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女彫刻家



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女彫刻家の評価: 7.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

犯行を自供し弁護も断った女の無実を信じた女が辿り着いた真実は・・・

英国ミステリの女王が1995年に刊行した第2長編。猟奇的な殺人と醜悪な外貌が似合い過ぎる犯人に違和感を抱いた女性ライターが事件の真相を探り出す、サイコ・ミステリーである。
母と妹を殺害して切り刻み、なおかつそれを人間の形に並べ直すという異常な犯行で無期懲役に処せられ、刑務所内では「女彫刻家」と呼ばれているオリーブ。彼女の物語を書くことを命じられた女性ライターのロズは、最初の面会でオリーブに圧倒された。自供と犯罪現場の状況に矛盾はなく、本人が弁護士を拒否したこともあって誰もが異常者だと断定し、有罪を疑っていないのだが、複数の精神鑑定では正常と判断されていた。さらに、面会の場でロズはオリーブに理性の閃きを感じ取り、オリーブの犯行ではないのではと疑問を持つ。だとすると、なぜやってもいない犯行を自供し、唯々諾々と服役したのか? ロズは事件の関係者へのインタビューを続けて真相を探ろうとする…。
犯行はサイコ・サスペンスだが、隠された真相は古典的なミステリーで、そのアンバランスが面白い。MWA最優秀長編賞を受賞しただけのことはある傑作で、サイコもののファン、犯人探しもののファン、女性探偵もののファン、いずれにもオススメしたい。

iisan
927253Y1
No.2:
(7pt)

女彫刻家の感想

海外ミステリの一つのお約束のように、本書の女性ライターという主人公も辛い不幸な過去をもっているという設定。良くあるパターンなんだけれどこれはどうしてなんだろう。不幸を背負っている人物の方が読者に受け入れられ易いと考えるのか、
書く側にとってのひとつのステレオタイプなんでしょうか。それはともかく親友でもあるエージェントから、出版元はあなたを見限ろうとしている、すぐにでも書く案を示しなさいと言われる。そして話題になった事件の主に会って彼女を主人公にした
小説を書くようにと勧められる。気乗りがしないまま収容されている刑務所に面会に行くことになる主人公。妹と母親を殺害しバラバラにしていた女。身体が大きく太っており威圧感のある女。内心の恐れを隠しインタビューする主人公。
事件そのものは現場にいた彼女がその後すぐに犯行を自白して逮捕され、たいした捜査もせずに起訴、有罪となり事件は終わっていた。風貌と体つきなどの理由により彼女は嫌われていた。反対に妹は愛らしく皆から愛されていた。
近所の者、学校の関係者、皆が納得して何の疑問も持つことなく裁判は終わっていた事件。主人公は一つだけ疑問に思う。猟奇的な事件なのに彼女を鑑定した結果は正常。しかも知能は高い。彼女も面会の時、事件については喋らないが他の事には
主人公に心を開いたかのようにいろいろと話す。調べ始める主人公。別に目新しさも感じない内容と言える。結局クロかシロかということになるが、この物語の怖さは人の心にあるということ。評判は悪く嫌われ者。しかし、それは隠された意図があることを
誰も気付かずにいたからだとしたらどうか。怖がられるのは良い、だけど笑われるのは嫌と彼女は言う。事件の真相は? 大方の予想通りになっていくが彼女が浮かべる笑みは何を意味するのか。そして主人公の理解者であり彼女の恩師であるシスターの言葉「あなたは選ばれたのよ」。本音を隠し世間体を取りつくる人々。本当のところやはり彼女の犯行ではと揺れ動く主人公。最後まで読ませる筆力とプロットの良さは認めます。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.1:
(8pt)

映像が見えるような小説

彫刻家と呼ばれる主人公のキャラクターが不思議で良かったです。映画化されそうです。

わたろう
0BCEGGR4

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