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egut さんのレビュー一覧

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レビュー数745

全745件 681~700 35/38ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.65:

吉村達也

No.65:
(1pt)

鼻の感想

教訓が1つのテーマになっていますが、
何も残らず読み終わりました。
吉村達也 についてのレビュー
No.64:
(7pt)

君の瞳に恋してるの感想

不倫相手の女性が整形手術をする事をきっかけに、
その女性と主人公の心理模様が楽しめた作品。

奇妙な後味で終わる結末がとても良いと感じました。
吉村達也君の瞳に恋してる についてのレビュー
No.63:
(6pt)

時計台は語るの感想

円形に席順が描かれた謎を時計台のヒラメキから解決する訳ですが、
そもそもこの席順表自体の違和感が気になって楽しめませんでした。
ただ、あらすじで最初に述べられている、ラストの衝撃の真相は好みです。
吉村達也時計台は語る についてのレビュー
No.62:
(3pt)

お楽しみはこれまでだの感想

小説中のつまらないトリックを書いた作家に対して
担当編集がお断りを入れる所から奇妙な物語は始まります。

やはり一発ネタですね。

▼以下、ネタバレ感想
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吉村達也お楽しみはこれまでだ についてのレビュー
No.61:
(5pt)

ダイヤモンド殺人事件の感想

表題のダイヤモンドは短編が6つだから名づけられたタイトルです。
一発ネタを奇妙な物語として仕立てられており、
お手軽なサスペンス物でした。

あらすじにある、衝撃のどんでん返しというのは
どれにも感じられませんでしたが、
全ての作品には裏の動きがあり、
最後の数行にそれは何であったか明かされる謎は、
それとなく楽しめました。
ダイヤモンド殺人事件 (講談社文庫)
吉村達也ダイヤモンド殺人事件 についてのレビュー
No.60:
(5pt)

ニュートンの密室の感想

円筒オブジェクトの中での密室物。

密室トリックはとても単純で盲点的な内容ではありますが、
あまり良いものではなく、面白味に欠けました。

が、そもそも仕掛けは二の次であり、
テーマは、
他殺と判っているのに密室にする必要があるのか?
です。

その解答や犯人の動機は歪んでいて、
本作らしい内容でした。

▼以下、ネタバレ感想
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ニュートンの密室 (講談社文庫)
吉村達也ニュートンの密室 についてのレビュー
No.59: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

トリック狂殺人事件の感想

意外な犯人や事件に仕掛けられたトリックの手法は
古い作品と言う事もあり驚きは少ない。

ただ、そうは言っても
こういうお手軽な推理モノは大変好みです。

「トリック卿」という犯人の俗称や
雪の山荘のクローズド・サークル内で起きた
氷付けの死体や人間消失などのコテコテの謎は読んでて面白い。

この雰囲気の作品は現代では出版されにくいのもあり、
この時代の作品ならではの良さを感じました。

▼以下、ネタバレ感想
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トリック狂殺人事件 (光文社文庫)
吉村達也トリック狂殺人事件 についてのレビュー
No.58: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

解釈の多様性と探偵問題

表紙の雰囲気が素晴らしいですね。
まずそう感じました。

素人探偵みかげの口から
探偵の存在についての力強いメッセージを受け、
ミステリにおける探偵とは何か?
真相とは何か?
を考えさせる内容だったと感じました。

実は、本書の結末は1つの解答例なだけで、
夏冬や神様ゲームのように
裏の真実を描ける麻耶雄嵩ならではの別の真相があるんじゃないか?
と深読みしてしまう作品でした。

探偵が語る真相が真実ではない。
本書の解答も真実ではない。

読み終わってから自分で真実を探る。
そんな麻耶雄嵩の魅力が本書でも感じました。

▼以下、ネタバレ感想
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隻眼の少女
麻耶雄嵩隻眼の少女 についてのレビュー
No.57:
(2pt)

