潮の音、空の青、海の詩
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この物語の主人公は、元学級委員の川島聡太である。 今回、初めて震災を全面に持ってきた。著者も覚悟を決めて踏み込んだのだろう。決して楽しいストーリーではない。しかし、震災の状況がよくわかる。仙河海シリーズとしては避けては通れない、いや、テーマそのものの話である。 昆野笑子(えみこ)と息子祐人(ひろと) 早坂希、上村奈津子、これまでの人物が再会する。 この本で一番興味深かったのが、2060年の話「空の青」である。菅原優人の孫、菅原呼人(よひと)と川島聡太のストーリーは、空想でありながら、これからの仙河海の未来を想像させる。 呼人は、過去との通信に成功したのだろうか。笑子の息子の名前がいつの間にか祐人から呼人にすりかわって終わるところにその希望が見える。 | ||||
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仙河海シリーズ(宮城県気仙沼市をモデルにした架空の町を舞台にしている、大震災の前と後の人々を描いた群像劇)の第四弾。 四弾目にして今回初めて、大震災そのものを描いた。しかし、始まりは仙台から。津波の瞬間そのものを、主人公に語らせてはいない。それから、故郷に戻るために仙河海に戻り、その時に目にした変わり果てた故郷の姿の描写は、仙台在住の正に作者の体験が反映しているのだと思う。 そういう形で、かなりリアルな小説が続いたかと思いきや、真ん中の章は一挙に2060年に移る。そこで描かれる未来の仙河海市の状況は少なからずショックだった。アウターライズ大地震という地震のことは実は知らなかった。核廃棄物最終処分場誘致を含む巨大公共事業によってしか、小さい街仙河海市が生き残れないという。その未来を変えるために、著者が胸を痛めていることもわかった。小説としてはかなり変形だけど、著者が書かずにはおられなかった気持ちも、最後でわかる。 かなり気になっていた「微睡みの海」の笑子と祐樹のあの後の運命も分かってよかった。 2017年9月19日読了 | ||||
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宮城県気仙沼市をモデルにした仙河海(せんがうみ)市が主な舞台の長編で、東日本大震災後を生きる人々が丁寧に描かれている。 本書は3部構成。 第1部「潮の音」は、仙台市の予備校で被災した予備校講師の川島聡太が、震災直後の物資不足を切り抜け、行方がわからなくなった両親を探しに故郷の仙河海市に戻り、必然的に30数年間の人生を内省する。 第2部「空の青」の時代設定は2060年。巨大な防潮堤に囲まれた未来の仙河海市で、9歳の菅原呼人が謎の老人と出会い、いかにして地震を、そして津波を克服するかを、なかばSF的な発想で、しかし真剣に語り合う。 第3部「海の詩」は、震災発生から3年が経過するのを目前に、川島聡太を始め、彼の同級生たちや仙河海市民の消息が語られる。 460頁。本書は、現在を生きる僕たちが人間の限界を静かに受け止め、いかにして自然と付き合い、未来を生きる人々へバトンを繋ぐべきかを考えさせ、祈りにも似た読後感をもたらす。具体的な示唆に富んでいるわけではないが、心構えとして読んでおくべき作品だと思う。 また、仙河海市を舞台にした作品は、本書以外にも何冊か刊行されているが、予備知識がなくとも問題なく読めるよう書かれている。 | ||||
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新聞連載小説です。 ここでは早々と希さんが登場しますが、同じ陸上部の奈津子さんが出てきたのも嬉しかったですね。 被災当時の仙河海市の状況が詳しく描かれていますが、観光で一度しか訪れたことのない私にとっては 位置関係が良く判りませんでしたので、地図を描いていただくとか地図の栞を入れて頂くとかの工夫を して欲しかったと思います。 二部では、防潮堤に関する問題提起をされていますが、被災地の住民の方々にとっては難しい問題だと 思います。県側がもっと住民の意見を汲み入れる姿勢に立っていただきたいものです。 三部では、「微睡みの海」に出てきた美術教師が登場しましたが、嬉しかったですね。 ラストシーンは、笑子さんが過去を断ち切るために子供の名前を変えたんでしょうね? イメージの膨らむラストでした。 | ||||
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