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【スティーヴ・ハミルトン】
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解錠師の評価:
7.80/10点 レビュー 5件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点7.80pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
設定が良い
期待が大きかっただけに、物足りない感じでした。
解錠師の感想
1人の若い解錠師の半生を綴った物語。ハラハラさせる場面があるが、心に残ったのは恋人アメリアとのシーン、そして、アメリアを思う主人公の心の内の描写でした。アメリアが主人公の人生に変化と希望をもたらし、そして、この小説自体を名作に押しあげたと思います。
分類はミステリというより青春小説。謎や驚きがなく、言葉を発せず解錠師となった主人公の成長を描く、ティーンエイジャー向けの物語。本書は翻訳物ですが、とても読みやすかったです。登場人物が、主人公、彼女と、その父親。あとは犯罪者数名ぐらいで少なく、カタカナ名でも人物把握は容易です。場面も主人公の身の回りなので混乱せず物語に没頭できました。金庫破りの師匠ゴーストが、金庫は女として扱え。金庫を無傷で開けられるお前は芸術家だ。と、金庫破りの思考や、センスある表現を愉快に描かれているのが魅力的でした。原題もロック・アーティストと言うのが良いです。若い主人公が他の犯罪者とタッグを組んで仕事をする時も、危険な目に合わず信頼をおいてもらえるのは、確固たる技術のおかげ。口がきけない、小僧といった弱みになりそうな点も確固たる能力があれば自信を持って立ち回れる姿に、何か感じる所がありました。どんな鍵でも開けられる。でも声を発しない少年自身の心は閉ざされたまま。なんとなくベタなのですが、それがとても把握しやすく安心して読める要素にもなってます。ミステリとして読むと物足りなさを感じますが、海外文学で青春物が読みたい方へは、とてもよい作品です。 ▼以下、ネタバレ感想
愛の為に。
ミステリ-と思い込んで読み始めたが、中身は青春小説だと言った方が合っている。主人公が話さないのがこの物語のキモでもあるのだが、そもそも主人公の一人称で書かれているので物語中で主人公が話さなくてもどういう心理かは全て書いてあって分かるし、ノリの軽いテンポで進むのでそもそも話したくても話せないとか過去の事件のトラウマ感が希薄に感じる。ただ、金庫破りになるまでの経緯と、金庫破りとして逮捕されるまでの犯罪エピソードが章毎に展開されそれがスピ-ド感があって良い。最終的に、全ては恋する彼女の為、LOVEの為って事でいいんじゃないでしょうか。
犯罪小説であり、青春小説でもあり
8歳のときに遭遇した凄惨な事件のトラウマでしゃべれなくなった(耳は聞こえる)少年・マイクル。しかし、彼には特異な才能があった。記憶を元に絵を描くことと錠を開けること。その才能に導かれるまま、彼の人生は通常の世界から逸れて行く・・・。物語は、現在服役中のマイクルが、逮捕されるまでの解錠師としての日々と解錠師になるきっかけとなった高校生の日々を交互に回想して語られていく。ふたつの時間を行き来する構成だが、それぞれのストーリーは時間軸に沿って展開されるので混乱することはない。というか、非常に読みやすい構成といえる。本作の成功の秘訣は、なんといっても主人公の設定のユニークさにある。最初から最後までひと言も発しないこと、解錠(金庫破り)のプロであること、しかも17、18歳であることが融合して、犯罪小説でありながら純粋な恋愛小説、青春小説としても成立している。一人語りの物語ながら、ストーリー展開がスピーディーで、しかも多彩なエピソードが取り入れられているため、最後まで物語がだれることがない。金庫破り小説のスリリングさ、マイノリティーの視点からの皮肉なユーモア、一目ぼれした恋人に捧げる純情のほろ苦さなど、さまざまな味わいを楽しむことが出来る。MWA最優秀長編賞、CWAスティールダガー賞を受賞したというのもうなずける快作だ。余談だが、本作はヤングアダルト世代に読ませたい本として全米図書館協会が選ぶアレックス賞を受賞しているという。しゃべれないことによる疎外感、個性を伸ばすことで得られる達成感、恋人との純愛など、多くの若者に共感されるテーマを持っているという評価であろうが、こういう犯罪小説にも賞を与えるアメリカ社会の懐の深さを物語るエピソードだと感じた。スティーブ・ハミルトンは今回、初めて出会った作家であるが、これまでに翻訳されている3作品もぜひ読んでみたい。
期待が大きかっただけに、物足りない感じでした。