新参教師
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どうしたのかな?この作家の直木賞受賞作「邂逅の森」に比べて、数段レベルの低い作品になっている。同じ作家の作品だとは、にわかには信じがたい。作品の内容からして、この作家の体験談に近い。すると、登場人物には全てモデルがいるのだろうか。だとしたら、逆に書きにくかったのかも。やはり、「邂逅の森」のように参考文献を丁寧に読んで十分な下調べの後、きちんとしたプロットと呼ばれる小説の設計図をちゃんと書いてから、小説執筆に取りかかるべきだろう。体験談ならば、プロットなしでもすいすいと書けてしまうからである。ちょっと期待外れで、残念であった。 | ||||
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仙台で中学の教諭をして、その後、保険代理店業を営んでいるという著者の、これは私小説であろう。 職員室における他の教員とのやりとりが圧倒的なリアリティを持つもの、むべなるかな。 本書に登場する愉快な(あるいは困った)教員たちの殆どには、「オレ/私のことが書かれている!」というモデルが存在するに違いない。 本書の見どころは、何といっても「教師の本質」だ。 著者とは逆に、損保社員(代理店ではないが)から教員になった設定の主人公を通して、教師のあるべき姿が語られている。 職員室へ質問に来た生徒たちに、主人公が熱心に数学の定理を教えるくだりは、まさに著者の体験であろう。 不肖私も、最近、長らく勤務した損保(事故係専門職員)を定年退職し、今は家庭教師を生き甲斐(「生業」と称するには、収入が少ないので)としている。 他人にモノを教えることを自らの喜びとし、また、教えるスキルがある人だけが『先生』と呼ばれる価値がある、と私は感じている。 副次的なテーマとして、ここ20年余の間に起った損保再編(3~4昔前は20数社もあった国内損保が、現在、3大メガ損保にほぼ統合された)の内幕についても、ある程度は触れられている。 この小説では、積み立て型商品の逆鞘が中小損保破綻の主な原因として指摘されているが、他にも所得補償保険、介護費用保険(※公的介護保険施行前からあった民間の保険)など、収益性が極端に悪い保険商品を、営業(※私は事故係の専門職員だったので、営業にはタッチしていない)がノルマを競って売り捲ったのである。 ボケっとして商戦に出遅れた損保は、その種の赤字商品を売るタイミングを失したため、結果的に助かったのである(全く、皮肉なものだ)。 保険商品そのものではないが、漫然と危ない海外の再保険を引き受けていて、アメリカの9.11大規模テロで一気に破綻した中堅損保(某T社)もあった。 メガ損保に統合された中小損保社員の事前リストラ、そしてリストラに生き残って新職場に配置された元・中小損保社員たちの待遇は推して知るべきだ(他社は知らず、私が奉職したメガ損保では、元中小損保出身者の格下げは公然の秘密だった)。 サラリーマンの悲哀(と希望)は、この著者の作品の一大テーマと、私は見ている。 次の作品では、損保を営業だけでなく、査定(事故係/支払部門)にも十分取材していただき、骨太の小説を著して頂くことを期待している。 【補足】 ライトノヴェル仕立ての本書には、ふざけた弁護士探偵のキャラクターは文句を言うほどではないが、主人公が最も頼りにしていた相談相手の旧友(教員)が、実は主人公を教育現場から追放しようとしていた黒幕だった・・・という落ちは幾らなんでも無理筋と、私には感じられた。 | ||||
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ブックオフの本棚を観ているときに、タイトルだけで「ビビッ」ときて裏面のあらすじも読まずに買ったのだけど、良かった。 読み終えて一番思うことは、主人公・安藤が行き着いた教師という仕事の心理というものは、どの職業にも当てはまることだということ。 どんな会社の新入社員でも、よほどのことがない限りは給与も待遇も平等にスタートするものだ。 だから人によっては、「真面目な奴ほど損をする」みたいになってしまうこともあるかもしれないし、そんな状況に「やってられない」と匙を投げてしまうことも仕方がないのかもしれない。 ならば、どんな考え方で仕事をすればいいのか。 それは結局、楽しむことしかない、そう安藤から教えられた。 将来、どんな職業に就こうかまだ分からない、イメージが湧かないという人には読んでもらいたい。 きっと良いヒントを与えてくれるだろう。 | ||||
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作者自身、中学校教員の経験があるという。ははあ、だからこんなに詳しいんだ。教員の勤務環境に重点を置いて、ユーモアをちりばめた軽いミステリーに仕立てた。 先生ものだと、感動ものか学校批判系になりがちだ。だから、「聖職」の部分をばっさり削っている。授業と部活動の部分は描かれない。生徒や保護者はほとんど登場しないのだ。今までにない視点である。 教員の雑務を描くだけで一冊の本になるなんて、先生ってほんと大変! でも知り合いの教員は、土日にサークルで授業や生徒指導の研修をしてるっていうから、実際のところはもっと大変みたい。ご愁傷様です、合掌。 | ||||
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もっと重い話を予想していたけど、熊谷達也の小説の割には、とっても軽いお話。 40歳を過ぎて、民間経験者の中途採用として教師の道に進んだ主人公の目から見た教師や学校の現場の描写はなかなか鋭いが、話はユーモラス。 現代の教育現場への厳しい批判でもあるかと思ったけど、ところどころ主人公がぼやく程度。しかし、それでも今の学校教育ってこんなになっちゃったんだと愕然とする。 怪文書に巻き込まれる主人公が真に自分がやりたいことに目覚めるという結末もいい。軽いけど、なかなか面白い作品。 | ||||
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