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I'm sorry,mama.
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I'm sorry,mama.の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 21~40 2/5ページ
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両親が誰とも知らず、娼家で育った女主人公が、冷酷な殺人を重ねていくというピカレスク・ロマンなのだが、ヒロインの造形よりもむしろ、彼女に関わるいろいろな人間がそれぞれに面白い。それぞれの、人生で背負った業や醜さが非常にリアルに描かれ、そちらの方に引き込まれた。 女主人公・アイ子はむしろ、読者をこのような多様な業をもつ人間の人生にいざなう狂言回しにすぎないのではないか、とさえ思えてくる。 その中の一人である、ホテルチェーンの女性社長は、ある実在の人物を容易に想起させる。 (本人から苦情が来なかったのだろうか) 小説のラストは、ヒロインが追っ手を逃れるため、隅田川に飛び込み泳ぐシーンで終わっている。 これは、藤山直美主演『顔』(傑作だと思う)のラストを髣髴とさせる。 | ||||
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アイ子には同情する。天涯孤独で誰からも愛されず、誰も信用出来ぬまま大人になってしまった。 結果残虐な女になってしまう。 暗い話で先に明るさも見出せず何度も読むのをやめようかとも思いながらも読みきった。 売春宿のOG達が皆いい人というかまっとうな感じになってるし、 ホテルの女社長とか登場人物との係わり合いも中途半端な感じが・・・・・ 人にはまず勧めないなぁ。 アイコの悲惨な幼少時代がリアルに今も心残ってしまい、読んで以来気持ちが晴れない感じあります。 私が今1歳児を育てているからだと思いますが。 | ||||
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桐野の最近の作品にはどうも救いようのない人間が出てくる。情状酌量もクソもなく。ほんと、あかんヤツが出てくる。 どうしようもない人間を見て、ひるがえって自分の人生と自分の周りにホッとする、と言うこともあるんだけど。。。 いやぁ、正直言って結構イヤんなっちゃったよぉ。 わかっていたんだよなぁ。桐野の読んだら、何だか、イヤんなっちゃう気分になることはわかっていたんだもん。 それでも、また読んでしまう。 なんだろうねぇ、この桐野作品の魅力ってのは。ほんと。 | ||||
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読んでいてとても痛快な物語。愛情というものを知らずに売春宿「ヌカルミハウス」で育った松島アイ子。自分をかわいがってくれなかった先生、馬鹿にされた孤児仲間など、おもしろくないと感じる体験をさせられた相手に火をつけて仕返ししては逃走して世を渡っていく。 アイ子が住み込みの使用人として働く、シティホテル経営者の又勝志津子は、APAホテルの社長がモデルでしょうか? 出てきた登場人物のなかでもずばぬけて個性的なキャラクターで楽しめました。 桐野作品にしては中編といったページ数なので、一気に読むことができました! | ||||
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売春宿で生まれ、誰からも愛されずに育った松本アイ子という少女が、 躊躇なく窃盗、放火、殺人をしていく。 そのような人物を、メディアを媒介して知ると、怒りを 覚えるかもしれないが、本書でのキャラはどういうわけか コミカルに移る。 平気で、犯行を犯していく彼女、ただどういうわけか 憎めない、かわいらしさまで覚えてしまう。 そして、最後に彼女の出生を実の母親から知らされ、 その母親さえも殺してしまう、そんな悲惨な状況で、 何故か感動してしまった私は人格破綻者なのだろうか。 桐野さんの本は、何らかの刺激を常に 与えてくれる。 | ||||
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暇つぶしの小説としては良かったです。 一気に読んでしまいました。ページをめくるのが楽しみでした。 ただ、すごく暴力的なのは桐野さんのスタイルなんでしょうか?なんか すごくとんでるというか・・・ 始まりがすごくよかった。 幼稚園の先生と教え子のカップルの話かと思えば 主人公はアイコといういきなりの展開には驚いた。 すごく個性的で登場人物がたくさん出てくるんですが その人たちが一体どうなったのか その後殆ど姿を現さないし その点はすごく中途半端な気がしました。 こんな人殺されてなんでバレないんだ・・・・?! リアルさはないですが、むしろ それが楽しめました。 他の作品も読んでみたいと思います。 | ||||
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描写がやや事務的かな? とも思いました。 とにかくどんどん人が出てきて、舞台も変わり、どんどん移動していくので、 手っ取り早く「舞台」を作り上げる必要があったのでしょうが、 読者が感情移入しきる前に人物が殺されてしまったりして、 人間のこころの深淵などはあまり出てこない感じです。若干表層的。 桐野夏生作品だと知らずに読んだらもうちょっと厳しい評価だったかもしれません。 ただリアリティのための状況設定や情報量はさすがです。 ご本人は大変だったみたいですが。 http://www.kirino-natsuo.com/works/ims_exp.html | ||||
