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博士の愛した数式



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【この小説が収録されている参考書籍】
博士の愛した数式
博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式の評価: 4.32/5点 レビュー 849件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全704件 341~360 18/36ページ
No.364:
(4pt)

読書に疲れたときにはこの一冊

どう面白かったですかと聞かれると、ちょっと困る作品です。ここがいいんだよ!と、はっきり言えるものがない。ハラハラ・ドキドキ、一気に読んでしまう、といった感じではなく、ほっとするというか、心地よいというか、物語の展開よりも読んでいるまさにそのときがゆったりとした思いに包まれるといった作品です。著者の他の作品には何か小難しいようなところを感じてしまうのですが、この作品は、そういうところがなく、あっという間に読了してしまいましたが、終始ゆったりと読めました。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
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No.363:
(4pt)

傑作とは思うが、やや大時代的なところが気になった

博士というよりは、「数学」を主人公に据えて、これだけの作品を書いてしまった作者の力量にはむろん脱帽だが、いくつかの欠点がないわけではないと思うので、以下に挙げてみたい。まず、数学という抽象的な対象を描くのに、比喩が多用されるのは無理からぬところで、その多くは的確で見事に決まっているのだが、やや、比喩が多過ぎて鼻白むような部分もあり、安易な垂れ流しを避け、時に比喩を節約することも必要ではないかと感じた。次に、この作品の時代は1992年に設定されていて、それは「フェルマーの最終定理」の証明が、翌年の93年になされたという歴史的事実から、必然的に要請された設定なのだろうが、92年にしてはいろんな点がやや大時代がかっていて、むしろ博士の記憶が止まった75年に近いように読めた。たとえば、語り手の家政婦はまだ20代後半で、10歳の息子「ルート」がいるとはいえ、まだまだ花も実もあるお年頃だと思うのだが、最初から恋愛の可能性を切り捨てたかのような、修道女の如き存在に描かれているのは、少し不自然ではないかと思う。川上弘美の『センセイの鞄』ではないが、彼女が恋愛の対象になりそうな男性に出会い、男のほうが乗り気でいろいろ誘ってくるものの、やっぱり私には博士とルートのほうが大切だ、と何かのきっかけで思ったりするような展開を導入すれば、その不自然さは回避できたのではないか。最後に、9月11日の誕生パーティの場面で、完璧なはずの食卓に何かが欠けている、不幸が起こる起こる、と思わせておいて、その日を最後に博士は施設に入ってしまうものの、記憶を完全に失うとか、死んでしまうというわけではなく、月に一、二回は会えるという展開にすることで、とりあえずハッピーエンドに落とすやり方は、やや、あざといかなとも感じた。
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No.362:
(5pt)

美しい数式・・・&江夏

読み終えました。 淡々としたストーリーですが、数学の話と江夏の話。 一見何の関係もなさそうな話が実にバランスよくマッチしてきます。 よい作品でした。 おすすめです。
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No.361:
(5pt)

静かで深い感動

感動などという言葉はありふれていますが、読了後、しばし目をつぶり余韻に浸ってしまったのは本当に何年ぶりのことでしょう。こんなにも静かで切なくて愛しくて哀しくて温かくて深々とした森の中の澄んだ空気のような小説が世の中にあるのですね。何日たっても胸の奥がほんのり暖かい。小川さんのこの小説があまりにもすばらしいので、映画はあえて見ていません。配役は好きな役者さんたちなのですが。
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No.360:
(5pt)

