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掏摸
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掏摸の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全144件 61~80 4/8ページ
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クソみたいな小説。 思い上がった中学生が漫画とかで読んでかっこよいと感じた雰囲気をベースに、 小説を書いてみたんだろうという感じ。 スリをする場面の描写は、頑張って書いたんだなーと思ったけれど、 万引きをする親子を見かけて、その子供に感情移入して助けることになることとか、 自分で無意識にスリを働いてしまうことがある描写とか、 意識の中に巨大な鉄塔が見えることとか、 裏世界の権力者に強制的に仕事をさせられることとか、 ストーリーとしてバラバラで、何か最後に纏まりがあるんだろうと思って読み進めたが、何にも無い。 怒りが湧いた。 文体自体も稚拙だし、鼻に付くのでムカムカする。 その結果何にも無いってのは、どいいうことなのか? 文藝春秋の書評で、ロシア文学者の亀山という人が、 「『掏摸(すり)』は、今後これ以上のものが書けるのかと思わせるほどの傑作でした。」といっていた。 詳しく説明してほしい。 | ||||
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スリの鮮やかな手口や主人公を操ろうとする裏社会の不気味さは伝わってきますが、登場人物やストーリーの展開にあまり魅力は感じませんでした。主人公が知り合った少年の行く末を案じる心情描写が度々折り込まれ、題材がら、陰気になりかねない物語に温かみを添えている感じでした。 | ||||
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東京を舞台としたアウトローな闇社会での犯罪。 スリの細かい描写がとても印象的で、こんな社会にいながらも子供に対する接し方が絶妙で読んでよかった。 2017.1.8 読了11冊目 | ||||
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初期の作品からは、すっかり文体も変わり、作品の内容もエンターテイメント的になっている。 | ||||
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大江健三郎賞受賞、海外での評価が高い、という出版社の謳い文句にまんまとハマり、初めて中村文則さんの作品を読んでみました。 正直、期待はずれで、これは『名探偵コナン』か?とまで感じました。 スリに対して万能な才能を持つ主人公は、天才型で不可能がないコナン。 衒学的で自身の言葉に陶酔しながら、小説のテーマを延々と台詞で"説明"してくれる親切な敵役は、黒ずくめの男ジン。 終始、少年漫画のような幼稚さやあざとさを感じます。 過去のスリ師に対する描写に至っては唐突なため不自然になり、資料をそのまま書き写したような印象すら受けます。 スリ=他者の占有物を一方的に奪う=ギリシア神話や旧約聖書で見られるような、自分勝手な神々が人類に一方的に干渉し、不条理にもてあそぶ。というのが今作品の主題らしいのですが、親切にも全て登場人物が台詞で説明してくれます。 「学校の先生かっ!!」と思わずツッコミを入れたくなりました。 | ||||
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著者の作品を読んだのは本作が初めて。 主人公は天才的なスリ師。第2章、電車で痴漢を発見した彼はこう思う。「このような男には、二種類あ」り、それは「性的に変質の傾向のある普通の人間と、変質に自身が飲み込まれ、現実と変質の境界が曖昧になり、それが全てとなるほどに浸食された人間。」 無意識のうちにスリを行ってしまうこともある主人公は後者の範疇に入るのだろうか。 作品の中で何度か「塔」の記憶やイメージが語られる。常にそこに立ち、主人公を見つめる美しい存在。だが、希望であったかもしれないその存在は、肯定も否定もせず聳える手の届かない絶対的存在であり、スリにのめり込んでいくうちに「塔」が見えることはなくなった。 “変質に自身が飲み込まれ”、意識的/無意識的にスリを繰り返す主人公は、世間に背を向けながらそれでも誰かと繋がりを感じていたいと思っている。昔の仲間や女を思い出したり、母親に万引きをさせられる子供に目をかけたり。 過去の行きがかりから主人公は裏社会で暗躍する男から仕事を依頼される。いや、抗うすべもなく仕事の成功を強要される。