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(短編集)

山背郷



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【この小説が収録されている参考書籍】
山背郷
山背郷 (集英社文庫)

山背郷の評価: 4.65/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.65pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(4pt)

私の幼稚園の先生が、結婚のために乗った洞爺丸が……。

山背(東北に冷害をもたらす北東風)が吹き付ける自然と闘いながら生きるマタギ(猟師)や、日本海難史上最悪となった洞爺丸沈没事故で遺体の収容に力を尽くす潜水夫師弟を描いた力作等珠玉の9編。
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No.16:
(4pt)

東北の男たち

現代人が忘れかけた「生」の豊饒さと力強さを謳う9編の短編集。
これを膨らませた9冊の小説を読みたい。
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No.15:
(3pt)

短編集で読みやすい内容ですが

短編集なので読みやすい本ですが、盛り上がりに欠けるものが多い気がしました。
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No.14:
(5pt)

力強くも繊細な描写が魅力的

『ひらた船』での決死の脱出シーンや『川崎船』の「場トリ」は手に汗握るほどに迫力満点だし、『潜りさま』で見せる主人公の再起や『御犬殿』で少年が将来の進路を決意するシーンには静かな力強さを見せる。『メリイ』の写真を眺めて少年時代を回顧するくだりはとても素敵だ。

強大な自然を描くことで人の弱さを語り、また同時に人の強さを語ることで自然の懐の大きさを描くような、そんな物語が詰まっている。全体的に力強くも力みのない、迫力あるが静かな美しさをも伴った描写が魅力的。
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No.13:
(5pt)

吸い込まれていく

マタギの厳しい生活や狩の様子が手にとるようにわかり物語に吸い込まれていく。
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No.12:
(5pt)

情景が目に浮かぶ

9つの短編からなる物語。

短編だが、どの作品も読んだ後は、物足りない感じはなく、むしろ短編小説の完成度の高さに満足感さえ覚える。

最初の「潜りさま」から、読者はぐいぐい物語の中に吸い込まれていくだろう。

今私達は、潜りさまという言葉も知らなければどんなことをする人なのかもわからない。

読み進むうちに情景が目に浮かんできて、自然を相手に生きる人々の実態と感情の機微が織りなす人間模様が巧妙に表現されている。

著者の作品は、自然と向き合う人間の生きざまを描くものが多いのは周知のことであるが、時代に注目してみると、昭和初期の戦前から戦後の混乱期の中でもがき、奮闘する人々を描いているものが特にインパクトが強いように思われる。そこには戦後の我々が忘れている身体感覚のようなものが生き生きと描き出されているからかもしれない。

山背郷は、機械化が進んで便利になった私たちの生活の中で忘れかけている身体感覚を呼び覚ましてくれ、また自然相手に力強く生きている人々の物語を圧倒的な臨場感で感じさせてくれる傑作集ではないだろうか。
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No.11:
(4pt)

昔こういう人たちがいたのだ

短編にもかかわらず、尻切れトンボ的な不満が無い。どれも面白い!
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No.10:
(5pt)

文句なし5つ星

熊谷達也の作品であることに何らかの期待をして手にした私のような読者にとって文句なし5つ星!期待を裏切りません。というかそれ以上です。最高です。熊谷氏の作品を読んでない人にも、「まんず、よんでみれ」と勧めたくなります。因みに私は九州人です。
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No.9:
(5pt)

生きるってすごい。

いやはや、バブル期生まれの僕とはまったく違う生き方ですわ。

狭小な人生観をほぐしてくれる生き様の数々。

東北の人々は強い。
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No.8:
(4pt)

個人的には吉村◎、熊谷○

他のレビュアーの方々も書かれているように、密度が濃く、メッセージ性に富んだ秀作ぞろいの短編集だと思います。
 しかしながら、本書における北日本・動物・厳しい自然・貧しい生活・登場人物の矜持ある生き様といったモチーフについては、吉村昭氏という先達がいます。映画化されておかしくなっちゃった (^_^;) 「うなぎ(文庫「海馬」に収録)」を含めた吉村短編群とこの「山背郷」を、意識せずにはいられません。また、短編だけでなく、熊谷氏の「邂逅の森」や「漂泊の牙」と、吉村氏の珠玉の名作「羆嵐」も然り。もちろん、題材は重なっていても、それらをどのように表現し、ストーリーを展開して作家としての魂を込めているか、共に心を揺さぶる名作ぞろいなので読み比べてみるのもご一興でしょう。
 熊谷氏の方が、ハートウォーミングな傾向がやや強いかな。
 なお、方言に関してはご愛嬌ということで。東北は、山1つ越えると言葉が違いますから。
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No.7:
(5pt)

