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孤独の島



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孤独の島の評価: 5.50/10点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

映画のようなサスペンスストーリー

クイーンの作家活動40周年の記念作品。ミステリー色はなく、クイーンとしては異色のストーリー。三人の強盗が奪った金を隠すため、警官の家に押し入り警官に金を預けて、代わりに警官の娘を拉致して逃亡。そこから始まるサスペンスもので、次々とストーリーが展開早く動いていき、次どうなるか、先が気になって楽しく読めました。まるで映画を観ているようで、面白かったです。

タッキー
KURC2DIQ
No.1:
(4pt)

これがクイーン作品!?

エラリイ・クイーンのノンシリーズ物。
舞台は人口約16,000人の小さな町ニュー・ブラッドフォードで主人公はそこの警察署に勤めるウェズリー・マローン。物語は彼が製紙会社の給料強奪殺人事件を起こしたギャングたちに犯罪の片棒を担ぐよう強要されるところから始まる。

物語は娘の救出、金の紛失、強盗一味の自宅占拠に失った金の在処の捜索、そして再び娘の誘拐と一転二転三転とする。

物語の終盤は強盗一味と警察側の裏のかき合いの応酬だ。結束の弱い一味の弱みにつけ込み、裏切者を作って内部崩壊を目論む警察側。警官の娘を人質に金をどうにか取り戻そうとする一味たち。その駆引きはスリリングで緊張感に溢れている。

そして原題が示す“Cop Out”の名の通り、とうとうマローンはわが娘のために警官の職から離れ、一味に力を貸すことになる。

この作品にクイーンの端正なロジックやサプライズは一切ない。片田舎の小さな町で起こった犯罪に巻き込まれる人々の荒んでいく姿があるだけだ。

全く従来のクイーン作品とは趣も文体も味わいも違う作品だ。テイストとしてはハメットやチャンドラーが書いた冷酷無比な悪党の登場するハードボイルドを感じさせる。
本書はクイーン作家生活40周年を記念して書かれた作品だが、晩年のクイーン作品の多くがそうであったように、本書もまた他の作家の手によるクイーン名義の作品だと思っていた。

しかし調べてみるにどうも本書は実際にクイーン自身が著した作品のようだ。しかし逆にそれが本書の魅力を減じていると私は思う。

なぜなら前述したようにクイーン=本格という図式が強く根付いているため、本書でもそれを期待してしまうからだ。その先入観が強すぎて本書の世界に浸れない自分がいた。

これがもし別の作者の手による作品だったら、公平な判断を下せたかもしれない。もしくは前知識あった方が作品を読むにあたっての構えが出来ていたのかもしれない。
最晩年期のクイーン作品はタイトルのみ挙がり、作品の内容にまで触れられる機会がほとんどない。そんなことも今回の読書の弊害になったのではと思わずにはいられない読後感だった。

Tetchy
WHOKS60S

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