【熊谷達也】
山背郷
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「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。
雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。
秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。
北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。
日露戦争に従軍した猟師の矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を続けていた。そんな彼を探し回る男が一人。
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。
宝亀五(西暦七七四)年、陸奥国の北辺には不穏な火種がくすぶっていた。陸奥を支配せんと着々と迫り来る大和朝廷。
専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。
厳冬の北海道、消息を絶ったカメラマン捜索のため、若き森林保護官はスキーを履き山中へ向かう。
1945年、鹿児島県・知覧特攻基地。死地に赴く若き特攻隊員の戦闘機に、ひたむきに向き合う整備兵がいた。
新緑まぶしい春。小学五年生の和也は県内の小さな町から憧れの仙台市に引っ越してきた。
第12回大藪春彦賞第27回日本冒険小説協会大賞エンタテインメント文学賞をダブル受賞。
2010年春、東北の港町・仙河海市の美術館で働く笑子は、教育者の両親を持ち、優等生を演じてきたため、心身に不調をきたすほどだった。
交通事故で妻を亡くし、自身も大けがを負った結果、音を聴くと香りを感じるという共感覚「嗅聴」を得た鳴瀬玲司は、ピアノの調律師を生業としている。
東京から南へ二百二十キロ。太平洋に浮かぶ厳倉島は、イルカの棲む島として知られている。
昭和四十年代、宮城県。捕鯨船の漁師たちは捕獲禁止の流れに不安を覚え、稲作農家は減反政策で前途多難な状況を迎える。
東北の港町・仙河海市の中学校で教師を勤める和也。担任するクラスに転校してきた早坂希は、問題を抱える少女だった。
旧盆の十三夜、出羽三山の霊峰月
昭和9年春、函館の潜水夫・泊(とまり)敬介は、時化(しけ)る海と吹き荒れる風に妙な胸騒ぎを感じていた。
北アルプス、漆沢渓谷。獣や鳥の“瞑りの楽園”に突如起こった地滑り。
研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。
東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。
小林湊人が所属するエルソレイユ仙台に、梶山浩介が電撃加入することになった。
大震災により失われたもの、未来に伝えていきたいもの仙台市内で被災した予備校講師・聡太が、避難所での友人との再会や、日常の復活の中で被災の深刻さを実感していく過程などを描く現在――。
マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。
学生時代以来のエレキギターを再開した中年サラリーマンの巧也。
玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。
わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。
東日本大震災発生時、仙台の職場にいた川島聡太は、ライフラインが寸断されているなか、両親の安否を確かめるため、沿岸の故郷へ向かう。
勤めていた会社を解雇され再就職もままならず、自分の保険金で妻子の生活費を捻出しようと、バイクの事故を装って自殺を図るために北海道にツーリングに出かける男(「旅の半ばで」)など、ヴィンテージ・バイクと、それらにかかわる無器用で、それでも必死に己の人生を生きる
鷹匠になることを夢見て“最後の鷹匠”に弟子入りした杉浦岳央。だが高齢の師匠に不満と不安を覚え、早々に袂を分かつ。
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。
分断された平和な日々の再生を願って、明日へと続くペダルを踏み続ける本間優一は、多少のさざ波はあっても大過なく仙台で会社員生活を送ってきた。
清涼な山中で行うトレイルラン。人気のスポーツに没頭する青年は山に潜む危険をまだ知らなかった―「ランナーズハイ」。
「お金がないなら、知恵を出すのよ!」赤字ローカル線の再生を託されたのは、地元出身の新幹線カリスマ・アテンダント篠宮亜佐美、31歳。
山深き秋田で、足は悪いが誰よりも美しい箕を作る若者・弥平。初めての行商では一枚も売れず。
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。
松城署の同期の刑事2人、桐谷と高坂。高坂は収賄容疑で逮捕されたが、処分保留で釈放。
家族を失い、絶望していた元刑事の村越は、雪の山中で中国人の梨花と出会う。
空襲ですべてを失った祐輔は、仙台駅北の通称X橋で特攻くずれの彰太と出会う。
新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろしあたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。
家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。
深夜のファミリーレストランで突如、人間が炎上した。その数日後、天王洲では無残に咬み殺された男が発見される。
2010年、宮城県仙河海市。軽音楽部の扉を叩いた高校生・匠は運命の少女・遥と出会った。