シャドウワーク
- ノワール (113)
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表題の「シャドウワーク(shadow work)」とは、専業主婦の家事労働など、 報酬を受けない仕事のことを指しています。 凄まじい家庭内暴力を経験した主婦の「紀子」と現役の刑事の「薫」という 二人の女性の視点で、物語が展開していきます。さらに、この「薫」が 捜査中の事件の被害者も、DVを受けていたことが判明します。 舞台となっているのは、江の島のすぐ傍にあるDV被害者のための小さな シェルターです。ここに住んでいる女性たちは、すぐ近くにあるパン屋で 働きながら、共同生活をしています。彼女たちの母親代わりである「昭江」は 明るく快活な女性ですが、「一度ここを出て行った人間は、二度と受け入れない」 という規則を厳守しています。その理由が、 「経験から学べない人は、何度でも同じミスを繰り返す」 というもので、非常に身につまされる思いがしました。実際に、DVを受けた女性と いうのは「洗脳」されやすいので、せっかく自由の身になっても、再度、DV的な 要素を持つ男性に自ら近づいてしまうことも少なくないのだそうです。 本書では、DVの被害者である妻にいつまでも執着する夫を断罪すべく、「持ち回り」 といった手法で物事の解決を図りますが、ある意味「やむを得ないかも」と思わせて しまう辺り、作者の佐野さんの力量によるところが大きいと思われます。 | ||||
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私自身もDV被害者でもあり、最初は映像が目に浮かび恐くて中々読めなかったのですが、後半からのめり込み一気に読み終え大変面白く、最後はスッキリ、考えさせられました。 映画化される事を祈念致します。 | ||||
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素晴らしい小説でした。日本の家庭内暴力をめぐる物語を、主にふたりの女性の視点から交互に展開する作品です。ひとりは一般女性、もうひとりは警察官の女性で、どちらも夫の暴力に苦しめられた経験を持ちますが、二人の人物像や現実に向き合う方法の共通点と相違点が興味深かったです。 また、物語にうまく緩急がつけられているので、暴力をめぐる恐ろしい場面と、心がほっと緩むような温かい場面の両方がありました。美味しそうなパンも出てくるので、パン屋さんに行きたくなります。 女性に対する男性の暴力と、それに抵抗する女性たちの連帯を描いたフィクションはたくさんありますが(『メイドの手帖』、『悪魔が見ている』など)、佐藤先生による本作は、既存のシェルターの特徴を素描された後、もう一つのシェルターの形を模索しておられた点が、すごく面白かったです。 自分もDVの被害者になりかけた経験があるので、こうした作品が一般に読みやすい形で世に投げかけられることを、すごくありがたく感じました。ラストが結婚で終わる保守的なファンタジーとも、結婚後の女性の生活の恐怖を扱うホラー映画とも異なり、本作は、ミステリーとサスペンスというジャンルでDVを主題化する大傑作だと思っています。 | ||||
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