現役で数学を勉強している学生に特にお勧めです

泣き所も、笑い所も、盛り上がりどころも、はっきり言ってこの作品にはありません。それでも読んだ後には心が温まり、もう一度読み返したくなる。そんな本です。季節感溢れる情景の描写に作者のセンスを感じます。美しい風景の中繰り広げられる人間の絆の物語。映画版であらすじを知っている方で、特に数学アレルギーが強い方(実際に私もそうでした)の中には、悪い言い方をすれば「どうでもいい数式をどうでもいい物語に当てはめた実にどうでもいい話」と感じた方も覆いと思います。小説版もその通りなのですが、劇中にある、「隣を歩いている汚い格好をした老人が、美しい数式を沢山私に教えてくれて、私と友愛数の契りで結ばれているとはこの公園を他に散歩している人たちには誰も分からないだろう、と考えていると幸せになった」主人公のように、読者はこの本を読み終えた後、ただの無機質な数式が、意外にも「心温かな」物語を届けてくれたことに幸せを覚えるでしょう。特に現役の学生で数学を学んでいる方、この本を読み終えた後には自分が数学の世界に引き込まれていくことは間違いないでしょう。参考書の代わりとして如何ですか?
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No.359:
(5pt)

やさしい光に包まれたようなストーリー

わたしの主人はエンジニアをしているものですから数学というものには多少関心がありましたといいましても数学が得意なのは主人の方だけで(なんとか係数がどうとかよく言っています・汗)わたしの方はちんぷんかんぷんなのですが・・・。そういうこともあって、書店でこの本を見かけたときに思わず手にとって読んでみました。記憶が80分しか持続しない天才数学者という登場人物の設定は最初はムリがあるかなと思いましたが、物語を読んでいくうちにどうでもよくなってしまいました。これは作者の文筆技術の高さがなせる業です。全体的にやさしい光に包まれたようなストーリー展開は読む人の心を温かくしてくれるでしょう。この本をきっかけに小川 洋子さんのファンになりました。
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No.358:
(5pt)

とてもしあわせな、本との出遭い

非常に淡々としたストーリーで、文章も同じく淡々としている。でも、単純に淡々なのではない。美しい淡々さ、余計なものをすべてそぎ落とし、何かを超越したかのような、特別な“淡々さ”なのである。そしてその美しく特別な“淡々さ”は、この物語特有の不思議な静けさを運んできてくれる。心地よい静けさ、穏やかな静けさ、あたたかい静けさ、安心して身を委ねられるような静けさ。そういった様々な“静けさ”で、この物語は満たされている。登場人物たちは皆、饒舌ではない。そしてそれぞれに何かを抱えて生きている。誰一人として、滅茶苦茶に積極的だったり、お節介だったり、人の心にズカズカ土足で踏み込むような下種なことはしない。皆、一定の距離を保ちつつ 誠実に、真っ直ぐに互いを思っている。それは尊敬だったり、愛情だったり、友情だったり、思いやりだったりするのだが、誰も無理をしていない。ごく自然に、そして静かに互いを思い合っている。それは“人間っていいものだな”という感情を、普段なかなかはっきりとは感じられない感情を呼び覚ましてくれる。とても静かに読者へ その感情を運んできてくれる。作者も登場人物も文章も、読者に対してなにひとつ押し付けてこない。やはり淡々と存在しているように、私には思える。でも、とても印象に残るのだ。静けさが、あまりに美しいからなのか。こんなに静かな美しさに満ち溢れた本に出遭ったのは、初めてである。美しく、静かで、穏やかで、誠実で、あたたかい物語。著者の静謐で余分なものを持たない文章が、物語を更に美しくしているのかもしれない。私はこの本に出遭えた事を、とてもしあわせだ、と感じた。必読の良書である。
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No.357:
(5pt)

数学の美しさを身近に

「記憶が80分しか持続しない天才数学者」という設定はSFチックでもありますが、内容はおだやかでゆったりとした雰囲気の中淡々と話が進みます。はらはらどきどきはありませんが、読む人の気持ちをあったかくしてくれる小説です。また本書は、数学のもつ魅力を身近に感じさせてくれる本でもあります。現在科学の発展の根底にあり物理学や経済学をささえる数学。数学にはそんな「手段」としての側面だけではなく、本書で伝えられるような「芸術」としての側面があります。例えば、本書に登場する友愛数や完全数も実生活に直接役に立つものではありません。しかし、そこには神秘性というか人を引き込む不思議な魅力があります。学校で習う「手段」としての数学が嫌いな人でも、「芸術」としての数学には共感できるのではないでしょうか。本書をきっかけとして、多くの人が数学の美しさや楽しさを感じてもらえたらいいのになと思います。
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No.356:
(4pt)

