モビィ・ドール
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モビィ・ドールの総合評価:
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文字どおり、海洋冒険ロマン (海洋冒険小説 + 淡い恋愛小説) の傑作です。 しかも恋愛の部分がドロドロしていないところがすごくいい。 イルカ研究者の比嘉涼子をヒロインに据え、彼女をとりまく個性的な登場人物がとても活き活きと描かれている。 具体的には、悲しい過去をもつイケメンダイバー葛西を始めとして、研究所の若い研究員・茜ちゃんと大吾くん、涼子の大学時代の同級生で、東京のNPO本部責任者の真弓、元捕鯨船乗組員で『ドルフィネス号』船長の岡田、イルカウォッチングにきた観光客の不思議ちゃん・ルカ、島の純真な娘・美香、無骨な長老たち、果ては本作の後半、ボランティアとなって涼子らに協力を惜しまない多数の観光客たち等々。 30代前半の涼子は、周囲20㎞にも満たない離島・厳倉島 (いわくらしま) で『鯨類鳴音研究所』責任者としてバンドウイルカの研究と、島ゆいいつの観光資源イルカウォッチングのインストラクターとに多忙な日々を送っている。 離婚歴を持つ長身のキャリアウーマン涼子の言動からは、日々さまざまな問題やアクシデントに見舞われながらも、それらに果敢にチャレンジしていく女性の逞しさが伝わってくる。 ミーハーなイケメンダイバー葛西との恋(?)も、決してドロドロとした関係にならず、終始すがすがしい印象を読者に与える。 平和な島の周辺に海の王者シャチが現れ、観光資源であるイルカを襲いだす50ページあたりから、俄然引き込まれずにはいられない展開になってゆく。 そして、イルカの群れが浜辺にストランディング(座礁)した原因が、「モビィ・ドール」とあだ名された一頭のシャチのせいではないかと涼子先生が推測してからあとは、いよいよ怒涛の展開! クライマックスは何と言っても、いったん大網の中に生け捕りにしたモビィ・ドールを、深夜に涼子と葛西の二人が真っ暗な海に潜って逃がそうとする場面です。 漆黒の闇が支配する海の中でも、ペアを組んでライトで行く手を照らせば、活動ができるんですね。でも、この部分はものすごくスリル満点で、どんな冒険小説にも負けないくらいハラハラドキドキしました。 だって、闇の海中をほとんど手探りするようにしながら向かう先には、囚われの身となった海の最強ハンター・シャチ (体長6〜8メートル) がいるんですから。 ふだんはチャラい葛西も、深夜の海の中での活躍はカッコよかったです。 開巻3ページ目から出てくる熱烈なイルカ・オタクを自称するルカという女の子、それと69ページ目から登場する本編のヒーロー、ミーハー・イケメンの葛西。この二人は初対面の時から、涼子 (と読者) の目を引くが、読み進むにつれて彼らの秘密が明らかになってゆく。ルカの秘密は最後のほうで、涼子 (と読者) に大きな衝撃をあたえます。 本作は、平易な文章と登場人物たちの軽妙な会話、それに手に汗握る海の冒険シーンでズンズン読ませ、最後にすがすがしいカタルシスを味わわせてくれる、私的には近年イチオシの海洋冒険ロマンです。 | ||||
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まだ読んでいない熊谷作品がKindle版になったのでDownloadしましたが、モビィー・ドールが何なのかも解らないで読み始めました。 主人公の名前や会話からして舞台は沖縄の小島かと思いましたが違っていました。 夏の海に繰り広げられるレジャーとそれに係わる人達の葛藤が見事に描かれています。 改めて、作者の取材力の豊富さと物語の展開に感銘を受けました。 水中ウォチングに興味のある方にお勧めです。 | ||||
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山の熊、海のシャチ、著者が愛してやまない自然のクリエイターを描ききる。 | ||||
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御蔵島です。岩倉島とか変わっていますが。 ようはエロゲーシナリオです。 エロゲー主人公みたいなイケメン職業ダイバーが御蔵島にやってきて、 つんでれ×1イルカ調査教授(主人公30代女)の部下にわずか一日で手を出したりしますが、 教授も強引にキスされ、股間を触られて濡れてしまいます。 また海中でおっぱいを揉ませたりして、その後性行為に何度か及びそうになります。 そのうちツンデレ教授もまんざらでもなくなってきて、男の過去とかに同情したりして、シャチとかイルカとかを二人でなんやかんやで救います。 どーみてもちょっとシナリオのあるエロゲーです。 私は娘に御蔵島の自然とかイルカとかを知ってほしくて読んでほしかったのですが、自分が先に読んでよかったです。エロゲー好きな人にはいいのではないでしょうか。 島やイルカの描写は細かくされていますが、専門用語も多く一般人置いてきぼりです。 このレビューに反感を持つ方もいらっしゃると思いますが、嘘ではないことをお約束します。 御蔵島の人も浮かばれない。 | ||||
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熊谷達也の海洋小説もの。彼の小説は、『まほろばの疾風』、『荒蝦夷』以来かな。その二つの東北の歴史ものはとても自分の好みだが、実はあまり動物ものは好きではなかったので、彼のほかの動物もの(って読んでいいのか)は読んでなかった。 ただ、もともと自分はイルカ好きだったので、今回のイルカやオルカというテーマは良かった。 単純な保護を声高に唱うのではなく、生物にとって、生殖とは何か、といった深いテーマを主人公の女性動物行動学者とダイバーとの恋愛を絡めて、さらっと描く。とっても面白かった。 人間も含めて、動物、生物は子孫を残すためだけに生きているのではないと私も思う。 | ||||
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