怖いもの見たさで読みました

「本年度最低傑作」で検索すると出てくる作品。

最低だけど傑作。
翻訳を担当した大森望のキャッチコピーですが、
良い意味でこれはとてもしっくりきます。

ミステリでもなんでもない、
エログロバイオレンスしかない小説。

好みではない作品なので、
点数低いのですが、こう言う作品もあるんだというネタで読了。

悪趣味で安っぽさをあえて突き詰めたB級センス。

野獣館の殺人事件の真相や野獣の正体、
殺人鬼ロイとの対決など、
これらの事件が最後どうなるかが興味津々。

ですが、読み終わってみれば、
あまりのオチに唖然としてしまいました。
違う意味で衝撃度が高い作品。

低俗な内容ではありますが、
その方向に突き抜けた作品である事は確か。

中途半端な不満が残るのではなく、
不満事項が多すぎて逆に失笑してしまう。
印象だけはとても残る本です。


殺戮の「野獣館」 (扶桑社ミステリー)
リチャード・レイモン殺戮の「野獣館」 についてのレビュー
No.56:
(6pt)

著者らしい、ひねくれ作品

UMAが出てくる非現実感は
他の著者の作品を予め読んでいた事もあり、
気にせず読む事ができました。

むしろこの怪物たちの情報が
どのように扱われるかに期待をして読み進めました。

雪の山荘に閉じ込められた面々が
それぞれが何かに変身できる能力を匂わせます。
いったいどんな話に落ち着くのか想像できませんでした。

あらすじにある
『僕は自分が犯人ではないことを知っている。
 それを突きとめられないなら、全部殺してしまえばいい』

から感じる話のイメージとは全く違うものでしたが、
ひねくれたラストは中々面白いなと思いました。

それにしても飛鳥部作品はとても個性的です。
著者名知らずに読んでも氏の作品だとわかる気がしました。

▼以下、ネタバレ感想
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ラミア虐殺 (光文社文庫)
飛鳥部勝則ラミア虐殺 についてのレビュー
No.55: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

文体から感じるスパイの厳しさ

死ぬ事、殺す事は最悪の出来事。
馬鹿か貴様は。スパイは孤独だ。自分で判断しろ。
と、何度も繰り返されるスパイの規律。
そのスパイを養成する結城中佐の存在が不気味で圧巻。
読中に出てくる"魔王"の言葉がしっくりきます。

プロットの良さはもちろんの事、
これらを引き立てる硬質な文体がとても良いです。

長編ではなく短編集ですが
この緊張感溢れる文章を読むには
短編で一呼吸おけるこの文章量がとても丁度良いと感じました。

短編とはいえ、1つ1つがとても良くできています。
相手の先の先の先までよんで静かなる行動を遂行するスパイ。
常識を超えた者たちの行動や真相に驚かされました。

作品の中では「ロビンソン」が一品。
真相にゾクっと来ました。

ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
柳広司ジョーカー・ゲーム についてのレビュー
No.54: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

爽快な誘拐物語

著者は関わる皆を大切にする刀自同様、
本書にでてくる人々をとても大切に温かく描いているのが印象的です。

ミステリの特性から事件を扱うにも関わらず、
すべてが気持ち良く丸く収まる様は本当に気持ち良い。

おばあちゃんが本当に良いキャラしてます。
価値観や物の考え方を伝えるインプット&アウトプット。
凛とした振る舞いの裏に見えた内なる悩み。
おばあちゃんが本当に魅力的でした。

なかなかの活劇で傑作です。
大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)
天藤真大誘拐 についてのレビュー
No.53: 8人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

演出家 深水黎一郎によるニーベルングの指輪

シリーズの2作目の『トスカの接吻』に書かれていましたが、
オペラの舞台は演出家の善し悪しで好みが決まる所があります。
その演出は定説通りの台本ではなく、解釈の多様性もありだと思われています。

本書はワーグナーのニーベルングの指輪を下敷きにしており、
北欧神話にでる「巫女の予言」を婆さんで表現した所から始まり、
藤枝和行をジークフリートと模した演出から乙女の存在、
最後の印象的な場面に至るまでオペラの内容を事細かく習って活用しています。

なので、これはもはや解釈の多様性を用いた
『現代版のニーベルングの指輪』を
著者は演出家として作り上げてしまったんだと感じました。

本書はミステリのジャンルでありながら、
ミステリの要素を表に出さずにオペラ歌手藤枝和行を視点とした
オペラの舞台裏の物語になります。

この"舞台裏"という所が自分が感じたこの本の主たる印象で、
よくあるミステリに期待するものとは大きく外れた点が
ミステリではないのに凄い作品だと気に入った所であります。

