ミステリと綺想の女王が紡ぎだす、禁忌と官能に満ちた世界 愛する男を慕って、女の黒髪が蠢きだす「文月の使者」、挿絵画家と若い人妻の戯れを濃密に映し出す「青火童女」、蛇屋に里子に出された少女の記憶を描く表題作他、密やかに紡がれる8編。

1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。

――八時三〇分。

異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。

第二次大戦下のドイツ。

18世紀英国。

「庭は、寝がえりをうって、背をむけた。…庭にまで馬鹿にされるのは、いい気分ではない」(「風」)。

1915年、ドイツ。第一次世界大戦―。

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。

湖から屍蝋が上がった―。小さなバーのママと常連客は、そのニュースに激しく動揺する(「水底の祭り」)。

作家M・Mが常連の喫茶店の密やかな性戯を描いた「影を買う店」他、皆川博子、最大の「偏愛幻想/奇想」小説集、ついに刊行!

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い

画壇の若き俊才にして気鋭の美術評論家・片桐は、妻を亡くした春、満開の桜の下で精霊と見紛う少年と出会った―。

「ルパンに作家人生を捧げた大先輩の愛あふれる大暴走！　　日本にしかない「バルネ探偵の事件簿」。

ロンドンのどこかに、霧の中から不意に現れ、そしてまた忽然と消えてしまう「あやかしの裏通り」があるという。

1930年、チェスタトンを会長とし、セイヤーズ、クリスティー、バークリーら錚々たる顔ぶれが集まり、探偵作家の親睦団体〈ディテクション・クラブ〉が発足した。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

東京の千川上水沿いで連続する“通り魔”事件。いずれも若く太った女性が臀部を切りつけられ、被害者は数を増すばかり。

奇妙な文様が刻まれている魔偶――土偶の骨董――は、所有する者に福と禍をもたらすという……。

夏の陽ざかり、稀代の妖刀「青江次吉」が招いた驚愕の惨劇。

結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。

完全に施錠された家に現れたサンタ、殺されていた母親。鳥居の亡霊、猿時計の怪。

インパール戦線から帰還した男は、銃で妻と情夫を撃ち、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に住みつく。

私の中に巣喰う狂気が、さまざまな夢を見させる―さらなる広がりと魅力を増した皆川博子の恐怖世界。

ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラー竺原丈吉(JJ)は、いつも度の入ったサングラスを掛けて場当たり的に喋る、実に胡散臭い男だった。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

刊行後多くの賞賛を受け、第76回直木賞の候補にも選出された表題作ほか9篇。収録作全て文庫未収録至高の精華集、第2弾。

「判決は、全員死刑。命をもって罪を償ってもらいます」 伊勢湾に浮かぶ、通称「海賊島」に招かれた10名の男女。

時は16世紀。スコットランドに生まれたアランは、17歳で戦士集団に加わり、アイルランドに渡る。

戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。

静岡在住、専業主婦の石橋あすみ。神奈川在住、フリーライターの石橋留美子。

ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。

本年度、第16回日本ミステリー文学大賞受賞の著者の幻の未刊行作を含め、収録作全て文庫未収録作のみ集めた比類なき豪華傑作選、刊行開始! モトクロスに熱狂する若者たちの群像劇を描いた青春ミステリーの表題作ほか13篇収録。

小説の女王・皆川博子が百年近くの歳月をかけ耽溺してきた、永遠に残したい本の数々。

殺人を告白して死んだ推理作家のアリバイとは!? 新米刑事が思わず通う、鮮やかすぎる謎解き―― 時を戻すことができました。

ホラー小説マニアとしても名高い三津田信三が、「本当にぞっとした話」を厳選。

碆霊様を祀る、海と断崖に閉ざされた強羅地方の村々。

『黒面の狐』事件後、海運の要から戦後復興の礎となろうと灯台守になった物理波矢多は、二十年の時をまたぐ怪奇事件に巻き込まれる。

究極のゴシック・ミステリ作家が遺した、全ての短編を収録。

特異点を消去する方法は映画の完成!?カルデア一行は謎特異点「漂流電影空間ハリウッド」で映画撮影を開始するも、脚本担当の紫式部が昏倒。

第一次世界大戦に敗れたドイツ。極端なインフレと共産主義との闘いで混迷するなか、退廃的な文化も爛熟を深めてゆく。

首のない死体が一つ。浮遊する首が一つ……。

緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。

一葉の写真、一枚の絵が呼びおこすひそやかな官能、秘密のかおり。言葉と映像―甘美で危険な交歓が紡ぐ作品集。

近年はなかなか読むことが出来なかった“幻”のミステリ作品群が編者の詳細な解説とともに甦る。

「あなたに、悪夢を」 ――火村英生シリーズ、最新長編登場! 「俺が撃つのは、人間だけだ」 彼は、犯罪を「狩る」男。

初読はミステリ、二度目はホラー。この島の謎に、あなたもきっと囚われる。

父の遺した不動産で夜になると聞こえる「痛い、痛い」という謎の声。

超絶技巧の騙し本(ミステリ)。 *注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。

著者初の時代小説「十五歳の掟」を含む表題作江戸民衆の情念を炙り出した「朱紋様」の2冊に加えて単行本初収録の連作短篇を併録。

1934年、ドイツ。

19世紀末、大英帝国の首都ロンドン。謎の殺人者「切り裂きジャック」による連続殺人事件が街中を恐怖に陥れていた。

遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”という謎めいた文字。

生まれてから死ぬまで、運命のすべてが記されているという「アガスティアの葉」。