないんだけど、ある視点から見たら何かしら人ってあるよねっていうその、悪さ。なんというか純文学的でもあるけれど、ミステリー的。 切り取り方が上手なんだよね、間違いなく。 その中でも「芹葉大学の夢と殺人」と「君本家の誘拐」が本当に秀逸。 前者は、夢を見ていて自分の実力と乖離している男の描写がうますぎるし、唸る。何かのカテゴリーに入る造形なんだけど、このいけ好かない感じと、そういう男にハマる女性の構図。めちゃくちゃリアル。引き返せなくなってる所とかもうね。 後者は、男女でもキャリアの過程などでも見え方が違うだろうけど、なんにせよ夫のダメっぷりがまず絶妙。そして、こちらの主人公も単純な育児ノイローゼではなく、産後うつであったりキャパオーバーに陥らせられている事でメンタルの不調が如実に出ている感じも受けるが、これが誰にでもありえる事だから、滅茶苦茶ずんとくる。 なんにせよ作品として、胸に重いものを背負わされる作品ばかり。しかし物語自体が面白いし、日常に溶け込みきっている。だから他人事には思えない。それが本作が受賞した理由なんだと思う。 レビューから伝わる通り読後感に対しての清涼感はまるでない。それでいい作品。 個人的には読んでよかったと思うし、唸るほど素晴らしかった。 | ||||
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全編感慨深い作品ですが、30代女性(子なし)としては【君本家の誘拐】に衝撃を受けました。 良枝と理彩の会話がリアルだと思いました。 私は理彩側の立場なのですが、読み進めるとため息が出ました。 周りが出産して母親になっていくと育児の大変さや愚痴を聞く機会が多くなります。 ちっとも共感できないのに。 年齢を重ねてくるとそれが幸せマウントに見えたり苦労自慢に見えたり… 育休伸ばしたいなんて言われたら顔が引きつるよねー…。 自分の状況によって見方が違ってくるんだろうなぁと思いました。 | ||||
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初めて読む作家の作品なので直木賞受賞作にしましたが、かつて見た「ツナグ」という映画の原作者だと知りびっくりしました。映画が先でした。 | ||||
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これら短編集の登場人物たちは凄い。自己中心的で他人の心の動きがわからないサイコパスだらけです。心の内側から湧き起こる人間的な温かみというものがなく、外型的表面的な人間社会の理解の仕方をしている。地域共同体が崩壊すると、個人は剥き出しのまま世間に放り出されるので、それまでに社会性を学習する経験を持たないと、この短編集の主人公たちのように歪んだ心理に陥ってしまうのでしょう。 そのような人間性もまた、人間の持つ本質的な心の仕組みであり、それは豊かな人生とは真逆の、脆く貧相な生き方であって、そんな人物たちが綴る物語は痛々しくて不快です。 非現実的だと笑うなかれ。このような人物たちが普通に居るのが現実の日本です。ノンフィクションに限りなく近い心理描写は、程度の差こそあれ自分にも思い当たるところ、理解できるところがあり、我が身を振り返って気まずい気持ちにさせられました。 | ||||
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『ハケンアニメ」の原作者としてもクローズアップされて、 人気が鰻登りの辻村深月さん。 只者じゃない・・・そう確信する作品集です。 一見平凡な女たち。 「結婚願望」や「ストーカー男」そして「出産と育児に潜む虐待の危険性」 などを描いた5作品からなる短編集です。 本作「鍵のない夢を見る」は直木賞受賞した短編集です。 なぜ「逆転サヨナラ打」と名付けたか? ラストでとんでもない結末に、サヨナラホームランのあの感動を 連想しました。 やるもんです!!上手いです。見事です。 「美弥谷団地の逃亡者」はラストの3ページで、隠れていた真相が明かされます。 平凡な恋人たち。 着の身着のままで、海辺のラブホを泊まり歩いてる若者。 その彼氏のやったことがラストで瞬時に明かされます。 それまでの平凡な男女の道行き。 それがとんでもない道行きだったと知れます。 「逆転サヨナラ打」 これを打てない作家は直木賞を取れないし、人気作家で長くいることは出来ない。 そう思いました。 さらに凄かったのが「芹葉大学の夢と殺人」です。 これは「逆転満塁本塁打」と呼びましょう。 殺人と題名にあるから、殺人事件は誰かが起こす・・・と予告されてる訳ですが、 ラストの主人公(女性教師)の行動には驚いた。 こんな結末の小説を一度も読んだことがありません。 恋した女はその尽くした分だけ、元を取り戻す。 裏切られた分だけ代償を支払わせる!! 読んだあなたは心底震えますよ。 私(読者)がなあーんとなく感じる交際相手の恋人への違和感。 その予感が、当たるどころか? それを倍々で上回る行動で、主人公は復讐をします。 「ちょっと綺麗な顔してるからって、女を舐めたらあかんぜよ!!」 面白くても疲れない平易さが、とても良いです。 第2話「石蕗南地区の放火」もまた面白い。 割と新しい文庫で「傲慢と善良」を直前に読んでいました。 その主人公の女性。 適齢期を少し過ぎて結婚を焦る女性。 「どうして魅力的で外見も美しい私に、寄ってくる男はチンケで魅力のない男ばかり!!」 不満タラタラの主人公の笙子・36歳。 「石蕗南地区の放火」も自己評価の高い勘違い女が主人公です。 結婚出来ない(決断出来ない・・・男性への、理想が高く、 翻って正しい自己評価が出来ない・・・自分に出す評価が高すぎるため、 どんな男性も自分に相応しくないと頑なに思う) まぁ、こんな女性が理想を格下げして結婚なんかしたら、 相手の男性が本当に可哀想。 分相応・・・これが嫌なら一生ブー垂れて老いることですね。 という訳で面白くて一気に読みました。 | ||||