主人公を支配する絶対的な立場である男は思い通り人を動かすことに快楽を感じる。悪の衣を纏った「塔」のような存在。 失敗は死を意味する。男の描いた絵図面通りに動いて成功させても待っているのは死かもしれないが、運命に抗うことだけが生き残る道であるかのように困難な―天才的スリ師しかできないー仕事に挑む。 文中に「微か」という言葉が比較的多く出てくる。少しの誤差から運命が開けることもあるとでも言っているようだ。 最後の場面で主人公は絶望的な状況からポケットに入っていたコインを投げる。コインが誰かにあたれば自分に気づく。あたるか/あたらないかは少しの差。どちらになるかは読者の想像に委ねられている。生き続けようとしている男の姿に共感を覚えた私の想像は前者である。 | ||||
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淡々とクールに描かれています。 人物描写に物足りなさを感じる人がいるかもしれませんが、私はこのくらいが好みです。 姉妹作の王国を読みたくなりました。 | ||||
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とても綺麗な状態で、梱包も良かったです。また、何か機会がありましたら、お願いしたいです。 | ||||
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どんな本が良くって、どんな本がだめなのか 評価できるほどの文才は私にはありません。 ただ、自分には関係ない(と信じている)非常に暗いアンダーグランドな話ですが、 終盤のスリリングさと結末は読んで良かったと思えました。 | ||||
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やや抽象的な、観念的な表現に支配されていると思いますが それ程、鼻につかないところが、著者の人柄でしょうか。 | ||||
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最初から最後まで、物語の細部に至るまで全て面白かった。私にとっては文句の付け所のない面白さが一文字一文字に詰まってると言っても過言では無いような。面白い作品を読むと他の小説も読み尽くしたい気持ちになりますね。 | ||||
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空き巣グループから独立して東京を活動の場とするプロのスリ師。生死不明の昔の仲間を思い、淫売女とその息子を知る。希望の見えない日々に、とてつもなく大きな悪が接触し……。 人の生まれは、その後の彼の生態を縛り付けるのか。著者の答は是であり、思いは否である。 ・「時間には、濃淡があるだろ」(p27) ・「惨めさの中で、世界を笑った連中だ」(p87) 希望のある言葉だ。 ・13章、桐田のバッグから携帯電話を盗む描写力に唸らされた(p133)。時間を支配する意識とは、こういうものなのか。 支配する者とされる者。その複合的構造への叛逆こそ、生命力の源泉となる。そんな読後感を抱かせてくれた。 大江健三郎賞を受賞した本書は『土の中の子供』の衝撃こそないものの、間違いなく著者を代表する傑作と言えよう。 | ||||
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中村文則さんの作品を読むのは『何もかも憂鬱な夜に』に引き続き2作目でした。また続編の『王国』も読了してからこのレビューを書いています。率直な感想としては『何もかも憂鬱な夜に』に比べてエンターテイメント性が格段に上がったと感じました。掏摸のシーンの緊張感、木崎という人間の魅力など。特に繰り返し描かれる掏摸のシーンは緊張感があってよかったです。ただ『何もかも…』と比べると上手な小説という感じが拭えませんでした。内容的なことについて言及するならばメタファーとしての塔(王国ならば月)をもっと抽象的に徹底的に描いて欲しかったかなと思います。分量的には薄いので自分は1日で2冊とも読んでしまいました。そのせいもあってもっとどっぷりと浸かっていたかったなとも思います。『何もかも…』が何度も繰り返し繰り返し読みたいと思ったのに対し、こちらは暇つぶしに読むのにオススメという感じです。逆に言えばサラッと読めるので中村文則の作品を初めて読む人には読みやすくて自分に合うかどうか判断しやすいかもしれません。彼の小説はまだ3作しか読んだことがないのでそれらの共通点を抽出するのは早計かもしれませんが、一人称の描写が特徴的です。大して物語に関係しないものでも細かく描写され小説内の時間にも淀みやスキップが少ないので映像的ともいえるかもしれません。ただその点を持ってどの作品も似通っているという意見もあるようです。 星3つにしましたが、最近読んだ小説の中ではずば抜けて面白いです。面白いというのはエンターテイメントとして面白いというのと小説の中の世界が面白いというのが6:4ぐらいです。ただ何度も繰り返すようですが『何もかも…』が星5だったのに比べて相対的には星3つぐらいが妥当だろうという判断です。読んだことがない人にはまずオススメします。(読んだことがある人にはもちろんオススメしませんが笑) | ||||