死と隣り合わせの生活

◆2000年から2001年にかけ、文芸誌に掲載された9編を加筆訂正 してまとめた本である。
明治末から大正にかけて生れた人々が第二次大戦を生きのび、終戦後それぞれの仕事が次第に肉体的にきつくなっきた頃を描いたものが多い。
登場するのは、潜水夫、マタギ、水運業の夫婦、漁師など、「自分の 体」で生計をたてている人々である。
戦争後も死と隣り合わせの生活をしていくという共通点がある。
古臭い言い方だが、それぞれの「生き様」を力強い文章で綴ってい る。
風の冷たさ、雪の冷たさ、水の冷たさ、体の痛みが伝わってくるよう な清冽な9編である。
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No.6:
(5pt)

読み応えのある作品

いつもきまった作家の作品ばかり手にとってしまう。たまには新しい作家にも目を向けないとと思い、大好きな山本周五郎賞を受賞した作品ということで、手に取った。
同賞を受賞した作品のすべてを読んだわけではないが、
久々に読み応えある作品にめぐり合えた、という満足感がのこる。
ストーリー展開やモチーフの面白さはもちろん秀逸。
しかし、それだけにとどまらない、あくまでも人間に焦点をあてた物語展開、どんどん主人公の生き方にひきこまれていく。山本賞にふさわしい作品だと心から納得。
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No.5:
(5pt)

心にズシリとくる傑作短編集!

明治から昭和にかけての東北地方の寒村を舞台に、豊かだが厳しい自然に対峙する人々の姿を描いた珠玉の短編集。東北弁の豊かな語り、圧倒的な情景描写、感動的でしばしば清々しいストーリーと、非のうちどころがない。読書の醍醐味とは、このような本を読んだあとに感じるものだとつくづく知らされた。文句なく星5つ。全9編中、あえてベスト3をあげると、
 『御犬殿』。寒村の少年と絶滅したオオカミを探しに東京の大学から訪れた大学講師との交流が温かい。読後、清々しい青春短編小説。
 『ひらた船』。老夫婦のつましい日常生活と荒々しい自然の猛威の対比が刹那く、悲しい。
 『川崎船』。タラ漁にかける親子のドラマを通じ、少年の成長が感動的な結末を迎える。
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No.4:
(5pt)

真の人間のつよさ

自然の圧倒的な強さを感じると同時に
それに対する人間の脆さを感じる作品集.
しかし,読んでいくにつれ,
自然にはかなわないと悟りつつ畏怖や葛藤を抱えながら,
それでもなお自然と懸命に対峙する人間の強さをヒシヒシと感じました.
非常に切迫した場面描写が多いため,
やや心臓の弱めな自分はドキドキし過ぎて
何度も本を閉じようと思ってしまいました.
決して幸福な終わり方のものばかりではないのですが,
主人公達はその運命を受け入れていくため,
読後感はさわやかだと思いました.
現実では失われつつある真の人間の強さ
見出す事が出来る作品だと思いました.
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No.3:
(5pt)

作家の誕生

一人の得がたい作家が誕生した。解説で池上冬樹氏がこの魅力的な短編群が生まれた経緯をるる述べているが、今回は氏の説に全面的に賛成する。熊谷達也はこの短編群でひと皮剥けたのだ。
熊谷達也のデビュー作「ウエンカムイの爪」は、フレッシュな面もあったが、中盤のたるみ等、まだまだという感じがあった。しかしこれは違った。描写の緻密さ、浮き上がる人物像、「失われた、自然と人間との関係・闘い」というテーマの普遍性、唸る事しばしば。たった四年ほどで作家というものはこれほどまでに成長するのだ、と嫉妬さえ覚えた。
特に私は『潜りさま』『メリィ』『川崎船』がお気に入り。
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No.2:
(5pt)

東北に生まれたことを誇りに思う。

東北の海に生きる者、山に生きる者、東北に生きる動物に焦点をあわせた短編集。異境といわれた東北で、大自然の中で人間は本当に豊かに生きてきた。東北に生まれたことを誇りに思える物語である。
本文中で話される東北の「訛り」がまた綺麗に表現されている。豊かな感情がひしひしと伝わってくるのである。
また一人私を虜にする作家を見つける事が出来た。
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No.1:
(5pt)

作者の真骨頂

『邂逅の森』で直木賞を受賞した作者による短編集。素晴らしい。主に戦後まもなくの時代を舞台に、マタギや漁民たちの姿を描く。
 この時代、そして自然に生きる人間たちのからだと言葉から、凄みが伝わってくる。ついこの前の時代なのに、もはや失われようとしている種類の人間たち。そこには厳しい自然に鍛えられた強靭な肉体と意志、そして心の温さ、素直さと、畏怖の念がある。
 1958年生まれの作者だが、風俗から、人間の内面にまでいたる細かい筆致は、見事な記録文学といってもおかしくない。硬質な文体の中に浮かび上がる登場人物たちの生き生きとした姿に、、自然の中に生きる人間への憧憬と愛情をかきたてられた。
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