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五人の女子が主役の短編集。それぞれの作品に犯罪が絡んでいるもののミステリではなく、その顛末にイタさ(?)をはらんでいるのが特徴的だろうか。 「芹葉大学の夢と殺人」は、幼児性あふるるイケメンとそんな奴に翻弄されながら離れがたい女子という、著者のよく描くフォーマットだ。 その他、幼馴染の母の盗癖「仁志野町の泥棒」、ストーカーされている女子が巻き込まれた放火の真相「石蕗南地区の放火」、DVカレシと離れなれない理由は「美弥団地の逃亡者」、赤ちゃんを誘拐された母親の二重の狼狽「君本家の誘拐」。 タイトルの意味はハテナ?だね。 【直木賞】 | ||||
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物語で醸し出されている雰囲気が小説の内容に合っている気がします。 いろんな意味で興味深い作品でした。 | ||||
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物語のネタバレがないよう、これから読もうとしている人に 参考になるよう心がけてレビューしますね。 直木賞とのことで、(芥川賞受賞作より)娯楽として気軽に楽しめると予想してましたがそうではありませんでした。 他のレビュアの方が書かれているように ・犯罪事件としてのヤマやオチ、としてよりも日常さやリアリティに重きが置かれている ・登場人物のクズ具合が多い(というか、人間の醜さが緻密に描かれている) ・後味が悪い という点で、気軽に読んで楽しめるという感じではないです。 正直、私も読みすすめるのが辛くて ”なんでそこまでしてこの本、読んでいるんだっけ?”と思って たびたび中断しました。 それでも、 ”この作品はどんな所が評価されて、受賞したりテレビドラマ化されたんだろう?” という気持ちで最後まで読み通しました。 とはいえ、読み切ると 作品の価値というか優れている点がぼんやりわかりました。 さらに、ネットで”直木賞受賞の際の審査員のコメント”というものを 読むことができるので、それが非常に役に立ちました。 ”なるほど、そういう視点でこの作品は書かれていたのか” と新たな視点で考えると、やはり優れた作品であるかと思います。 現代美術や前衛音楽とかもそうですが 新たな枠組みを開拓すべく挑戦している芸術活動は、 従来の受け止め方だと全く楽しめなかったり、苦痛であることすらあるかと思います。 『優れた作品であるけど、心地よくはない』 私にとって本作品はその部類でした。 なので、本書に関して言えば ”直木賞受賞の際の審査員のコメント”がとにかくおすすめです。 本作品の前に読んでも構いませんし、私のように 読了後に読むのでも良いかと思います。 | ||||
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良作です。ただ、テーマが犯罪なこともあり、どの話も後味が悪い。笑 辻村さんって青春小説のイメージが強かったんですが、負の感情の描写が上手いですよねぇ。女性はドキッとする話が多いのでは。 | ||||
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直木賞受賞作品。ただ、辻村さんの代表作と言われるには、ファンとして違和感がある。この作品の登場人物はクズが多い。いつもの、かしこ過ぎる小学生や、東大へ行く高校生、才能ある芸術家は出て来ない。そういう意味では異質な作品だが、WOWOWでドラマ化(Amazon primeで鑑賞可能)されたりと、辻村さんが話題になることは嬉しい。 | ||||
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するするっと読みすすめることができました。 ただ、読み終えるごとに生まれるこの感情を何と表現すればいいか。 悪く言うと、不快感。私はこういう女になりたくない。こういう女ではない。という感じ。 ただ、女という性の深さというか、あー何か分かる、と思ってしまう。だから不快に思うのかもしれない。分かる自分もやはり女なんだと。 | ||||
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校正がなっていないというレビューが目についたので訂正しておきます。 「人の言葉や誘いに誠意のない対応ができないのは、礼儀の問題だ。」 という文が間違いだと言われていますが、 冷たくあしらうべき誘いにも主人公は礼儀正しく対応してしまうことを憂いている場面ですので何も間違っていません。 厳しい批判が気になったので著者に代わり説明させていただきました。 作品は少し純文学寄りに感じましたがすごく面白かったです。 | ||||
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転校してきた女子小学生と主人公の物語、未婚の30代女性の物語、彼氏と海で旅行をする20代女性、大学時代から付き合っている彼氏と離れ故郷で教師になった20大女性、生まれた子供とベビーカで買い物に来た母親の物語。 別々のお話で別々の主人公ですが、女性の各世代をなぞるような全五篇の短編集です。第一編から第五篇まですべての物語で心臓を握らてたような切なさや切迫感があります。 展開の読めないミステリー要素の強いものも多く、辻村深月さんの他の作品も読みたくなる一冊です。。 小学校高学年の友情と切なさ。結婚適齢期を過ぎた女性の切なさ。若い女性の盲目的な恋愛の切なさ。夢と現実と恋愛の切なさ。子育て中の喜びと切なさ。 五篇がそれぞれの魅力が光る短編集でした。短編集なのでそれぞれの分量は少ないので、辻村深月さんの作品を初挑戦される方にもおすすめです。 私は心臓を握られたような切なさを五編続けて感じ続けました。他の辻村深月さんの作品も読みたくなりました。是非読んで欲しい一冊です。 オススメの方 1.壁にぶち当たっている女性。 2.普段あまり本を読まない方。 3.小説で心を締め付けられたことのない方。 | ||||
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やっばり辻村深月の小説が大好き | ||||
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