誰かがこの町で
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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2020年の江戸川乱歩賞受賞作家の受賞第一作。周囲から羨望の目で見られる高級住宅街で起きた一家失踪事件と幼児誘拐事件、二つの事件の背後にうずくまる忖度と同調圧力の「村八分」社会を暴いていく、社会派ミステリーである。 | ||||
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「同調圧力」をテーマに、表向きは田舎町を安全安心な町にするためと言いながら、裏では自分たちの都合の悪い部分は包み隠していくどこかの悪徳政治家のような町の役員たち。少数の正しい意見が、多数の間違った考えに包み込まれてしまう恐ろしさを本作で感じた。現実にあっても不思議ではない、いやありそうな話。いい意味で読後感のよくない傑作だったと思います。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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日本人は同調圧力に弱いので、殺人までは中々いかなくとも、小説内のような捻じ曲げられた正義みたいなのは会社や学校や部活等で割と存在していて、誰かに引っ張ってもらいたい人が多いんだろうなあと思った。 悲しい物語だけど最後まで熱量を落とさずに読み進ませるだけの筆力があった。 | ||||
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ちょっと荒唐無稽すぎて。 物語内容からすれば「バブル期に造成された一種の“陸の孤島”たる新興住宅地」は最低百戸はある小中規模ニュータウンだと推察できますが、それだと中から一戸や二戸くらいは“梃子でも動かぬ頑固者”に当たるので、いくらなんでも全戸が「目的が何かわからなくなった」ところの一家皆殺しに賛同するとはとても思えない。 「ご近所さんによる同調圧力的なものが住人を追い詰める」的なものなら、宮部みゆき氏の作品のほうが真に地に迫ってくるように思います。 思うにこの作品は(前言を翻して“善意に”解釈すれば)、オーームを新興住宅地に見立てた「確信的殺人者」として意図的に描かれたものだと思います。確信犯である部分=自分らが正義だと信じて疑わないもののために殺人さえ肯定する というくだり、一家皆殺しの過程など、オーームによる弁護士一家皆殺しを彷彿とさせます。 ただし、子どもの誘拐殺人の被害家庭の旦那までが自分の子どもの殺人者のほうになびくのは絶対に×です。(子どもを持ったことがないのでしょうか???)いくら我が家を守るためでも、わが子を殺した犯人側につくなんてこと、現実ではゼロパーセントです。 全体の主題としては他の多くのレビューワどもも書いているように「多数による同調圧力」なのでしょうが、日本人にその性質上非常に親和性の高い「同調圧力」。でも違うんですよ、わかっていない。 日本人が右へ倣えで同調するのはあくまで、「一見、正しいこと・ものに見える・思えるもの・ことに対する」同調圧力なのです。新コロ禍での(科学的根拠ゼロの)マスク着用しかり、大東亜戦争下での戦意高揚しかり。でも、殺人は一瞥で・直感的に「正しくない」とわかります。そんなものへの同調なんて、こんな寓話のようには起こりえないです。断言。 | ||||
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ある町で発生した遠い過去の「第一の事件」が、その後に生じた「第二の事件」の関係者が現れることによって焙り出されてくる、という趣向。その「第二の事件」とはある家族の失踪であり、失踪した家族の娘が失踪した両親と兄の行方を捜して欲しい、と、ある法律事務所を訪れることから物語は始まる。家族の捜索と「第一の事件」の顛末が交互に描写されることで、次第に両者のつながりが見えてくる。そして「第三の事件」が生じることで物語は終焉を迎える。手堅い語り口とリズムの良い文体で進んでゆくのだが、一方で渦中の娘の行動が分かりにくい。法律事務所に助けを求めるかと思えば突如として単独行動に走る。いや、そもそもその娘が「その法律事務所」を訪れる、ということ自体がかなり不自然だと思うのだが、それについての説明はないので、単なる偶然と考えるほかはないのだが、だとすれば御都合主義的すぎる。細部を詰めればもっとよい作品となっていたことだろう。 | ||||
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オーディブル版にて。ある町の出来事をきっかけに、その町の特異性にメスが入り、崩壊する様を描いた物語。珍しい観点の作品だったので楽しめた。 | ||||
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殺人に走る動機もわかる気がします。登場人物のギリギリのところでの良心が共感できました。 | ||||
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