■スポンサードリンク
I'm sorry,mama.
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
I'm sorry,mama.の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 41~60 3/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
I'm sorry,natuo. うーむ、「グロテスク」が個人的には気に入っていただけに本作品は、いただけない。 登場人物の名前をマッチの軸に書いてカラカラ振って飛び出てきた人物を描いてるよーなそんな求心力のなさ加減がいただけない。 但し、巻末の島田雅彦氏の解説は、イタイほど良い!! 一読あれ。 「作品を通じ、読者の寛容を試しているかのようだ。」 氏のこの言葉が全てをあらわしている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
売春宿で生まれ、幼少を孤児院で過ごした主人公「アイ子」が起こす、窃盗、放火、殺人などの残虐行為を書き連ねた長編小説。 作品を覆う雰囲気は、終始救いようのない悪意に満ちていている。しかも、悲壮な出自を持ちながらもその容姿の悪さや利己的かつ短絡的な態度によって、読者がアイ子にいっさいの同情を寄せさせないようにされているから寄る辺ない。 この作品を読むと、なぜ作者はここまで徹底して人の闇の部分を描写するのだろうと思っただが、それは巻末に寄せられた小説家島田雅彦氏のわかり易い解説が教えてくれた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「グロテスク」「残虐記」と、誰もが知る猟奇事件を小説のモチーフとすることで、「“想像を超える現実”をさらに超えていく想像」に果敢に挑んできた桐野夏生。本作は久しぶりにそうした前2作の図式から離れた作品である。ただし扱っている主題は前2作同様“現代の闇”であり、出自、貧困、醜、愛の欠如...と負の要素をこれでもかと抱え込んだ女主人公が感情もなく人非人の限りを尽くす、いわば現代のピカレスク小説である。 前2作は“想像さえ超えてしまった現実”という挑むべき相手が明らかで、それが作品のフレームにもなっていたのだが、本作は自ら、現実に拮抗するような悪意や不可解や陰惨を構築する必要から、設定や展開がインフレーションを起してしまっている。前2作はいくら過剰な設定、展開、解釈があっても“実話”という説得材料があったが、今回はそれがないため、あまりに戯画的でリアリティーが感じられない。 なぜ女主人公のような“悪”が生み出されるのかといった点も、輪姦で男親もわからない出生、売春宿での幼少期といったディティールでは、昔からある「遺伝か?環境か?」といったレベルの論議に収斂してしまい、現代との接点が見えてこない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者近影がいずれもゴージャスな装いにハイセンスな髪型、自信たっぷりな笑顔ばかりなのですが、それも納得。そうでなきゃ嘘だ! と思えるくらい、もうコテコテの邪悪。あまりにも悲惨、ものすごくひどくて逆に笑ってしまうようなおそろしい本です。 登場人物の視点を章ごとにいれかえながら、養護施設と置屋という、ある意味極限の設定の中で濃密な人間関係をクロスさせ、ホテル王(女性ですが)の子息誘拐(ちゃちすぎる)など、主役のアイ子のいきあたりばったりで無計画で何も考えてない「気分」のままに繰り返される悲惨な事件。 これだけヒドい内容を疾走感すらもたせて一気に読ませてしまうのはさすがです。きっと若書きの作家だったらこの本の1章ごとに1冊書いてしまいそうなハチャメチャな内容。 しかし「現代」をこれほど端的に表現した本もないのではないでしょうか・・・「その先」への危惧を一番強く感じさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
40代の女性、アイ子が主人公。 これ以上最悪な状況で生まれ育った人はいるのだろうか。 主人公は、人を殺すことにマイナス感情を持つどころか、プラスの感情を持っている。 自分のためなら、人を殺す事はなんてことない!という雰囲気でストーリーが展開した。 最後になって盛り上がりが欠けてしまった感はあったが、ストーリーとしては結構引き込まれてどんどん読み進めることが出来た。 主人公のアイ子を見て感じたこと。 人は、やっぱり愛されて育つことがどんなに幸せなのかって感じました。もっとアイ子が愛されて育てば、誰かにその存在を認められていたら、、、?もっと、ちがったオトナになれたんじゃないか?って思います。 そしてこの本のタイトル。 このタイトルのママとは? そしてアイムソーリーとは?? 誰に伝えたかったのでしょう??? 何通りにでもとらえられるこのタイトル。奥深いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これ以下はないんじゃないか?と思ってしまうくらい救いようの無い境遇の主人公。薄汚く生々しい登場人物。行間から思わず悪臭すら漂ってきそうだった。しかし、読むことがやめられなかった。「グロテスク」のときと同様、ものすごい負のパワー、邪悪なものを感じながらもページを繰る指が止まらなかった。