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シタフォードの秘密



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シタフォードの秘密の評価: 5.00/10点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt

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No.2:
(5pt)

シタフォードの秘密の感想


▼以下、ネタバレ感想

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氣學師
S90TRJAH
No.1:
(5pt)

世界初のクローズドサークル作品……じゃないじゃん!

長らく、世界初のクローズドサークル作品はクリスティの『オリエント急行殺人事件』だと思っていたのですが、クイーンの『シャム双生児の謎』の発表の方がその一年前であることを知りました。
さらに調べたところ、やはりクリスティのこの作品が、それよりさらに前の”世界初のクローズドサークル作品”であるとの情報を得て、クローズドサークルファンとしてはぜひ読まねばと購読したのですが……

まず第一の感想として「クローズドサークルじゃないじゃん!」でした。

雪に閉ざされた小さな山奥の村"シタフォード”を舞台にした物語ということで、なるほどそこで殺人が起こるのかと思いきや、実際の殺人はそのシタフォードのふもとにある町で起こります。
そこは全く閉ざされた空間ではないので普通に警官が来て捜査はするし、容疑者は厳密に言えば無数にいるし、裁判まで作中で起こります。
その殺人に対する容疑をかけられた男の婚約者の女性が本作の探偵役となり、恋人の無実を晴らすためにシタフォードに情報収集に向かうという展開になるので
「なるほど、ここで第二の殺人が起きて、さらに吹雪か何かでシタフォードが完全に外部と隔離されて、今度こそクローズドサークルになるんだな!」
などと期待したのですが、中々次の殺人も起きなければ、村から出られなくなるような事態も起きてくれません。
もう真犯人は誰なのかという本来の謎やストーリーそっちのけで「クローズドサークルになれ……クローズドサークルになれ……」と祈りながら読み続けていたのですが、結局最後までクローズドサークルにはなってくれませんでした。

というわけで勝手に”世界初のクローズドサークル作品”と期待した私が悪く、作品に罪はないのですが、ガッカリさせられた気分になりました。

ただ、この作品は読者目線での容疑者となる人たちが閉ざされた空間にいるために、その外で起きた殺人に一見不可能状況が起きているという、”逆”クローズドサークルとでも言いますか、クローズドサークルというジャンルが確立する前の作品でありながら、ある意味クローズドサークルの変則系とも言える形と言えるかもしれません。
”開かれた空間”と”閉じた空間”二つの舞台で進行する物語と言う形式は、ひょっとしたら『十角館の殺人』や『殺しの双曲線』などといった日本のクローズドサークル作品の有名作に『そして誰もいなくなった』と同じぐらい影響を与えているかもしれないなどと思いました。

なので考えようによってはこれもクローズドサークルの亜種の一つとみなしてクローズドサークルタグを付けようか……とも思いましたが、やはり私のように騙された気分になり、作品を先入観なく見れなくなる人がいるといけないのでつけないことにします。


▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ

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