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ウィンター・ビート



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【この小説が収録されている参考書籍】
ウィンター・ビート (ハヤカワ・ミステリ文庫)))

ウィンター・ビートの評価: 8.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

50代、ストリート・ファイターですが、何か?

V.I.ウォーショースキー・シリーズの最新作は、期待にたがわぬ快作だ。
毎回、米国が抱える病巣を鋭く描いている本シリーズだが、今回はイラン戦争の帰還兵をテーマに兵士と銃後の社会、戦争産業の問題を取り上げている。「沈黙の時代に書くということ」というエッセイ集を出している筆者らしく、9.11以降のアメリカ社会の閉塞感に対する異議申立てが強く感じられた。
しかし、50代に突入したヒロイン・ヴィクの元気さには驚嘆するしかない。自分の体力に対する愚痴をこぼしながらも(事実、アクションシーンでは若い仲間の手を借りなければ、致命的な窮地に陥るところだった)、仕事も恋も現役バリバリ、前作からレギュラー入りした20代の従妹のペトラに負けていないのである。さらに、社会的不公平、マイノリティーへの差別に対する怒りはますます沸騰し、徹底的に突っ張り切っていくところが、格好いい! シカゴのダウンタウンで鍛えられたストリート・ファイターは衰え知らずなのである。
閉塞の時代に窒息気味の日本の中高年には、特にオススメかもしれない。
表紙も、前作「ミッドナイト・ララバイ」に比べれば(まあ、前作がひど過ぎるのだが)ぐっとリアリティがあり、数段出来が良い。

iisan
927253Y1

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