がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。

女子高生、美優は予期しない妊娠をしてしまう。

認知症になった益恵を、二十年来の友人アイと富士子が最後の旅に連れ出した。それは、益恵の人生の足跡を辿る旅。

鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。

刺客は、思わぬところからやって来た。

母親が生活苦から新興宗教に入信し、教団施設で生まれた妹。

この世界が一変するのも、あなたが現れることも、遥か昔から決まっていた―― 古の中国で、この世界を滅ぼしたいという男の怨念から生まれた「竜舌」。

何度も同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。

上場企業『ザイゼン』の社長財前彰太は、妻の由布子、娘の美華と三人で幸福に暮らしていた。

陰惨な歴史が残る四国山中の集落・尾峨に赴任した中学教師・金沢には、競技中の事故で陸上を諦めた疵があった。

タワーマンションが建ち、人口が急増する街で古くから続く花屋を営む桜子。

労働者相手の娯楽の街として栄えた多摩川市は、貧困、暴力、行くつく先は家庭崩壊と、児童相談所は休む暇もない。

ピアノ調律師の一藤麻衣子には、秘密があった。

謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。

駆け出しの造園設計士・高桑は大学の卒論で作庭師・溝延兵衛と、彼の代表作となったある庭を取り上げて以来、長年にわたり取り憑かれ続けていた。

民生委員の千加子は、「レインボーハイツ」とは名ばかりの、くすんだ灰色のマンションをたびたび訪れる。

優秀でありすぎるが故に引きこもりとなった18歳の堤隆太の前で、突然手首を切った女性。

ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国ー狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女…都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。

その家には、何かある。

どこかの誰かが、幸せでありますように。 失恋したばかりの社会人と、元いじめられっこのスパイ。

地方都市にすむ本作な平凡な主婦・沙代子はおんぼろ軽四・ピンクのラパンで走行中、飛び出してきたキャバラ嬢・紫苑と接触事故で遭遇。

「町医者」が、ぼくの家の天職だった――。 大正時代、寄生虫退治で評判を取った初代。

読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、作家・評論家として活躍する三条公彦。

闘牛中の事故で亡くなった兄を悼むためにスペインへ向かった怜奈は疑念を持つ。兄は殺されたのではないか。

友人と旅行代理店を経営している四二歳の鞠子は、十一歳年下の男と付き合っているが結婚する気はない。

人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。

ホラー文学賞三冠を達成した、不気味にして優美なゴシック小説 英国幻想文学大賞ホラー部門、ローカス賞ホラー部門、オーロラ賞受賞 ネビュラ賞、ブラム・ストーカー賞、シャーリイ・ジャクスン賞 最終候補選出 メキシコ廃鉱山の頂に建つ、祟られた屋敷。

閑古鳥さえ寄りつかない鵜飼探偵事務所に、待望の依頼人が訪れた。その男は、なんと烏賊川市の有力企業社長・小峰三郎。

別々の人生を歩み、10年ぶりに再会したアサヒとユウヒの兄弟。ふたりはある目的のため、狂言誘拐を実行に移す。

ビーフ巡査部長の名推理。 パズラーの精髄がここに。

友人と旅行代理店を経営している四十二歳の鞠子は、十一歳も年下の男と付き合っているが結婚する気はない。

埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。

圧倒的筆致で天才の青春を描いた野性時代フロンティア文学賞受賞作、文庫化 圧倒的「数覚」に恵まれた瞭司の死後、熊沢はその遺書といえる研究ノートを入手するが――冲方丁、辻村深月、森見登美彦絶賛!選考委員の圧倒的評価を勝ち取った、第9回野性時代

ノワール文学史上もっとも美しい〝運命の女〟への妄執――。 ゴダール名作映画の原作となった犯罪ノワール。

遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。

「金がないことがこんなに心細く、息苦しいとは思わなかった」。

ドンデン返しの魔術師、第三短編集。

女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説! 幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉―― 「約束は守ったよ、褒めて」 吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。

「被疑者の言うことを唯一信じてあげるのが弁護人でしょう」 犯罪被害者家族でありながら、 刑事弁護に使命感を抱く持月凛子。

「彼女は無理やりこの国に 連れてこられただけなのだ」 この女性(拉致被害者)を連れて、 日本に亡命するーー。

戦後ハリウッドの映画界でもがき、爪痕を残そうと奮闘した特殊造形師・マチルダ。

東京、炎上。正義は、守れるのか。

日本ミステリーの最前線をいく超豪華執筆陣、夢の競演! ミステリーファン必読のアンソロジー誕生。

築21年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。

不可解な沈没、海底の義足、救助を拒む女。

『銀花の蔵』『雪の鉄樹』『オブリヴィオン』の著者が放つ、 人間の業の極限に挑んだ、衝撃の問題作 しがない日本画家の竹井清秀は、妻子を同時に喪ってから生きた人間を描けず、「死体画家」と揶揄されていた。

サークル仲間の三人が何者かに監禁される。犯人は彼らの友情を試すかのような指令を次々と下す。

不意に停止した自然公園に立つ観覧車――そのゴンドラ内に閉じ込められた六組の乗客たち。

最重要容疑者は、被害者の死亡時刻の前後はタクシーに乗っていた。

ロンドンにあるモスクが人種差別主義者たちに荒らされた。

第20回「このミステリーがすごい! 大賞」隠し玉作品。

哀しみの先には、何があるのだろう──。

ーーこの本は、なんだかわからないうちに人生をしくじった僕と、その周辺について書いたものである。

柚月裕子の13年がつまった短編集 美しい花には毒がある 献身的に母の介護を続ける娘の楽しみとは……。