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心地よく秘密めいた場所



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【この小説が収録されている参考書籍】
心地よく秘密めいた場所 (1984年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

心地よく秘密めいた場所の評価: 5.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)
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本格ミステリ、ここに極まれり?

国名シリーズで一躍本格ミステリの寵児としてデビューし、その後多くの傑作を物にしたクイーン最後の長編。

その最後の作品は殺意の芽生えから殺人に至るまでを女性の妊娠に擬えている。最後の長編でありながら、新たな生命の誕生に章立てが成されているとは云いようのない歪みを感じる。

物語は一大産業会社を築き上げた大富豪のインポーチュナとその若き妻バージニア、そして彼の若き秘書ピーター・エニスの三角関係が物語の中心となっている。

後期及び最後期のクイーンの作品では、あるテーマに基づいた奇妙な符合を見出して事件の異様さを引き立てる構成が多く採られているが、クイーン最後の長編の本書では、インポーチュナ産業コングロマリットの創始者である、物語の中心人物ニーノ・インポーチュナの人生そして彼の殺害事件後に届く奇妙なメッセージに全て数字の9を絡めているのだ。その絡め方はそれまでのクイーン作品の趣向以上の情報量の多さを誇る。特に171ページ以降は9に纏わる逸話やエピソードのオンパレードである。

そしてまた9は一桁の最後の数字でもある。すなわち本書がシリーズ最後の作品であることを暗に仄めかしていると考えるのは果たして穿ちすぎだろうか?

さてその盲信的なまでに9に纏わるメッセージを集めたエラリイの前に犯人と思しき人物からクイーン警視の許へ送られてくるニーノ・インポーチュナに纏わるエピソードもまた9つの単語で構成されている。全て9尽くし。

さて本書のタイトルだが、この「心地よく秘密めいた場所」とは一体どこの事だったのだろうか?

いずれにせよこれでクイーン関連の書も残りわずか。じっくりと読むこととしよう。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S

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