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新参教師
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新参教師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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どうしたのかな?この作家の直木賞受賞作「邂逅の森」に比べて、数段レベルの低い作品になっている。同じ作家の作品だとは、にわかには信じがたい。作品の内容からして、この作家の体験談に近い。すると、登場人物には全てモデルがいるのだろうか。だとしたら、逆に書きにくかったのかも。やはり、「邂逅の森」のように参考文献を丁寧に読んで十分な下調べの後、きちんとしたプロットと呼ばれる小説の設計図をちゃんと書いてから、小説執筆に取りかかるべきだろう。体験談ならば、プロットなしでもすいすいと書けてしまうからである。ちょっと期待外れで、残念であった。 | ||||
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仙台で中学の教諭をして、その後、保険代理店業を営んでいるという著者の、これは私小説であろう。 職員室における他の教員とのやりとりが圧倒的なリアリティを持つもの、むべなるかな。 本書に登場する愉快な(あるいは困った)教員たちの殆どには、「オレ/私のことが書かれている!」というモデルが存在するに違いない。 本書の見どころは、何といっても「教師の本質」だ。 著者とは逆に、損保社員(代理店ではないが)から教員になった設定の主人公を通して、教師のあるべき姿が語られている。 職員室へ質問に来た生徒たちに、主人公が熱心に数学の定理を教えるくだりは、まさに著者の体験であろう。 不肖私も、最近、長らく勤務した損保(事故係専門職員)を定年退職し、今は家庭教師を生き甲斐(「生業」と称するには、収入が少ないので)としている。 他人にモノを教えることを自らの喜びとし、また、教えるスキルがある人だけが『先生』と呼ばれる価値がある、と私は感じている。 副次的なテーマとして、ここ20年余の間に起った損保再編(3~4昔前は20数社もあった国内損保が、現在、3大メガ損保にほぼ統合された)の内幕についても、ある程度は触れられている。 この小説では、積み立て型商品の逆鞘が中小損保破綻の主な原因として指摘されているが、他にも所得補償保険、介護費用保険(※公的介護保険施行前からあった民間の保険)など、収益性が極端に悪い保険商品を、営業(※私は事故係の専門職員だったので、営業にはタッチしていない)がノルマを競って売り捲ったのである。 ボケっとして商戦に出遅れた損保は、その種の赤字商品を売るタイミングを失したため、結果的に助かったのである(全く、皮肉なものだ)。 保険商品そのものではないが、漫然と危ない海外の再保険を引き受けていて、アメリカの9.11大規模テロで一気に破綻した中堅損保(某T社)もあった。 メガ損保に統合された中小損保社員の事前リストラ、そしてリストラに生き残って新職場に配置された元・中小損保社員たちの待遇は推して知るべきだ(他社は知らず、私が奉職したメガ損保では、元中小損保出身者の格下げは公然の秘密だった)。 サラリーマンの悲哀(と希望)は、この著者の作品の一大テーマと、私は見ている。 次の作品では、損保を営業だけでなく、査定(事故係/支払部門)にも十分取材していただき、骨太の小説を著して頂くことを期待している。 【補足】 ライトノヴェル仕立ての本書には、ふざけた弁護士探偵のキャラクターは文句を言うほどではないが、主人公が最も頼りにしていた相談相手の旧友(教員)が、実は主人公を教育現場から追放しようとしていた黒幕だった・・・という落ちは幾らなんでも無理筋と、私には感じられた。 | ||||
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ブックオフの本棚を観ているときに、タイトルだけで「ビビッ」ときて裏面のあらすじも読まずに買ったのだけど、良かった。 読み終えて一番思うことは、主人公・安藤が行き着いた教師という仕事の心理というものは、どの職業にも当てはまることだということ。 どんな会社の新入社員でも、よほどのことがない限りは給与も待遇も平等にスタートするものだ。 だから人によっては、「真面目な奴ほど損をする」みたいになってしまうこともあるかもしれないし、そんな状況に「やってられない」と匙を投げてしまうことも仕方がないのかもしれない。 ならば、どんな考え方で仕事をすればいいのか。 それは結局、楽しむことしかない、そう安藤から教えられた。 将来、どんな職業に就こうかまだ分からない、イメージが湧かないという人には読んでもらいたい。 きっと良いヒントを与えてくれるだろう。 | ||||