不幸、邪悪、陰険さ、おどろおどろしさなどなど人間の負の部分を描くと桐野さんはピカイチだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイ子=スズカ容疑者という感じです。 ↓2人はこんなことを思ってそうな気がしました。 私が信頼に値する人間なんていない。 将来的展望――。そんなもの考えているほど 私は馬鹿じゃない。 瞬間、瞬間に生きてやる。 私はそのとき東京に行きたいと思った。 どうせ短い人生なのに。 お前らにはできないだろう。 希望というコトバは私が終わらせてやる。 凡人はすぐに意味を見出そうとする。 不条理という言葉を知っているか? 私が育った環境。 すぐに原因を探す者よ。 一貫性を持たないという一貫性を持って私は生きている。 刹那に生きる私の切実さを持ってお前らは持っているか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
暗黒小説といってもいいほどのハードボイルド小説です。なんといっても語り手は、ずーっと殺人者アイ子の目線。そして、そのアイ子は、誰の子供でもない、邪魔者としてこの世に生まれ落ちただけの人間。モンスターという映画がありましたが、それよりハードな人生です。社会派だけど、問題提起型とはとうていいえない。女は世間と個人としてどうやって戦っていくものか?て感じ?いや、戦っても負けは見えてるんだけど、どうやって、朽ち果てていくのか?っていうのが淡々とかかれているんですね。グロテスク・残虐記の一連のシリーズですが、ここまでいくと、邪悪も一本すじが通ってます。色恋、生き死に、の小説が多い中、結構本格的な小説を読めたなていう充実感があります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイ子が、もしたった一人にでも愛されて育ったのなら・・、と思わざるをえません。誰にも愛されず必要とされず、その結果がこのアイ子を造りだしたとしたのならば、ひとつの物語としては納得できますが、一人の人間としては切なくてたまりません。稚拙な殺害方法、先々に対する場当たり的な行動、アイ子は紛れもなく子供であり、愛情という大切な感情を知らない欠陥人間だったのかと思わされます。ただ、終局の部分で彼女が殺害してきた人々が描写され、彼女の思考にその人々が登場したことによってアイ子の罪悪感が浮き彫りになるのは良かったと思います。アイ子の終末がどんな形でもいいからもっと愛情に近づいたものであれば、私的にはもっとよかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特異な経歴を持つ42歳の女性の無鉄砲で刹那的な生き様を描く中篇。ヒロインを中心に据えて、同世代(またはそれ以上)の女性たちも数多く登場する。軽いテイストだけれど暗黒小説に分類されると思う。登場人物たちはみなどこか歯車が狂っているような気がする。そしてそれを受け入れて、あっさり(結果的にはということだけれど)開き直っているところに力強さを感じるのだろう。ただしかなり浮世離れした物語なので、共感することはないが。テンポよく話が進んでいくので、サクサク読み進めることができる。物語自体が迷走しているのでどこへ向かっているのかわからないスリリングさがある。ラストを読み終えても、まだまだ物語はこれから続くのだ、という感じである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
発売当初から注目していて読みたかった本です。 宣伝文句では、アイ子は邪悪、怪物と言われているけれど、 読んでいる限り、そんな風には思いませんでした。 そこにいるのは、純粋に、欲望のままに動く、子供。 純粋な殺人鬼。 アイ子はどんどん人を、ためらいもせず、後悔もせず、殺してゆきます。 だけど、そんなアイ子に抱く感情は、憎悪ではなく、哀憫でした。 この、かわいそうな子供が、いつか、幸せになりますように。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野氏の「グロテスク」「残虐記」と同時期に書かれた作品です。上の2作が、文字通り人間の内面的な葛藤、心理的な闇を掘り下げたものだとすれば、本作品はそれをアクトアウトした女の話。主人公のアイコは、内面的思索にはふけりません。本能的に行動することのみによって、生きています。心の闇ではなく、行動することのみが存在になってしまったアイコを作り出した「ある社会の闇」を感じる本です。桐野氏のハードボイルドな一面が色濃く出ています。「OUT」よりも、よりハードボイルド。少し猟奇的な描写もみられるので、じくじくと内面葛藤を読むのが好きな方には不向きかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この著者の作品は後味が悪いです。 でも面白い。 どれだけ後味が気持ち悪くても、 他の作品を読みたい!!と思わせる衝撃が常にある。 今度の『怪物』は見た目は何の変哲もない中年女性。 松島アイ子。 置屋で産み捨てられ、 やり手婆や娼婦に邪険にされながら育った子ども時代。 長じて養護施設にはいってからも皆に邪険にされ、 小狡く生き抜いていくことを体得していく少女時代。 やがてたどり着く場所は最悪の現在。 気に入らないヤツ、都合の悪いヤツは消してしまえばいい それはとても刹那的で衝動的な生き方。 何かを学ぶことなく、ただ動物的にその場その場をやり過ごす日々。 