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誰かがこの町で



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【この小説が収録されている参考書籍】
誰かがこの町で
誰かがこの町で (講談社文庫)

誰かがこの町での評価: 8.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

自分の弱さを自覚した上でも、日本社会の同調圧力に立ち向かっていけるか?

2020年の江戸川乱歩賞受賞作家の受賞第一作。周囲から羨望の目で見られる高級住宅街で起きた一家失踪事件と幼児誘拐事件、二つの事件の背後にうずくまる忖度と同調圧力の「村八分」社会を暴いていく、社会派ミステリーである。
真崎が調査員を勤める法律事務所を訪ねて来た若い娘は望月麻希と名乗り、「所長の昔の友人・望月良子の娘」だと主張した。望月一家は19年前に失踪し、赤ん坊だった自分は捨てられ施設で育ったという。言ってることにはかなりの信ぴょう性があり、所長は真崎に経緯を調べてほしいと言う。現在の住まい、麻希が育てられた施設などを訪ね歩いた真崎は、一家が失踪当時に住んでいた町へ足を運んでみることにした。すると、町の住人は外部の人間にはまともに口を聞いてくれず、真崎は誰かから監視されている気配を強く感じるのだった…。
一家失踪の謎を探る調査が、その3年前に起きた幼児誘拐殺人に繋がり、町ぐるみでの隠蔽工作と対峙することになる調査員ものではよく目にするストーリーだが、町の住民たちの同調圧力の凄まじさが本作の読みどころ。日本中、どこにでも同じような町や村があるよなぁ〜と苦笑させられた。また、真崎をはじめとする調査側が無敵のヒーローではなく、それぞれに弱点を抱えた弱い人なのも感情移入を誘う。
謎解きと日本人ならではの人間ドラマが楽しめる作品としてオススメする。

iisan
927253Y1

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