ミステリの要素とも言うべきロジックやトリックというものを
舞台裏に追いやってしまっており、
表に出すものと裏に追いやるモノの強調が逆になっているのも面白いです。

言いかえると分かり辛くとても捻くれた内容で、
期待するものが違うと肩透かしを食らうと思いますが、
その作り方の完成度はとても高く感じられ自分には圧巻の作品でした。

細かい事はネタバレで。

▼以下、ネタバレ感想
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ジークフリートの剣 (講談社文庫)
深水黎一郎ジークフリートの剣 についてのレビュー
No.52: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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セカンド・ラブの感想

タイトルや帯から感じる通り、
イニシエーションラブの様な作品を求めている人への本です。

なので当然、前作のように何か一筋縄ではいかない
仕掛けを感じながら本を読むことになるので
期待値に答えられるかというプレッシャーをかけた意気込みを感じます。

ですが、ネタバレで書きますが伏線の張り方の巧妙さが
今回見られなかったのが残念です。

ただこれは前作が良かっただけに、
期待と比較によって生まれてしまう欲求なだけで、
この本単体としては、とても面白く読めた事は確かでした。

▼以下、ネタバレ感想
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セカンド・ラブ (文春文庫)
乾くるみセカンド・ラブ についてのレビュー
No.51:
(9pt)

クリスマスネタで雪の山荘もの

ノベルス版「雪と魔術と殺人と」の改稿版、
「北斗の星」殺人事件を読みました。

ゲレンデのスピーカーから突如鳴らされたジングルベルの音楽と共に
サンタクロースの帽子を被ったロウ人形の首が現れる。

異様な雰囲気で始まる雪の山荘物です。

90年代始めのころの本書。
世の中オカルトが流行っていたのもあり、
悪霊が人に乗り移り、勝手に手が動き出してしまう所など、
今読むと首をかしげてしまうシーンが現れます。

が、第2、第3の非現実すぎる出来事が続き、
一体どんな真相なのか。まとまるのか?と不安になりますが、
ラストの真相はなるほどと納得。

なかなか面白かったです。

▼以下、ネタバレ感想
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「北斗の星」殺人事件 (徳間文庫)
No.50: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

コテコテの雪の山荘もの

本を開いた最初のページに『読者への挑戦』があります。
目次や本のタイトルよりもまず『読者への挑戦』がある挑発的な構成に驚きました。

そして、『雪の山荘』の定番要素、
吹雪による、クローズド・サークル。連続殺人、雪の足跡問題、手口の違う殺人
などが豊富に盛り込まれているのも好みです。

新しさは見えないかもしれない。
でもそんな定番とも言えるコテコテな本格が好きな自分は中々楽しめました。

が、探偵の魅力や説明具合からなのか、
納得できて楽しめた真相に魅力が残らず、
ラスト失速してしまった印象でした。

とはいえ、やはり真相は凄いの一言。

▼以下、ネタバレ感想
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屍(し)の命題 (ミステリー・リーグ)
門前典之屍の命題 についてのレビュー
No.49: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

とんでもないな・・・

前作同様、ぐちゃぐちゃのエログロなので、
推理作家協会賞受賞しているとはいえ耐性がある人向け。

子供の無邪気さ残酷さがそのまま大人になってやりたい事をしている感じで、
気持ち悪い所は気持ち悪く、でもユーモアを忘れずそんなに気が重くならない
絶妙な危ないバランスがとても気持ち良い。
富蔵のエールのシーンとかもう、良い意味で変態です。
乱暴な会話文と言い回しのセンスが今作も凄いなと思いました。

ハチャメチャな話なのですが、
最後に一気に物語を収束させたのが圧巻。

前作の髑髏の様な扱いを感じた
本編と外れた美樹夫のナムールの物語がいろんな意味で面白い。
単純に小説の伏線と捉えたり、蟲の気持ち悪さの雰囲気作り、
深読みして人種差別を感じられたりなどなど、、、
エログロのインパクトの裏側に作られている土台がすごい。