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作者自身、中学校教員の経験があるという。ははあ、だからこんなに詳しいんだ。教員の勤務環境に重点を置いて、ユーモアをちりばめた軽いミステリーに仕立てた。 先生ものだと、感動ものか学校批判系になりがちだ。だから、「聖職」の部分をばっさり削っている。授業と部活動の部分は描かれない。生徒や保護者はほとんど登場しないのだ。今までにない視点である。 教員の雑務を描くだけで一冊の本になるなんて、先生ってほんと大変! でも知り合いの教員は、土日にサークルで授業や生徒指導の研修をしてるっていうから、実際のところはもっと大変みたい。ご愁傷様です、合掌。 | ||||
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もっと重い話を予想していたけど、熊谷達也の小説の割には、とっても軽いお話。 40歳を過ぎて、民間経験者の中途採用として教師の道に進んだ主人公の目から見た教師や学校の現場の描写はなかなか鋭いが、話はユーモラス。 現代の教育現場への厳しい批判でもあるかと思ったけど、ところどころ主人公がぼやく程度。しかし、それでも今の学校教育ってこんなになっちゃったんだと愕然とする。 怪文書に巻き込まれる主人公が真に自分がやりたいことに目覚めるという結末もいい。軽いけど、なかなか面白い作品。 | ||||
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中学生の子供を持つ親としても 邂逅の森の圧倒的な重厚さに感銘を受けた者としても とても興味深く読み出したのですが… 主人公にどうにも共感できませんでした。 新しい環境を受け入れることより今までの環境と比較してグチをこぼし あらゆる状況において他者に対して否定的で疑心暗鬼であり 教師という職業を選びながらもまったく生徒を省みていない主人公。 読み進めていてもまったく共感も感情移入もできませんでした。 最後のとってつけたように教える喜びを感じるようになったエピソードも その場を再び得るための(仕方ないとはいえ)姑息な手段を見ては 今までのざらざらした感じを拭い去ることは出来ませんでした。 期待して読み始めただけにとても残念でした。 読み進めやすくはあるので、すぐ読めるのはよかったかも。 | ||||
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教育モノ、学園モノはあまり興味がなくめったに読まないが、著者が隣町のような仙台市出身で、仙台の街が描写されていたので手に取ってみた。 学校ってどのように描かれているのか、興味がない、というより避けたいようなテーマであり、けれど同時に覗いてみたいステージだ。 「あんまし、重たくないといいけどなあ」 とかく学園モノとは荒唐無稽か生々しいものという偏見が当方にはある。 エイ!と気合を入れて読んでみた。やはり覗きがまさった。 ところがこの世界、推理仕立て、キャラの絶妙な配備もあって一気に読めた。 おもしろかった! もちろん、物足りないところがある。なぜか、生徒たちとの絡みがほとんどないのだ。 だから、だから読めたのだろう。やはり作者の勝ちだ! 何がおもしろかったのか。同僚というか、赴任した中学校の職員室の教師どもの描写、学校の不思議な制度、習慣が良く描かれていたのだ。 「この人、よく取材しているけれど、ひょっとして情報提供者に教員がいるのかな」と思えるほどリアルなのだが、反面、学校の主人公ともいうべき生徒たちとの絡みが全然ないのだ。よい子ばかりのクラスをあてがわれたといって巧みに今どきの生徒の描写を避けたのは、情報提供者に10代の子を獲得できなかったからなのだろうか。 おかげで、この小説は「大人向け」になった。たしかに主人公は巨乳好きで風俗に出入りするのでは、子どもに読まれては困るだろう。そういえば掲載雑誌が「問題小説」だった。逆に言えば、そのわりには性描写はおとなしすぎるくらいだ。 | ||||
