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掏摸
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掏摸の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全144件 141~144 8/8ページ
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一本の映画を見ているよう。 スリが主人公だから 感情移入しないように気をつけて読んだがムリだった。 主人公は 自分で決めたキマリ事があるようで、それを守る。 金持ちしか狙わない。 取った財布は 心なく破棄することはしない。カード等は現金に換えようなどと試みない。 カモを、さげすんだり、うらやんだりと 余計なことは口にせず、発する言葉はムダなく短い為、キレ者の雰囲気。 身なりも良い。頭脳のスマートさが漂う。 (映画化になったら、俳優さんの声が気になるところ) 善良な老夫婦を狙ったシーンは、その後の 二人の落胆を想像せずにはいられなかった・・・が主人公はあくまでもクール。 「泥棒にも三分の道理」などでうかつに心許すことのないよう、用心しつつも、主人公が危ない依頼を受けた場面では、うまく切り抜けられるかハラハラ。 以前つながりのあった、石川という男がスッた一千万円の行方は、石川の性格の独特な一面を表しており、この男もどこか律儀で 主人公と共通する部分を持つ。 店の中で母親にぶたれた子ども(他人)が笑みを浮かべるところで主人公が、子どもの心理を察する場面がある。そこで最も共感した。 (怒られた子が 少し笑い顔になってしまうのは 相手を馬鹿にしている訳でなく、おそらく自己防衛本能や恥の心などが複雑に絡みあって出てしまった表情だと思うから。) 母の客から暴力を受けた子どもの傷ついた心に、自然治癒力をつけさせるかのように接する主人公には親しみを感じた。 寒いのか、クセなのか 足をこする子どものしぐさが実にリアル。 ひとすじ残す 終わりかたは 印象に残った。 ラスト9行が 特に。 | ||||
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スリ行為に快楽を感じる主人公と、人を思うように操ることに快楽を感じる木崎。 そんな悪漢を、どこか冷静に、詩的に描いている作品だと思いました。 主人公が自分の人生を客観的に捉えているあたりに独特のニヒリズムとナルシズムが見えるのだけど、格好よすぎる終わり方じゃないところがよかった。 緊迫した場面と、困難にぶつかった主人公が考える策なども読みどころですね。 この主人公を演じたい俳優さんがいっぱいいそうな作品だと思いました。 | ||||
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木崎がもしわたしの身の回りにいたらどうしているだろうなんて真剣に考えてしまった。 中村文則さんらしい、けれども今までを超えた作品だと思います。 どうしようもない悪。 どうしようもない運命、人生。 こういうものから逃れようとどんなにあくせくしたって結局人なんて無力でちっぽけなのに、 どうしてこの世にすがりつくんだろう、、、(私も含めて。。) 不条理だとか不誠実だとか悶々と考えている方、なーんにも考えてない方にも 是非読んでみて欲しい一冊です。 どう思いましたか?なんて話してみたくなりますよ。 | ||||
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スリも含めて反社会的な存在に好意を感じる、という筆者の作。 スリの所作のディティールも凝っていて臨場感もあるのですが、その行為に埋没する (せざるを得ない)主人公の心情描写が浅い、というかアッサリしすぎているような。 スリとは別に関わらざるを得なくなるウラ社会の仕事も含め、自分はイマイチ入っていけない作品でした。 | ||||
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