聖女の罪は裁かれるのか。愛する人を守るため、非情なトリックを次々としかけ人を殺していく朱美子…。

「求む、バカな人」―この珍妙な求人広告に魅かれて涼子はある日、一宮探偵事務所の門を叩いた。

ビヤ樽みたいな体を大儀そうに折り曲げ、宣誓書に署名捺印しているのは、なんと、赤かぶ検事のかみさんだった。

西麻布のマンションで女が殺されているとの通報が所轄の麻布署に入った。被害者は銀座のバー「やしろ」の経営者である。

芦屋の古びた洋館で新婚初夜に惨殺された花婿。半狂乱の花嫁は、庭のヴィーナス像が犯人だと証言するのだが…。

六人組にいじめられて死んだ登。周囲はこの事件をうやむやにするが…。

発病して十年、ベッドの上で半身になって書き上げた―。心臓の鼓動が聞こえるハードボイルド少年の「夢」が覗ける大人の童話。

祇園まつりの夜、三条通りの宝石店に二人組の強盗が押し入り、店長を殺害したうえ、多額の宝石を奪って逃走。

劇場の幽霊。屍肉を掘り出す少女。

東京の下町、枕倉北商店街で起きたタヌキがらみの連続殺人の謎とは!?第14回横溝正史賞佳作受賞。

ノルマンディ上陸作戦の陰で、世界史を決した軽井沢の殺人事件。

美貌の元侯爵夫人に想いを寄せる二人の青年。その一人がある日、断崖から墜落死した。

強く願い続けることだけが、出会いて別れを生む。国境の地で愛する男を探し続ける女。

夕闇の教会に現れた若い女。死を冒涜するかのような彼女の告白が、神父の心を乱す―。

浅見光彦は、ひょんなことから母・雪江の三州への旅のお供を命じられた。

世の中の全てに興味を失ってしまった男が見つけた、最後の楽しみ。

十六歳の女子高生片桐瑞穂が文通マニアの専門誌「月刊ペンパル」に気まぐれに出した伝言に応じてきたのは四人の男女。

めぐみは平凡な主婦として隠やかな日々を送っていた。ある夜、夫が古い石の器を持って帰宅。

〈珍瓏〉すなわち、鬩ぎあう石と石が不思議な幾何学模様をつくる盤面全体に及ぶ詰碁―。

「青柳みゆきが殺される」―。警視総監宛てにKと名乗る男から奇妙な五通の手紙が届いた。

精神科医コンラッドは殺人罪で起訴された少女エリザベスを看ることになった。

小泉八雲はそこを「地獄だ」といった。浅野光彦は死者に誘われるように事件に遭遇した。

多種多様な人間が去来集散する巨大駅。その周辺では、絶えず事件が発生している。

ゴシップ誌に誹謗記事を書かれた人気作家・三上が突然、失踪した。

スポーツ・ギャンブルの胴元ハリーは、悪行から足を洗い、昔の女とよりをもどし、長年の夢を実現しようとしていた。

やり場のない激情に駆られて、この街へやって来た。おまえの裏切りに楔を打ち込む。

〈噂〉それはどこからともなく現れる不可思議なもの―。最近、六本木界隈で流行っている奇妙な噂「恐怖の問題」。

合衆国最高裁判所の裁判官に内定していた弁護士ベン・ポッターが、大統領からの正式指名の前日に謎の死を遂げた。

タリアの裁判は、ポールたち弁護団にとって予想以上に厳しい展開となった。検察側は次々と新しい証拠を提示してきていた。

親のおかげで何不自由なく暮らし、有り余る金と膨大な時間を持て余す若者大矢隆一。

親のおかげで何不自由なく暮らし、有り余る金と膨大な時間を持て余す若者大矢隆一。

警視庁捜査一課の烏丸ひろみに届いた一通の招待状。差出人は「トリック卿」。

世界に二匹しかいないという珍獣が盗まれた。それがすべての発端。

「おい、保瀬はどないした?」花菱警視が叫んだ時には、保瀬の姿はどこにも見当らない。

飢えた獣のように鋭い目、全身に漲る強烈な殺気。

鏡に映った自分の顔は、見知らぬ男のものになっていた。

幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人―サルバドール・ダリ。

〈二年前に生まれたばかりの街。だが胎内では、人の群れが無尽蔵に、饐えた匂いを発し続けていた―。

あの青年の夢を砕いてしまったのは私だ。三年前の〈やらせ事件〉が、今度の殺人を招いたのか―。

夫の出張で、七か月の息子と二人きりの周子の家に、強盗殺人犯の男が立て篭った。

愛しい猫、可愛いメロウ、美しい、優しい、私の天使…。

「島に行け」という祖母の遺言に従い、主人公の青年・大地は島(=青蛾島)へ渡ることにした。

日本推理文壇の重鎮、小宮山泰三が住む2階建てモルタル造りの幸福荘。

結婚して二十五年、規子は夢にまでみたマイホームを手に入れた。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

〈母さん、帰らぬ、さびしいな。金魚を一匹突き殺す まだまだ、帰らぬ、くやしいな。

元警視庁の辣腕刑事室生が、こぢんまりと営むアイワ探偵社にオイシイ話が舞い込んだ。

東京麻布の医院に勤める仁志が昔つきあっていた翔子が結婚した。

親子四代、総勢九人という現代では珍しい大家族に嫁いだ法子。

コンビニで地上研修に励む“落ちこぼれ”天使マリの所に、突然大天使様がやってきた―善人と悪人、性格が全く正反対の双子の兄弟が同時に死んで、それぞれ天国と地獄へ行くはずが、なぜか途中で入れ替わって生き返ってしまったという―。