感動

80分しか記憶のもたない博士との交流。そんな題材をよくここまで書き上げたなという思いがします。人は誰しも忘れていくけど、忘れる、ということがこんなに切ないものなのかという風に感じました。でも本当に大切なものを教えてくれました。心が暖まる作品です。
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No.355:
(5pt)

コンキチ&ナターシャの絵本ナビ

読み終わりました、特別起伏のある作品ではありませんほのぼのとした至福というような、残像が心を暖かく包み凛として光り続けるであろう作品に仕上がっています。小川洋子さんを代表する作品になったのではないでしょうかこれまたお薦め本です、中学生くらいなら2時間もあれば読めます、うちの愚息も読んだようです。
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No.354:
(4pt)

穏やかでやさしい気持ちになれる一冊。

普段あまり本を読まない私が、この本を手に取ったのは、同名の映画に興味を持っていたのもあるけれど、近所の本屋さんの手書きによる POP に惹かれたのが大きかった。「仕事柄たくさんの本を読んでいますが こんなに素晴しい本に出会える機会は めったにありません。 心が洗われるようなさわやかさと感動の本です。 一人でも多くの方に読んでいただきたいです。 読めばきっとあなたの心に残る本になる事は 間違いありません。」本屋さんに、ここまで言わせる作品。読むしかない!数字をこんなに素敵に思えたのは初めてでした。穏やかでやさしい気持ちになれる一冊。特に阪神ファンはより共感できること請け合い。あの頃の苦い思い出を振り返りながら、ぜひね。
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No.353:
(4pt)

愛はかけすぎるとマイナスになる

→私は、この本を読んだ影響で、今一番好きな数字を聞かれたら  「28」と答えるようにしています →寺尾聡は、映画になったこの作品を、「自分の代表作だ」といっているそうです  いつか見てみたいと思っています →愛はかけすぎるとマイナスになる( i × i = -1 )  昔、母から贈られた言葉を思い出しました..
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No.352:
(4pt)

数学と文学

小川洋子氏による、第一回「本屋さん大賞」受賞作。記憶が80分しか持続できない数学者と、その家政婦、息子の交流を描く。2006年に映画化された。まず「記憶が80分しか持たない」という設定がユニークである。そして「数学」というモチーフもユニークである。ところが、これだけユニークな材料を扱いながらも、奇抜さを狙った感じが全く無い。なぜかごく自然な感じで体に馴染んでしまう。また、一見固いと思わせる「数学」の扱い方についても、特に専門的な教育を受けた者でなくとも充分理解できる範囲のものだった。設定からすると、普通ならもっと不幸な人生を歩んでもおかしくはない「博士」。その「博士」を見守る親子を、もっと大きな何かで包み込むことが出来る「博士」。読んでいてやわらかな幸せを感じることができる作品。
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No.351:
(4pt)

ほほえましい人間愛の一例を示した作品

母子家庭でありながら家政婦として働く女性が、派遣先で記憶に障害を持つ奇妙な数学者と出会い、息子を仲間に入れた3人の間で少しずつはくぐまれていく人間愛をさりげなく描いた作品。三人の間で起こる数々のちょっとした事件。その間で語られる数学のもつ美しさ。そこに阪神タイガースと江夏豊というスパイスが絶妙にからみ、いい味の出てくる一風変わった三人の関係。泣けて仕方がないというより、おもわずニヤリと微笑んでしまうようなそんな友愛が作品全体を包んでいる。最近なかなかお目にかかれない本当の愛情が生まれていく過程を見せてもらった気がします。
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No.350:
(4pt)

ゆっくりした時間

一定時間しか記憶の続かない数学博士と家政婦の息子との関係がほのぼのしています。毎日は慌しいですが、博士のまわりの時間だけはゆっくりと流れているように感じます。じわっと染みるような感動がありました。
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No.349:
(5pt)