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うーん。 「顔にかかる雨」ではじめて桐野作品に触れて、そこから「天使に見捨てられた夜」「ダーク」につづく 「村野ミロ」シリーズの完結編でも感じたことだが・・・ 桐野夏生さんの作品はいつでも突き放したような真っ黒い虚無感が感じられて、 この人はもしかして、すごく悲しい人生を歩んだの?と、人事ながら心配になるほど。 靴が表紙になった文庫本で、靴がテーマかと思ってちょっと手にしたんだけど・・ 小物の扱いもちょっと雑に感じた。割り箸ハウスとかちょっと奇抜な人が出てくるのに、 なんか活かされてなくて、使い捨ての登場人物に感情移入できないままに終わってしまった。 | ||||
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先に『OUT』や『グロテスク』を読んでいるので、物足りなく 感じました。 主人公が、一つのきっかけでどんどん堕ちていくあの気持ち悪さ があまり感じられないので物語に引き込まれる前に読み終わって しまいました。 でもそれは、『OUT』等と比べてみてなので、評価が厳しくなる んだと思います。 桐野さんは、<女という生き物>を書きたいのかな、とよく思います。 まさに、女にしか書けない<女>。その点では様々な女性が出てくるので 面白かったです。 | ||||
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親が子を育てられない施設と売春宿を軸に、様々な親子が登場する。孤児院の先生と生徒。娼館の娼婦と娘。未亡人と自分の腹でない子。親子ってなんだろう。親が愛情を注がないとこういう子が育つのか?血が繋がっていないのに、愛し愛される関係もあれば、血が繋がっているからこそ、憎く思う関係もあるわけで、二つの愛憎の形が示されているが、どちらも不完全燃焼に終わっており、ちょっと残念。著者が殺人鬼アイ子に毒を盛りきれず(恐らく)、モンスターなのに少々同情する余地のある人物像にしたことがその一因か。モンスターばかり求める読者にも問題があるけどね。 | ||||
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残虐記 グロテスク〈上〉 (文春文庫) OUT 上 講談社文庫 き 32-3 柔らかな頬〈上〉 (文春文庫) を、読んで、本作を読みました。 最初は、美佐江先生の話なのかと思ったら、いきなりの展開にビックリしました。 アイ子さんのお話?なんですね。。。 他の方も書いておられましたが、やはりこの文章量だと 内容的にもうひとつというか、長く書いてこそ、桐野さんの良い面?が 発揮できるように思い、これももっと長編だったら良かったなぁ〜と思いました。 色んな登場人物がいてこのページ数だとおさまりきれないっていうか…。 最初に出てきた、女装壁のある里親?のおじいさんや 星の子学園卒のやっちゃん達などが後半には何も出てこないし…。 しかし、これだけ人を簡単?に殺しまくって、つかまらないものなのかな?(笑) 感想としては、もっと読みたいという感じでした。 でも、先に先にと読者をすすませるのは、すごいと思います。 しかし、娼館関係が、「ヌカルミハウス」に「泥の会」ってどういう ネーミングセンスだろ?(笑)徹底的に落ちてるね〜☆(笑) | ||||
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ルール無視のアウトローを主人公にした 悪漢小説と言いながら、 実はつまんない小物の悪党が主人公の話が多いが、 さすが桐野夏生 である。 キム・ジョンイルネタや美智子皇后ネタはヤバすぎるだろw さすがに美智子皇后は殺せないが、 太宰治の隠し子は殺してしまいますぜww で「人間失格」を古本屋に売りにいったら、 25万円もして、女主人公が、 「なんでこんなのが25万円もするんだ?」 と疑問に思うのが痛快である。 母性愛も否定してるのも痛快! 泥棒、誘拐、放火、殺人とやりたい放題の 女主人公に萌えろ! もちろん体も武器にするが、 40代の不細工な女主人公なので、 美女のセクースシーンにハァハァしたい普通の男は読んではダメポ。 美女どころか、10代から30代の女一人も出てきません。 60代以上の婆様が大量に出てくるババコン向けの小説である。 若い綺麗な女が出てくる小説なんて読み飽きているよな。 パターン外しの桐野夏生は本当に面白い。 | ||||
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人間は、どこまで邪悪で残酷になれるのか。 あまりに悪意に満ちた物語で滑稽ではあるけれど。 極悪非道な中年女の主人公が目まぐるしいほど際立っていて、読み進めると止まらなくなった。 | ||||
