生命保険─それは人の生命と引換えに結ばれる幻の遠い約束だ。

古代史の造詣を巧みに駆使した表題作「火神被殺」、「神の里事件」。

失業し失意のどん底にあった北沢勝平は、赤松と名乗る見知らぬ男に誘われるまま、強盗殺人に手を貸してしまう。

内科医パーチェイスの後妻と娘の二人が殺された事件は、平穏なフロリダの街カルーサを戦慄させた。

居酒屋でいつも黙って一升桝で飲んでいる浪人、松村信兵衛の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語『人情裏長屋』。

ミステリーの傑作。江戸川乱歩賞受賞作。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

いつも通り上機嫌で出勤していった夫の謎の失踪。妻の祥子は惑乱と絶望のなかで夫を探す。

今野淳一、34歳。引き締まった体、ちょっと苦みばしったいい男。

紀尾井財閥グループの帝王椎名が危篤。その二人の娘が乗る小型飛行機が、北アルプス“幻の谷”に墜落した。

20台のモトクロッサーが一斉にコースへ跳び出した。こいつは鉄の暴れ馬に跨がるロデオだ。

三井三池の騒然たる大争議のさなかに、突如炭住地区をおそったポリオの流行、そして従兄の死……細菌をばらまく黒い手の正体を追う男に謀略機関の影がまつわる

十代将軍・徳川家治の治世、八嶽党と名乗る謎の徒党をめぐる凄絶な暗闘。本格時代小説の復権を求め久々の登場。

第七期棋幽戦第二局は、“碁の鬼”と称される槇野猛章九段の妙手で一日目を終えた。

時は1869年。

「なぜ、警察やマスコミは動かないのか」東京ロイヤルホテルのフロントマン・山名は疑惑を募らせていた。