探偵小説の黄金時代
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1930年に発足した英国の探偵小説作家の団体である「ディテクション・クラブ」。作家の親睦団体であるが、頭蓋骨を使った独特の入会儀式などがあり、秘密結社的な感じも受ける。そんなクラブの設立から、戦中戦後を通したサロンの行動を紹介する。ゴシップなども多いが、当時の時代背景と作品との関連が解説されており、貴重な資料となっているし、当時の作品をこれから読むときの理解の助けにもなる。 本書を読むきっかけは、その時代の作品が好きだから。本書を読んで気が付いたのは、アガサ・クリスティ以外の作品をほとんど読んでいないこと。好きだと思っていたのは、その時代のミステリではなくクリスティ作品だったという落ちだった。これをきっかけに他の作家の作品を読んでみようと思う。 | ||||
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1930年に発足した親睦団体〈ディテクション・クラブ〉のメンバーの交流や人間模様、特にアントニー・バークリー、ドロシー・セイヤーズ、アガサ・クリスティーの三人を軸に、英国探偵小説の黄金時代の実相を生き生きと活写して、クラシック・ミステリのマニアにとっては堪えられない。 個別の作品に対する新しい知見に乏しいのがやや難点だが、バークリーの作品さながらに複雑で奇矯な人間性、クリスティーの失踪事件の謎、セイヤーズが生涯隠匿した私生児出産など彼らが抱えた秘密や葛藤とその作品の成立過程を明らかにする内容は豊富な資料を元に落ち着いた筆致で叙述されているのでゴシップやスキャンダリズムに堕ちることなく好感を持って読み通せる。加えてクロフツやジョン・ロード、コール夫妻など作品や名は知られていても、その実像が明らかでない作家たちの人となりに触れられる列伝としての魅力も見逃せない。 そして世間を騒がせた現実の犯罪事件、イギリスならではの階級制の問題、ファシズムの脅威と大戦の影、女権拡張や民主主義の発展など近代英国の歩みが、意識せざるとも探偵小説というジャンルに濃厚に反映され、リンクしていることを本書は教えてくれる。また、それを作品を通して体験することが緻密な知的遊戯の興趣とは別に英国ミステリを読む悦びであることを改めて実感させる一冊だ。 | ||||
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