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読み終わるまでに一度もその作品世界に引きずり込まれることはなかった。わたしは、人間の心に潜む闇、日常に潜む闇、普通の生活をしている人が堕ちて行く様を、これでもか!と描き切るところが彼女の作品の魅力であり、他の作家が真似できないところなのだと思っていた。 ところが、この作品に登場するのは地面スレスレともいえる生い立ちや境遇に生きている人達ばかりだ。これ以上堕ちることはない、といってもいいくらいなのだが、この作品でもいつものようにそんな人たちが桐野流に悪意にまみれた人間として描かれていく。彼女の作品に共通する堕ちる魅力が感じられない。 また、登場人物の切れっぷりに桐野的なものが見えるが、その“怖さ”がほかの作品のように、理解できそうで理解できない(またはその逆)という得体の知れないものではなく、表面的な怖さになってしまっている。それは、その怖さの理由を全て生い立ちと境遇に求めてしまったことによるのだと思う。 では、他にどうすれば良かったのかと考えてみても、闇(非日常)の中の闇を書くのは桐野夏生らしくないなということしか思いつかない。 たとえば、これが初めて読んだ桐野作品だったとするとその世界に引き込まれたのかもしれないが、他の桐野作品を既に読んでいる私にとって、この作品は失敗作という感じがしてしまう。 | ||||
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文庫フェアの中で読んでみたいものを探して選び出したのがこれ。 書き出しが主人公でないのが新鮮と思いました。 この物語のテーマは、誰がアイ子の母親か、ということでもあったと思うのですが、 「そんなふうに明かしちゃう?」と、残念に思いました。 手掛りをいくつか紡いでいくうちに分かっていくのかと思っていたら あっさりと本人が告白。 でも、もしかしたら母親はこの人じゃないのかも。 | ||||
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本場のインドカレーが大好きで、機会がある度食べるのですが、すいすい食べられて、食べた後で、胃を中心に燃える様な感覚が拡がって行く、あの感覚が堪えられません。 この本も、面白くてすいすい読めるのですが、後からじわじわ拡がって来る、気になる感覚があるのです。一言に集約すると、罪悪感、でしょうか。 原罪、贖い、償い、生、死、絆。望まれない出生、生まれながらの罪、虐げられる者と虐げる者、生き地獄。虐げられた者は、産まれた事を後悔し、産んだ者を怨み、憎む。 何故産まれたのか、何故産んだのか、何故生きなければならないのか、生きる事に意味があるのか。子捨てと親殺し。母を殺した主人公が、初めて絶望を知り、それが最終的に三途の川を渡るきっかけになる。人と生の根源を問う哲学小説で、難しいテーマに挑み、見事描ききった手腕は素晴らしい。思考を要求する本物の小説です。 | ||||
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グロテスクには驚嘆した私ですが、同系列の作品として数段見劣りがします。 不幸な虐待を受けて人間性を欠落して成長していく過程、その結果共に安易に流れている感触です。アイ子の出生の秘密も陳腐です。 暗部を描く作品ははずすとただ汚らしいだけのものにしかなりません。 | ||||
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売春宿に生まれ落ちた戸籍もない親知らずの主人公が、次々と殺人を犯しながら、闇から闇へと疾走していく、という話です。 桐野夏生っぽい舞台装置はどんどん配されていくのですが、そのどれもが踊らず、中途半端な記号のまま消えていくのを繰り返す感じがします。 「OUT」「ダーク」「グロテスク」の桐野作品の傑作に共通しているのは、平凡な主婦や、積み上げてきたシリーズものの主役が、一流大学出の大手企業のOLが、底なしに堕ちていく毒々しさだと思うのですが、この作品は主人公が堕ちきった状態から始まるため、得意の「階段落ち」が機能していないためのような気がします。 ところどころに桐野さんしかだせない”らしい”怖ろしさは見られますが。 | ||||
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不思議な読後感をもった作品。 主人公の気持ちが解らなくて、すぐに再読しましたがやっぱり 解りませんでした。 でもなぜか応援したくなってしまった私はおかしいでしょうか・・・ 天涯孤独のアイ子。 やばくなったら殺して(&盗んで)トンズラ。 飽きたらポイ捨て。プライドは高く、ムカついたら必ず復讐する。 本人は真剣そのものなんだけど、滑稽なんだよなー。 綱渡りの人生だったけれど、最後は面倒になって川に飛び込んじゃったけれど、 向こう岸に泳ぎついて、またどこかの街に紛れて逞しく生きていてほしい。 誰からも愛されなかったアイ子を、私は愛すべきキャラクターだと思いました。 | ||||
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桐野氏の作品としては、平均的なものである。 作者には怒られるかもしれないが、一読者としては、登場人物・設定は異なるものの、近年の「残虐記」「グロテスク」と同じような世界観、展開であるように思う。 しかしながら、この毒々しさと、怖いもの見たさでページをめくる感覚は、桐野氏の作品の特徴であり、他の作者にはまねができないものだと思う。そういう意味では期待を裏切られることはないだろう。一方で、「OUT」や「柔らかな頬」に感じた斬新さを感じることはできなかった。未読の方がいたら、むしろこちらをお薦めしたい。 | ||||
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