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氷の闇を越えて



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氷の闇を越えての評価: 6.00/10点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

上手過ぎて損をした?

あの傑作「解錠師」のスティーヴ・ハミルトンのデビュー作。「私立探偵になりたくなかった私立探偵」シリーズとして、現在までに10冊が刊行されている(日本語訳は1~3作が既刊)らしいが、日本では2000年に出版され一度絶版になっていたものが、「解錠師」のヒットを受けて新版として再登場したといういわくつきの作品だ。
「私立探偵になりたくなかった私立探偵」アレックスは、元デトロイト市警の警官だが現在は、カナダ国境に近いミシガン湖畔の静かな町で父親が残した狩猟用貸ロッジの管理人として生計を立てている独り者。ロッジ管理人で十分に満足しているのだが、知り合いの弁護士に頼み込まれ、しぶしぶ探偵仕事を引き受けたことから、連続殺人事件に巻き込まれることになる。
アレックスには、14年前、警官時代に拳銃で襲われた時の銃弾がひとつ、摘出されないまま心臓のそばに残っているという体の傷とともに、襲撃され、相棒が殺害された現場で血の海を見たときの恐怖がトラウマとなって残っていた。そんなアレックスをあざ笑うかのように、州刑務所で服役中のはずの襲撃犯・ローズから「自分が連続殺人に関係している」という不気味な電話や手紙が届き始める。果たして、ローズは脱獄したのか? あるいは誰かがローズに成り替わっているのか?
「服役中の犯人からの脅迫」というのは、これまで何度か目にしたパターンで、スティーヴ・ハミルトンはどういうトリック(仕掛け)で驚かせてくれるのか興味津々だったが、予想を裏切る展開で最後まで謎を明かさずに引っ張ってくれた。
メインのストーリー、登場人物のキャラクター、謎解きの面白さ、情景描写の巧さなど、どれをとっても合格点で、デビュー作とは思えない上手さを感じる作品だが、ぜいたくを言えば“整いすぎている”感が否めない。多少の破たんはあっても、もっとインパクトがある方が好ましい。そこが、3作目までで翻訳がストップしている理由かなと思った。
ハードボイルド、サスペンスより抒情重視の読者におススメかな?

iisan
927253Y1

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