「ゼロ」を見つけた話

本を読んで涙を流したのは久しぶりです。 しかも、劇的な展開は何一つ無く、 ごくごく普通の日常が淡々と綴られていきます。 押し付けがましくはないのだけど、 少しずつ感じる別れの予感。 ひたひたと心に迫るものがあり、 愛でも恋でも家族愛でも無い心温まる 愛情を感じました。 読み終えて幸せな気持ちに浸りました。 もともと数学が大好きな私ですが、 この本を読んで更に数字のロマンの世界を 垣間見て、ますます興味を持ちました。 参考文献も是非読んでみたいです。 このような数字のロマンを学校教育にも 取り入れたらきっと数学を好きになれるのに、 と思います。 「ゼロ」を見つけた話が心に残りました。
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4101215235
No.348:
(5pt)

友愛数

博士と彼の家に入った家政婦さんとその子供のお話です。 博士:交通事故により記憶が80分しか持たない数学者。 義姉:博士の義姉 ルート:家政婦さんのこども 頭が平らなので博士がそう呼ぶ。 人が相手を思い優しさのこころを持つとてもいいお話です。 最初に数・階乗・素数など数学用語がやたら出てきますの嫌いな方には読みにくいかも知れませんが是非最後まで読んでみてください。 知らず知らずのうちに数学に興味がわくのではないでしょうか。  家政婦さんの誕生日の  220 博士の腕時計の      284 220 と 284 は 友愛数 です。  江夏の背番号  28 28 は 完全数 です。 友愛数・完全数 って、なに・・・本を読んでみてね^^; 最後に 博士の胸の江夏のプレミアムカード、ここに見事に 家政婦さん・ルート・義姉・江夏 登場人物が結晶しています。
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No.347:
(5pt)

再読

初めて読んでからはや3年あまりたちまして、今回、小川 洋子の「物語の役割」筑摩新書を読んで、読み返しました。 初めて読んだときはたいしたことのない小説だとおもいました。特に、感動もせず、ありきたりのような話だとおもい、第一回本屋大賞受賞作のレベルを疑いました。 今回、新しい視点の基に本書を読み返すと、自分が物語の中に入っていなかったことを実感しました。初読では、何か外側からしかこの物語に参加できていなかった自分を発見することができました。著者の記憶が80分しかない人間とのかかわりの設定に人間と人間が本当に人生の一瞬、一瞬しか出会えないということの気づきを感じました。果たして、私には通常の記憶があるが、私は大切な人は物に出会う準備と集中力、静けさを感じる感受性をはぐくめているのだろうかと考えさせられました。3年前はこの本のよさがわかる心がまだ、私になかったのだと思いました。一切の派手さはない小説ですが、心に残る行間があると思いました。
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4101215235
No.346:
(4pt)

ほんわかしたあったかいお話です

主人公の家政婦である「私」の一人称小説でありながら、読んでいて心が暖かくなるような要素が沢山詰まっている。80分しか記憶が持たない博士と、「私」とその息子ルートの誰にも邪魔される事のない暖かい空間は、我々が日常生活の中で一番大切なものでありながら、しかし大切であるとなかなか気付きにくい何かを気付かせてくれるような気がする。ところどころで数式が出てくるのであるが、実に違和感無く溶け込んでいる。私自身、数学という学問は大好きであるが、本来は「感動」が沢山詰まった学問である。その学問と純文学との合体は見事である。
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4101215235
No.345:
(5pt)

心がふっと暖かくなった、いい話。

読み終わって、なんだか涙が出てきた。 本当に、本当に、いい話。 心が洗われる思いがした。 記憶が80分しかもたないが、かつては数学博士。博士としての記憶は残っているので、何かにつけ、数の世界に引き込んでくれる。数の魅力、不思議を、優しく教えてくれる。本当に、数学の面白さを教えてくれ、そして、子どもを愛してくれる。ルート君の成長に大きな影響を与えたのも、博士の存在だった。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235

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