シンプル・プラン
- コンゲーム (36)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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この本の場合は、「簡単な」というより、「愚かな」と考えた方が合うと思います。 | ||||
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容赦のない展開にドキドキしました。 | ||||
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ホンのちょっとした心の歪み、わずかな隙間に浮かんだ邪な思い。そのために平凡な人間が、平凡な日常が少しずつ狂いだしていく。誰でも考えるであろう自己弁護的な都合の良い安直な考え。まるでそれがもっとも自然であるかのような錯覚。大丈夫うまくいくさと自分自身を納得させる根拠のない自信。こうしてハンク・ミッチェルは後戻りの出来ない深みにはまり込んでいく。静かで怖いストーリー。海外小説と意識しない訳の良さもあってスタートから物語の世界にスッポリと入り込んでいく。いったい誰がこの件の主役なのか?サラか?ジェイコブなのか?ルーなのか?ズルズルと事態が悪くなっていくのはいったい誰の所為なのか。人間の欲望が本性が周囲の関係を壊していく。誰も知らない440万ドル。悪人になろうと思って悪事を働くものはいない・・・。そう、ハンク・ミッチェルは善良で平凡な男だったのだ・・・その日まで。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ストーリーは面白いのだが、主人公の心情について作者が書き込み過ぎて、読者が自由に読めない。また展開そのものも常に冗長に過ぎて、つい飛ばし読みしてしまいたくなる。 | ||||
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終わってふーっと何度も息を吸い込んだ。すさまじかった。ふとした気のゆるみで始まった小さな悪事が負のスパイラルに。理性が研ぎ澄まされ思考が暴走していく。全て1人称なので読む側も思い入れは深くなっていった。しかし最後はさすがにこんな奴は死ね、と突き放して読んだ。しかし違った。罪はつぐなわれもせず解放もされないということか。 | ||||
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兄は学校で酷いいじめを受けていて、それを眺めて見ていた弟、が主人公です。 そつなく人生を送ってきた主人公。対して兄は社会的階層の下の方で生きてきました。 両親は借金を苦に自殺をし、現在では両親の墓参りが唯一の交流となっています。 飛行機事故の現場から大金を手にして二人の関係性は大きく変化しました。 二人はどう接していいか分からない歪な兄弟でしたが、共通の大金を守らなければいけないという目的のためにぎこちなくとも親愛を深めていきました。 しかし、物事の対処を最悪の形で解決する兄の行動で取り返しのない事態に陥りました。 主人公は共犯者であり、兄であるジェイコブのために強引な方法で始末をつけました。 それでも、1つ問題を解決すると2つめ3つめと次々に困難が襲いかかり、主人公はそのたびに非常な手段に出ます。 止まることのない負の連鎖の恐ろしさがこの作品の見どころですね。 借金を苦に農場を手放した両親にかわり、兄が農場を取り戻し農業をしようと勉強していたところが悲しい。 | ||||
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ある雪の日、主人公たちが墜落した飛行機をみつけ・・・というお話。 巻き込まれ型サスペンスで主人公が加害者っぽいサスペンスは幾つかありますが、これが究極とも言える内容かも。ほんの少しの意見の食い違いから殺人になり、どんどん堕落していくという筋は結構ありますが、ここでの堕落ぶりが凄まじく、最後も勧善懲悪で終わらずに、さりとてハッピーエンドでもないという読む人に何のカタルシスも残さないのが圧倒的に凄く思いました。値のある物を何らかの事情で得たら、適正な処理をした方が後々良い、という著者のメッセージもくみ取れますが、あまり説教臭く、辛気くさくならない所も良かったです。 パトリシア・ハイスミスも勧善懲悪で終わらない物が多いですが、ハイスミスが鬼畜系になったかの様な作品。或いは「正統とはなにか」でチェスタトンが「狂気とは理性がなくなった状態ではなく、理性しかなくなった状態」といったという誠に理性的な作品だと思いました。 一番最初に翻訳された際は評価も高かったですが、一方で不快感を示す人もいたけど、どちらも納得できる感じの小説に思えます。悪銭身につかずを地でいく作品でした。 著者のスミス氏はこの後、あまり作品を出していない様ですが、単発で終わるのでしょうか。この作品からの才気を考えると残念です。 これ一発で終わるともったいない感じのサスペンス。是非ご一読を。 | ||||
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「若い時に思い描いていたより少ないものに甘んじ、やがてそれで十分だと自分を納得させた。 多くの人はそう思っている。 しかし、現実に目の前の大金を見たとき、実はそうではなかったことに気づく。 自分たちのできること、自分たちのいけるところは限られている。足元の大金はそうした事実を暴き出し、自分たちの目標のお粗末さや夢のうそ寒さを際立させる。 目の前の大金は、それ以上のものをつかめるチャンスを与えてくれる。」 本書の主人公ハンク・ミッチェルのこのような思いは、真相をついている。 あまりの大金であるにも関わらず、その紛失がテレビや新聞で報道されていないような場合、その大金は世に明らかにできない違法な金、犯罪性をにおわせる金ではないかと考えられる。 そのような金であれば、その金を横取りしても、犯罪者から奪った金なのだから、道徳的に良心は痛まず、警察から追求されることもないだろう。 そう考えるのも自然かもしれない。 本書「シンプルプラン」は、そんなシンプルな考えからスタートしたプランが、「自分を守るため」に罪のうえに罪をかさね、嘘とごまかしと、絶えず捕まることに怯え続ける人生のスタートであったことに気づかされる、そんな物語です。 実際のところ、主人公ハンクの行動には、いくつか納得できないものがあり、読んでいてイライラする場面があります。自分ならこうする、もっとこうすれば警察にはばれないのに、なぜそうする! 裏を返せば、自分も同じ状況になった際には、金を隠す方向に考えているということに気づかされます。 本書は前述のとおりイライラさせられる場面もありますが、577ページというそこそこの分量があるにも関わらず一気に読み終えてしまいました。それだけ、著者の文体が読みやすく、翻訳も自然で読者を惹きつけて離さない筆運びの巧さを感じます。 本書を読むとスコット・スミスという作家の才能を強く感じさせ、このあといくつもの傑作を生みだすのではないかとの期待を持ちますが、その後20数年がたった現時点でも、あと1作した作品を発表していません。 これも人の才能や人生の不思議を感じさせます。 | ||||
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