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神の獲物



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【この小説が収録されている参考書籍】
神の獲物 (講談社文庫)

神の獲物の評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(6pt)

オカルト風味を加えて失敗した?

ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズの第3作。野生動物殺害から始まり家畜、さらには人間にまで及んできた猟奇的殺害事件に、ジョーが合理的な思考で挑んで行くサスペンス・ミステリーである。
娘たちと釣りに出かけた山中でジョーは奇妙な状態のムースの死骸を発見する。周囲には足跡がなく、掃除屋の動物にかじられた跡がなく、しかも皮膚や性器が外科手術のように鮮やかに切断されていた。原因が分からないままの数日後、近くの牧場で十頭以上の牛が同様に死んでいるのが見つかった。更に今度は、近くの牧場のカウボーイと近隣の郡の水質検査会社社長が、同じように殺害される事件が発生し、住民はパニックに襲われた。急遽設置された対策本部に検察、保安官、FBIなどが集まったのだが、テロリスト、危険な宗教団体、政府の陰謀、変質者など様々な犯人説が唱えられ、さらにはエイリアンの仕業とまで言われ始めるのだった。必ず合理的な説明がつくはずだと信じるジョーは、捜査機関の間の壁を越え、いつも通り周辺に波風を立てながらも全力で真相解明をめざすのだった・・・。
事件の様相が超常現象っぽく、さらにジョーの長女シェリダンや鷹匠ネイトが見る夢がところどころに挿入され、全体としてオカルト風味が加えられたのが、これまでのシリーズとは異なっている。本筋となる事件の解明は論理的なのだが、どこかに人知を超える物の存在を暗示しているため謎解きミステリーとしての醍醐味が薄まっているのが残念。大自然の保護とエネルギー開発の対立、史実としての家畜惨殺事件という2つのテーマを無理につなげようとして成功しなかった印象だ。
シリーズの一作として、シリーズ愛読者にはオススメするが、単体で読むにはちょっと物足りない作品である。

iisan
927253Y1

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