検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。

明治神宮外苑近くの林で発見された男の死体。

古ぼけたアパートの一室で発見さ

筑豊の廃坑の村。

失踪した前任者・香取の行方を探すために、内戦下のサイゴンに赴任した坂本の周囲に起きる不可解な事件。

新興の化粧品会社が主催する洋上大学―豪華客船セントルイス号は、選ばれた百名の若い女性を乗せて、ハワイへ向かった。

陸軍刑法の裁きのもと、故国を遠く離れた戦場で、弁護人もないままに一方的に軍律違反者として処刑されていった兵士があった。

唐後期、特異な建築「方壺園」で起きた漢詩の盗作をめぐる密室殺人の他、乱歩賞・直木賞・推理作家協会賞を受賞したミステリの名手による傑作集。

幼馴染みがヤクザの幹部になっている徳持刑事は、なにかと癒着が疑われていた。

婚期を過ぎて母とつましく暮らす市子のもとに、二十五年前に音信を絶った徒兄の圭吉が訪ねて来た。

私立探偵の真木は、実業家・磯村の依頼を受けて、十九歳の劇団研究生・乃里子の行方を捜し始めた。

失踪したシャンソン歌手を追って軽井沢の別荘で私立探偵真木の見つけたものは?依頼された仕事は終わっても事件の背後に潜む真相を真木は追及し続ける。

放漫経営のツケが祟り、倒産寸前の苦境に陥った栄養剤メーカーのS製薬。銀行は融資を渋り、他社への吸収合併を迫って来た。

話は「シドッチの石」に始まる―それは何処に?警部は小岩井、探偵は尾形修平。

戦争と飢餓の厳しい少年時代を過ごした沢井は、不正と卑劣を憎む硬骨の刑事だった。

純真で無垢な少年の姿は、大人の心を洗い清めてくれる―だが、誰しも少年だったころの昔日を思い返してみれば、他者への憎悪や妬み、邪悪で穢れた心の存在も否定できない。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。

戦後推理小説文壇の巨匠、鮎川哲也の知られざる作品がよみがえる! 未完の遺稿「白樺荘事件」、ファン待望の単行本初収録。

他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

これは悪夢か現実か。独自の美意識に貫かれた淫靡かつ幻想的な世界を築いた異色の作家。

幼少より慈しみ育ててくれた組織のボスを射殺し、海外逃亡をはかる無軌道な青年(「ゴウイング・マイ・ウェイ」)、市民や学生のデモ隊が街にあふれ騒然とする中、外相の首を狙う孤独なテロリスト(「陽光の下、若者は死ぬ」)など、強烈なジャズ・ビートをバ

探偵小説を愛し、戦争中は仲間と犯人当てゲームに興じた安吾。

横溝作品の短篇から厳選!謎と驚きに満ちた傑作集。

『黒死館殺人事件』で有名な博覧強記の名探偵・法水麟太郎。

東京の千川上水沿いで連続する“通り魔”事件。いずれも若く太った女性が臀部を切りつけられ、被害者は数を増すばかり。

県警本部より主席監察官来訪の報せに揺れる、田舎の刑事たち。

彼の名は黒川鈴木。姓名どちらも姓に見えるという点で、まあ珍名の部類に入る。

あと二日で、四人死ぬ―― ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾! その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。

1961年7月2日、神奈川県の山林から女性の刺殺体が発見される。被害者は地元で飲食店を経営していた若い女性。

テレビ画面のギャングが銃の引き金を引いた瞬間、現実の弾丸が老人の胸を撃ち抜いた!(「弾丸は飛び出した」)。

大胆な仕掛けと巧みに巡らされた伏線、叙情あふれる筆致を融合させて、ふたつとない作家性を確立した名匠・連城三紀彦。

映画スター・北岡早馬と再婚し幸せの絶頂の伊都子だが、家族は未だ死んだ先妻にとらわれていた。そして遂に殺人が…。

旅客機が爆破され、乗客全員が死亡。

資産家が住まう洋館に届いた英文の脅迫状と、奇怪な密室殺人――迷宮入りとなった十数年前の事件に四人の男が推理を競う傑作短編「完全犯罪」。

若き美人シャンソン歌手・伶子が忽然と姿を消した。

５大捕物帳の一つ、人形佐七捕物帳の著者の横溝正史氏は、「佐七」以外にも多くの捕物小説を残している。

一九二〇年創刊の「新青年」は、江戸川乱歩をはじめ数多くの作家を輩出した名雑誌であり、初代編集長の森下雨村は日本の探偵小説の生みの親と称される。

尾行中の老女梅子が怪我をさせたミツエの持ち家のアパートに住むことになった晶。

粋で艶やかな新橋芸者の“まり勇”は、ハードボイルドなどの海外ミステリーが大好き。

元警視庁捜査課長の私立探偵・由利先生と「新日報」記者・三津木俊助見参! 耽美と怪奇趣味に彩られた大胆なストーリー展開で、読者をとらえてはなさない傑作シリーズ、待望の刊行開始。

『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』を挙げるまでもなく“少女”が活躍する名作は数多い。

靴の形をした館で雪の夜に起こった密室殺人の謎に迫る「靴の中の死体」。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

書店員は超多忙。

双葉文庫40周年を記念した大沢在昌はじまりのシリーズ「佐久間公シリーズ」4か月連続刊行第4弾。

早川法律事務所に所属する失踪人調査のプロ佐久間公が、ボトル一本の報酬で引き受けた仕事は、かつて横浜で遊んでいた“元少女”を捜すことだった。

長野県警から警視庁へ出向中の御子柴刑事。おおむね平穏な生活を送っていたものの、暮れも押し詰まってから次々と事件が発生。

“宗教法人炎矢教団総本部”この教団から娘・葉子を連れ戻してほしい―というのが今回の僕への依頼であった。

“雌ライオン”こと名探偵・生野エルザと猛獣使いの助手・川島美伽のもとには日夜、風変わりな依頼が舞い込む。