とんでもない本だなと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
飴村行粘膜蜥蜴 についてのレビュー
No.48: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

世界観に楽しく浸れました

剣と魔法の世界に君臨する圧倒的な存在である不死身の竜が刺殺されてしまった。
誰がどうやって?何のために……。

全体を通してRPGをしているような旅のお話。
旅の目的は竜事件の真相解明の為、事件前に竜に会ったとされる容疑者達に会いに行く事です。

容疑者1人毎に章が設けられていますが、
その各エピソードがそれぞれ面白く、
個性的なキャラクターやファンタジーの世界観に楽しく浸れました。

普段ファンタジー物を読まないのもありますが、
コテコテな展開なので分かりやすく気軽に読めたのもよかったです。

この旅の雰囲気に竜が殺されたという、
世界観ならではの不可能犯罪が足され、
先が気になり一気読みでした。

あんまりミステリに拘ると肩透かしをくらう恐れがあるので、
世界観に浸る気軽な気持ちで読んでもらいたい1冊でした。

とはいえ、なかなかの伏線の入れ方と真相でした。
シリーズ物なので他のも読んでみたいと思いました。

(真相でおかしいなと感じる所があったのですが、それはネタバレで)

▼以下、ネタバレ感想
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殺竜事件 a case of dragonslayer (講談社タイガ)
上遠野浩平殺竜事件-a case of dragonslayer についてのレビュー
No.47:
(5pt)

なんというか、、、強烈です。

好みの問題で点数は低めですが、作品は強烈なインパクトです。

これが"飛鳥部勝則"だと言わんばかりの、他では味わえない個性的な本でした。
"オカルト"や"怪奇"という言葉だとしっくりこない。
他の方が述べてますが"キワモノ"と言われるとなるほど。と思う小説でした。

登場する人物たち、建物の奇傾城、その他もろもろ、
いつ崩壊してもおかしくないアンバランスなモノが
印象的に数多く出てきます。

微妙な均衡で今まで存在していたものたちが、
女子高生の示門黒との関わりをきっかけに、
より狂いが強調されていってしまった……。
(ブラックホールのように闇を集められた感じ……)

ミステリ的な仕掛けを気にするよりも、
読み終わった最初の印象はそんな感じで、
黒を取り巻く闇が印象的でした。

肉体や精神的な崩壊。
小説枠の崩壊。
(崩壊というより異形への変化?)
なんかガラガラと色々な物が崩れた印象。

序盤は落ち着いて、ゆったりとした雰囲気だったのに
後半は急加速してどこかへ突き抜けてしまった勢いで、
とても唖然とさせられました。

黒と愛 (ハヤカワ・ミステリワールド)
飛鳥部勝則黒と愛 についてのレビュー
No.46: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

禁じ手の妙

蛭(ヒル)女というなんとも陰鬱な雰囲気を感じさせる作中作のタイトル。
蛭女の書の中では孤島に閉じ込められた女子高生たちが殺人事件に巻き込まれていきます。

孤島の雰囲気と日本家屋が舞台の密室殺人。
現場の廊下に残された蛭の徘徊を思わせる濡れた足跡の存在など。

本格物の舞台設定とホラーの妖しさを足した
コテコテの舞台がとてもワクワクしました。

とはいえ、
ガチガチのミステリと言うわけではなく、
バカミスと言われても仕方がないニヤリと失笑するトリックが出てきたり、
嫌な気分になる陰鬱な心情を読ませるシーンなど、
色々な要素が絶妙なバランスで構成されている作品と言う印象でした。

作品全体を通して実現した大仕掛けがありますが、
これはこのアンバランスさで
禁じ手を、禁じ手と思わせない世界観を作り、
読者が許容できる不確かさの敷居を下げて実現されたのではないかと感じました。


事情がある本書ではありますが、
そのまま埋もれてしまうには勿体無い仕掛けと
魅力に溢れた作品だと思いました。


▼以下、ネタバレ感想
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誰のための綾織 (ミステリー・リーグ)
飛鳥部勝則誰のための綾織 についてのレビュー