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教団Xほどではないけどやはり気持ち悪くなったなぁ この人は「絶対的な悪」とか「不幸な運命」とか それに翻弄される人間の哀しさが ほんとうに好きなんだろうな すごく気持ち悪いけど 少し追いかけてみたい気もしてきた・・・ | ||||
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『悪と仮面のルール』がとても面白かったので、それに比べれば…ガッカリでした。 主人公はスリで、延々とスリをしています。ページ数も少ないので3時間ほどで読めます。そのわりには、「面倒そうに」とか「興味なさそうに」とかばっかりで負のオーラが酷く、結構読むのがしんどかったです。 権力者が弱者をまるでモノみたいに興味もなく面倒そうに喋ったり、命令したりするのがなんか、読んでいて飽きます。 誰に共感することもできず、とりあえず権力者が偉そうで。文章一つひとつは綺麗だと思いますが、あらすじや展開、登場人物は主観的になしです。 | ||||
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昔この賞縛りで手を出してみた作品・作家がいずれも胸のむかつくものばかりで(例えば東日本大震災を天罰扱いした障子の人とか)、芥川賞、というと、芸術は人情・倫理および一般常識を超越するものであり、草の根に生きる人たちの血と涙で築かれ痛みと共に受け継がれ往くものなど一顧だにしないという芸術信奉者を気取ったスノッブタの読み物であると思っていた。 この小説により完全に裏切られ、陳腐な言い方しかできないが、魂を掴まれ揺さぶられた。このような作家が今、ここ、この時代にいてくれることに感謝。一気読み必至。金融街の人でなしどもよりも、そいつらの作り出した闇の底であえぐ人たちにこそ読まれるべき、文章としてもストーリーとしても珠玉の一冊。ずっと手元に置いておくだろう。 | ||||
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善はリアリティがないが、悪はリアリティがある。 悪の所業を通じて人間の本質に迫ろうとした、大江健三郎賞の力作。 現代の風俗を巧みに取り入れるだけでなく、旧約聖書を背後に置いて重層的に圧倒的な描写力で書いている。 世界文学の水準に到達している。 | ||||
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運命に抗うスリ師を描いた作品。 いくつかのスリ描写はリアリティを感じさせてくれる。 なぜかよく分からないが、引き込まれ、一気に読みきってしまった。 とくにラストシーンと、それに至るまでの過程が秀逸。 全体を通して映像的で、映画を観ているような気分になった。 ある種の「生き辛さ」がある現代日本をうまく描写している。 哀しいが奥底に少しの温かさを感じる作品である。 | ||||
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絶対的な悪って、あるんですね~ 誰も勝てないと思います。 王国、買わねば! | ||||
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一気に読みました。小説は、一度に読んでこそ。と改めて気づかされました。 180P位で、一気に読むのに、丁度良い長さ。 話のまとまり、クライマックスへのもっていき方、その辺の構成が凄いと思いました。 基本的にスリの描写がメインで、それを取り巻く暴力的な世界。 というモチーフがメインになっています。 スリという暴力を伴わない犯罪が、どうそういう直接的な暴力の世界と結びついて・・・ とかは、今、書いていて思いましたが、後付けですね。 そういうまとめ方もできる。というだけで。 というよりも、短文で読み易く、スリの描写の具体性ゆえのスリリングさと、 小説的な抽象性のバランスが良く取れていて、 後は、前出しで、人物名を出すミステリー感など、、、 色々な工夫がされており、単純に面白くて、 良くできている。凄い。と思わせてくれる小説でした。 | ||||
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