暗い傾斜
- サスペンスミステリ (39)
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いま、笹沢左保を読む人がどれだけいるだろう。1960~70年代が全盛の人なので、はっきりいって今日的な作家ではない。それでも一部の好事家にはいまだにもてはやされていて、本書のような中古の本に高値が付いている。なぜなら決して再刊されることがないから。 本書のことは、作家・有栖川有栖が国産ミステリのベストに挙げていて、「そんなに面白いんなら」と手に取った。作者本人によると「事件の発生、推理、解決という推理小説の基本の形態を考えずに、ぼくはムード小説としてこの作品を書いた」そうだが、確かに甘っちょろい男女の描写はたくさんあるものの、なかなかガチな本格ミステリだ。 フーダニット(犯人当て)というより、ハウダニット(アリバイ崩し)を主眼とした作品である。「犯行は不可能だったという物理的な結論と、●●が犯人でなければならないとする理論上の推定と、その両方があるわけだった」と、さんざん頭を悩ます探偵役の男性が、最後に「あっ、こう考えればいいんだ!」と気づき、オセロがパタパタとひっくり返るように真相が見えてくる様は読ませる。一方で、男女の風俗はいかにも古臭い。女性の愛情というものの描き方があまりにステレオタイプで、隔世の感がある。まあ、1962年の作品なので仕方ないのだけれど。 タイトルはわるくないと思う。『暗い傾斜』という不穏な題名が、全体を覆う陰鬱なムードをよく表している。しかし予想外に売れなかったせいか、作者自身か編集者の判断で、本書は後に『暗鬼の旅路』と改題されている。内容はまったく同じなのに、そちらはAmazonマーケットプレイスで1円で買えるという不思議。タイトルにこだわらないなら、そちらで十分ではないだろうか。 | ||||
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