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おそらく熊谷さんの経験した保険会社社員と教員の時の背景を基に書かれた小説だと思います。面白いのですが、やはり邂逅の森のような内容を望んでしまう熊谷ファンも多いと思う。また登場する探偵が、奥田英朗の精神科医の伊良部をまねしたみたいなキャラなのが気になります | ||||
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民間企業を退職して40代ではじめて教員になった主人公が、 学校という「社会の常識がまったく通用しない場所」で奮闘する姿を描いています。 学校が舞台の作品なのに、驚くべきことに生徒との絡みはほとんどありません。 あくまで職員室での人間関係や教師の仕事の裏側を描くのがメインのようです。 それにしても、教師の裏側を知ることができて目からウロコ! 修学旅行には先生達のこんな隠れた苦労があったとは! 学生時代に気づいていてもおかしくないはずなのに、 私には先生という仕事の表面的なものしかみえてなかった。 意外な面がのぞけて興味深いお話でした。 しかし、主人公に陰で嫌がらせをし、陥れようとする人がいて、 犯人探しの推理小説になっていく後半はどうなのかなぁ・・・。 探偵のキャラクターだけが妙に浮いていて、 話が期待とは違う方向にそれていってるような気がしました。 もっとこう真摯に現代の学校システムを斬るような流れの作品であってほしかった。 熊谷達也さんとは思えないほど軽い! 奥田英朗さんっぽい雰囲気がありました。 | ||||
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熊谷作品は私はまたぎのシリーズが好みなので、あまりの違いにちょっとびっくりしました。自分も教員なのでこんなふうに教員の職業を書いてくれているのはちょっとうれしい。まるで見てきたようだなと感じました。が、まじめな私としても、主人公がほとんど生徒に目が向かないのは(途中、生徒には問題がないからと言い訳していましたが)どうかと思いました。要は作者が「教師の世界」を書くために書いた作品なんだと理解していますが‥‥。 出てくる探偵が、奥田英朗の精神科医をまねたみたいなキャラなので、もう一工夫ほしい感じがしました。主人公も思い込みが激しく洞察力がなさすぎる。この作品は作者が書きたくて書いたのか、作品の幅を広げるためにむりやり書かされたのか、と感じるほど違和感がありました。 で、推理のオチですが、私は途中で犯人がわかってしまいました。同業者だからかな? | ||||
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文中にもあるけど、「隣の庭は良く見えるもので!」 あれじゃ、自分のスキルなんて上げる暇がないねぇ。 県庁さんも先生も、民間もみんな同じということでしょうか。 「仕事ができるヤツが地獄、できないヤツは天国」 それにしても、推理小説だとは思わなかった。 熊谷作品は「邂逅の森」「荒蝦夷 」など重いモノしか読んでいなかったんで、スピード感があって、軽いノリのこの本は中々楽しいです。 | ||||
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この小説は推理小説として楽しめるだけでなく、中学校教師とはどんな仕事かがわかる小説です。本や雑誌には載っていない、授業以外のディープな業務がわかります。この4月から中学校教師になる人、またはなろうと考えている人には、一読をお薦めします。 | ||||
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熊谷さんの作品にレビューを書くのは初めてですが、いつも気になって読ませていただいており、その取材力の凄さに圧倒されていました。 今回は話題に事欠かない教育問題でも取り上げられているのかと期待しながら読ませていただきましたがあてが外れて少し残念な気がします。 今はやりの民間からの教育現場への登用という題材に、私立探偵が絡んで物語が進行しますが、どれも今ひとつ盛り上がりに欠けている様に感じました。 しいて言うなら、最後はやはり子供と真剣に向き合わなければならないと言う事に教師が気付いて立ち向かおうとする姿勢がみてとれた事が救いだったと思います。 | ||||
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