「王女はそこに立っていた。-幻でも何でもない。

ナンバープレートが泥まみれの怪しい乗用車が猛スピードで突っ込んできた。

信濃追分で“かわいい魔女”を売る土産物店「ひいらぎ」。ある冬の夜、店の前で見知らぬ男が死んでいた。

確かに殺したはずの人間が、なぜか生きていた…。その謎の陰で、ある二つの遺体の行方に不審な事実が次々と判明して…。

酷くなる一方の息子の家庭内暴力に、このままでは妻が殺されると感じていた町野は、ふと頭に浮かんだ自分の発想に慄然とした。

鬱の病いを持つ青年ジョー。病院から追い出された上に、里親からも見棄てられ、絶望した彼は遂に自殺をはかる。

旅先で出会った男から用事を頼まれて、古寺を訪ねた大学生のヨウは、惨殺死体を発見してショックを受ける。

北海道の北浦市市長春田は、陳情上京中に失踪、数日後に武蔵野林で絞死体となって発見される。

「おみやぁさん。見えるかね?あれだがよぉ」かみさんの押し殺したような声に、赤かぶ検事は目を転じた。

学生時代からの友人潤木と吉沢は、外房のひとけのない磯の先端に奇妙な建物を発見した。

会社へ出勤する代りに、自分の好きな時間に街に出て、若者の嗜好を探る自由勤務。

イベントで再来日したエリエント急行。しかし、中から百丁のトカレフ拳銃と白骨化した手首が発見された…。

日本画家の沢木と京都の舞妓たち一行は、伊豆修善寺温泉で正月をすごしていたが、そこで顔見知りの芸妓が他殺死体で発見され愕然とする。

のどかな田舎町で、雪の降り積もる早朝、水泳パンツ一丁の少年が死体で発見された。

夏休みに奥の細道を歩く旅に出た高校生五人が1カ月たっても帰って来ない。

赤かぶ検事の相棒ともいうべき行天燎子警部補が、殺人事件の容疑者として取調べを受けた。

輝くアイドルへの道を着々と進む奔放な性格の安土ゆかりと、地味ながら真の役者を目指しコツコツと努力を積み重ねる原口邦子。

スターの座を夢みて、それぞれの道を歩むゆかりと邦子を陰ながら支える浩志は、二人を平等に愛し続けようとしていた。

職場結婚をし、平凡なサラリーマン生活を送っていた三宅の前に、ある日突然、中学校の同級生だった女性が現れた。

書きたいと強く願った少女が母となり、芥川賞作家になった日々―。

沢原は焦っていた。一枚の写真と物語で世界を構築するフォトライターとして、手応えある狙うべき像が見つからない。

「約束通り仕上げましたよ」人違いかと思うほど窶れ果て、左手に包帯を巻いたデュラン氏が、藍場を二階の回廊に案内した。

ヤク中で慢性自殺志願者のブンガクさん。浅草置屋の娘で、文学少女のくせに暴走族にも一目置かれているタカミ。

いつも人騒がせな女子大生亜由美のところに誤配された1通の手紙。

人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。

冬が海からやって来る。毎年それを眺めているのが好きだった。

すべては夏のせいだった―。二十六歳の夕香は平凡なOL生活にうんざりしていた。

彫像という名を刻まれた男・新坂五郎。渡仏して15年。

北朝鮮の地下に潜り、日本に高度な情報を提供している謎の人物〈灰姫〉をめぐり展開する果てなき謀略の数々。

築六十年近くなる「樹影荘」にいつとなく奇妙なことが起こるようになった。

少年時代、虫でも殺すように幼女を川に突き落とし、溺死させた波多野と的場。

岩崎慎也の死は、オートバイをともに愛した音楽誌記者・立木周作に、巨大化したロック産業への憤りを呼び起こした。フィルモア。

死者が告発する〈見えない凶器〉とは…。産業廃棄物が生む〈時効なき犯罪〉に鋭く迫る注目の本格社会派推理。

訪日中の米大統領が襲われた。5万人に1人の特殊な血液型「キメラ」が恐るべき二重の罠の鍵を握る。

山間の小さな町に住む高校二年の布悠子は、学校からの遺跡掘りの帰りに見知らぬ男を目撃した―。

世界的登山家のグレアムは、転落事故のショックで透視力を得た。

最愛の恋人を不慮の交通事故で亡くした傷心の弓子は、数か月後、上司の薦めで見合いをし、結婚した。

大晦日、都内ホテルで男性が変死。身体に毒蛇の噛み痕。

一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

高校教師の西尾は、突然退学した生徒を探しにその街にやって来た。「臆病なんですよ、俺は。

ベテラン新聞記者の田島は自社の紙面で「七歳の子供が自殺…」という妙な記事を発見した。

竹の寺、直指庵、野宮神社、嵯峨野でも竹林の多いこの三つの寺社近辺で、三人の女性がたて続けに殺害された。

ある日、片山刑事のもとに中学時代の友人・畠沼が訪れた。彼はTV局に勤めるプロデューサー。

小学校の同窓会に出席した真杉伸子は、かつて彼女に惚れていた宮田治夫と久しぶりに会った。

詩織の母はいまわの際に「トランプの本」と言い残して病死。

かつて都から伊勢に遣わされた哀しみの皇女が辿った道で、崇りとも思われる殺人事件が発生。