ここまでグロテスクではなくても、自らを顧みるとうそ寒くなります。 とりあえず、とか、いちおう、って言葉で自分をほったらかしている現状。 面倒くさいヤツだな、って思ったらケータイメモリからそいつを削除。 はい、ばいばい。 自分の中の『松島アイ子』を、 見なかったことにして いなかったことにして ばいばい、するのは恐ろしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野さんの作品は毎回必ず読んでしまいます。 面白いんだけど、後味が悪すぎると言うか・・・ ああ、いいもの読んだ♪みたいな気分にはなったことがありません。 でも読んじゃうんですけどね、面白さはあるから。 今回のも人間の邪悪な部分ばかり強調されている様な気がしてしまいました。 前半だったと思いますが出てくる里親の老夫婦って いつかまた絡んでくるのかなぁ、と思っていたのに 絡んでこなくて、あれ〜?って思いましたが私だけでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
リアルでグロテスク、読後は重たい~ 登場するアイ子が本当に怖い。人が愛を知らずに育っていくとここまで恐ろしい人間になれるのか・・・他に出てくる人物もとてもリアリティがあって、読むたびに自分の中で映像となって浮かんでくる。桐野夏生さんの本は凄みがある。どうしたらこんなにリアルな文章が書けるのだろう、と感心するばかり。でもこの本を読んだあとはしばらく胸焼け状態だった。アイ子のどろどろしすぎに圧倒されてしまった。重たいパンチを食らったような感じ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイ子の邪悪さが生い立ちによるものか? それとも親の遺伝子によるものか?嫌悪感を抱きながら読み進めて行きました。 一点の光りさえも見出せない暗い暗い物語です。 読んでいくうちに心の中が澱んでいくような・・・。自分に不都合な存在をすべて消し去っていくアイ子。 殺人をゴミを蹴飛ばすくらいの軽い気持ちでやっていく。 周りの全ての人間を憎んでいるアイ子。 途中の子供とのエピソードは、唐突。 しかもあってもなくてもいいような感じに思えたり(爆 ラストも。。。どうなんでしょう?これが桐野夏生ワールド??? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野氏の作品としては、平均的なものである。 作者には怒られるかもしれないが、一読者としては、登場人物・設定は異なるものの、近年の「残虐記」「グロテスク」と同じような世界観、展開であるように思う。 しかしながら、この毒々しさと、怖いもの見たさでページをめくる感覚は、桐野氏の作品の特徴であり、他の作者にはまねができないものだと思う。そういう意味では期待を裏切られることはないだろう。一方で、「OUT」や「柔らかな頬」に感じた斬新さを感じることはできなかった。未読の方がいたら、むしろこちらをお薦めしたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冒頭はなにげなく始まって、なにげなく主人公のアイ子が登場します。そのペースでなにげなく読んでいたら、すぐに驚愕の展開。 アイ子って、アイ子って、いったいどういう人なんだろうか、とどきどきしました。 多くのエピソードの中でアイ子について語られるうちに、またそこで登場してきた多くの人物たちがアイ子にかかわって、こちらもアイ子のことを知ってはいくのですが、逆にアイ子の謎も深まります。 そして、ラストのころ。多くのエピソードの中でぼやけてしまったアイ子がくっきりと姿を現し、物語もきゅっと絞られたようにまとまる。 おお、そうであったか、と膝を叩いたら、物語が幕を閉じます。 作中で語られる現在の日本の世相や、そこで生きる人たちの様子に身につまされながら、一気に読んでしまいました。 アイ子の邪悪はその成り立ち方も発展の仕方もすごくリアルでした。納得がいく邪悪。納得がいくだけに、より怖いのですが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これほど主人公に感情移入できないお話もめずらしいと思った。サイコホラーではなくミステリーでもなく、でも怖い。怖いやつ。でも読み出したら止まらない。私もあまりよい育ちはしていない方だけどアイ子は本当に最悪だと思った。現実では最悪な環境で育ったからといって悪人になるわけではないと思う。ただの意地悪な人やただの考えの足りない軽薄な人物ではなく根っからの悪人は現実に存在するんだなと大人になってから確信したのでアイ子が本当にどこかにいそうな気がする。こういうタイプの本は私には新しかったので星5つだけれど全ての人におすすめできるかというとそうではないです。文章は軽快で読みやすいけれど内容は重たいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
題名と表紙から、子供を虐待する話かと思ってたら勘違い。中年のばぁさんじぃさんばっかり出てきてびっくりでした。 思ったよりも上手かった。心の中にある闇というか、親子の愛を歪んだ形で超捻くれたカーブで書いたような作品。みんな歪んでる、歪んでる。それはいいんだすけど、終わり方が唯一不満だった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!